最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
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ワトスンの強さ

第1話ラストでシャーロックの命を救ったジョンですが、原作でもワトスンは、しょっちゅう銃を携帯して(させられて)います。


だが、目的地に近くなったころ、彼は急に私の正面に来て坐り――そのときは二人で一等車を独占していたのだが――私のひざに片手をおいて、こういう気分のときの癖で、妙にいたずらっぽい眼つきで私の目の中をのぞきこんでいった。
「ワトスン君、きみはこうした冒険に出かけるときは、よく武器を忍ばせたような気がするがねえ」
私がそれをするのは彼のためなのだ。ホームズときたら、事件に心を奪われると、自分の安全をも顧みない男だから、私のピストルが物をいったことも一度や二度ではない。(ソア橋・延原謙訳)


「一度や二度ではない」って!
やはり、書いてないだけで、ワトスンは色々やってますよね……
ちなみにこの後、「ワトスン君の拳銃」はとんでもない目に遭わされてしまいます。

ワトスンはずっと「軍用拳銃」を所持していて(ジョンの時も思ったけど、それは合法なんでしょうか)、初めて捜査に参加した「緋色の研究」でも、さっそくホームズに言われて準備しています。
「まだらの紐」「赤毛連盟」などでも持っていってますが、銃を携行するのはワトスンだけのことが多いようです。
ホームズは「棒術、拳闘及び剣術の達人」(緋色の研究)です。「美しき自転車乗り」では酒場で容疑者と拳闘をして怪我して帰ってきたり、「最後の事件」では日本の「バリツ」(柔術?)の心得があったおかげで生き延びたりしています。しかし、ピストルの腕はワトスンの方が上と考えているのか、または単に観察・推理に集中したいからか、危険がありそうなときはワトスンに銃を持って行かせる事が多いようです。

実際にワトスンのピストルが「物をいった」ので印象深いのは、「四つの署名」でしょうか。
この時はホームズも銃を持っていて、実際に人を撃っています。(そのことで間一髪で助かるのですが、同時に発砲したのでどちらの弾が当たったのかはわかりません)

ワトスンがホームズの命を救ったことがはっきりと書かれている事件といえば、「悪魔の足」でしょう。
この事件は、ホームズの健康が思わしくなかったため、二人がコーンウォールに小さな家を借りて転地療養するところから始まります。ワトスンは「ホームズの鉄のような健康体が、たえず過労を強要されるところへ、ときに自らおかす不摂生も加わって、衰弱の徴候を示し始めたのは、一八九七年の春のことだった(延原謙訳)」と書いています。(『自らおかす不摂生』は原文ではoccasional indiscretions of his ownですが、indiscretionの意味は『軽率な行為』『無分別な言動』です。)

事件解決のため、二人はある毒物の効果を確かめる実験をします。
ところが思ったよりも効果が大きく出てしまい、二人ともひどい恐怖に襲われます(ワトスンの描写を読むと、おそらく幻覚症状でしょう)。発狂の一歩手前で、ホームズの顔を見たワトスンは、それが被害者の表情にそっくりなことに気づきます。

ホームズのこの顔をみて、私はハッと正気にたち帰った。椅子からとび出してホームズを両手で抱きかかえ、もつれあうようにしてドアのそとへ出た。そしてつぎの瞬間私たちは芝生へ出て、並んで横になっていた。私たちを包む恐怖の雲をつき破って、輝かしい陽光を意識するだけだった。(悪魔の足・延原謙訳)


グラナダ版のドラマでは、この場面はホームズ視点で描写されます。彼の見た幻覚が奇妙な音楽と映像で表現され、その中には少年時代のホームズらしき姿も出てきます。
また、原作ではホームズとワトスンがファースト・ネームで呼び合う描写は一度もないのですが、グラナダ版では幻覚の中で、ホームズが一度だけワトスンのことを「ジョン」と呼びます。そのこともあって、よりホームズの内面に踏み込んでいる印象を受けます。(ちなみに、グラナダ版のホームズはこのお話の中で個人的な、しかし大きな決断をしています。グラナダ版製作陣は、ホームズの内面を語る上で、この事件を重要なポイントと捉えているのではないかと思います)

死に及ぶような危険がある時、ホームズがワトスンに銃を持たせるのは、銃の腕前云々よりも、生きようとする前向きなエネルギーを持っていること、つまり人としての基本的な強さに信頼を置いていたからかもしれません。

ホームズには薬物(コカイン)摂取の悪癖があり、当時は違法ではなかったものの、ワトスンは心を痛め、何年もかけて徐々にそれをやめさせました(『スリー・クォーターの失踪』)。その意味でも、ワトスンはホームズを救っています。

ホームズには、薬物に頼らずに良い精神状態を保てる心の健やかさこそが、ワトスンにあって自分にないものである、という自覚があったのではないでしょうか。ワトスンには医師としてのスキル、また軍務経験で培ったさまざまなスキルがありますが、多くの冒険の仲間として彼が選ばれた理由は、それだけではないと思います。

ワトスンには、「悪魔の足」事件を発表するつもりはなかったようなのです。
ところが、後年(おそらく、引退して別々に暮らすようになってから)電報でホームズに促され、
「彼がどうした風の吹きまわしでそんな古いことを思いだしたのか、またどんな気まぐれで私にその発表をすすめてきたものか、まったく見当もつかないが(延原謙訳)」と前置きして物語を始めています。

基本的にワトスンの記録が世に出るのを歓迎しないホームズが、この作品の発表を勧めてきた理由ははっきりとはわからないのですが(一応本人は『もっとも怪奇な事件だ』と言ってますが、ワトスンは納得してないみたいです)、あまり自分の功績を書きたがらない友人に対するフェアプレイの精神ゆえであったり、信頼や感謝をかたちとして残すためかもしれません。そうだったらいいなあ、と思っています。

余談ですが、ホームズたちが療養した「コーンウォール」は、「モンティ・パイソン特別講義」で松尾貴史さんだったか他のお二人だったか、「日本でいうと伊豆半島みたいなところ」と解説されていて、行ったことないなりに「なるほど!」と思いました。

現代版第3話で、初めの人質になった女性もコーンウォール在住でしたね。
東京の事件に伊豆で被害者が、と考えるとなんとなく事件のスケールが分かったような、余計分からなくなったような。とりあえず温泉は出てくる気がします。

【追記:2011.10.22】
現代版・ジョンの銃についてらいかみんぐ様が、原作・ワトスンの銃についてマツシタ様が、詳しい情報をくださいました。コメント欄をごらんください。










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この記事へのコメント

くどいです(ペコペコ) - らいかみんぐ - 2011年10月19日 22:38:11

なんですとーっ!! モンティパイソン特別講義!?....とググって初めて知りました。そんなイベントがあったんですね。そしてご覧になったんですね。ああ、うらやましいです。ささやかな私の脳味噌が、嫉妬の炎でこんがりお焦げになりました。ブスブス....あ、スミマセン、つい逆上しまして。閑話休題。

>ホームズがワトスンに銃を持たせるのは、銃の腕前云々よりも、生きようとする前向きなエネルギーを持っていること、つまり人としての基本的な強さに信頼を置いていたのかもしれません。

いや、ここです。ナツミさんがお書きになっているここ!! 思わず読み返すこと五回ほど。
ジョン・ワトスンの銃=生きるエネルギーの象徴=ホームズに欠けているもの。ナツミさんの文章を読んで、そうかあ、そうなんですよね!! と勝手に拡大解釈を始めてしまいました。

実はずっと気になっていたんです。現代版のジョンの銃。

●まず英国は日本並みに銃規制が厳しいようで、競技用でも狩猟用でもない銃を、退役軍人だろうが何だろうが、暗黒街以外の人が所有するのはまずもって無理。
●またプール場面でジムさんが、シャーロックに対して「君のポケットの(ブローニング)L9A1」などとうそぶいていましたが、実際にジョンが持っているのはシグ・ザウエルのP226。1話の引き出しをあけるシーンでしっかり見えます。
●そしてP226はとても高性能。つまり高い! 一応英国陸軍でも採用していますが、中でもSASなどの特殊部隊用。少し前にアフガニスタン駐留軍の一部で、UOR(urgent operational requirements=緊急運用要件)として配備されてはいるものの、どっちにしても軍医が持てるような銃じゃない。
●つまりどう転んでも不法所持。

では高い社会良識を持っているはずのジョンが、なぜ法の網をかいくぐってまで、それを所持しているのか。
ドラマツルギーはさておいて、最初は「お守り」みたいなもんかなーと思っていたんですよ。でも、たぶんあの銃の意味はもっと重い。ジョンの引きずる足と拳銃は、対照的かつシンボリックに配置されている気がします。

あの右足が自己喪失の結果なら、拳銃は「為したい。自分を確かめたい」という意志の象徴ではないでしょうか。いえ、意志というよりも身を焦がすほど強い欲求....ナツミさんのお言葉を借りれば、生きようとするエネルギーですね。
ギリギリの瞬間に、自分の手で仲間を守る。もしかするとアフガニスタンでは、何らかの理由でこれができないまま負傷し、トラウマを抱える羽目になったのかも。だからあの時、躊躇なく引き金をひけたし、その後もサバサバした顔をしていたのかもしれません。まあ、シャーロックのおかげで憑きモノが落ちたと。いやそれじゃ京極堂....。

>薬物に頼らずに良い精神状態を保てる心の健やかさこそが、ワトスンにあって自分にないもの

本当にお互い素晴らしくぴったりマッチする凸凹コンビですね! 秘密結社の割符みたいに、片方だけじゃ意味不明だけど、合わせると見事に文字が浮かび上がる....みたいな。会ったとたんにいきなり通電しちゃって走り始めちゃうみたいな、そういう快感があります。

原典はこれから勉強を始めるところですが(そしてついにアマゾンでグラナダ版を注文してしまいましたが)、ワトスンの銃はアダムズ1872年型みたいですね。ガイリッチー版では第二作目のポスターをみたところ、なぜかホームズがモーゼルを持ってるっぽいですが。
ともあれまだまだ粘土が圧倒的に足りません。
あたたかい空気に甘えてばかりで、勝手な垂れ流し、まことに申し訳ございません。陳謝しつつ退場致します。

- ナツミ - 2011年10月20日 04:34:44

な、なんですかこのコメント欄、どの記事よりも有益じゃないですか!!
ジョンの拳銃について詳細な情報、ありがとうございました!
やはり不法所持ですよね。というか、そもそも軍医ってそんなに射撃が上手いものなのか、というのにも疑問がありました(それは原作もだけど…)

ちなみに原作のワトスンの銃は軍用制式拳銃(service revolver)と「緋色の研究」に書かれているので、当時の制式拳銃がアダムス1872年型ということなんでしょうかね。
「イリーの二号ピストルくらいはないと話になるまいよ(まだらの紐・延原謙訳)」とホームズが言う場面があるので、そういう名前なのかと思っていました。ホームズの銃がそっちなのかな?

そして、「脚と拳銃」の深いご考察もありがとうございました。
ジョンが戦場に、何らかの強い思いを残してきたとのお考えに、私も賛成です!

らいかみんぐさんは、DVDに収録されている"A Study in Pink"のパイロット版はごらんになりましたか?
ラストのシーン、シャーロックがレストレードと別れてジョンに駆け寄った時、銃をどうしたのか聞きます。するとジョンは「テムズ河の底だ」と答えているので、少なくともパイロット版では、ジョンが引き出しに入れていた銃は廃棄されたようです。
この設定が本編でも生きているとしたら、3話でシャーロックが持っていた銃は別のものかもしれません。
(そして、河に捨てられたのは、らいかみんぐさんのおっしゃるように『憑き物落し』ができたということかも)

「人を一人殺した後だ」と言われたジョンのセリフもすこし違います。

"I've seen the men die before, good men, friends of mine.
I thought I'd never sleep again.…… I'll sleep fine tonight.”

「僕は前にも人が死ぬのを見てきたよ。いい奴らだった。友達だったんだ。僕はもう二度と眠れないと思った。……今夜はよく眠れそうだ。」

今までは、パイロット版は別物と考えた方が良いかと思い、触れていなかったのですが、上記のセリフがらいかみんぐ様のご考察にピッタリだったので、つい書いてしまいました。

こちらのセリフが変更されたのには何かの意図があるのでしょうから、本編のジョンと同じと考えていいかどうかわかりませんが、少なくともパイロット版のジョンは、犯人に向けて、今まで撃ちたくて撃てなかった弾を撃ったのでしょうね。だから、もう銃はいらなくなったのだと思います。

らいかみんぐさんもパイソニアですか!
リンク先のエリックのメッセージ動画、強烈ですよ~!
私は最近教えていただいてハマッたばかりで、まだまだひよっこでございます!
この秋はドラマ"Holy Flying Circus"も楽しみですね~!!


なるほど! - らいかみんぐ - 2011年10月21日 22:15:07

パイロット版、そんな展開だったんですね。教えて下さってありがとうございます!!
日本版DVDはいつになるかわからないし、英語字幕はあるだろうから輸入版を買おうか、いやこれ以上無駄遣いは....と、ほぼ毎日煩悶しています。
戦場に関するジョンのセリフ、とても納得しました。そして制作陣は、あえてその「説明」をカットしたわけですね。かなりの自信と思い切りがないとできない技じゃないでしょうか。スゴイなあ。その方がずっと深みが増しますね。ナツミさんの絶妙なコメントに再度感謝します。

本当のジョンの銃はテムズ川に埋葬されていて、後半でシャーロックが好き放題に使っているのは別の銃....と考えるのも楽しいです。もっとも3話登場も同じシグP226ですし、二人の言動から見ても、やっぱりジョンの銃みたいです。でもトラウマから解放された銃は、ただの銃になったでしょうし、そういう意味では別物かも。(しかしその違法拳銃を平然と所持しているジョンって....奥が深すぎる)

蛇足:エリックの動画、大笑いしました。ドラマ情報もありがとうございます! 日本放送は....無理でしょうかね。ああ。でもパイソニアンを名乗れる身ではありませんです。ココナッツの殻を手にパカパカやりたい!と思う程度の底浅ファンです。

パカパカしながらこんばんは - ナツミ - 2011年10月21日 22:18:12

パイロット版、まだご覧になっていなかったんですね!大変失礼致しました。(読んでくださっている方で、あとで観るつもりだったのに~!と言う方がいらっしゃったらその方にもごめんなさい)

DVDは英語字幕ついてましたよ!。ついでに今ちゃんと字幕を確認してみたら、good menとfriends of mineの間にandがあるのを聞き逃していたので、「(死んだ男たちの中には)友達だっていた」というニュアンスかもしれません…重ね重ねすみません。低い英語力でひーひー言いながら観ております。


> そして制作陣は、あえてその「説明」をカットしたわけですね。

そう!一度そこまで設定したものをカットするって、すごく勇気のいることですよね。

私も、変更後の方が好きです。
上の記事でワトスンの「健やかさ」だけを強調してしまった後で、今日一日後悔したんですが(仕事しろ)、
ジョンには、まっすぐなエネルギーがある一方で、暗い面もすごくありますよね。それがマイクロフトとの出会いの場面や、この場面に凝縮されているような気がします。
暗いと言うのが言いすぎなら、彼独自の善悪の定義を持っているとでもいいましょうか。
そして、悪いと思ったものは自らの手で裁く冷酷さがある、というか、時折(いわゆる、法律や国の立場に裏付けられた)「正義」に絶望しているような表情を見せるような気がします。
自分より大きな存在に全くへつらわなかったり、法を犯しても自分の正義は自分で守ろうとしたり。

ジョンはシャーロックに対しても、「正義」に関しては自分のスタンスを譲ろうとしません。(セクシャリティーに関しては鷹揚、っていうかどうでもよさそうなのに…)「強い」ようでいて、独善に転びかねない危うさがあります。
変更後のセリフは、ジョンが自分の行動を正当化している印象がないのが、個人的にすごく好みです。

3話の銃も同じ銃なのですね。(銃に詳しい方ってなんだかステキっ!)
確かに、二人の言動から見ると、ジョンのものらしいという印象を抱きますね。
(シャーロックが壁を撃ったのも同じ銃でしょうか。あの時はまさに『没収』という感じでした)

ネタバレついでに言ってしまうと、記事に書いた「ワトスンの銃がひどい目にあう」というのは、実は「水没」なのです。(もちろん犯人は『いたずらっぽい眼』をしてた人)ホームズは引き揚げる、と言ってましたが、水没した銃がもう一度使えるようになるのか、大いに疑問です。もし大丈夫なのなら、ジョンの銃もテムズの底から復活したのかも(探しに行った二人を想像すると笑えますが…)

私も一緒にココナッツの殻をパカパカさせてください!
(あのお城の近くのお土産やさんではココナッツの殻が売ってる、というのは本当でしょうか)
「スパマロット」の日本版公開が近づいているので、ドラマも放映してくれるといいですね。

追記:2枚組DVDの特典映像に、テリー・ジョーンズとマイケル・ペイリンが城内の売店を訪ねる場面があるのを教えていただきました。ココナツは「貸してくれる」のですね。変なところで合理的だ・・・

原作ワトスンの銃 - ナツミ - 2011年10月22日 06:33:00

原作の、ワトスンの銃についてマツシタ様がメールで補足を下さったので、お許しを得て追記しておきます。
延原謙訳では「イリーの二丁ピストル」となっていますが、「イリー」は実在する会社で、弾丸を製造しているそうです。
原文は"An Eley’s No. 2 is an excellent argument with gentlemen who can twist steel pokers into knots."
なので
「鉄の火掻き棒をねじ曲げてしまうような紳士には、イリーの2番(?)が喧嘩相手としてふさわしい」
という感じでしょうか。マツシタ様のご指摘通り、Eley's NO.2はピストルでなく、弾丸の名前と考えても文章に破綻はないので、らいかみんぐ様のおっしゃった「アダムズ1872年型」拳銃に「イリーの2番」弾丸を込めて使用していた、というのが正解のようです。
マツシタ様、らいかみんぐ様、ありがとうございました!
(それにしても弾丸まで特定してしまうことになるとは、思いもしませんでした。ミリタリー女子に最敬礼っ!)

興味深いコメント満載で、楽しんでいます。 - RM - 2011年10月23日 00:20:54

私はあいかわらず、グラナダ寄り、しかも今までで一番幼いコメントかもしれません。

「私のひざに片手をおいて、こういう気分のときの癖で、妙にいたずらっぽい眼つきで私の目の中をのぞきこんでいった。」

えーっ、原作にこんな描写があるんですか?妙にいたずらっぽい眼つきですって?ひざに片手?のぞきこんで、ですって?目の前にジェレミーの表情が大写しに浮かんでいます。きゃー。

失礼致しました。

とこれだけでは何ですので、もう一つ。またまたグラナダ版で。「悪魔の足」の幻覚シーン中の、少年時代のホームズらしき姿、あれはジェレミーの小さい頃の写真を使ったのだ、と書いてある本があるのですが、どう思いますか?ジェレミー、エドワード、マイケル・コックスにインタビューしたことがあるElizabeth Trembleyという人が「It's a Print!」という本の中で書いていて、マイケル・コックスの「A Study in Celluloid」では、幻覚シーンの分析に興味がある方はこの本を読んでください、と紹介されているのです。私はこの本を読むまでは、あれがジェレミーの写真だとは思いもしませんでした。第一洋服がジェレミーの子供時代のものとは思えなかったので。でも、出入りしているフォーラムで意見をたずねたら、何人かの人が、あれはジェレミーだと思う、特に耳がそうだ、洋服が古い時代のものなのは、写真を合成したのではないか、と書いてくれました。私は今は、8割6分くらい「ジェレミー説」に傾いています。

ジェレミーか・・・なあ - ナツミ - 2011年10月23日 08:54:09

「いたずらっぽい眼で~」の場面、グラナダ版ではなかったんでしたっけ!?
おかしいな、私の頭の中には完璧にジェレミーとハードウィックで再現されるんですが、記憶と妄想を混同しているんでしょうか・・・

原作を読んでいると、ジェレミーの所作や表情がすっと眼に浮かぶことがよくあります。
まずキャスティングが原作ありきで、ジェレミーも本当によく原作を読み込んでいるのですよね。何より、RMさんのブログでもしばしば出てくるように、彼が"becomer"であることが、文章と映像を強く結びつけているのでしょう。

「悪魔の足」の幻覚場面、私も「小さい頃のジェレミー」と聞きかじったことがあります!しっかり調べることもなく「そうなのか・・・」と思うにとどまってしまったのですが、DVDを確認したら確かに耳が似ているかも・・・。

もし小さい頃の写真を持ってくるまでしたとしたら、ジェレミー初めスタッフは「ホームズの少年時代」を相当重要視しているのですね。
私も9割4分くらい「ジェレミー説」でお願いします!
(※数値にたいした意味はありません)

- デース - 2015年01月19日 15:17:07

私はドイルはだいぶ昔にかじった事位しかありませんがミリオタなので銃には詳しいと自負しております。原作でワトソンが所持していた拳銃はウェブリー社の中折れリボルバーシリーズじゃないかと言われています。プライス、カウフマン、ガバメント(あの有名なコルトの.45口径オートM1911とは全く無関係)の三つが陸軍や警察に採用されていたりメジャーだったのでこの辺が臭いんじゃないだろうかと思っています。実はこの中折れリボルバーシリーズ。実に長い間イギリスのお役所や軍隊で使われてきました。中では1963年まで…中折れ式リボルバーは初期のもので威力が弱く、他のリボルバーに比べて整備が欠かせませんでした。真ん中がおれるような仕組みなので構造上ロープレッシャーの弾薬を使わざるを得なかったのです。リボルバー自体即応性が低かったので軍用拳銃の座をオートに譲りました。弾数の多さと即応性が売りのオートに対抗し、リボルバーは簡単な仕組み故の信頼性と高い威力とストッピングパワーに活路を見出だします。中折れ式は特に高威力と言う点では優れていなかったので二次大戦以降主流機構とはなりませんでした。リボルバーの天下を取ったのはスイングアウト式と中折れ式よりさらに古いが、さらに簡単な構造のソリッドフレーム式でした。
現代版ホームズでの拳銃ですが実は使われていたのは日本のメーカーのガスガンです。よく見ると東京マルイのロゴが入ってます。マルイのP226レイルだそうです。因みにL9A1は1935年に作られたFN ブローニングM1935ハイパワーの英軍モデルです。設計者は鬼才ジョン・M・ブローニング。現代オートの殆どの設計が彼の作ったハイパワーとコルトM1911に基づいていると言われています。ハイパワーは13発もの9mm×19弾を装填できたためハイパワーと名付けられました。P226は我が国の自衛隊も採用したP220の多弾数モデルです。少々値が張りますが頑丈さと安定した射撃性能を持っています。アメリカ軍も海軍のSEALsが使っていたりします。高性能と言われますが単純な集弾性や速射性はベレッタ92の方が高く、飛び抜けた性能ではなくなべて高性能な拳銃…だそうです。何で一介の軍医が持ってるのかって話ですが…長々とした文を書いてすいませんでした…まあ何にしろワトソンは軍医としては凄まじく強いような気もします。正に高性能ドクター。ダメなところは博打狂いって所でしょうか…兄貴がだいぶ適当でずぼらな人物と言うような事をホームズが言及してたので血は争えないのかも…

戦う軍医 - ナツミ - 2015年01月19日 23:54:51

デース様

初めまして。コメントありがとうございます。

す、すみません、銃についての知識が全くないので、大学の講義に紛れ込んだ幼稚園児のようなお返事しかできそうもないのですが、原作・現代版の銃にまつわるさまざまなお話、たいへん面白く拝読致しました。
まさに「豚に真珠」状態で、気のきいた反応ができず申し訳ありません……

ワトスンは軍医にしては強い……やはりそうなんですね。そもそも軍医は非戦闘員だと思ってました。ジェフを仕留めたジョンはもちろん、原作のワトスンも虎の子や犬を撃ったり、ホームズと同時に発砲して人を撃ったりしてますね。ジョンと同じように「射撃の名人」と言っていいでしょうね。

ミステリー物に欠かせない銃の逸話、少しずつでも勉強していきたいと思います。
たくさんのご教示、ありがとうございました。

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プロフィール

Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

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