最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
★コメントを歓迎しております。初めてコメントくださる方は、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。
→「コメントをくださる方へ
「あの場面の元ネタは?」という時はこちらへ
記事索引「ブリキの文書箱

タイトルについて(4)

昨夜SHERLOCK好き仲間の友人とカレーを食べに行きまして、いや、カレーは関係ないんですが、久しぶりに話しているうちに話題がテレビから互いの仕事のことに移り、「仕事に対する部外者からの批判」ということに及びました。
まあ、そこら辺はよくあるサラリーマンの愚痴なんでとばしますが、ここのところ私が書いた記事に関しても色々考えさせられまして、「人のつけた題名にああだこうだ言う記事を書いた以上、私も自信があるかどうかは別として、自分の考えを言うべきではないか。そしてそれに対する批判があれば、受け入れるべきではないか」と思ったわけです。
(これはたまたま私が『ホームズ好き』という、いわば『同じ土俵』のはしっこに立ったつもりだから出てくる発想であって、世の中の人が全員『代案がなきゃ批判しちゃダメ』なんて言うつもりはないですよ!そんなこと言ったら映画評論家は全員映画作らなきゃならないし、相撲の解説者は現役力士限定になっちゃいますから!)

前置きが長くなりましたが、要するにこの記事は、その友人に向けて「ほら、やったぜ!あまつさえ、世界に向けて発信しちゃったぜ!」と虚勢を張るためだけの、いわばいい年した子供の意地の張り合いの産物でございます。

昨夜帰宅してから「もし私がつけるとしたらこんなタイトル」を真剣に考えました。
(正直なところ、本業でものを考える時にかける時間の数倍は熟考しました…)

そして一夜が明け(人に突っ込まれる前に自分で言っておきます。仕事しろ!)
私なりの答えをどうにかひねり出してみましたので、以下に書かせてください。

第1話「桃色の研究」
「ピンク色の研究」で完全にOKだと思うのですが、前述の友人の目を意識して、姑息にちょっと変えてみました。
あえてこじつけるなら、「緋色の研究」と文字数を揃えたかった、というのはあるかも。
でも、媒体がテレビですし、3話で登場人物の会話にも出てきますから、文字より音を優先すべき。
音としてはむしろ「ピンク色の研究」の方が「緋色の研究」に近いんですよね。やはり、プロの翻訳家さんの訳は凄いんだ!と感じ入った次第です。
ちなみに、このタイトル関連記事を書くきっかけになった望 岳人様のブログ記事によると、pinkは「桃色」じゃなくて「撫子(なでしこ)色」と訳した方が正確なようです。
「撫子色の研究」…女子サッカーワールドカップ前後の放映だったら、イケたかもしれない。

第2話「踊る土蜘蛛」
過去記事で一番偉そうなこといった題なので、責任とろうと一生懸命考えましたが、やはり「暗号」をそれとわからないように題名に持ってくるのは難しかった…!ので、「暗号を書いた人」であるリャン氏(スー・リン・ヤオの兄)に逃げました。(ああそうさ、その時点でもうマイナス50点さ!!)
「踊る」の部分に「暗号感」がトッピングされているとお考えください(※マニア向け過ぎるのでマイナス20点)
でも望さんが「モチーフは『這う男』かも」とおっしゃっていたから、彼を影の主役と捉えてもいいかな、と思って…(ごにょごにょ)
なぜ「土蜘蛛」かというと、イエロー・ドラゴン・サーカスでシャンが彼を"the deadly Chinese bird spider"と紹介していたからです。Chinese bird spiderは、「オオツチグモ科」に属しています。私たちが「タランチュラ」と言う毒蜘蛛は、学術的にはこの科に属するクモのことみたいです。(日本にいないせいか、chinese bird spiderの和訳は見つかりませんでした。クモの毒に関する論文の中に「チュウゴクトリクイグモ」という言葉をみつけましたが、同じものを指すかははっきりしません)
でも「踊る蜘蛛」は語呂が悪いし、「踊るチュウゴクトリクイグモ」では詳しすぎて動物ドキュメンタリーみたいだし、「踊るタランチュラ」では毒殺っぽいしなあ、と思っていたら、wikiで「土蜘蛛」というページを見つけました。

これがなかなか興味深いページでして、「土蜘蛛」は実在する昆虫ではなく、日本の妖怪の名前なんです。
その起源は「古事記」や「日本書紀」に遡ります。もともとは、天皇への恭順を表明しない豪傑などに対する蔑称だったそうです。朝廷はこうした人々を軽蔑すると共に、大変恐れていたとのこと。
私の中では、裏切り者は即始末する「黒蓮」と、彼らから隠れて生きるスー・リン・ヤオのイメージにつながりました。

…つまり無謀にも、ダブル・ミーニングっぽいことに挑戦してみたわけです。ええ、笑ってやってください…
(マニアックにも程がある上に色々と取り扱いが厄介な気がするので、マイナス30点)

しかし、シーズン2のタイトルはどれも「元の話」がすぐにわかる直球傾向なので、もし今後もっとストレートに「踊る人形」を基にした新作が出てきたら、シリーズの中で似た題が重複する怖れがあります。
日本語版スタッフさんは、その辺りを考慮して「踊る」という表現を避けられたのではないかと思います。

第3話「大いなるゲーム」
これは、もうこれ以上のものは思いつきません!
個人的には「変人大戦争」って呼んでますけど(ゴジラVSガメラみたいなイメージで)、それはまた別の話です。


いかがでしたでしょうか。
NHK版のタイトルは優れている、ということを裏付けただけになってしまいましたが…

でも、この4つの記事を書いて、あらためて翻訳って面白いんだなあ、と思いました。
言葉を外国語に変換するだけじゃなくて、言葉に込められている意味や、言葉につながっている文化への知識と想像力、そして何より「創造力」が必要。私はどれもまだまだどころか、「まだ」が100個くらい必要みたいです。

また、物語を短い言葉に凝縮する「タイトルをつける」という作業も、広い意味では「翻訳」といえるのではないでしょうか。

創作でも、翻訳でも、「ものを創る」ことは大変。
それに批判を加えることや、それを見た上で私みたいに「後出し」することは、創り出す事に比べたらずっと簡単。
でも、(中傷は論外として、それが正当な批判であれば、ですが)何の批判もないところによい作品は生まれないし、「後出し」の繰り返しによっていずれ良いものが生まれてくる、ということもあるのではないかと思います。
私は、「はじめにやった人」への敬意を持った上で、愛ある「後出し」もいっぱい見たいなあ、と思います。

そんなわけで、3つのタイトル、「こんなのはどう?」という方がいらっしゃったらぜひ教えてくださいね。





関連記事
スポンサーサイト

この記事へのコメント

何だか - だい - 2011年10月12日 09:41:08

ナツミさんて、ジョンを思い出させてくれますね。
私の中では、すごく似ているように感じます。
急にタイトルについて真剣に考えるなんて、ちょっと微笑んでしまいました。

第2話 踊る土蜘蛛・・すみません、かなり笑ってしまいました。でも、すごく悩んだのがよくわかります。
The deadly chinese bird spider がすごく気になっていました。勉強になりました。私鳥を食うクモ(そのままです)を想像しようとして失敗、モスラが出てきてしまいました何故?(悲)
幼少時の刷り込みって恐ろしいですね(年がばれます)。
第3話 これは同感です。原題も邦題もそのまま感じがつかめます。
ナツミさんがおっしゃるとおり訳すって言葉に対する感じ方を常に敏感にしていないと難しいですね。以前、戸田奈津子さんが、電車の中では、女子高生のおしゃべりを真剣に聞いて今の言葉を覚える。と言うようなことをおっしゃってました。
そのような大変な作業を真剣に考えてくれたナツミさんに拍手を送ります(パチパチ!)ってしょぼくてすみません(悲)

きゃ~ - ナツミ - 2011年10月12日 21:53:11

ジョンですか!?
世界中のジョンファンを敵にまわしてしまったような気がしますが、正直なところかなり嬉しいです!
(主人公はシャーロックなのに、『シャーロックに似てますね』と言われるより嬉しい気がするのはなぜでしょう…)

でもジョンって、すごく多面性がありますよね。シャーロックを受け入れる包容力や我慢強さがあるかと思うと、意外な場面でぶち切れたり。銃の名手なのに無人レジは苦手だったり。

2話の冒頭で無人レジに話しかけたりシャーロックに厭味言ったりしてるジョンは、かなり自分に似ている気がしますよ!
だいさんは、シャーロックとジョン、どちらのタイプなのでしょうか。
(聞いてるそばから『その2択かよ!』って自分でも思いますが…)

そうなんです、まじめに悩んで、100パーセントの力を出し切った上での土蜘蛛チョイスです(笑)
なんとなく考え方の筋道は得た気がするのですが、あとはもう、センスの問題なんでしょうね~。
ぜひどなたかに最高の解答をいただきたい!俺の屍を越えていけ!という心境です…
温かい拍手をありがとうございました!連休は無駄に過ごしましたが、だいさんのコメントで報われました!


>私鳥を食うクモ(そのままです)を想像しようとして失敗、モスラが出てきてしまいました何故?(悲)

モスラの意外性に笑いました!(そして、私もすぐにわかる世代です)糸を吐くからでしょうかねえ?
実はChinese bird spiderの画像も貼ろうかと思ったんですが、検索してみて「こんなの貼ったらただでさえ少ないアクセス数が激減しかねない」と判断致しました。

戸田奈津子さんのような大御所の先生も、そのような努力を重ねられているのですね!
若者の会話は若者らしく訳さないといけないからなんでしょうね。本当に、大変なお仕事ですね~。

その2択・・ - だい - 2011年10月13日 11:04:26

選べません、シャーロックに憧れを持つと言うことは違うタイプと思いますし、ジョンは私とはかけ離れていると思います。
実は、第2話、冒頭部分見ていないんです!
私の地域はその日その時間、ざんざん降りの雨で映りませんでした。(BS本当に何とかして欲しい・・)
その為、いきなりセバスチャンのシャーロックへの嫌み炸裂の場面でした(大学時代の同級生なのでしょうか?まっ、学食みたいなところで、昨日、彼女と○○しただろう!?なんて言われたら一生根に持つのもわかりますが・・)
思わずシャーロックにそんなこと言わないで!
このぼけなすセバスチャン!などと悪態をついてしまいました(乱暴です、反省。)

そんな訳でDVD発売待ちです(ワクワク)

話が明後日の方向に・・すいません、グラナダホームズを見て気を静めます。
では、また・・・。

なんと! - ナツミ - 2011年10月13日 20:06:48

第2話の冒頭部分を観ていらっしゃらなかったとは!
それは、色々とネタバレしてしまって失礼致しました!
セバスチャンは同じ寮で過ごした仲のようですが、本当に絵に描いたような「やなヤツ」に描かれてますねえ。
シャーロックがジョンを紹介するときに「友達」を強調したり(『僕にも友達できたよ!』って感じでしょうか…)、とりあえず笑顔を作ってみたり、なんだか健気に思えます。(事件の難しさに心惹かれたとはいえ、ちゃんと旧友としてピンチを助けてあげるんだから、シャーロックは基本的にいい子なんですよね…)

だいさんはシャーロック派なんですね!グラナダ版のホームズのファンでもいらっしゃいますよね。二人のホームズの役者さんは一見違うタイプですが、ファンの目で見ると共通する「ここが好き!」な部分もあるのでしょうか。

DVD発売(または再放送…できれば地上派で!←BS観られない人のこまめな主張)まで、グラナダホームズに癒されましょう♪グラナダホームズの話題もぜひ、書き込んでくださったら嬉しいです~!

シャーロック派です - だい - 2011年10月14日 09:36:52

グラナダ版もBBC版もホームズがワトソンに甘えたり、拗ねたりするところが何ともいえず胸がキュン(今は使わない言葉ですか?)となります。
2人の俳優、と言う目で見ると共通の所って、捜すのが難しいかな?
私は、しいて言えば<目>でしょうか?
2人とも目が素敵なんですよね〜!美しいと思います。

あまり浮かばない・・今度、気にしながら見てみます。だって、何度見ても楽しいから〜!!
何か発見があったらコメントしますね。

わかります!わかります! - ナツミ - 2011年10月14日 22:08:17

>ホームズがワトソンに甘えたり、拗ねたりするところが何ともいえず胸がキュン(今は使わない言葉ですか?)となります。

グラナダで、ワトスンが流行病で忙しいって設定で出てこない回がありましたよね!?
あの時ホームズが「彼の処方なんてりんごの擦ったのだけだ」というようなことを言った時、文字通り胸がキュン(たぶん今は使わないんでしょうね…)となりました!
りんご擦ってもらってるんだ!って!(男性のグラナダファンにこの胸キュンを熱く語ってみたところ、『昭和の子供かよ!』と軽く切り捨てられましたが…)


> 2人とも目が素敵なんですよね〜!美しいと思います。

確かに!タイプは違えど、二人とも印象的な目をしていますよね。
私は「声」かな?「指」も捨てがたいな~…

ホームズって、ほんの少しの印象の違いで「嫌なやつ」に見えてしまうと思うんです。
人に対して横柄だったり、自負の感じられるセリフを言ってもどこかチャーミングなのは、役者さんの力ですよね。
ベネディクト・カンバーバッチの「作り笑い」と「心からの笑い」の演じ分けは、すごいな~と何度も見入ってしまいます。

> あまり浮かばない・・今度、気にしながら見てみます。だって、何度見ても楽しいから〜!!

そう!何度見ても楽しいんですよね。
私も、このブログは「誰かに何かを伝えるため」よりも「自分がホームズを何度も観たり読んだりするため」なような気がしています。
もちろん、見て思ったことをこうしてお話できるのも楽しいです。何度も見て何度も語ってくださったら嬉しいです♪

トラックバック

URL :

プロフィール

Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

『高名の依頼人』のこと書きましたが、6月24日までグラナダ版がGYAOで無料で観られるそうです。
こちら

メールはこちらへ

Twitter
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
索引
このブログで考察した「元ネタ」を、ドラマの時系列に沿って探すための索引サイトです。 順次更新致します。 「21世紀探偵・ブリキの文書箱」
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
blog mura