最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
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試合に負けて、勝負に勝つ?

モリアーティーが用意した5つの「ゲーム」のうち、2つ目はある男の失踪事件でした。
被害者の妻にシャーロックが「ご主人の古い友人です」と名乗って話しかけますが、とんちんかんなことばかり言って妻を苛立たせます。
ある反応を引き出すために故意にこういう話し方をした(要するにカマをかけた)のですね。
人っていうのは、何かを教えてやるのは好きじゃない。反論するのが好きなんだ」とシャーロックは嘯きます。

ホームズはよく「コールド・リーディング」の達人と言われます。
これは相手に自分の話を信じ込ませるための手法で、占い師や霊媒師がよく使う話術だそうです。
私の理解が十分かどうかわかりませんが、

1:相手を観察し、それをもとに相手にあてはまるようなことを言う
2:「○○ですね?」というような質問をしながら、さらに相手の情報を引き出す
 

すごく簡単に書きましたが、この二つを繰り返し、ボロが出ないように巧みに修正しながら一般的(誰にでも当てはまるような)な話題から、相手についての具体的な話題へ持っていくと、聞いている側は「この人は私よりも私のことを知っている」と思ってしまうらしいです。

ホームズは1に秀でていて、しかも観察から推理の過程が速く、そこから出た結論をずばっと相手に突きつけます。その象徴がワトスンと出会ったときのセリフ「あなたはアフガニスタンに行ってきましたね?」ですが、依頼人に対してもよくこれをやっています。(初対面の相手にいきなり『あなたが○○で、今日は××に乗ってきたということ以外存じ上げませんのでね』なんて言って驚かせるパターンですね)
これで依頼人はホームズの実力に驚き、信頼するようになり、捜査にも協力的になるのです。

依頼人を信用させるだけでなく、捜査中、特に聞き込みの段階で相手から聞きたいことを引き出す時にもこの話術が用いられます。
ホームズの目的が「相手に自分を信頼させること」でない場合、知りたい情報を引き出せればそれでよいので、シャーロックが使った「相手に自分の間違いを正させる」という手法でもかまわないわけです。

「青いガーネット」に登場する鵞鳥の仲買人、ブレッキンリッジとホームズの会話が良い例になると思います。

鵞鳥の仕入れ先が知りたいと言うホームズを怪しむブレッキンリッジ。ホームズはブレッキンリッジの風貌から彼が賭け好きだということを見抜き、「仕入れ先がどこだか賭けをした」と嘘をつきます。さらに、ブレッキンリッジ自身に賭けを持ちかけ、わざと間違った方に賭けて、見事仕入れ先台帳を見せてもらうことに成功します。

ただし、賭け金の1シリング取られているので、現代版シャーロックがこれをやったら、あとでジョンに怒られそうですね…(当時の1シリングは現代日本でいうところの1200円にあたるそうです※。充分明日の牛乳買える!)


ここからは余談。この「ゲーム」の鍵となるレンタカー屋さん、ジェイナス・カーズの名前は「二つの顔を持つ神」から取られていて、その名が解決へのヒントともなっています。
この「Janus」という名前、30代くらいの方ならピンと来るんじゃないでしょうか。
そう、子どもの頃に夢中になって観た(←決めつけ)大映ドラマ「ヤヌスの鏡」のあのヤヌスですよ!

というわけで、この「ジェイナス・カーズ」が日本放映の際どう訳されるのか、興味しんしんの私です。
だって「ヤヌス・レンタカー」とかだったらほとんどの日本人が名前だけで怪しむよ!(←そうか?)

とりあえず、あのおじさんが杉浦幸に見えちゃった方は私と同世代です。

※「青いガーネット」当時のロンドンの貨幣価値を調べていたところ、「The Diogenes Diary」という日本語のサイトさんがとてもわかりやすい記事を載せていらっしゃったので、参照させていただきました。ありがとうございました。

【追記】(2012.6.16)ホームズがブレッキンリッジにとられた(あげた)のは1シリング(約1200円)じゃなくて1ソヴリン(約24000円)でした。お詫びして訂正致します。あまりの金額に、納得いかない気持ちでいっぱいです。
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この記事へのコメント

- YOKO - 2012年09月28日 16:59:26

コネタ過ぎて申し訳ないんですが、私、ホームズ物語に出てくるこのお金の単位「ソヴリン」をずーっとずーーーと、「ゾウリン」だと思ってました。
今の今まで。
草履みたいな名前だな~なんて。

ソブリン債 っていう時のソブリンと同じ単語ですね!
いや~~、思い込みって怖いですね。

と、いうことは - ナツミ - 2012年09月29日 04:52:42

「強情はるもんじゃないということを教えるために、一ゾウリンだけ賭けよう」(シャーロック・ホームズ)

「聖モニカ教会よ。二十分で行けたら半ゾウリンあげるわ」(アイリーン・アドラー)

YOKOさんの中の正典面白すぎます………!

ゾウリン - YOKO - 2012年09月29日 14:03:30

衝撃のあまり(?)ネットで検索してみましたら、ちらほらありましたよ・・ゾウリンって書いてる人が・・・^^
私だけじゃなかった!!!
うふふふふー

まじですか! - ナツミ - 2012年09月30日 12:36:20

「しかつめらしい」をずっと「しかめつらしい」だと思っていた私が言うのもなんですが、そんな怪獣みたいな名前だと思っていた人がほかにも!?

ところで嵐ファンの友人によると、ゾウリンといえばこれだそうです(かわいい…)
http://www.youtube.com/watch?v=c-y-xnHiKJQ

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Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスンがより好きです。

2017年エイプリル・フールお片付けしました。お付き合いありがとうございました!片付けきれてないところがあったらお知らせいただければありがたいです。

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