最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
★コメントを歓迎しております。初めてコメントくださる方は、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。
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ワイルダー版あれこれ

お久しぶりです。『忌まわしき花嫁』に関してはエイプリルフールでやりきった気がしていたのですが、実際は何もやっていないという恐ろしい事実に気づいた、21世紀探偵です。
とりあえずやっとワイルダー版の『シャーロック・ホームズの冒険(The Private life of Sherlock Holmes)』を観ました!
以下、映画のネタバレがありますので、未見の方はお気をつけください。

中学生くらいの時、深夜の放映で観て以来です。子ども特有の妙な潔癖さで「ワトスンがアホみたいだった」のが辛くて(思春期の女の子にとっては、ゲイネタの扱われ方もイヤだったんでしょう。制作当時に比べて、同性愛に対する社会の認識は多少変わってたと思います)、大人になってからもなんとな~く観てなかったんです。
ワトソニアンに優しいグラナダ版が当時既にあったので、依存に近い形で満足しちゃってたんですね。

現代版の直接の元ネタという知識はあったので「いつか観なくては」と思ってたのですが、向上心、というか良い意味でのオタク気質が全く無い私は「勉強のために観る」のはなんとなく気が進まず、のらりくらりと先延ばしにしておりました。
他のワイルダー作品は何本も見ていて、とても好きなのですが(『ホームズ』に前後して『失われた週末』が放映されて、そちらは子どもなりに楽しく観られたのをよく覚えてます)。

しかし、今更ですがこの映画、面白い!ワトスンはギャーギャーうるさいし、長回しのギャグは時にくどいんですが、登場人物全員が、どことなくチャーミング。
『SHERLOCK』に馴染んだ後で観ると、ホームズ&ワトスンの喋り方とか間の取り方がそっくりだし、何より『原作の小ネタをえげつないほど詰める」という手法が同じ。

トラウマ克服した!これはこれで、イイ!
2回、3回と観て気づくことも多いと思うのですが、とりあえず初見で「これは!」と思った『SHERLOCK』との関連をランダムに挙げてみます。原作ネタは多すぎるのでカッツ・アイで!
先日BSプレミアムで放送があって、もう色々な方がやっていらっしゃるので、ネタがかぶってたら申し訳ありません……

早川書房のトークショーで日暮雅通先生がご指摘なさっていた通り、『忌まわしき花嫁』のオープニングは初めのカットこそグラナダ版ですが、残りはほぼほぼワイルダー版なんですね!
『ストランド・マガジン』も出てくるし(こちらは季節柄『青いガーネット』ではなく『赤髪組合』)、ハドスンさんとのやりとりやワトスンの作品批判は、まんまワイルダー版のパロなんですね。

・ホームズの煙草の灰研究に対して、ハドスン夫人が『泣くほど需要がある』と皮肉るところは『The Empty Hearse』でほとんど同じ台詞が使われてたと思います。

・事件がないとイライラしてしまうホームズ、自分の脳を「スピードを抑制されたレーシングエンジン」に例えますが、これは原作の『ウィステリア荘』と同じ。現代版(『The Hounds of Baskerville』)では、「発射台に括りつけられたロケットのエンジン」。ちょっと進化してる(技術的には)。

・ロシア人の若いバレリーナたちに囲まれて、鼻の下を伸ばすワトスン、言葉が通じないのをいいことに(どう観てもそこそこ通じてますが)セクハラ連発、からのゲイ疑惑。(ここらへんの同性愛者の扱いやら麻薬描写やらで、もう地上波で放映できないんだろうなあ……)
『忌まわしき花嫁』のワトスンの手話が通じないくだりで、この場面を思い出したのですが、関係ないにしてもよく覚えてたな、私!家庭用ビデオも無かった時代、ホームズ映画って、夜頑張って起きててテレビで観るしかなかったのですが、残ってるかすかな記憶がこの場面とネス湖とラメテブ教(←映画違う)。
バレエ団の団長さんがなかなかいいキャラなんですが、『The Hound of Baskervilles』というタイトルを"Big dog from Baskerville”と言い間違えるネタは、『忌まわしき花嫁』でホームズに踏襲されましたね。間違えたというよりどうでもいいんだろうけど、"The dog one"って、更にひどくなってるぞ。

・その後、ワトスンがホームズの恋愛遍歴を詰問する場面も、『忌まわしき花嫁』に引用されてるのですが、こればっかりはワイルダー版ワトスンに同情する、というかこっちの方が自然な流れ……(なのにホームズがキレるのが理不尽でイヤだったんだよな~、イタいわ~、自らの幼いトラウマをたぐる作業つらいわ~)

・マイクロフトの健康をワトスンが気遣うところも、『忌まわしき花嫁』にありますね。マイクロフトが一蹴する理由は真逆ですが……
クリストファー・リーのマイクロフト、かっこいい。ディオゲネスクラブが政府に絡んでいそうなところも、何かとつっかかる弟と高圧的な兄の関係性も、現代版とほぼ同じ。
二人共、首から下げてる鎖を指で弄ってるんですね。無意識レベルで似てる、という演出も似てます。『SHERLOCK』では、ドアノッカーをまっすぐにせずには/直さずにはいられない、という神経質さが兄弟に共通でした。ワインにこだわりがあるのも、『The Empty Hearse』に出てきましたね。

・『忌まわしき花嫁』の墓暴き場面も、この映画からかな?二重底疑惑は『フランシス・カーファックス姫の失踪』からですね。

・霧の中にいる怪物をワトスンだけが見てしまうのは、『The Hounds of Baskerville』のラボの場面に似てる。ホームズはワトスンの妄想だと言いますが、現代版ではまさに『想像力の産物』だったわけで、この場面がトリック発想のヒントだったのかもしれませんね。

・捜査とはいえ、スコットランドの古城を自転車で巡って、外でお弁当なんてうらやましい。
『The Hounds of Baskerville』でも庭での食事シーンがあり、ジョンの機嫌を取ろうとしたシャーロックが「ソースかける?」と聞く場面がありましたが、こちらでは主人夫婦と従者、という設定なので、ホームズが「ソースとってくれ」と言うのが可笑しい。(あ、本人たち以外はラブラブ旅行だと思ってるのも、ひょっとしたら同じなのか?だとしたら、ヘンリーの家に泊まる設定じゃなかったのは、この場面がやりたかったから、もある?)
ワトスンの体を足場にしてホームズが高いところに登る場面も、現代版のどこかになかったっけ……(なかったらすみません。ガイ・リッチー版の元ネタもこの映画にわりとある気がするので、ごっちゃになってるかも)

・マイクロフトの計画が発覚するところは、アイリーンの絡み方や『あのお方』の存在も込みで、"A Scandal in Belgravia"の元ネタだったんだ……!こういうのは、粗筋を覚えていても実際に観ないとわからないものですね。
それにしても計画のこの顛末、子どもの頃ですら「何、これ……」って思った記憶があるんですが、1970年当時はイケてる展開だったんでしょうか……当時を知る方に、いつか聞いてみたいものです。

・これは余談ですが……
上の方にも書いた早川書房のイベントで、日暮先生が教えてくださった「このセットを製作者がネス湖に置いていってしまい、後に怪物に間違えられそうになった」というエピソードと、会場に溢れた「片付けろよ」という無言のツッコミを、私はきっと長く忘れない。
【追記:2016.5.7】「置いていった」というのは言葉足らずで、作品のwikiページによると、事故で落としてしまって回収不可能になったようです。(私の思い違いで、日暮先生は正確に教えてくださったと思います!申し訳ありません)

長くなると読みづらいので太字をやめますが、ここからも7日の追記です。
時系列通りに申し上げると、

1969年、制作チームが事故で怪物の模型を落としてしまった。

1975年、ネッシー探索の為にネス湖の調査を行ったボストンの応用科学アカデミー研究チームがネッシーを写したとする水中写真を公表し、世界的なニュースとなった。この写真の被写体が、撮影時に水没した模型だったのではないかとの説が唱えられ、大きな話題となった。(wikiより引用)

2016年、ネス湖の研究家たちとノルウェーの企業が、水中ロボットを用いてネス湖の動物の生態を調べていたところ、巨大な恐竜のような影を発見。形と大きさで、すぐにワイルダーの映画で使用された模型だとわかったそうです。(これは、以下にリンクした記事より。)みんな、1975年の件を覚えてたんでしょうね。(追記はここまでです)

BBC NEWS; Film's lost Nessie monster prop found in Loch Ness

多少時代を感じるところもあったのですが、とても楽しい映画でした。
前述したように、原作の小ネタが(『語られざる事件』も含めて)随所に詰め込まれているところ、クスッと笑えるエピソード満載の洒落たストーリー構成(Wikipediaによると、これでもコミカルな場面をだいぶ削ったんですね。The Private Life of~という原題は伊達じゃなかったのね)は、まさに『SHERLOCK』の前身だなあ。ホームズ、ワトスン、ハドスンさんのやりとりなんて、目をつぶって聞いたらSHERLOCKと間違えるかもしれないです(不注意な私なら)。

そんな素敵な作品を、私は長年「食わず嫌い」していたわけですが、多分子どもの私は、ワトスンが愚かに、ホームズが高圧的に描かれている、と思ってしまったからです(当時からワトスンのモンペだった)。
でも、いい歳になって鑑賞すると、いくらか行間が読めるというか、二人のちょっとした口調やしぐさに「何だかんだ言ってもお互いがいないとダメ」という空気が感じ取れるようになってるわけで。
本当にワトスンを軽視していたら、怒られそうな時隠れたりしないですよね。また、ホームズとイルゼも、心をゆるしあっていなければ、ああいう会話はしない。
本人たちにしかわからない友情や愛情の機微がしっかり描かれている、大人の映画なのだと思います。上手く言えないけど、そういう登場人物たちの呼吸みたいなものが、『SHERLOCK』に受け継がれている、最大のギフトじゃないでしょうか。

『SHERLOCK』のおかげでこの映画に再会できて、本当によかったと思います。自らの「子供の頃の視点」と「今の視点」を比べるのはくすぐったいものですが、「こんな風に考えてたんだ!」という驚きもありますね。
若い頃もっと映画観とけばよかったよ!若者のみんな、迷ったら観たほうがいいよ?脳内メモリに「ラメテブ教礼拝シーン」しかない大人になる前に!
それと私の場合、原作(聖典)はSHERLOCKより先に読んでいたわけですが、後発作品から過去に作られた作品に戻るのも楽しいものだなあ、という発見もありました。ソフトを貸してくださったお友達にも、御礼を言いたいです。
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この記事へのコメント

- カミーノ - 2016年05月04日 11:54:25

同じ映画を観て、私と違ってこんなにいろんなことに気付けるナツミさん、すごいです。

ナツミさんも「LIFE!~人生に捧げるコント」をご覧になってるんですよね。
今回の記事で一番気に入ったのが「カッツ・アイ」のところで恐縮です。

B面のナツ(ミ) - ナツミ - 2016年05月04日 19:17:48

カミーノ様

> 同じ映画を観て、私と違ってこんなにいろんなことに気付けるナツミさん、すごいです。

実はれすとら様が『GET SHERLOCK』にもっと重要な気付きをたくさん挙げていらっしゃるのです!
こちらは、なるべくかぶらないように屁理屈というかひねり出したというか、「B面」みたいなものと思っていただければ……!

> ナツミさんも「LIFE!~人生に捧げるコント」をご覧になってるんですよね。
> 今回の記事で一番気に入ったのが「カッツ・アイ」のところで恐縮です。

わあ!カミーノさんも「LIFE!」お好きなんですね!
早寝なので見逃してしまうこともあるのですが、あの雰囲気が大好きです。「カッツ・アイ」に気づいていただけて嬉しいです!

こちらがA面です!カップリングありがとうございます - れすとら - 2016年05月05日 00:10:34

ナツミ様

こんばんは!
わーい新しい記事だ!!
毎度、拙ブログをご紹介いただきありがとうございます。
私もカミーノ様と同じで、同じ映画を見てももっと深く見られているナツミ様すごいなと思います。特にこういうところなど。

>本当にワトスンを軽視していたら、怒られそうな時隠れたりしないですよね。また、ホームズとイルゼも、心をゆるしあっていなければ、ああいう会話はしない。
本人たちにしかわからない友情や愛情の機微がしっかり描かれている、大人の映画なのだと思います。

私はどちらかというと心ナイ系ですので。そして自分の書いたことを忘れています。ワイルダー版のホームズ&ワトソン、じゃれあっていて、煙の実験用機械を使って怒って帰って来たワトソンをかわすところ好きです。

>・『忌まわしき花嫁』の墓暴き場面も、この映画からかな?

墓暴き場面はガイ・リッチー版ホームズ1作目にも使われていましたね。
夜中にがんばってTV放送の映画を見ていた時代が懐かしいです。

今更ではありますが - ナツミ - 2016年05月06日 21:28:23

れすとら様

「カップリング」とか「A面・B面」が若者に通じているかどうか、今更不安になってきました……
みんなぁぁ~~!ついてきてる~~!?二階席ぃぃ~~!「両A面」って知ってる~~~!?

私は私情を交えてしまいがち……というかほぼ私情しか書いていないので、れすとらさんの整理された見方に教えていただくことが多いのです。いつもありがとうございます!

> 墓暴き場面はガイ・リッチー版ホームズ1作目にも使われていましたね。

そうですね!「ミゼット」の定義に関するホームズとワトスンの会話もありましたね。
つい最近放映がありましたが、ついつい「ジャクチュー!」の特番を観てしまいました(DVDは持ってます!)。れすとらさんも再放送でご覧になっていたのですね。
ホームズものはリアタイで見たいので、明日の「ゲーム・オブ・シャドウズ」はがんばろう!

> 夜中にがんばってTV放送の映画を見ていた時代が懐かしいです。

本当です!だいぶ深夜放送のお世話になっていました。今は「とりあえず録画」したのが溜まってしまってるので、今思えば、集中して映画を観られた貴重な時間だったのかなあ……名作ばかりでなく、なぜか何度も観てしまう変な映画、とかもありましたけどね。

- みっちょん - 2016年05月07日 13:49:41

NHKBSの洋画担当の方に何かあったのでしょうか!と思うくらい最近はホームズ映画放映ラッシュです。

ワイルダー版「シャーロック・ホームズの冒険」をしばらくぶりに見ました。

何時観たのか全然記憶がないのですが、私は昔見たときも大人でしたが(笑)、ワトスンが髪飾りをつけて踊る姿で悪いイメージを持ってしまっていたようです。
でも、久しぶりに今回観た感想は「素晴らしい!面白い!!」です。
「ワトスンを愚鈍に描いている」と思い込んでいた私の思い違いに「申し訳ない」とテレビの中のワトスンに頭を下げてしまいます。

その他に覚えていたのはヴィクトリア女王が潜水艦で敵を攻撃することは「我国の精神に反している」と言って製造を許可しなかったことです。
これは「映画のお話」としてのオチなんだろうな、でも嘘と言うか下手なオチだな、と思ったのです。

でも(自著を宣伝にしているようで何ですが)「最後の挨拶』のテーマ「ビスマルク体制と第一次世界大戦の配給」(拙著のp77)を調べている時に、大戦直前になっても英国の提督が「私は、文明国家が、非武装で戦力を持たない商船を、(潜水艦で)攻撃するということは、ありえないと考えている」と発言しているのを知って、ワイルダー監督版にでてくるヴィクトリア女王の台詞が歴史として「嘘」ではない、と理解出来たのです。

それと、ベイカー街221Bの言い方ですが、御者とワトスンがTwo hundred twenty one と言っていました。andは聞き取れなかっただけだと思うので、実際は”Two hundred and twenty-one ”なんでしょうね。

4時間版だったというノーカット版を観たらどんな感想を持ったんだろう、、とかなり気になります。

ワイルダー監督のホームズ - さき - 2016年05月07日 13:57:47

映画「シャーロック」も「MR.シャーロック」も観られないでいるうちに連休も終わってしまう,相変わらず何をしているのやら,のわたしです。

でも,もうすぐ映画版「シャーロック」はBSで放映するんですよね?

わたしは,グラナダ版以外に唯一観たことがあるホームズが「シャーロック・ホームズの冒険」なんですけど,そんなにたくさん「シャーロック」の元ネタがあるんですか?
テレビ版「シャーロック」を観ていないわたしにも何とかついていけるかもしれませんね。
楽しみだなあ。

なんで映画版「シャーロック・ホームズの冒険」を観たことがあるかというと,監督ビリー・ワイルダーが大好きだからなんです。
だからナツミさんが「この展開は一体?」と思われた場面も好きなんですよ。
多分,ワイルダーファンとして「そうかそうか,こうくるか,さすがはワイルダー監督!」と思うみたいです。
でも,シャーロキアンとして観ると,なんなの一体!なのかもしれませんね。

ワイルダー監督自身もシャーロキアンで,この映画はとっても力を入れてつくったそうですね。でも,編集の段階で監督の手を離れてしまって,思ったように仕上げられなかったそうですね。
「ワイルダーならどうする?」という監督が自作を語る本がありますが,それを読むとこの映画に関しては,あまりふれたくないみたいです。
他の映画についてはいろいろを語っているのに。
もし,監督の思い通りに映画が完成していれば,いろんな話をしてくれたかもしれない,と思うととっても残念です。

初めまして - さき - 2016年05月07日 14:21:27

みっちょん様

横レス,失礼します。
初めまして。
わたしは,みっちょん様の労作を愛読させていただいているものです。
と書きたいのですが,あまりにも情報量が多い御本でいまだに少しも消化できていません。

そんなわけで,みっちょん様の書き込みを読んで,まるで初めて聞いたことのように感心しているところです。
残念ながら現実は女王陛下の考える方へは行ってくれませんでしたけれども,こんな選択もできるのだったらすばらしいですね。

ワイルダー監督は,ユダヤ系オーストリア人でナチスの台頭によってアメリカへ亡命していますし,お母さんはアウシュビッツで亡くなったらしいんだそうですね。

女王にこんな発言をさせている場面を観ていると,つい,そんなことも考えてしまします。

- みっちょん - 2016年05月07日 17:46:50

さき様

拙著をお読み頂き有り難うございます m(_ _)m

比べるのもおこがましいのですが、ワイルダー版「シャーロック・ホームズの冒険」は半分近くカットしているそうですが、拙著も紙面の都合で半分以上カットしています。

一度作ったものからカットして作り直すと、なにか少し違った意味合いになってしまった箇所もありますが、これはこれで完成品と思うようにしています。

ワイルダー版「シャーロック・ホームズの冒険」の制作者の方々もきっと何か言い足りなさを感じていたんだろうな、、と思いますが、今回久しぶりに観て私には「完成品」と思えました。

それにしても湖面に浮いていたシャンペンが淋しかったです。

面白かったです! - YOKO - 2016年05月07日 18:03:35

私もようやくこのワイルダー版を見ました!
SHERLOCKってこの映画と聖典の現代版だったんだーー!と気付かされました。ネタが満載ですね。
全裸で登場のスパイ嬢から、マイクロフトの関わりから、モンスターを見たと主張するジョンから、不平タラタラのハドソンさんまで。スーツケースもそうですね。ホームズ兄弟の関係性はまんまでしたね。
SHERLOCK見てからこれ見たのが意外にに幸運だったかも、と思いました。

削るのはけっこう難しい - 篠田真由美 - 2016年05月08日 08:44:48

みっちょん様

ご著書、半分以上カットされている、とは衝撃のおことばです。
うわああ、そのカットされた部分が読みたいよーっ。

私もヴィクトリアンものの2巻目が8月に出してもらえるのですが、書き足し要求の部分があり、しかるに総ページ数の縛りもありで、これからちまちまと削りにかかることになりました。メイド仕事のディテールとか、読みたく思う人もいるはずなので、いささか無念であります。

- みっちょん - 2016年05月08日 11:10:35

篠田真由美様

サイトで連載していたときは、100グラムのステーキを注文したら500グラムのステーキが出て来た、と評されたほど詳細というより何故こう言う結論になったのかを念入りに書いていました。

いま読み直すと、枝葉を切ったほうが私の言いたいことは伝わっているようです。
(詳細と言うよりクドクドと説明している、、って感じでしょうか)

でも、お蔵入りにするのはもったいなくて記述の元になった年表の幾つかは連載していたサイトのページに載せてあります。

「メイド仕事のディテール」、、こういうのが書いてある物語が大好きですので、総ページ数の縛りがあるのが残念です。
でも、2巻目が8月に刊行されると言う情報をお聞きできて、いまからワクワクです!!

造りがしっかりしてる - ナツミ - 2016年05月09日 19:36:56

みっちょん様

> 「ワトスンを愚鈍に描いている」と思い込んでいた私の思い違いに「申し訳ない」とテレビの中のワトスンに頭を下げてしまいます。

同じです!決して、愚鈍ではありませんよね。まあスケベではありますが、原作にこういう解釈もできる、と言われれば、それもそうかな、みたいな……これはこれで「きちんと造形された」ワトスンに見えます。

> でも(自著を宣伝にしているようで何ですが)「最後の挨拶』のテーマ「ビスマルク体制と第一次世界大戦の配給」(拙著のp77)を調べている時に、大戦直前になっても英国の提督が「私は、文明国家が、非武装で戦力を持たない商船を、(潜水艦で)攻撃するということは、ありえないと考えている」と発言しているのを知って、ワイルダー監督版にでてくるヴィクトリア女王の台詞が歴史として「嘘」ではない、と理解出来たのです。

お話としては尻すぼみですが、女王の心意気自体は「嘘」ではないのですね。
それはそれとして、あんなふうに国家予算を使って実物を作ってしまった後で女王に却下されることなんて、あったんでしょうか。秘密裏に制作された兵器なら、そういうこともあったのか……?
>
> それと、ベイカー街221Bの言い方ですが、御者とワトスンがTwo hundred twenty one と言っていました。andは聞き取れなかっただけだと思うので、実際は”Two hundred and twenty-one ”なんでしょうね。

221B問題、気にかけていただいてありがとうございます!これからも地道にサンプル数を増やしていきたいです。


> 4時間版だったというノーカット版を観たらどんな感想を持ったんだろう、、とかなり気になります。

本当ですね……SHERLOCK1シリーズ弱の尺がありますものね。
監督の中に、すごくしっかりしたホームズの世界が構築されていないと、その長さは作れないですね。
バレエ団の話、きちんとオチがつくまで観たかった気がします。言葉が通じない状況も面白いし、皆キャラが立ってて楽しそう。ニコライさん殺されそうな気がするんですけどね……

ワイルダーらしさとは - ナツミ - 2016年05月09日 19:51:51

さき様

(いいタイミングで読んでくださるかはわからないのですが)『忌まわしき花嫁』放映は今夜ですよ~!

> なんで映画版「シャーロック・ホームズの冒険」を観たことがあるかというと,監督ビリー・ワイルダーが大好きだからなんです。
> だからナツミさんが「この展開は一体?」と思われた場面も好きなんですよ。
> 多分,ワイルダーファンとして「そうかそうか,こうくるか,さすがはワイルダー監督!」と思うみたいです。

そうなんですね!シャーロキアン見習いとして見ても十分に楽しかったですが、「ワイルダーらしさ」ってどんなところに出ているのでしょう。
教えていただけたらうれしいです。

> ワイルダー監督自身もシャーロキアンで,この映画はとっても力を入れてつくったそうですね。でも,編集の段階で監督の手を離れてしまって,思ったように仕上げられなかったそうですね。
> 「ワイルダーならどうする?」という監督が自作を語る本がありますが,それを読むとこの映画に関しては,あまりふれたくないみたいです。

い、いわゆる「黒歴史」ってやつか……!
でも、今更言うのもなんなんですけど、明らかに『SHERLOCK』が生まれたのはこの映画のおかげですよね。

> もし,監督の思い通りに映画が完成していれば,いろんな話をしてくれたかもしれない,と思うととっても残念です。

本当に!思い通りに完成したバージョンも観たかったなあ。
話の構成はともかく、場面場面のテンポにはあまりにも違和感がないので驚いてます。
これくらい古い映画を見る時って、もう少し「昔の映画だな」と思うはずなんですが、なんだろう、ワイルダーが古びないというより、21世紀の私が「ワイルダー的なもの」を見慣れてる、というか。SHERLOCKもそうですし、三谷幸喜さんの作品とか。

Re: 面白かったです! - ナツミ - 2016年05月09日 20:05:27

YOKO様

聖典のアレンジの仕方、が本当に同じですよね。だからどっちも見がいがありますね。

> SHERLOCK見てからこれ見たのが意外にに幸運だったかも、と思いました。

私の場合、ばっさり言うと「ジョンが良かったので」SHERLOCKを好きになったのだと思うのですが(シャーロックとジョンの関係性とか、他にも理由はいっぱいあるんですが、結局それらすべて『ジョンが良かった』に起因するのかなあ、と……)、逆に言うと今まで「ワトスンがイヤだ」というだけの理由で、色んな映画の「よい所」を見過ごしてきたのかもしれません。私の場合そういう意味で、SHERLOCKから遡る形でこの映画に出会えて幸運でした。
(まあ、歳をとってストライクゾーンがガバガバになってきた感もあるんですけど……もう色んな人が可愛くて、映画見るの楽しくなる一方です)

YOKOさんも、「遡り」がよかったのですね。落ち着かれた頃、詳しい感想をアップしてくださるのをお待ちしております。

削る苦しみ - ナツミ - 2016年05月09日 20:14:04

みっちょん様
篠田真由美様

「生みの苦しみ」を知る人にしかわからない、「削る苦しみ」があるのですね……

全然レベルの違う話で恐縮ですが、私は仕事で英語を日本語にすることがあり、そこでもやはり「どう訳すか」よりも、日本語として整えるために「どこを削るか」が難しいと思います。

ワイルダー版、ただでさえそんなに削られてるのに、昔深夜に放映されていたものはさらにカットされていたそうです。
そりゃ、つまらなくも感じますよね……

ワトソンの話をするとお互い長くなりそうです - 篠田真由美 - 2016年05月10日 08:17:59

ナツミ様
皆様

ワイルダー版、「特別編」というDVDだと未公開シーンが少し収録されています。

それから自分のブログにも書きましたが、ベイジル・ラスボーンのホームズを見ました。ホームズの顔はすごく「らしい」です。話が20世紀になってるので、ホームズの帽子は中折れ帽ですが。それとワトソンの人物像については、いろいろ思うところがありました。そのへんはいつか落ち着いて、がっつり語り合いたいものです。

- よっしい - 2016年05月15日 10:27:25

お久しぶりのコメント欄です(どきどき)
日課のようにブログを読ませていただいて ナツミさんと皆さんの会話が楽しくて 口を挟む隙もないのですが(笑)ナツミさんが ホームズがワトソンを踏み台にする場面がどこかに?とおっしゃっていたので もしかしたらと思いまして
映像ではないんですが プライオリスクールの中に 屈ませたワトソンの背中に上るホームズ のくだりがあります
ワイルダー版の ワトソンのこき使いと比べると紳士的なやりとりでしたけどやってる事は同じだーと可笑しかったので覚えていました
映像で探してらしたなら 的外れな情報ですみません

ロバートスティーブンスのホームズは髪型や頭を少し傾ける立ち姿がベネシャーロックに似ていませんか ベネさんはシャーロックの髪型があまりお気に召さないようですが 是非とも巻福を続けて欲しいと思っています

私、一生かかるかも…… - ナツミ - 2016年05月15日 10:48:40

篠田真由美様

> ワイルダー版、「特別編」というDVDだと未公開シーンが少し収録されています。

ありがとうございます!ちょうど、手元に貸していただいてるものがありますので、確認してみようと思います。

> それから自分のブログにも書きましたが、ベイジル・ラスボーンのホームズを見ました。ホームズの顔はすごく「らしい」です


私も全部は見ていないんですが、アイコン的に描かれるホームズの原型はこの顔ですよね。そして何というか、あの時代のハンサムという感じがします。

>それとワトソンの人物像については、いろいろ思うところがありました。そのへんはいつか落ち着いて、がっつり語り合いたいものです。

先生のブログを拝読しました。ワトスンがホームズにとって何者であるか、を論じるには、能力に関わらない評価軸がどうしても必要ですよね。色々腑におちたような気がします。
このコメントにも書きたいことがたくさんあって、しばらく考えてたのですが、本当に「落ち着いて、がっつり」お願いします……!
「ホームズ」は何度も映像化されているからこそ、込められている製作者の思いが違って、ホームズとワトスンの関係性にもそれが表れていますよね。そういうことに、私はすごく興味があるんだなあ、と改めて思いました。

それです!それです! - ナツミ - 2016年05月15日 11:34:51

よっしい様

ああっ!それです!私、『ブルース・パーティトン~』なんか読み返してたけど、まるっきり間違ったとこをうろうろしてました!(マイクロフトが『塀を越えるのなんてまっぴら』と騒いで、ワトスンが越えて中から開けてやるくだりはあったので、こきつかわれたという意味では似てたんですけど……

ありがとうございます!もう、どんどん口を挟んでやってください!返信は遅いですけれど(すみません……!)どうかお気軽に!

> ロバートスティーブンスのホームズは髪型や頭を少し傾ける立ち姿がベネシャーロックに似ていませんか

ね、やっぱり似てますよね!役作りの上で相当研究したんだろうなあ、と思います。
ジョンが急に大きな声を出す時も、この映画のワトスンに似てるんですよ!
時系列通りに見ていた方にとっては「何言ってるんだ逆だろ」って感じでしょうけど、私はこの映画を観る時「ああ、SHERLOCKだ……」と思わずにいられません。

>ベネさんはシャーロックの髪型があまりお気に召さないようですが 是非とも巻福を続けて欲しいと思っています

ふと思ったのですが、ジェレミー・ブレットが大福、ベネディクトが巻福だったら、それ以外のホームズはなんて呼ばれてるんだろう……個人的に、ロバート・ダウニー・Jr.がいちばん気になります。

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Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

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