最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
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(事件の重要なネタバレ)「忌まわしき花嫁事件」の元ネタ

レストレードの口から語られた事件が、『SHERLOCK』らしい手法で再現されます。
『忌まわしき花嫁』は他のエピソードと同じように、原作の様々な事件の要素を組み合わせて再創造されている事件です。
まず、タイトルは『マスグレーヴ家の儀式』で出てくるホームズ初期の事件記録" a full account of Ricoletti of the club-foot, and his abominable wife(蟹足のリコレッティと、その忌まわしい妻の事件の完全な記録)"から。ちなみに「蟹足」とは足の形態異常、「内反足」のこと。劇中でも、カーマイクル夫人の脚の形の話がちょっと出てきますね。
「犯行予告」は「オレンジの種五つ」、超常現象が絡んでいるのは「サセックスの吸血鬼」、サー・ユースタスの横暴さや、ホームズとワトスンの張り込みは「まだらの紐」など、さまざまな事件の要素が出てくるのですが(今後一つ一つ考えていきたいと思います)、コメント欄でも申し上げていたように、私は『緋色の研究』が底にあるような気がしています。

基本的にこの事件はシャーロックの頭の中でのシミュレーションなのですが、そのシミュレーションをする前に、シャーロックはジョンのブログを読み返しています。おそらく、シャーロックとジョンが初めて一緒に解決した『ピンク色の研究』、いや、その少し前に書かれた、最初の記事から読み始めたのでしょう。だから、『忌まわしき花嫁』という話は、ワトスンが復員してくるところから始まります。そこから、シャーロックが読んでいく「ジョンのブログに書かれた、二人が出会った人々、経験した様々な事件」の要素を絡めつつ、マインドパレス内で『リコレッティ事件のシミュレーション』が展開していく、ということだと思います。

原作の『緋色の研究』事件を簡単に振り返ると、アメリカはユタ州、ソルトレイク・シティで、ジェファスン・ホープという青年がルーシー・ファリアという女性に出会うところから始まります。二人は恋に落ちますが、モルモン教徒(事件はドイルの創作です、念のため)に拾われたルーシーとその養父は、その教義に雁字搦めになっている。
二人は愛を貫こうとし、養父も二人を助けますが、ルーシーは町の有力者と強制的に結婚させられ、失意のうちにこの世を去る。養父も死に、ホープは命からがら逃げ延び、ルーシーと養父を死に追いやった二人の男に復讐を企てます。

ホープは御者に身をやつし、協力者を得るのですが、『忌まわしき花嫁』事件でも、協力者の存在が鍵になっている。その一人は御者ですね。ホープの協力者にはおばあさんがいるのですが、エミリアたちにも「男性の協力者」がちゃんといることには救われる思いです。また、年若い巡査が事件を目撃したところ、ミスリードのために血文字を残したところも同じ。(『史実』のリコレッティ事件にこの文字がちゃんとあったとしたら、シャーロックにとっては、この血文字が『IOU』のメッセージを残したジム・モリアーティとのリンクになったと思われます。)

『忌まわしき花嫁』事件は、『緋色の研究』の復讐劇を、ホープではなくルーシーがやったらどうなるか、というシミュレーションにもなっていると思うんです。一夫多妻制の集落で、ルーシーは他の「妻たち」に愛されていたようですから、きっとホープのように一人で戦うのではなく、エミリアのように周りの女性達と力を合わせて戦ったのではないでしょうか(その一方で、アイリーンのように、ホームズ並の行動力を持って一人で戦う女性も描かれていますが)。
蛇足ですが、あとで思い返すと面白いかもしれないので記録しておくと、この『忌まわしき花嫁』放送の前年には、同じように「男同士の戦い」がテーマだった作品に「抑圧された女達の反撃」を取り入れた『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が公開されていて、翌年6部門でオスカーを取るなど、高い評価を受けています。
舞台こそ19世紀ですが、作られた2015年の空気を強く感じさせる作品だと思います。

先ほど申し上げたように、『忌まわしき花嫁』には『緋色の研究』の要素も、それ以外の原作の要素も、まだまだてんこ盛りに盛られているので、物語の展開に沿って時系列順にゆっくりと『元ネタ探し』をしていきます。のんびりお付き合いいただければ幸いです。
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この記事へのコメント

- みっちょん - 2016年05月16日 22:21:29

夫が出て来たアヘン窟の五文字の漢字で書かれている看板(だと思うのですが)は

最初の文字は島か鳥 で次は蹄のように見えます。
そして
三番目が内 
四番目は見えない
五番目は足

でした。

漢字の謎 - れすとら - 2016年05月18日 00:55:59

みっちょん先生
ナツミ様

こちらにも書かせていただきます。

四番目は「翻」で内翻足かなと思いました。リコレッティだけに。

ナツミさんが記事中に
>「蟹足」とは足の形態異常、「内反足」のこと
と書かれていて、
日本語でも「内翻足」とも表記するようです。

一番目は馬ではないかと思います。二番目が蹄なので。
「内翻足の馬の蹄」かなと思うのですが
馬とリコレッティは何か関係があるのでしょうか?

Re: 漢字の謎 - ナツミ - 2016年05月18日 01:53:28

みっちょん様
れすとら様

れすとら様の記事(http://getsherlock.blog.fc2.com/blog-entry-180.html 直リンご迷惑でしたらすぐ削除しますのでおっしゃってくださいね!)、読ませていただいていて「おお~!!」とぱちぱちしました!

私もこの看板は気になっていて、ちょっと調べました。えっとですね、まずGoogle先生に聞いたところによると、中国語でClub footのことを「馬蹄内翻足」というみたいです。(ちょっと漢字は違うんですが、日本の漢字で検索しても出てきます!)
画像検索をかけていただくとわかるんですが、形状からそう呼ぶんじゃないでしょうか。

劇中のリコレッティ氏が「内翻足」であるという描写は特にはないと思うんですが、その代わり「内翻足」っていう看板が後ろにかかってる→「蟹足のリコレッティ」完成、ってことなんでしょうね。

ただ、奇妙な店名じゃないのかしら?とは思います。
「馬蹄」自体はラッキーモチーフで、お店の名前としては不自然じゃないと思うのですが、中国でもそうなのか、はわからないです。お店の名前をつけたのが英国人で、それを中国語で表記した、とかはありそうかなあ。または、お店の名前ではない…?
もうこうなると私の検索では手に終えないので、数日中にYOKO先生に出馬依頼をして参ります!

- みっちょん - 2016年05月18日 10:15:43

れすとら様
ナツミ様

看板は「馬蹄内翻足」ですか!!!!!
お教え有り難うございます m(_ _)m

変わったお店の名前ですねぇ。
(マーケットの大きいお隣の国を意識されているのかしら、、、)

コナン・ドイルは悪妻は出てきませんが
THE STORY OF THE CLUB-FOOTED GROCER.
という短編を書いています。


冬の夜の「炉辺」で読むような物語(日本と違って幽霊話などの怪奇話は冬がシーズンだそうです)を集めたRound the Fire(炉辺物語)という短編集に収録されているのですが、邦訳がなかったので拙サイトに載せてあります。

翻訳者は堀江珠喜さん、邦題は『足のまがった食料品商の話』です。

幽霊は出てきませんが、気持の良い話ではないです。

足の骨の名前を言いながら、足をもめる - billylab - 2016年05月18日 12:02:07

> (リコレッティの)代わり「内翻足」っていう看板が後ろにかかってる
> →「蟹足のリコレッティ」完成
なるほど!
そういう事ですね〜。

‘内反足’は、足にたずさわる仕事をしていると、今でも 普通に 使います。(^^)/
おそらく、皆さんも 若干は なっていらっしゃるかもしれない、‘外反母趾’。
これは 親指(母指)が 身体の中心線に対して 外側に反っている状態です〜。
逆に 中心線に向かって入り込んでいる状態が内反なので、足が極度に
内股になっている人の足は、内反足です〜。
(ただ、カニ足とまで言われるほどだと、もう 病気の範疇ですねー)
例えば、以前 拝見したシャーロックの足は、底からの視点で、逆八の字でした。
あんなに大胆にパカッと、分度器のように開いているので、この人は シャーロック役に
口で言うほど緊張してないぞ と、思ったものです。
もしくは、頭から布を被って 横になっているので、足先はベネディクトくんらしさが出たか…。(^^;)
それにしても 見事に 足が左右対称に開いて 内臓への圧迫や ねじれがない状態でした!
(& 人に見られているのに ぱっかーん だなんて、ちょっとあっけらかんとしたところがあるなぁ)
あ、脱線しました。
つまり、たいていの人は、普通に横になると どちらかの足が内反したり、ねじれたり
するんです。
そして 内反した足は、内蔵を圧迫してしまいます。(>_<)
日本人の女性は内股の人が けっこう多いですが、そういう人は生理痛がひどい人が多いです〜。

…うん、自分は こちらに参加させて頂くのが順当だった と、今更 気づきました。
(・・;)

中国語サイトの話 - YOKO - 2016年05月19日 13:06:13

ナツミさんに呼ばれて飛び出てきました~。
「馬蹄内翻足」について(実は私は翻の字が読めてなくて意味分かってませんでした)皆さんがここでいろいろ話されていることを知り、昼休みに中国語のサイトなどをちょっとネットサーフィンしてきました。

SHERLOCKは、中国での人気がすごいので、今回の忌まわしき花嫁の公開は中国ではほとんど英国と同時位ではありませんでしたっけ?で、マークゲイティスさんたちが公開前に中国人ファンに向かって「今度のスペシャルには、中国人に向けてのサービスがありますよ。中国人にだけわかる小ネタ仕込んであるよ」とアナウンスしてたらしいのです。

そのため、放映時、中国のファンたちは、どれだ?どれだ?と大騒ぎして見たようなんですよ。

で、結果、リコレッティの寄ったアヘン窟の看板だということは分かったのですが、いったいどういう意味が隠されてるの?ということで、大まかに2通りの解釈があるようです。

マスグレーブ家の儀式の中にある「蟹足のリコレッティ」のCLUBFOOTをグーグル翻訳したらで、「馬蹄内翻足」になった。というシンプルなものと、「馬蹄内翻足」=CLUBFOOT=洗脚城(フットマッサージ=風俗店)まで深読みして、風俗に出入りするリコレッティの奥さんへの不実(浮気)を暗示するものだとする意見と。

どこのファンたちも、同様にあーでもないこーでもないと楽しく議論しているんですね。モファティスさんたちに翻弄されるのはいずこも同じですね~。


ところで、この件で中国語のサイトを見て回っていたら「巻福」っていう単語が目につくのでなんだろうと思ったら、べネさんのやってるホームズのことでした。「巻き毛のホームズ」ホームズは中国語で、福尔摩斯って書くんです。(シャーロックは夏洛克)へ~って感じですよね。

- みっちょん - 2016年05月19日 18:59:44

YOKO様

深読み説を深読みすると、不実な夫と肺結核の妻の組み合わせはコナン・ドイルと最初の妻に当てはまりますね。

殺されたのは、、、コナン・ドイルだったのか、、、、

梁山泊みたいです - れすとら - 2016年05月19日 22:38:15

みなさま

わーい、謎がするすると解け快感ですね。中国での議論もおもしろいですね!
謎の奥にまた更なる謎が明かされる、ここまで連れて来ていただいてよかったです。

まきまきふくふく - 篠田真由美 - 2016年05月20日 07:45:50

YOKO様

巻福ってそういう意味だったのか~ やっとわかって腑に落ちました。ごっくん。
でも日本語の字面からすると、なんかすごくカワイイです、巻福。

ロバート・ダウニー・ジュニアのホームズも、おっさんのくせして少年ぽさ全開でカワイイですけど、ホームズに「少年性」が付加されてきたのはいつからかしら、なんてことが最近気になってます。

- みっちょん - 2016年05月20日 21:23:34

「巻福 画像」で検索すると、恵方巻きと我らがシャーロックがヒットしました。

美味しそうな恵方巻きに囲まれたシャーロック、楽しそう〜〜〜。

蟹のクラブ - billylab - 2016年05月21日 02:12:27

YOKOさん
> 「馬蹄内翻足」=CLUBFOOT=洗脚城(フットマッサージ=風俗店)まで深読みして、
> 風俗に出入りするリコレッティの奥さんへの不実(浮気)を暗示するものだとする
なるほど〜。
いずこの国も、モファティス両氏に踊らされるのは、一緒なのですねー。
というより、‘洗脚城(フットマッサージ=風俗店’なんだー、ひえ〜? と、思いました。
あちらにも 普通のフットマッサージもありますよね???? (?▽?)
いわゆる 日本で言う足つぼ、それとは 違うのですね〜。
勉強になります〜。
あと蟹足、蟹足、と 思っていたので、crub footと思い込んでいましたが、
clubfoot でしたか〜。(^^;)

足クラブ - れすとら - 2016年05月21日 13:40:34

clubって蟹って意味じゃなかった!
clubはディオゲネスとかの倶楽部の方みたいで、原文サイトで(1つしか見てないですが)の間違い?と思ったのですが、google翻訳もclubfoot…
なんで足と関係があるのか、なんか不思議です。

billylabさんが拙ブログにガニ股のガニは蟹と書いてくださっているのでもともと日本語は蟹?蟹になったのは直訳じゃないのかもですね。

ありがとうございます! - ナツミ - 2016年05月21日 18:13:52

皆様


阿片窟の看板についてのお話、ありがとうございました。

まず、この看板については記事にしたいと思っていたのですが、私の更新ペースがのろまで、皆さんがお話したいことをタイムリーに取り上げられず申し訳ありませんでした。大変興味深いお話をたくさんいただいたので、別項を立てて皆さんのコメントにリンクさせていただきたいと思います。

以下、御挨拶のみですが、ひとつのコメントにまとめさせていただきます。申し訳ありません!


YOKOさん、中国での反応のお話ありがとうございました!大変面白く拝読しました。後程記事にまとめさせてください!

篠田先生、みっちょん様、「巻福」はだいぶ日本のファンにも浸透しているようで、先日もよっしい様が使ってらっしゃいましたね。あとは「大福」がジェレミー・ブレット、ということしか知らないのですが、他のホームズはなんていうのか知りたいです。
ネットスラングみたいなもので、全員に愛称があるわけではないのかな?日本でも、ベネディクト・カンバーバッチ来日の時にマスコミが「ベネ様」という愛称を使って「いや、様は違うでしょ……?」という空気になったことがありましたっけ。

みっちょん様、『足の曲がった~』のご紹介ありがとうございました。お話自体は「あ~、あのパターンからのこのパターンね」みたいな感じでした(すみません……)が、もうページ自体が宝の山で、小躍りしてしまいました。

足の骨の名称を言いながら足を揉めるbillylab姐様!(吹き出すやら尊敬するやら)
シャーロック(ベネディクト?)の足裏診断ありがとうございます。これからは映画やドラマで足裏をみつけたらbillyさんに通報します!

billylab様、れすとら様、英語のclubfootは「こん棒足」じゃないかな……?
形から漠然とそう思ったんですが、ソースを探しても見つからなかったので、間違ってたらすみません。日本語では「蟹足」とか「えび足」とか言うみたいですね。私の推測があたっているなら、英語圏の人は足先に、中国人や日本人は足の形に注目しての命名なのでしょうか。
面白がってる場合じゃないんですけど、文化の違いとしては面白いですね。

時代の求めるヒーロー像? - ナツミ - 2016年05月21日 20:07:55

篠田真由美様

YOKO様へのコメントに横レスしてしまう形になりますが……
本物の少年設定を除いたら、私もリッチー版とBBCシャーロックが目立って子どもっぽいんじゃないかなあ、と思います。
(イアン・ハートのワトスンもキレっぷりがちょっとそうかなあ)
読んでいらっしゃる方に、「このホームズはどうなんだ!」というご意見があったら教えていただけたら嬉しいです。

もしそうだとすると21世紀に入ってから再解釈されたホームズ像が子供っぽい、ということになるんですが、最近、そういうお話が多い気がするのは私だけでしょうか。
直近のハマりものというだけで引き合いに出して恐縮なんですが、『キャプテン・アメリカ シビル・ウォー』がそうでした。

原作・映画共に、「正義とは何か」というテーマを孕んでいます。ヒーローの戦いから生じる損害は誰が償うのか、という問題から始まって、国連の提出したある協定を巡ってヒーローたちが対立する話なのですが、現実の戦争がしばしばそうであるように、対立軸が刻々と変化します。で、映画では、クライマックスを「友人や家族を巡る戦い」として表現してたんですね。

その方が、観客の共感を得やすいのだと思います。世界より、愛する人を守る。組織より、個人の信念のために戦う。
ミニマルな「子どもの世界」から複雑怪奇な「大人の世界」を見ている、とでも言いましょうか。
SHERLOCKもそうでした。原作で「社会利益のためになるのならいつ死んでも構わない」と熱弁していたホームズは、(少なくとも表面上は)いません。

まあ結果的に大勢の利益につながるように物語は作られてるわけですが、エゴイズムの中にあるヒロイズム、ヒロイズムの中にあるエゴイズムの描写を時代が求めているのかな、と思います。
そうすると、自然主人公は「子どもの心を持った人」になってくるんじゃないでしょうか。社会に適応せず、自由で、我儘で純粋。そういう人に憧れる社会になってるのではないかと思います。

ガキじゃなくちゃヒーローなんてやってられない - 篠田真由美 - 2016年05月22日 09:11:36

ナツミ様

前回の書き込みの後半は、この場にいる方たち皆様へのものなので、横入りではありません。ご心配なく。ってか、わかりにくいか自分。

ま、自分のブログでぼしょぼしょ書いているように、いまの篠田の大きな関心事のひとつが二次創作されたホームズにおける少年性のことなのですが、それをもっと広く枠を外して考えていくと、ナツミ様の考察のようになっていこうかと思います。
「人をヒーローにしたがるな。そんなものはいないし、いたとしてもぼくはそうじゃない」とジョンにいい、やがてジムに自分は善人の側に立つが善人ではないと断言することで、裏返しのヒロイズムを認めたシャーロック。我々の時代に存在し得るヒーローとは、決して完全無欠万能のそれではなく、弱い子供であり、病んだ心であり、倫理の欠落した悪と紙一重であり、だからこそぎりぎりのところで踏みとどまる意志なのだ。そのようなものとしてしか、我々はヒーローをリアルに感受できない、というような・・・

なんか最近いろんな意味で現代が辛くて、自分の仕事でもあちこちに逃避してます。19世紀ならまだ、かっこいいヒーロー、ヒロインが書けるもので。

白か黒か - billylab - 2016年05月24日 11:53:59

ナツミさん
れすとらさん

> 英語圏の人は足先に、中国人や日本人は足の形に注目しての命名
はい〜、興味深いですね〜。
そして、こん棒足!ですか〜!(0◇0)/
あわてて 教本 全部、ひっくり返してみました(汗)
大抵 和訳本なので、全部 内反足になっていて、節穴状態の自分の目には
見つけられなくて、残念。
もしかしたら、自分のノートの方にあるかも。
(先生の和訳が追い付かなくて、 カタカナでそのまま書いている部分も
 あったりしたので…(T▽T) )
うぅ…、今度 時間がある時に見てみます。

みっちょん 先生 さん
(すみません、なんと お呼びすればよいのか…(汗))
> THE STORY OF THE CLUB-FOOTED GROCER.
興味深いです−、あらためて 読まさせて貰いたいと思っています。

篠田先生
ナツミさん
> 「正義とは何か」
この辺りは この何年か、ずっと 欧米エンターテインメントのテーマになって
いますね。
白か黒かで考える二元性は、本来 サルトル、ニーチェらも 考えあぐねた
欧米らしい意識…と、以前から聞かされてきました。
それが いつからか、子供らしい正義感と(悪者だ! と、糾弾する空気読まなさ…と
いいますか(^^;)) ないまぜになってきたように 感じます。
さて、子供っぽさの件ですが…。
以前、作家で翻訳もなさっていた 倉橋由美子さんが亡くなった時に、有名な絵本
『ぼくをさがしに』を引っ張り出してみたんです。
『ぼくをさがしに』は、絵本ですが、大人のための童話と言われておりました。
まだ、絵本や童話を‘大人のための’などと ゆめゆめ思わなかった時代に、です。
(諸先生方には 既知の事実と存じますが(汗) )
その続編の『ビッグ・オーとの出会い』のあとがきに、こうあります。
 「大人のための童話というのは形容矛盾に聞こえるが、考えてみると
  大人の大部分はうまく大人のふりをしていけるようになった子供か、
  それがうまくできないでいる子供か、そのいずれかであって、
  文学の中には もっぱら この子供の方に訴える型のものがある。
  その種のものは大人が読むための童話である。
  シルアヴァスタイン(『ぼくをさがしに』の作者)の童話がアメリカで
  人気が高いのは、大人を演じるのに成功しているにしろ、
  失敗しているにしろ、アメリカ人が自分の「子供性」を鋭く意識して
  いる人間であることを示すものかもしれない。
  これに対して日本人の場合は、子供がそのまま大人として
  認められるように世の中が出来ていて、自分の中の子供を
  余り意識しないで済むし、またそのことで悩んだりすることも少ない。
  それどころか、日本では、大人を演じることが下手な人間は、
  その純真さや童心、要するに幼稚さを売り物にして生きれば、
  かえって珍重されるのである。
  そういう日本人にはジルヴァスタインのような発想は案外
  馴染めないのかもしれない」

 この後半の、日本人についての考察については、すっかり時代が変わってしまって、
異論 ありあり、というか、ジャ○ーズやA○Bなどに狂喜乱舞している オタク文化
全開の日本は 隔世の感があるといいましょうか。
(T▽T)(T▽T)(T▽T)(T▽T)(T▽T)(T▽T)
しかしながら、この本を 久しぶりに開いた10年くらい前でさえ、日本人も もう
そんな大人じゃないのにな…と、思って、本文よりも あとがきに感銘を受けてしまったものです。
そして、そんなアメリカ人でさえ、「街 壊してごめん」くらいの気持ちには なったのか…(in シビルウォー、まだ見てないンですが(T▽T))というのも、また 時代の
流れを感じます。

物語の価値 - ナツミ - 2016年06月01日 06:29:56

篠田真由美様

お返事遅くなりました!

私、いつかはホームズに関する小論文を書いてみたいのですが、みっちょん様に「テーマを絞っておくといい」とご指導いただきました。細々続けてきたブログを振り返ると、自分の興味はホームズと他のキャラクターの関係性と、それが二次創作でどう描かれているか、なんだと思います。もう少し踏み込んで、その時代時代の二次創作者が「どうしてそんな風に考えるのか」、その背景にも興味があります。

ヒロイズムの芯にあるものは、たぶんどの時代でも変わらないですが、それを裏返しにしたり、「親友と自分」のような一対一の関係まで落とし込まないと共感されにくいのが今の時代なんだと思います。
単純に、「善いものは善い、悪いものは悪い」とか、「皆のために、世界のため」とにいう価値観は受け入れられない。それを価値観の多様化、なんてお仕着せの言葉で言い切ってしまうのは簡単なんですが、「物語」には、時代の空気が真空パックされて詰まっている。すごいことです。アメージングです。
それをゴクゴク飲むように味わわせていただくのも読者の幸せなのですが、私は貧乏性なので、チビチビいきたいんだと思います。一つの言葉で言い切るんじゃなくて、色んな視点からの、色んな物語を感じる、そういう読者になりたいです。
篠田先生の19世紀ヒーロー&ヒロイン(もちろん、他の時代のも)楽しみにしております。
レディ・ヴィクトリアではもちろんヴィタを応援してるのですが、アリスとエドナのコンビが大好きです!(唐突にファンレターに)

こん棒でよかったのか… - ナツミ - 2016年06月01日 06:48:36

billylab様

こん棒足、珍説を持ちかけてしまったようで申し訳ありません!
いつか、英国の人に聞いてみたいのですが、一般的な言葉なのかな?私自身「蟹足」も「内反足」も日常的には使わないので、お医者さんか患者さんか、関わりのある人しか知らないような言葉なのかしら。
やはり、プロのbilly様頼みになってしまうかも……!すみません!

> 白か黒かで考える二元性は、本来 サルトル、ニーチェらも 考えあぐねた
> 欧米らしい意識…と、以前から聞かされてきました。
> それが いつからか、子供らしい正義感と(悪者だ! と、糾弾する空気読まなさ…と
> いいますか(^^;)) ないまぜになってきたように 感じます。

たぶん、「正義」を単純に語るのが難しくなっているんですよね。誰かにとっての正義は、誰かにとっての悪だということをさんざん学習してきてますものね。多民族国家のアメリカは、日本よりずっと敏感なところがあると思います。特に9・11以降は。
でも、まるっきり枠を外してしまっても社会が成立しないので、善悪の基準を子どもレベルまで落としこみながら、どこまで受け入れるか模索する、ということになるのかなあ。

そんな風に考えていたせいか、billylabさんのご紹介くださった「解説」、私には「アメリカの社会のほうが『子ども性』の扱いに成熟している」という風に読めてしまったのですが、どうでしょうか……?全文を読んだらまた考えが変わるかもしれないんですが。

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プロフィール

Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

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