最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
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19世紀の221B

路上で新聞や雑誌を売っているおじさんに、ワトスンが声をかけます。
"The Adventure of the Blue Carbuncle"……「青い紅玉」がストランド誌に載った直後、という設定なんですね。
だとすると現実では、1892年1月号が出た後になるのですが、制作発表のあたりでは、1895年の話になるって言われてませんでしたっけ。
ワトスンが結婚してそんなに時間も経っていないようですし、作中では何年の出来事か明言するのを避けているようですね。
冒頭で現代版のダイジェストを流していた時はちゃんと「何年のできごとか」出ていたのですが(単にドラマの発表年かもしれません)、数字が「過去に戻る」ときは、何年で止まるかはっきり映していませんでした。

ホームズとワトスンが221Bに帰ってくる場面は、トレイラーで流れていた時に取り上げたので、今回は省きます。
「クリスマススペシャルのトレーラー」

付記しなければならないのは

・やっぱり、クリスマスじゃなくてお正月スペシャルになった
・「田舎の大地主」の事件の元ネタは、『ギリシャ語通訳』でマイクロフトがちらっと言ってた『マナーハウスの事件』だった
・ハドスンさんの愚痴は、意外と重大なテーマにつながってた
・群馬でも2館で上映されました(どうでもいいですね、すみません)

今のところこれくらい、かな?
そうそう、トレイラーの時点で気づけなかったのですが、ハドスンさん(メアリも)、「ジェット」のアクセサリーを着けてますね!これぞヴィクトリアン!って感じで嬉しかったです。
相変わらずファッションに疎い私は、劇場の大画面で観て初めて気づけました。ここは、劇場公開に素直に感謝!

"Over the many years it has been my privilege to record the exploits of my remarkable friend, Mr.Sherlock Holmes, it has sometimes been difficult to choose which of his many cases to set before my readers.
Some are still too sensitive to recount, whilst others are too recent in the minds of the public.
.But in all our many adventures together, no case pushed my friend to such mental and physical extremes as that of The Abominable Bride."

長年にわたり、並外れた友人、シャーロック・ホームズの冒険を記録する特権にあずかってきたが、
読者に披露する事件を選び出すのは、時に難しい。
繊細な問題をはらむ事件もある。公衆の記憶に新し過ぎてもよくないだろう。
しかし、我々が共にした数多の冒険の中でも、「忌まわしき花嫁の事件」ほど、わが友を肉体的、精神的に追い詰めたものはあるまい。(拙訳)



ワトスンのナレーションの元ネタを探しているのですが、「たくさん記録のストックはあるのだけど、これこれの理由でどれを発表するか難しい」という導入パターンが多すぎて、意外と特定が難しい……ご教示お待ちしております。

ホームズが依頼人ワトスンを紹介して「この人には何でも話して大丈夫」と請け合う台詞は、原作に何度か出てきますね。

「(前略)ウィルスンさん、この紳士はね、いままでに私が成功した多くの事件に、たいていの場合私の相棒となり、助手ともなってくれた人なんですよ。ですからあなたの問題にだって、きわめて有力な役をつとめてくれるにちがいないと思うんです」(赤髪組合)


それをひねって「彼は何もわからないから」と言うのは、多分過去の映画であったんじゃないでしょうか……
私、グラナダ以降のワトスン万歳パターンばっかり観てるんで、その辺記憶が曖昧なんです……ワトスンを贔屓するあまり、ワイルダー版やナイジェル・ブルースを直視して来なかった人生の、ツケを今払わされているぜ。この機会にちゃんと観ないと。

ホームズとワトスンが部屋に戻ると、黒いベールで顔を覆ったご婦人が待っています。
『覆面の下宿人』を思い出しますが(他にもあったかな?)、中の人はメアリ。
ワトスン夫妻が口論する横で、部屋着をまとったホームズが、現代版ジョンとメアリの結婚の日にシャーロックが贈った「ワトスン夫妻のためのワルツ」を弾くのが妙に可笑しい。そして、この時のカンバーバッチ君、漫画家の坂田靖子さんが「わが愛しのホームズ」の表紙に描かれたホームズに似ているなあ、と思います。光の加減でしょうか。


そこにレストレードがやってくるのですが、す、すごい!雰囲気が違う!
現代版の頼もしい「おやっさん」ではなくて、「血色の悪い、鼠のような顔をした小男」にちゃんと見える!!
演技を変えてるせいもあるんでしょうが、私はレストレードに「ヴィクトリアンコスプレ大賞」を贈りたい……!
(お兄ちゃんは特殊メイク部門で……)

ホームズ曰く、レストレードの足音は

"Lighter than Jones, heavier than Gregson."
「ジョーンズより軽く、グレグスンより重い」



どちらもレストレードの同僚刑事です。グレグスンは『緋色の研究』で登場。

「グレグスンは警視庁でもちゃきちゃきの腕ききのひとりなんだ。この男とレストレードとは、ボンクラ刑事の中では優秀なほうだ。ふたりとも敏捷で精力家なんだが、ただ型にはまりすぎていてね、まったくあきれるほどね。そしてお互いに対抗意識が強くて、嫉妬し合うところなんか、まるで商売女みたいだな。(後略)」



現代版グレグスンは”The Reichenbach fall"でちょこっと名前が出てきますね。こちらも、シャーロックに協力を請うていたよう。
→「トバヤス・グレグスン

原作には「ジョーンズ」名の刑事が二人いて、どちらもホームズにはちょっと嫌味。
「四つの署名」に登場したアセルニー・ジョーンズ警部と、「赤髪組合」のピーター・ジョーンズ警部がいるのですが、
足音が重いということは、「fat(肥っている)」と明記されているアセルニーさんのほうじゃないでしょうか。ピーターさんもbulky(体格の良い)って書かれてますけど。
現代版では「ウォーターズ一味の事件」解決時に、レストレードのライバルとしてサリーが名前を挙げました。

煙草を入れたペルシャスリッパや、BSIの役職名にもなってるタンタラス(酒瓶台)、ガソジーン(炭酸水製造機。画像検索で出てくるものと形が違うので自信ないのですが、左端にあったのがそうじゃないかと勝手に思いました)も、ここで出てきます。

現代版シャーロックは、スリッパに紙巻のタバコをごっそり入れてましたね。
→過去記事「タバコとスリッパ
現代版で221Bにお酒を置いてある描写は、あったっけ……?”Many Happy Returns"でジョンは新しい部屋で飲んでましたが、シャーロックと揃って家呑みしてた記憶はないような……
全員にとっての黒歴史、"A Scandal in Belgravia"のクリスマスパーティーあたりで出てきたかもしれないので、今度確認してみます。

ここで事件の概要も語られるのですが、そちらはまた別項で。

(原作からの引用は延原謙訳)
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Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

『高名の依頼人』のこと書きましたが、6月24日までグラナダ版がGYAOで無料で観られるそうです。
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