最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
★コメントを歓迎しております。初めてコメントくださる方は、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。
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クリスマススペシャルのトレーラー

『SHERLOCK』ファンの皆さんはとうにご存知かと思いますが、第4シリーズの前にスペシャル版が放映されるそうです。
英国で放映されるだけではなく、世界の劇場で上映されるとか!

「SHERLOCK(シャーロック)」新作、劇場公開へ!雪舞う初映像も公開(シネマトゥデイ)

リンク先は映画情報サイト「シネマトゥデイ」なんですが、アップされたのが関東初の真夏日だったせいか、カンバーバッチさん浴衣特集へのリンクを載せてくれてるところに限りない優しさを感じます……(せっかくのヴィクトリアン衣装に『くそ暑い格好しやがって』と八つ当たりしてしまうところでした……)

「限定された」劇場というところが気になるのですが、日本はどうなるんでしょうね。
クリスマス視聴が無理でも、お正月休みまでにDVDが届いたら嬉しいなあ。

スペシャルの舞台は原作と同じ、ヴィクトリア朝ロンドン。
BBCが公開したトレイラーがこちらです。



最初の、"BAKER STREET"の看板から路上の風景に移動するところと音楽、わかりやす~くグラナダ版に似せてる!
ファンとしては、これだけで嬉しくなってしまいます。
【追記2 2016.1.30】早川書房「カフェ・クリスティ」でのトークイベントで、日暮雅通先生が「ビリー・ワイルダー監督の映画のオープニングに似ている」とおっしゃっていました。

そして、これまたわかりやすいホームズ・ルックで馬車から降りてくるシャーロック。吸い口の曲がったキャラバッシュ・パイプはウィリアム・ジレットの舞台から使われているそうです。
御者にお礼を言っています。英語力に不安があって断定できないのですが、喋り方をちょっとジェレミー・ブレットに寄せてる?なんか、いつもより声に張りがある気がする……

【追記:2015.7.20】RMさんによると、ハドスンさんに向ける一瞬の笑みが、ブレットホームズの表情の動きによく似ているそうです。ベネディクト・カンバーバッチは、かねてからジェレミー・ブレットの表情の動きに注目していたとのこと。
RMさんの記事はこちらです!→Jeremyのことが知りたくて~「ホームズの瞬間的な笑み」


ヴィクトリアン風ドレスに身を包んだハドスン夫人が出迎えます。(221Bのドアがまだピカピカなの、芸が細かいなあ)

"Mr Holmes! I do wish you’d let me know when you are planning to come home."
" I hardly knew myself, Mrs Hudson. That’s the trouble with dismembered country squires – they’re notoriously difficult to schedule."
「ホームズ先生!お帰りになるなら、前もって知らせていただきたいわ」
「私にもわからなかったのですよ、ハドスンさん。バラバラにされた地方の大地主というのは、予定通りに事を運んでくれないものでね。」



事件の元ネタは「ライゲートの大地主(The Reigate Squires)」かしら。
この時代のハドスンさんはホームズとワトスンの食事の支度も仕事だったと思います(何だかんだで現代版でも結構やってあげてますが)。部屋にお湯を運んだり、掃除をしたり、こまごまとした世話もしていたはず。
当時の家事は、かまどに火を入れたり、お湯を沸かす段階から大変だったので、「帰ってくるのかこないのか」「家で食事をとるのかとらないのか」はハドスンさんにとって切実な問題だったと思います。メイドさんの存在も確認されてますが(『緋色の研究』)、一人一人の労働負担は今とは大違い。
不規則な生活を送るホームズと家主・ハドスンさんのバトルは、原作でも垣間見ることができます。

シャーロック・ホームズの下宿のおかみハドスン夫人は、辛抱づよい女である。二階には時をえらばず妙な人たちが、時には好ましからざる人物が押しかけるばかりでなく、この平凡でない下宿人がまた変わり者で、日常がおそろしく不規則ときているのだから、まったくたまったもんじゃないだろう。
話にならないほどだらしがないうえに、とんでもない時刻に音楽に熱中するし、時には室内でピストルの射撃練習をしたり、気味のわるいだけならいいが、どうかするとたまらない悪臭をはなつ実験はやるし、彼のまわりには乱暴で危険な空気がつきものなのだから、これはロンドンでも最悪の下宿人というべきだろう。(『瀕死の探偵』)



「はい、いま事件で一生懸命なんです。お体が心配ですよ。顔いろはだんだん悪くなるし、やつれてくるばかりで、何も召しあがりません。『お食事はいつなさいます?』ってハドスン夫人が尋いたら、『あさっての七時半に』とこうなんですよ。ワトスン先生は事件に熱中している時の先生のやり方はごぞんじですね」(『マザリンの宝石』)



出張帰りらしいシャーロックとジョン(今回は『ホームズとワトスン』と書くべきなんでしょうが、混乱するのでそのままで……)の荷物を運ぶのは、ジョンの結婚式で「ページボーイ 」を務めたアーチーくん。
今回はまんまペイジですね!可愛い!さすがにここでビリー・ウィギンズが出てきたらドン引きですよね!
この少年給仕の役は、ジレットの舞台では子役時代のチャールズ・チャップリンが演じていたそうですよ。

探偵の仕事に興味津々のアーチー(ビリー?)くん。

"What's in there?"
"Never mind."
「それ、何が入っているんですか?」
「気にするな」



ジョンの荷物に何が入っているかは、まあだいたい察しが……

"Did you catch a murderer, Mr Holmes?"
" Caught the murderer; still looking for the legs. Think we’ll call it a draw."
「殺人犯を捕まえましたか、ホームズ先生?」
「捕まえた。脚はまだだがね。引き分けというところかな」



二人の顔にも注目してみましょう。
NEWS:シャーロック、タカ派(←まだ言ってる)。
個人的に、ベネディクト・カンバーバッチはオールバックが一番色っぽいと思います……もう今からどっきどきです。
ジョンのひげは「カイゼル髭」で、両端を跳ね上げて固めてあります。第3シリーズ冒頭のひげとはちょっと違いますね。

玄関に入ってからは、ジョンの出版した小説が総攻撃に……

"Well, I never say anything, do I? According to you, I just show people up the stairs and serve you breakfasts."
「私は一言も喋ってないじゃありませんか?あなたが書く私は、お客様を案内したり朝食を出したりするだけ!」
" I’m your landlady, not a plot device."
「私は大家よ。小道具じゃありません!」



決め台詞出ちゃった……原作のハドスンさんがこんな風に考えてたなんて、思わなかったなあ。でも、よく考えればあり得る話ですよね。ハドスン夫人が「空家の冒険」でいきなりあの役を任されたと考えるほうが無理がある。普段から、家事だけでなく捜査においてもさまざまな活躍があったのかもしれません。
そして、どさくさに紛れてシャーロックまで

" Don’t feel singled out, Mrs Hudson. I’m hardly in the dog one."
「あなただけじゃないですよ、ハドスンさん。僕だって犬のやつにはほとんど出てない」


お前は自業自得だろ!(犬のやつ=『バスカヴィル家の犬』で、ホームズは身を隠してワトスンに単独捜査をさせます)

口喧嘩、シドニー・パジェットにまで飛び火。

"You make the room so drab and dingy."
" Oh, blame it on the illustrator. He’s out of control. I’ve had to grow this moustache just so people’ll recognize me."
「部屋も暗くて汚くて……」
「それは挿絵画家のせいですよ!あいつ、ほんとに勝手だ。あの絵のせいで、僕は髭をのばす羽目になったんですから!」




確かに部屋は若干黴臭そうな感じがしますが、まあ白黒だから……映画化を、映画化を待ってあげてハドスンさん……!
先にリンクを貼ったシドニー・パジェットのwikiに、彼の絵の「暗さ」への言及がありますね。

ホームズものの人気が上がるにつれ、パジェットのイラストはより大きく、より精緻になって行った。「最後の事件」が1983年に始まった時には、「ストランド」誌は一ページ全面を使ったイラストを呼び物とするようになっていた(同誌の他の作品では、イラストはもっと小さいのが普通だった)。その頃では物語の厳しいムードを受けてパジェットの単彩画法を使ったイラストも暗い調子を帯びるようになっていた。パジェットによる深い、翳のあるイラストは後のアメリカの探偵映画やフィルム・ノワールにおそらく影響を与えた。また数々のホームズ映画には大きな影響を与えた。



それにしてもワトスンの口髭が挿絵先行だったとは、ちょっとした新説じゃないですか。

「君は口ひげをのばしたので、ちょっとわかりませんでしたよ。といってもどうか悪くとらないでください。」(『海軍条約文書事件』)


という幼馴染の「ビミョーな」リアクションが心にひっかかっていた私ですが、口髭は軍人時代の名残かと思ってました。
(関連記事:『ジョンのひげ』)
でも、考えてみればホームズのイメージはパジェットによって決められてしまったわけで(ドイル自身はとがった鼻のインディアンの様な風貌を想像していたし、鹿撃ち帽にインヴァネスというスタイルもパジェットが考えたものだそうです)、もしホームズやワトスン、ハドスンさんがパジェットの絵を見たら、こんな反応をしたのかもしれませんね。

ドタバタのオープニングですが、たった1分弱の動画でもこんなに楽しいとは!
本当に、12月が楽しみです。
群馬の映画館が「世界の限定された劇場」に入りますように……(入りません)


(原作からの引用は延原謙訳。トレイラーからの引用は拙訳です。表記や訳の間違いがありましたら、教えていただければ幸いです)
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この記事へのコメント

ジョンのひげ新解釈! - 神崎真 - 2015年07月13日 08:01:51

うわあ、うわあ、ありがとうございます!!
……って、のっけから失礼いたしました。お久しぶりです。コメントは残していませんが、相変わらずROMらせていただいておりました。
今回のトレイラー、「映像が素敵vv でも何言ってるか全然分かんない(しょぼん) 吹き替えとまでは言わない、せめて、せめて日本語字幕を……っ」と悶えていたので、ナツミさんに大感謝です。
そっかー、こんな会話してたんですね。
ベネさんとマーティン、意外とヴィクトリア風衣装もお似合いです。特にジョン、ひげも服も違和感なさ過ぎてびっくりです。

> さすがにここでビリー・ウィギンズが出てきたらドン引きです

それはそれで、見てみたかったかも(笑)
どの翻案だったか忘れましたが、以前に読んだ(例によって明治頃の)翻案では、SHERLOCKみたいにベーカーストリートイレギュラーズが大人の浮浪児集団になってるのがありました。ビリーは確か「銀公」とかって呼ばれてました。
子供だと微笑ましいのに、大人の浮浪者が集団でBBCに押しかけてくると、途端に胡散臭くなる不思議……ww

> 世界の限定された劇場

……基本的に映画館には足を運ばない私ですが、これは耐え切れずに見に行きそうです。
問題は、セブンイレブンもアニメイトもないようなうちの県にもまた、「限られた劇場」があるのかどうかですね、ふふふふふ ←たぶん無理

- さき - 2015年07月13日 13:04:28

以前にちらっとお邪魔して以来です。

前の方が書かれていますように(初めましてです)私も内容がわからないでいたので,ナツミさんに感謝です。

そしてナツミさんの指摘通り,馬車から降りたホームズの話し方は,ジェレミー・ブレットですね!少なくともわたしにはもう,ジェレミー・ブレットにしか聞こえません!
映画館で見てみたいなあ。

「シャーロック」はちょっと見たことがあって,ベネディクト・カンバーバッチは好きだったんですが,物語そのものにはあまり反応できなかったんです。
でもこのヴィクトリアン・ヴァージョンを見てわかりました。
わたしはこの時代の風俗習慣,イギリス紳士の立ち居振る舞いが大好きだったんです。
たとえそのイングリッシュジェントルマンの中身が冒険好きでとってもわがままな男の子であっても,というかそのギャップが好きなのかもしれませんね。

ナツミさんのいらっしゃるところは,もしかすると最近とんでもなく暑い場所のひとつではありませんか?
暑さ負けしないように,お大事に。

オフ会如何 - 篠田真由美 - 2015年07月13日 15:46:59

私も「なにいってるかわからない~」と嘆いておりました口です。ナツミ様、どうせなら全部訳してやってくだせえ。

そして映画館、そりゃもう行くでしょう。行くしかないでしょう、たとえ師走でありましょうとも。
劇場とスケジュールが出ましたら、それにかこつけて「21世紀探偵友の会オフ会」でもいたしたいものでございます。

偉大なるパジェット - ナツミ - 2015年07月15日 06:07:04

神崎真様

お久しぶりです!

> ベネさんとマーティン、意外とヴィクトリア風衣装もお似合いです。特にジョン、ひげも服も違和感なさ過ぎてびっくりです。

本当に!ベネディクトは第1シリーズ放映直前にあの髪型でBBC BREAKFASTに出ていて、「この人素のほうがホームズっぽいんじゃ……」と思った記憶があるのですが(今ではシャーロックといえばくるくるヘア、です!)、マーティンがあそこまで違和感ないとは!あのカイゼルひげは小柄では似合わない、と思い込んでましたが、英国紳士らしい貫禄十分ですよね。すごいなあ。


> どの翻案だったか忘れましたが、以前に読んだ(例によって明治頃の)翻案では、SHERLOCKみたいにベーカーストリートイレギュラーズが大人の浮浪児集団になってるのがありました。ビリーは確か「銀公」とかって呼ばれてました。
> 子供だと微笑ましいのに、大人の浮浪者が集団でBBCに押しかけてくると、途端に胡散臭くなる不思議……ww

翻案情報ありがとうございます!な、なぜ大人設定になったんでしょうね。銀公っていかにも捕物帳っぽくていいですね。
浮浪者が大挙してやってきた時の、ジョンの眉間のシワが手に取るように想像できます……


> ……基本的に映画館には足を運ばない私ですが、これは耐え切れずに見に行きそうです。
> 問題は、セブンイレブンもアニメイトもないようなうちの県にもまた、「限られた劇場」があるのかどうかですね、ふふふふふ ←たぶん無理

結構長い間、県庁所在地まで行かないと「イミテーション・ゲーム」見られなかったうちの県も相当望み薄ですよ……
県単位の心配もですが、まず日本が世界に入ってるかどうかがかなり心配ですよ!
観たい人が無理なく観られる環境が整うと良いのですが。

紳士と少年のあいだ - ナツミ - 2015年07月15日 06:28:11

さき様

さき様もお久しぶりです~!

もっと上手に訳していらっしゃる方がたくさんいると思いますが、グラナダ版がお好きなさきさんが観てくださるきっかけになれたなら光栄です!

> そしてナツミさんの指摘通り,馬車から降りたホームズの話し方は,ジェレミー・ブレットですね!少なくともわたしにはもう,ジェレミー・ブレットにしか聞こえません!

わ~、そう言っていただけて心強いです!特に"Thank you"の言い方や、きびきびした身のこなしにジェレミーを感じます。
だとするとマーティンもきっと演技を変えてるんじゃないかと思うので、あとでじっくりグラナダ版DVDと見比べてみます!
(それを言い訳にまたグラナダ版を観る私)

> わたしはこの時代の風俗習慣,イギリス紳士の立ち居振る舞いが大好きだったんです。
> たとえそのイングリッシュジェントルマンの中身が冒険好きでとってもわがままな男の子であっても,というかそのギャップが好きなのかもしれませんね。

ああ、わかる気がします!
「ホームズ」のどこに魅力を感じるか、何をもって「ホームズ」と定義するかで、現代版への反応も変わってきますよね。
イギリス紳士でありながら中身はやんちゃな「ボーイズ」の二人、私も大好きです。
原作にも、冒険の魅力に逆らえない(そして、そのことにちょっと照れてる)二人の心情が描写されていて、その童心のようなものをグラナダ版はよく表現しているなあ、と思います。

> ナツミさんのいらっしゃるところは,もしかすると最近とんでもなく暑い場所のひとつではありませんか?
> 暑さ負けしないように,お大事に。

ありがとうございます!すでにちょっと負けつつありますが、まだまだ夏はこれからなのでがんばって怠けます……!
さきさんもどうぞご自愛ください。

夜通し語る皆さんの横でFAXとか紹介したい - ナツミ - 2015年07月15日 07:07:24

篠田真由美様

> 私も「なにいってるかわからない~」と嘆いておりました口です。ナツミ様、どうせなら全部訳してやってくだせえ。

私は単純に、というか身体感覚として「訳す」という作業が好きで(我ながら稚拙な例えですが、コーヒー中毒者がコーヒーのフィルターになれたらこんな気持ちじゃないでしょうか。)、好きな作品は自分で訳してみたい、という欲求はあるものの、できたものの質にはまったく自信がないのです……(涙)

ご覧のとおり、今回のほんの少しの引用の中にも、自分の好みでばさっと切ってしまったり、変更してしまった部分がいくつかあります。
「髭をのばす羽目になった」というところは「みんなに僕だとわかってもらうために」という句が抜けてますし、" I’m your landlady, not a plot device."のa plot deviceは「物語を先に進めるためのきっかけ」というような意味だと思うのですが、現代版の「大家であって家政婦ではない」との対比を重視して、すっきりと短い名詞で表現できる「小道具」に変更しちゃってますね。もちろん満足はしてません。

そんなこんなで、翻訳って「ぴったりの日本語が探せるか」という日本語力に負うところが大きいのですが、その選択や作文に自信がないのです。その前に英語が聞き取れていなかったり、意味を理解できていなかったりという「英語力の不足」ももちろんあります。「元ネタ探し」のために出したことはあるのですが、「こういう意味ですよ」という解説のために全訳を発表するにはまだまだ力不足なので、後ほどこっそりメールで送らせていただきますね……!

今は、ネットで検索すると全訳を発表してくださっている方もたくさんいらっしゃいますね。
billylabさんがご紹介くださっているせりさんの訳を拝見しましたが、ハドスンさんの文句のニュアンス表現とか本当にお上手で、やっぱり日本語力と英語力の差が如実に表れるなあ、と思いました。

> そして映画館、そりゃもう行くでしょう。行くしかないでしょう、たとえ師走でありましょうとも。
> 劇場とスケジュールが出ましたら、それにかこつけて「21世紀探偵友の会オフ会」でもいたしたいものでございます。

と、とても冠番組を持たせていただける器では……(番組じゃない)
ファンの皆さまが熱く語る「三原順マンガ夜話」が開催されたら喜んで観覧に駆けつけます!(だから番組じゃない)

カカシ呼ばわり(苦笑) - 神崎真 - 2015年07月15日 08:02:18

> 翻案情報ありがとうございます

話題違いかもしれませんが、大人のイレギュラーズがどの作品に出ていたのか思い出したので、一応。
呉田博士シリーズの「河底の寶玉」(原作は「四つの署名」)でした。
「有樂町の探偵支局の不正規兵」、「十二人の汚き襤褸(ぼろ)を纒へる浮浪漢(ごろつき)」でビリーは名前が銀州(ぎんしう)、あだ名が銀公。
初登場時には「首領顏して前方に突立つてゐるのが、其威張り顏までノラクラして、斯るボロ/\の鄙陋(ひろう)なる案山子(かかし)的軍隊であるだけに一層滑稽である」って、バッサリ切られてます。
呉田博士シリーズでは完全にただの若手助手扱いでも、やっぱりワトソンさんはワトソンさん。辛辣(笑)

これも頑張ってテキスト化作業中なのですが、なにしろ長くてなかなか進みません(><)
旧字体とフリガナの壁は高いです……

> 翻訳って「ぴったりの日本語が探せるか」という日本語力に負うところが大きい

それ、すっごくわかります。
同じ作品でも、翻訳者の手腕によって面白さが全然違ってくるのは、まさにこの各種翻案を読んでいればしみじみと感じられますもの。
普通の現代語翻訳版だって、人によって翻訳者さんの好みが分かれてるわけですし。
なにもかも忠実に直訳すればいいというわけではない。日本人に受け入れやすい言いまわしに置き換えつつ、削っていい場所とどうしても削らずに済ませるべき場所もある。ほんとにセンスがいりそうです。
「物語を先に進めるためのきっかけ」→「小道具」なんて、見事! と思いました。

タイトルでネタバレ? - ナツミ - 2015年07月16日 06:54:39

神崎真様

「銀州」!かっこいい名前だ!
現代版では給仕のビリーと統合されちゃってますけど、ベーカーストリート・イレギュラーズのリーダーは「ウィギンス」だから
ウィギンス→銀州→銀公、というわけだったのですね。
この、いかにして英名を和名に変えるか、というところだけでも、翻案って興味深いです。
好きな漫画家さんなのでしょっちゅうお名前を出してしまいますが、「ジーヴス」の漫画化で有名な勝田文さんが「あしながおじさん」をちょっと昔の日本の女学校に舞台を変えて描かれています。主人公の名前は「井出 樹(いで いつき)」だったのですが、「ジュディ」のアナグラムだと気づいたときは興奮しました。
音の翻案だけでなく、「マーガレット→菊子」とか漢字に意味がこめられるのも、日本語の強みですね。
言語間距離が大きいからこそ出せる面白さがあって、本当に翻案は楽しいです。紐とくにはいろいろとハードルが高いのですが、日本人のホームズファンとして、これを知らないのはもったいない!
神崎様のテキスト、押し頂いて読ませていただきます!(土下座)

それにしても、「四つの署名」→「河底の寶玉」って……
翻案って結構「なぜ、そこをタイトルで言っちゃうのか」と疑問を抱くようなタイトルがありますよね。山中峯太郎ですが、The Bruce Partington Planが「鍵と地下鉄」とか……えっ、そこドイルは「わざわざ」ぼかしたんじゃないん?って思っちゃう。
篠田先生のブログで「裏表紙の解説文でネタバレ」というお話が出ていましたが、ひょっとしたら推理小説というものの読み方が変わっているのかな?
私なら、オチやメイントリックを先に言ってしまったらもったいない、という気がしちゃいますが、先に出しておいて「そこにどう話を持っていくか」を読ませる、という形式が当時の読ませ方だった、と言われれば納得がいきます。「倒叙ミステリ」のように確信的なものではなく、翻訳ミステリの世界において、ある時期にそういう傾向があったのかも。だとしたら、それはある種の親切心かもしれません。(裏表紙のネタバレは訳者本人の意志じゃないのでまた違う話ですけど、解説文を書いた方の背景に『そういう文化』があったのかな)
翻訳ミステリの歴史への知識なしに、想像だけで無責任に書いてしまって申し訳ないのですが……

> なにもかも忠実に直訳すればいいというわけではない。日本人に受け入れやすい言いまわしに置き換えつつ、削っていい場所とどうしても削らずに済ませるべき場所もある。ほんとにセンスがいりそうです。

本当ですね。だから翻訳のしかたって、受け入れる側の社会によっても変わってくるんですよね。
アウトプットする際、自分が「良い」と思うかどうかだけでなく、その時々の社会においてなるべく多数の人に受け入れてもらえる、いわば最大公約数を模索しなければならない。(有名な翻訳家さんなら、むしろ自分のカラー優先!というのもアリなのでしょうが……)

その意味で「物語を先に進めるためのきっかけ」→「小道具」は読む人を選んでしまう表現だったかな、と思います。
私の中では一応「作劇の用語なのだから、『その界隈』の表現がいいだろう」→「『私は道具じゃない』は強すぎるな。人権問題みたいだ」→「『大道具』はどうだろう。『大家』と韻を踏むし」→「どうせなら『小道具』のほうがハドスンさんの『小物扱いされたくない』気持ちが出せるかな」という変遷がありますが、作劇のボキャブラリーが豊富な方にはもっと別の方向に思考が展開したかもしれません。
神崎さんはありがたくもお褒めの言葉をくださったのですが、それは神崎さんが私の言いたいことを汲み取ってくださったからですよね。ここで「わがる奴だけわがればいい」(from『あまちゃん』)と開き直ってしまうのもアリなのですが、「他人の褌で相撲をとる」以上、判ってくれる人を10人中10人になるべく近づける、そういう責任が伴うのが翻訳なのだと思います。
時代が変わり、受け入れる人間が変わってしまえば古くなってしまう、それもまた翻訳ものの運命なんですね。だからこそ面白い、と私は思うのですが。

横入り失礼 - 篠田真由美 - 2015年07月16日 11:50:41

 ええと、ナツミさんの神崎真さんへのお返事の横入りです。
 
 私が憤ったネタバレは本の裏表紙に書かれる8行ほどのあらすじというか、あおり文句なので、これは担当編集者が書きます。自分の経験だと文面を見せられて「これでいいですか?」という確認が来るのですが、この本の訳者はシャーロキアンであられる小林司・東山あかね両氏なので、OKを出されるとはちょっと思いにくいところです。なにせラスト50ページまで「ホームズの正体は?」と引っ張っている、その部分がちゃらっとばらされているのですから。
 ホームズもののタイトルだと「犯人は二人」はネタバレだという声があって、日暮さんの新訳では原題寄りの「恐喝王ミルヴァートン」に変わっている、なんてのもありますね。翻案というのはもともと、「外国の人名や舞台だと読者がわかりにくいだろうから」という、一種のサービスの結果だと思うので、暗示的なタイトルよりわかりやすいタイトルに、という、それもサービス的なものだったのかも知れません。
 翻訳物が流布するに連れてオリジナル性の尊重、という価値観が生まれてきました。でもそのせいで、私が子供の頃親しんだ「世界名作の子供向け語り変え」という文化がほぼなくなってしまったのは、子供の本離れの一因になっていないかな、とも思います。

 ハドソンさんのセリフの訳はグッドです。人をお話の要素のひとつとして使い回しているように読めて、それが失礼な感じなのよ、というのが彼女のいいたいことなのでしょうから、(ジョンにしてみれば事実を物語として再構成するのはそういうものです、だろうけど)、「小道具」は適切だと感じました。ぱちぱちぱち。拍手です。

翻訳ありがとうございます! - midori - 2015年07月16日 13:35:07

お久しぶりです。クリスマストレーラー見ました。グラナダ版を思い出させる冒頭は私も涙出そうでしたT^T


ナツミさんの記事でやはり自分は英語字幕ないとドラマの聞き取りは6割程度なんだなと改めて気づきました。単にワトソンの本の感想を言い合ってると思ってたシーンでそんなにたくさんの情報があったとは/ _ ;


だけど何か全体に妙にこそばゆい感じがするのは…特にジョン見てると…フルキャストで真面目に撮ったけどちょびっとふざけてる新春隠し芸大会などを思い出してしまうからでしょうか
。真剣に評価なさってる皆様ごめんなさいm(_ _)m


ああでもウィギンスとかモリーとかどんな配役でくるんでしょう?大人のホームレスネットワークはありでも女性法医学者は時代的に無理ぽいし、けど女性医師はOKかな、とか、女性警官のドノバンの配役は?とか、すでに妄想の翼が広がり始めてます。



ところで最近ドクター・フー観てて知ったのですが、StagNightで張りボテの巨大なケーキから女性(多分ストリッパーさん)が飛び出す余興があるようで…S3E1の吹替ではスルーされてたようですが、シャーロックがマイクロフトに言う「ケーキから飛び出してジョンを驚かしてやろう」はこういう意味だったのかしら〜と。ええ、冗談とは言え「ホームズ先生、自身をストリッパー扱い」とタブロイド紙の見出しにしてやりたい感じですが、どうなんでしょう?



そしてUK版はすでにプレオーダー開始。ナツミさんはすでに発注されたのかしら?私は今回ポンド高すぎるので様子見つつ発注するかあるいはJPでUK版扱い始まるまで待つか考え中です。帰還待ちの時よりは随分落ち着いてますよ、自分。



ここしばらくホームズ不足でしたけど、昨日はビリー・ワイルダー版、今夜はパペット版の特番…一人で盛り上がってます。では、長文失礼しました。

翻案の独自の面白さ - ak - 2015年07月16日 20:56:24

ナツミ様

こんばんは。
神崎さんのコメ、それに対するナツミさんのリプ、興味深い物があります。
翻案というのは、明治時代になって外国文学が入って来た時に、日本人に親しんでもらうために、日本式に置き換えたというのがそもそもの発端と思われますが、これがまた、オリジナルとは違った雰囲気を醸し出しているのは事実かもしれません。
「「十二人の汚き襤褸(ぼろ)を纒へる浮浪漢(ごろつき)」でビリーは名前が銀州(ぎんしう)、あだ名が銀公。 」などは実にうまいと思います。銀公なんてちょっと巾着切ぽいかなとも思ってしまいますが(笑)。
何というか、ホームズというより捕物帳のイメージですね。元々明治大正の頃は、日本文学は「声を出して読む」のが様になる文体だったようで、こういうセリフも音読してみれば、また独特の味わいがあるものと思えます。ホームズと捕物帳といえば、岡本綺堂の『半七捕物帳』が有名ですね。あれはホームズスタイル=半七の語りを新聞記者が起こすスタイルです。
それと、篠田さんご指摘のように、名作の翻案によって活字に親しみ、文学に親しむようになった子供は、私を含めてかつてたくさんいたと思います。ああいうのはなくしてほしくないものです。確かに昔は情報もなく、たとえば『赤毛のアン』のキルトが刺し子になっていたり、『湖上の麗人』のタータンチェックが弁慶縞になっていたりということもあったようですが、そういうのを後で自分で開拓し、知識をつけて行くのもまたありかと思います。

しかし私も以前字幕翻訳をしたことがありますが、限られた字数で、しかも言語系統が異なる外国語の意味を伝えるのは、なかなか難しいものがありますね。やはり一番近い部分での妥協も必要でしょう。

あの映画も… - れすとら - 2015年07月17日 00:54:51

ナツミ様

クリスマストレイラー、翻訳していただいて楽しませて頂きました。
トレイラーの内容がわかっていたので、BSで放送されたビリー・ワイルダー監督「シャーロック・ホームズの冒険」がすごくよくわかりました(ToT)
あのディアストーカーとインバネスのくだりとか。

ストーリはオリジナルですが、モファティスさんたちがさすがに大好きと言われるだけあって、現代版にもいろいろ受け継がれていました。「ベルグレイヴィア」のお好きな方はぜひ!

「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」も是非放送して欲しいな~

- さき - 2015年07月17日 09:42:45

英語が100%苦手なわたしは、せめてと思いながらマーティンの演技を一生懸命見るのですが、ある時はデイヴィッド・バークに見えるし、でもエドワード・ハードウィックのような気もするし。
もしかしてミックスなんでしょうか?まさか?

ナツミさんの鑑定を心待ちにしています!

21世紀探偵 友の会… こちらも 入会希望です〜 - billylab - 2015年07月17日 13:26:32

ぼやぼやしていると、話題がどんどん展開してしまいますねー。
自分の小さなハードディスクがオーバーヒートするまえに、お邪魔します〜。
(本当は、拙ブログに曖昧な画像があるので、描き直してから! と、思っていたのですが、
 それでは どんどんスレッドがのびてしまうので〜。(*´Д`)ゝ”)

本当に素晴らしいわくわくするトレーラーですね!
最初に シャーロックとジョンの画像が公開された時、(本当に最初の、ベネディクトの肩が消えた事件byゲイティス氏の時の、です)
「ファンダムが、ベネディクトくんとマーティンさんに ヴィクトリアン・ホームズのコスプレ(汗)させるから、
 ちょっとやってみたくなったとか、そんなのだったらどうしよう…」と、ハラハラしていたのですが、
これは 期待に 胸が膨らみます♪
そして、ナツミさん、神崎さんの(すみません、横レスです)
>> なにもかも忠実に直訳すればいいというわけではない。
>>日本人に受け入れやすい言いまわしに置き換えつつ、削っていい場所とどうしても削らずに
>> 済ませるべき場所もある。ほんとにセンスがいりそうです。
このお考えに、まったくもって 首肯であります。
後述もされていますが、「小道具」という言葉を選択された理由も 合点がいきますし、
篠田先生が上手に説明してくださいましたが、そうそう ハドソンさんの気持ちから言うと、そうですよね〜と
思います。(^^)
(最初に自分が読ませて貰ったせりさんの訳も、世代の空気や言葉遣いが上手なので、好きな訳ですが)

横レス再び。
> 篠田先生
おっとと、そんな風に種明かしが最初にされてしまうと、「え゛ーーーっ」と なりますねー。
むかーし、横溝正史さんのミステリーは、「犯人は登場人物の○○番目の人だからすぐ判る」と、
友達が言っていましたが…。(T▽T) あと、ドラマ化は 女優さんのランクで犯人が判るそうで。
わたしは 当時は 怖くて 見られなかったので、深追いできませんでした。onz

こちらこそ失礼しました! - ナツミ - 2015年07月19日 08:53:23

篠田真由美様

こちらこそ、何度もお名前を出してしまい、失礼しております!
 
>  私が憤ったネタバレは本の裏表紙に書かれる8行ほどのあらすじというか、あおり文句なので、これは担当編集者が書きます。自分の経験だと文面を見せられて「これでいいですか?」という確認が来るのですが、この本の訳者はシャーロキアンであられる小林司・東山あかね両氏なので、OKを出されるとはちょっと思いにくいところです。なにせラスト50ページまで「ホームズの正体は?」と引っ張っている、その部分がちゃらっとばらされているのですから。

『最後の対決』むか~し読んだと思うのですが、オチ以外の内容を忘れてしまったのでアマゾンで注文しました(価格高騰していた時期もあったようですが、今はそうでもないですね)。
私も文庫で読んだのだと思います。読んだ時の印象は思い出せないのですが、作者の意図に反したネタバレであれば、問題ですよね。どうしてそういうことになってしまったのかしら。小林先生、東山先生がその解説にOKを出された背景には、何があったのでしょう。
その頃の私は図書館で見つけたパスティーシュを片端から読んでいて、いろいろある設定のひとつと受け止めていたのだと思います。「こんな奇抜な設定もある」という心構えを、むしろ必要としていたのかも。でも、作者の方は驚きを持って読んでほしいはずですよね。

>  ホームズもののタイトルだと「犯人は二人」はネタバレだという声があって、日暮さんの新訳では原題寄りの「恐喝王ミルヴァートン」に変わっている、なんてのもありますね。

そうなのですね。「犯人は二人」はとてもよいタイトルだと思っていましたが(『二人』が『あの二人』だとははっきりわからないし、二人の侵入は物語の山場であってもミステリの本筋には関与していないですよね)、オリジナルを尊重するなら「恐喝王~」に軍配が上がりますね。

>翻案というのはもともと、「外国の人名や舞台だと読者がわかりにくいだろうから」という、一種のサービスの結果だと思うので、暗示的なタイトルよりわかりやすいタイトルに、という、それもサービス的なものだったのかも知れません。

今でも「翻訳ものは登場人物の名前が覚えられないから読まない」という人がいますものね。「わざわざそうした」のではなく、「そうしないと読んでもらえない」という危機感がそうさせたのですね。

>  翻訳物が流布するに連れてオリジナル性の尊重、という価値観が生まれてきました。でもそのせいで、私が子供の頃親しんだ「世界名作の子供向け語り変え」という文化がほぼなくなってしまったのは、子供の本離れの一因になっていないかな、とも思います。

私もどっぷり「名作の子供向け語り替え」の中で育ちました。挿絵を今風にしたりしてある程度残っているとは思いますが、子どもの頃はアニメ作品もたくさんあったことを考えると、確かに減ってしまったのでしょうね。

子供たちの本離れ、私も気になっている問題です。文字でインプットされた情報を楽しめる、というのはさまざまな意味で必要な能力だと思います。
子供が触れることのできるメディアの種類が増え、本と向き合う機会は減ってしまったもしれませんが、本との付き合い方も増えてきました。「ビブリオバトル」などに取り組んでいる学校もありますね。こうして映像と本を比べながらネットで感想をお話するという楽しみ方も、DVDやブログが普及したからできることです。
良いと思えるものを子どもに伝えるためには、まず大人が楽しんでいる姿を見せていくのが一番ではないかな、と思います。私も自分にできることをしていきたいです。

>  ハドソンさんのセリフの訳はグッドです。人をお話の要素のひとつとして使い回しているように読めて、それが失礼な感じなのよ、というのが彼女のいいたいことなのでしょうから、(ジョンにしてみれば事実を物語として再構成するのはそういうものです、だろうけど)、「小道具」は適切だと感じました。ぱちぱちぱち。拍手です。

わ、嬉しいです!
ジョンはまさにそんな抗議をしていますね。ワトスンの物語に文句をつけていた原作のホームズも、自分で書いてみたらワトスンの書き方に納得せざるを得なかった、というエピソードがありました。
読者は気軽に文句を言うけれど、作者の考えは、実際その立場になってみないとわからないのですね。きっと、篠田先生もジョンやワトスンに共感なさっているのではないでしょうか。

今夏もホームズ祭り - ナツミ - 2015年07月19日 09:34:03

midori様


> お久しぶりです。クリスマストレーラー見ました。グラナダ版を思い出させる冒頭は私も涙出そうでしたT^T

きっとmidoriさんもお喜びだろうなあと思っていました!

> だけど何か全体に妙にこそばゆい感じがするのは…特にジョン見てると…フルキャストで真面目に撮ったけどちょびっとふざけてる新春隠し芸大会などを思い出してしまうからでしょうか
> 。真剣に評価なさってる皆様ごめんなさいm(_ _)m

確かに、ちょっとコント感は否めない……(私としては、想像よりだいぶコント感が薄かったのですが)
グラナダファンにも、茶化されたような気がして不愉快になった方がいらっしゃるかもしれないですね。

> ああでもウィギンスとかモリーとかどんな配役でくるんでしょう?大人のホームレスネットワークはありでも女性法医学者は時代的に無理ぽいし、けど女性医師はOKかな、とか、女性警官のドノバンの配役は?とか、すでに妄想の翼が広がり始めてます。

私の中ではモリーは家庭教師一択なんですが、メアリとかぶるか……?いや、メアリは看護師のままかしら。
いや待て、設定はジョン結婚以後なの?ひょっとして221Bで同居中なの?
サリーは時代的に設定が限られてしまうかもしれませんが、レストレードの19世紀コスプレは何気に一番の楽しみだったりします。今こそあの、ちょっと古風な美中年ぶりを最大限に発揮する時!出なかったら本気で泣くよ!

> ところで最近ドクター・フー観てて知ったのですが、StagNightで張りボテの巨大なケーキから女性(多分ストリッパーさん)が飛び出す余興があるようで…S3E1の吹替ではスルーされてたようですが、シャーロックがマイクロフトに言う「ケーキから飛び出してジョンを驚かしてやろう」はこういう意味だったのかしら〜と。ええ、冗談とは言え「ホームズ先生、自身をストリッパー扱い」とタブロイド紙の見出しにしてやりたい感じですが、どうなんでしょう?

ど、どうなんでしょう。ストリッパーだからケーキから出てくるというよりは、嬉しいサプライズだからケーキから出てくるのだろうと、勝手に思ってたのですが……

> そしてUK版はすでにプレオーダー開始。ナツミさんはすでに発注されたのかしら?私は今回ポンド高すぎるので様子見つつ発注するかあるいはJPでUK版扱い始まるまで待つか考え中です。帰還待ちの時よりは随分落ち着いてますよ、自分。

ええ、本当にポンド高ですよね。友人とも今注文しないほうがいいよね、という話をしたばかりです。理想をいえば劇場で観て、BDで入手したいんですけど……

> ここしばらくホームズ不足でしたけど、昨日はビリー・ワイルダー版、今夜はパペット版の特番…一人で盛り上がってます。

さらに翌日、テレビ東京で「エレメンタリー」の放送が始まったんですよ!午後1時からなので、「これはホームズとワトスン」と頭では分かってても、ぱっとテレビをつけたときの昼ドラ感がすごいんじゃないでしょうか……
DVDはすでに持ってますが、毎日あの二人がテレビに出てるのは嬉しいです!吹替ジョーンの声も好き。

翻訳者さんはたいへん - ナツミ - 2015年07月19日 14:42:26

翻役者さんはたいへん
ak様

> 翻案というのは、明治時代になって外国文学が入って来た時に、日本人に親しんでもらうために、日本式に置き換えたというのがそもそもの発端と思われますが、これがまた、オリジナルとは違った雰囲気を醸し出しているのは事実かもしれません。

「わかりやすさ」が第一だったのですね。オリジナルとは離れてしまっていますが、そこもまた面白いですね。

> 「「十二人の汚き襤褸(ぼろ)を纒へる浮浪漢(ごろつき)」でビリーは名前が銀州(ぎんしう)、あだ名が銀公。 」などは実にうまいと思います。銀公なんてちょっと巾着切ぽいかなとも思ってしまいますが(笑)。

巾着切り=スリ、ですね。ホームズご自慢のすばしこい少年たちでしたから、やる気になればお手の物かも。

> 何というか、ホームズというより捕物帳のイメージですね。元々明治大正の頃は、日本文学は「声を出して読む」のが様になる文体だったようで、こういうセリフも音読してみれば、また独特の味わいがあるものと思えます。ホームズと捕物帳といえば、岡本綺堂の『半七捕物帳』が有名ですね。あれはホームズスタイル=半七の語りを新聞記者が起こすスタイルです。

文体に独特のリズムがあるのえすね。「半七~」はホームズが基になっているそうですね。

> それと、篠田さんご指摘のように、名作の翻案によって活字に親しみ、文学に親しむようになった子供は、私を含めてかつてたくさんいたと思います。ああいうのはなくしてほしくないものです。確かに昔は情報もなく、たとえば『赤毛のアン』のキルトが刺し子になっていたり、『湖上の麗人』のタータンチェックが弁慶縞になっていたりということもあったようですが、そういうのを後で自分で開拓し、知識をつけて行くのもまたありかと思います。

文化の違いが大きすぎるときは、橋渡しをするのも大変ですし、翻訳者自身知らないこともあったかもしれませんね。
描写に試行錯誤が読み取れるとき、私はうれしくなってしまいます。

> しかし私も以前字幕翻訳をしたことがありますが、限られた字数で、しかも言語系統が異なる外国語の意味を伝えるのは、なかなか難しいものがありますね。やはり一番近い部分での妥協も必要でしょう。

限られた文字数、限られた時間に詰め込める情報量が違うので、そこを制限されている翻訳者さんは大変ですね。
「一番近い部分」をどこに見出すかに、センスが問われるのですね。

あの映画もぜひ! - ナツミ - 2015年07月19日 15:49:34

れすとら様

> トレイラーの内容がわかっていたので、BSで放送されたビリー・ワイルダー監督「シャーロック・ホームズの冒険」がすごくよくわかりました(ToT)
> あのディアストーカーとインバネスのくだりとか。

おおっ、私も久しぶりに観たくなりました!(あ、そういえばこの人もビリーだ……)
ワイルダーの映画って、昔はよく民放で深夜にやってた気がします。今映画館で見ても、条件反射でまったりしてしまいます……

> ストーリはオリジナルですが、モファティスさんたちがさすがに大好きと言われるだけあって、現代版にもいろいろ受け継がれていました。「ベルグレイヴィア」のお好きな方はぜひ!

ジョンの「ゲイじゃありません!」とか、わりとこの映画からですよね。
パスティーシュや過去の映像作品に手を出してしまうときりがないので控えていましたが、受け継がれているところをじっくりチェックしてみたいですね!クリスマススペシャルはいきなりグラナダパロから始まったので、過去作品パロもいっぱい入りそうですね。

> 「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」も是非放送して欲しいな~

私も放送してほしいです!観たいのになかなか放送されないホームズ映画、たくさんありますね。

強いて言えばジョン - ナツミ - 2015年07月19日 17:26:29

さき様

> ある時はデイヴィッド・バークに見えるし、でもエドワード・ハードウィックのような気もするし。
> もしかしてミックスなんでしょうか?まさか?

そうなんですよね!ワイルダー版っぽい気もするし、特定するにはまだちょっと粘土が足りないですかねぇ。
「デイビッド・バークに見える」のはハドスンさんが新作を読んでくれたと知ってちょっと嬉しそうな声を出すところでしょうか。それ以降は、強いて言えば……ジョンかな……。
シャーロックも「僕も犬のやつには~」ってとこはシャーロックに見えます。「そんなこんなで結局いつもの彼らが仲良く喧嘩するよ~お楽しみに☆」というメタ的なギャグオチなんでしょうかね。

私は三原順研究会の給仕になりたいです! - ナツミ - 2015年07月20日 10:02:13

billylab様

> 最初に シャーロックとジョンの画像が公開された時、(本当に最初の、ベネディクトの肩が消えた事件byゲイティス氏の時の、です)
> 「ファンダムが、ベネディクトくんとマーティンさんに ヴィクトリアン・ホームズのコスプレ(汗)させるから、
>  ちょっとやってみたくなったとか、そんなのだったらどうしよう…」と、ハラハラしていたのですが、
> これは 期待に 胸が膨らみます♪

きっかけはそんな感じだったのかもしれませんね……
しかし19世紀ベネディクトが予想以上に素敵なので、もうその時点で何でもい……いやいや、お話だってあのメンバーで面白くならないはずがありません!

翻訳についてもありがとうございます。
世代や時代の空気を伝える、というのもすごく大事なことですよね。
そのためには、言葉を追うだけでなく、その背景にある世界への知識も必要になってくる。
知識だけじゃないかな……最終的に「その言い方はないだろ」と思われないためには、なんというか、すべての人の感覚の最大公約数を掴むセンスが必要なわけで。
む、難しい……私は趣味として楽しくやっていきます……


> むかーし、横溝正史さんのミステリーは、「犯人は登場人物の○○番目の人だからすぐ判る」と、
> 友達が言っていましたが…。(T▽T) あと、ドラマ化は 女優さんのランクで犯人が判るそうで。
> わたしは 当時は 怖くて 見られなかったので、深追いできませんでした。onz

お話を書いた人というよりは受け取り手の問題として「謎解きではない楽しみ方」がミステリにはあるんじゃないだろうか、というのが最近の私のテーマなのですが、その「必ず○○番目」とか「女優さんのランクでわかる」とかは、そういう感じですよね。ドラマの作り手はどう考えてたんだろう。様式美みたいなものなんでしょうか。

billylab様のヴィクトリアンシャーロック&ジョンイラスト、楽しみにしております!

岡本綺堂とコナン・ドイル - ak - 2015年07月20日 13:34:48

ナツミ様

こちらにも。
何だか場違いなネタなのに^^;リプありがとうございます。

>文体に独特のリズムがあるのえすね。「半七~」はホームズが基になっているそうですね。

岡本綺堂は海外の推理小説にも造詣が深く、ドイルの『北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃』などの訳も手掛けていますね。キンドル版にあるようなので、読みたいなと思っています。いわゆる日本の推理小説、あるいは捕物小説はこの人が作り出したともいえますね。

>描写に試行錯誤が読み取れるとき、私はうれしくなってしまいます。
> 「一番近い部分」をどこに見出すかに、センスが問われるのですね。

確かに。ネットもなく、情報源が限られていた時代の翻訳は大変だっただろうなと思います。今はその分恵まれていますし、より多角的な見方ができるようにはなっていますが、それでも固有の文化、言い回しをどう異文化圏に伝えるかは、なかなか難しいですね。

それからmidoriさんのコメの『ドクター・フー』のサプライズ、私も観ました。正にスタッグナイトで、エミーの彼のローリーが仲間たちとどんちゃん騒ぎをしているのに、エミーとドクターはそれどころじゃなくて、結局その時点でローリーを連れてタイムスリップするような設定でしたね。

読んでみたいです - ナツミ - 2015年07月21日 03:46:16

ak様

> 岡本綺堂は海外の推理小説にも造詣が深く、ドイルの『北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃』などの訳も手掛けていますね。キンドル版にあるようなので、読みたいなと思っています。いわゆる日本の推理小説、あるいは捕物小説はこの人が作り出したともいえますね。

私はあまり読んでいないので、読んでみたいと思います。
未だに電子書籍購入したことがない私ですが、キンドル版はそういうときありがたいですね。

> 確かに。ネットもなく、情報源が限られていた時代の翻訳は大変だっただろうなと思います。今はその分恵まれていますし、より多角的な見方ができるようにはなっていますが、それでも固有の文化、言い回しをどう異文化圏に伝えるかは、なかなか難しいですね。

SHERLOCKだとS1E3の"Not much cop, this caring lark"なんて、私にはえらく難しかったです。訳せなすぎて原文を暗記しちゃいましたが、実生活で使ったことはないです。自分では使わないような言い回しに出会うところから、すでに翻訳は始まってるのかもしれませんね。

異文化異言語という挑戦状 - ak - 2015年07月25日 12:35:52

ナツミ様

こんにちは、こちらにも。

>自分では使わないような言い回しに出会うところから、すでに翻訳は始まってるのかもしれませんね。

仰る通りですね。新たな発見があって、それを読解しようと試みる気持になるわけですから。異文化異言語に触れるということは、ある意味、挑戦状を常に叩きつけられているようなものかもしれません。
ところで篠田先生の著作に関してですが、すみません、まだ目を通した程度ですのできちんと読もうかなと思っています。後書きの、こちらのブログについて言及された部分は拝見しています。

余談ですが、今回のパペット版は本編の後がクイズという形式になっています。このクイズは、昨年の秋に発売された「推理クイズブック」が元になっているふしもありますね。


クイズも楽しみです - ナツミ - 2015年07月26日 14:08:46

ak様

> 仰る通りですね。新たな発見があって、それを読解しようと試みる気持になるわけですから。異文化異言語に触れるということは、ある意味、挑戦状を常に叩きつけられているようなものかもしれません。

挑戦していく、という表現は前向きで素敵ですね!

> ところで篠田先生の著作に関してですが、すみません、まだ目を通した程度ですのできちんと読もうかなと思っています。後書きの、こちらのブログについて言及された部分は拝見しています。

ぜひ、本編もじっくりお読みになってください。
この感想はなるべく「優しさ」という言葉を使わずに書いてみたのですが、篠田先生と『SHERLOCK』の作品世界に共通しているのはやはり「優しさ」だと思います。
ストレートに描かれる甘い優しさではなく、どうしようもなく傷ついた人間にさしこむ薄い光のような優しさが『SHERLOCK』には息づいていて、そこに惹かれた方には、篠田先生の作品も心に響くのではないかなあと思っています。

> 余談ですが、今回のパペット版は本編の後がクイズという形式になっています。このクイズは、昨年の秋に発売された「推理クイズブック」が元になっているふしもありますね。

視聴者参加型で面白そうですね。楽しみにしています!

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シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

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