最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
★コメントを歓迎しております。初めてコメントくださる方は、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。
→「コメントをくださる方へ
「あの場面の元ネタは?」という時はこちらへ
記事索引「ブリキの文書箱

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

シャーロックのスピーチ

祝電のあたりではどうなることかと思われた、ベストマンのスピーチ。
ジョンに「悪いが祝福はできない(I'm afraid, John, I can't congratulate you.)」と言い出したあたりで招待客のハラハラゲージも最高潮だったと思いますが(視聴者のも……)これも原作からですね。

「ああ、これでわれわれのささやかなドラマの幕もおりたわけか」ジョーンズたちが出ていったあとで、しばらく無言で煙草をふかし続けてから私が感想をもらした。「君のお手並を拝見するのもこれが最後だと思う。モースタン嬢は僕の妻になる承諾をあたえてくれたからね」
ホームズは悲しげにうめいて、「そんなことになりゃしないかと思っていた。だが僕はおめでとうとは言わないよ(I really cannot congratulate you.)」 (延原謙訳)



ホームズがワトスンを祝福できない理由は、結婚そのものに懐疑的だから。

"But love is an emotional thing, and whatever is emotional is opposed to that true cold reason which I place above all things. I should never marry myself, lest I bias my judgment."

「しかし恋愛は感情的なものだからね。すべて感情的なものは、何ものにもまして僕の尊重する冷静な理知とは相容れない。判断を狂わされると困るから、僕は一生結婚はしないよ」 (延原訳)



シャーロックも似たようなことを言ってます。

All emotions and in particular love, stand opposed to the pure, cold reason I hold above all things.
「感情や恋に落ちることは、僕が何よりも重視している、 純粋で冷静な論理の対極に位置するものだ」(拙訳)


現代版でのこのくだり、言ってるうちにどんどん大げさになっていくのですが(『死番虫』って…・・英語の祝辞は忌み言葉とかないんでしょうか)、原作はわりとあっさりです。ワトスンも笑って受け流すし。

皆の危惧通り、新郎新婦をはじめ参列者の皆さんにも失礼大爆発のシャーロックですが、後半で一気に引っくり返すんですね。

"The most unpleasant, rude,ignorant and all-round obnoxious arsehole that anyone could possibly have the misfortune to meet. I am dismissive of the virtuous, unaware of the beautiful and uncomprehending in the face of the happy.
So if I didn't understand I was being asked to be best man,it is because I never expected to be anybody's best friend. And certainly not the best friend of the bravest and kindest and wisest human being I have ever had the good fortune of knowing."
「僕は世界で一番嫌なやつで、無礼で、無知で、不愉快で、
みんなが避けて通りたいような人間だ。
徳にも興味がないし、美にも疎い。 幸福も理解できない。
ベストマンを頼まれてるとはわからなかったのは、僕が誰かの親友になれるとは思っていなかったからだ。
しかも、この、幸運にも巡り合えた、誰よりも勇敢で親切で賢い人間の親友になんて。」

"John, I am a ridiculous man. Redeemed only by the warmth and constancy of your friendship.
.But, as I am apparently your best friend, I cannot congratulate you on your choice of companion.
Actually, now I can."
「ジョン、僕はちっぽけな男だ。君の優しさや友情のおかげで、やっていけているようなものだ。
君は僕を親友と思ってくれているようだが、だとしたら僕は、君の相棒を選ぶ眼は祝福できない。
でも、相手が彼女ならできる。」 (拙訳)



原作ではワトスンが"Have you any reason to be dissatisfied with my choice?" (『僕の選択に満足できない理由でもあるのか?』)と聞き、ホームズは"Not at all."(『そんなことは全くない』)と返します。妻としてメアリを「選んだ」ワトスンの選択眼を祝福しないわけではないよ、というわけですね。このあたりを上手に持ってきて感動的なスピーチに仕立てている脚本家さんは、私なんかが今更言うことでもないですけど、本当に原作を読み込んでいらっしゃいますよね。

原作でもホームズがこんな感動的な言葉をワトスンにかけたとは、ちょっと思えません。
何度も引用していますが、「三人ガリデブ」や「悪魔の足」でホームズがほんの少し温かい感情を覗かせただけで、ワトスンは大感激しちゃってますから。

それでも、原作のホームズが同じように思っていたことを、読者はずっと知っていて、それが1世紀を経て、シャーロックの口から出てきたような気がします。
"SHERLOCK"というドラマには、時々そんな風に感動させられます。
関連記事
スポンサーサイト

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

ご閲覧やRSS登録ありがとうございます!まだ廃墟じゃありませんよ~!亀の歩みですが、過去の振り返りも含めてのんびり元ネタ探し続けていきたいと思います。

メールはこちらへ

Twitter
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
索引
このブログで考察した「元ネタ」を、ドラマの時系列に沿って探すための索引サイトです。 順次更新致します。 「21世紀探偵・ブリキの文書箱」
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
blog mura
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。