最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
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17段の階段

「元ネタ」探し好きとして、第3シリーズで一番うれしかった場面。

晴れた朝、お茶の道具を持ったハドスンさんが、221Bの階段を一段一段登っていきます。
思わず息をひそめてその歩数を確認すると……17段!

ひょっとしたら今までも確認できたのに、ぼーっとしてる私が見逃してただけかもしれないのですが、この場面ではハドスンさんがゆっくり上ってくれたので、「段数」が確認できて本当にうれしかったです。

「推論の根拠を聞くと、いつでもばかばかしいほど単純で、僕にだってできそうな気がするよ。それでいて実際は、説明を聞くまでは何が何だかわからないのだから情けない。眼だって君より悪くなんかないつもりなんだがねえ」
「それはそうさ」とホームズは巻きタバコに火をつけて、肘掛椅子にどかりと腰をおろしながらいった。「君はただ眼で見るだけで、観察ということをしない。見るのと観察するのでは大ちがいなんだぜ。たとえば君は、玄関からこの部屋まであがってくる途中の階段は、ずいぶん見ているだろう?」
「ずいぶん見ている」
「どのくらい?」
「何百回となくさ」
「じゃきくが、段は何段あるね?」
「何段?知らないねえ」
「そうだろうさ。心で見ないからだ。眼で見るだけなら、ずいぶん見ているんだがねえ。僕は十七段あると、ちゃんと知っている。それは僕がこの眼で見て、そして心で見ているからだ。(後略・『ボヘミアの醜聞』延原謙訳)」



現代版ではジョンの結婚式の朝ですが、原作では、ワトスンの結婚後会っていなかったホームズとワトスンが久しぶりに再会する場面。おそらく、221Bに戻ってくるのも、結婚以来初めてでしょう。
ホームズは、ワトスンとメアリの結婚をどう思っていたのか、二人の結婚式には出席したのか、後ほど記事を改めて考えてみたいと思いますが、この場面では二人がそれぞれに、すこし感傷的になっているように見えます。
シャーロックが感傷的になっているのは、ハドスンさんの話への反応からも、空っぽになったジョンの肘掛け椅子を見やる様子からも見て取れます。

私はまだ結婚したことがないのですが、仮に結婚したとして、しばらくぶりに実家に顔を出したら、椅子とか、階段とか、何気なく使っていたものの一つ一つを懐かしく感じるのではないかなあ。もし、一緒に暮らしている人が家を出て行ったら、戻ってきたときには同じように感じてほしい、とも思います。
ワトスンと一緒に暮らしていた7年もの間、一度も触れることのなかった「階段の段数」にホームズが急に言及したのは、ひょっとしたらそういう心理が働いているのかもしれません。彼が私と同じようにセンチメンタルな人間だとは思いませんが……
現代版の方では、221Bの階段や部屋の様子を丁寧に映し出すことで、穏やかな、晴れ晴れとした、でもすこし寂しい朝を表現しています。
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この記事へのコメント

17段! - midori - 2014年05月18日 00:30:25

S3E2私も観たのに〜恥ずかしながら全くノーマークでした!
そんな小技効かせてくれてたとはつゆ知らず…。

再来週にはハイビジョンで確認できますね。しっかり観なきゃ。
ところで予告が日に日にネタバレ感を増してきておりますぜ、旦那。

さて、久し振りに帰って懐かしく思うもの…ですか。
ワトソンが玄関ドアや221Bの調度品を懐かしげに見やるシーンは
グラナダ以外の作品で見ますね。とりあえず思い付くのは
ルパート・エベレット&イアン・ハート版。

自分に引き寄せた場合、実家は建て替えられたので以前の面影は跡形も無く…
それでもたまに夢に出てくる実家は以前の建物です。
玄関ホールとか自分の部屋とか階段とか。
あのまま実物が残ってれば別の感慨を持つのかなぁ?

階段の思い出と言えば、ある時踊り場にグレーの小ぶりの蛇が
トグロ巻いており…センチメントとは結構無縁な私は
『蛇の射程距離は本人の体の長さ』との豆知識を思い出して
距離を取りつつやり過ごしたのち、
火バサミ持ってきてトグロのまま首根っこ掴んで
2階の窓から放り出してやりました。
(掴まれた場合の射程距離は掴まれた部分から口まで)。
…どんな田舎やねん。

では放送まで皆さんご自愛くださいませー。

17段(………だったはず)! - ナツミ - 2014年05月18日 11:20:21

midori様

> S3E2私も観たのに〜恥ずかしながら全くノーマークでした!
> そんな小技効かせてくれてたとはつゆ知らず…。

いや普通数えないですけど、重箱の隅愛好家(一方的な仲間呼ばわり)のmidoriさんがノーマークでしたか!
私の数え間違いだったらどうしよう……と一挙に不安になりました!放映こわい!

> ところで予告が日に日にネタバレ感を増してきておりますぜ、旦那。

「花子とアン」を観るためにBSプレミアム流しっぱなしの今日この頃ですが、気づきませんでした!朝だからか…?絵面でわかってしまうネタバレが多いので、宣伝も大変ですよね。


> ワトソンが玄関ドアや221Bの調度品を懐かしげに見やるシーンは
> グラナダ以外の作品で見ますね。とりあえず思い付くのは
> ルパート・エベレット&イアン・ハート版。

ああ!ルパート・エベレット!「ワトスンが結婚して寂しいホームズ」筆頭はロバート・ダウニー・Jrかと思ってましたが、こっちのほうが寂しそう!(顔色が悪いせいでしょうか)ダウニー・Jrホームズは映画一本分かけて抵抗するけど、どことなくからっとしているように思います。ホームズもワトスンも。
>
> 自分に引き寄せた場合、実家は建て替えられたので以前の面影は跡形も無く…
> それでもたまに夢に出てくる実家は以前の建物です。
> 玄関ホールとか自分の部屋とか階段とか。
> あのまま実物が残ってれば別の感慨を持つのかなぁ?

実感を伴ったご感想、ありがとうございます。
ワトスンは、たまたま通りかかったベーカー街で221Bの戸口を目にしたとたんに思い出が蘇って、ホームズの顔を見たくなるので「実物の持つ力」というのもあるのかもしれませんね。
でも、夢で思い描けるほど思い出が詰まっているなんて、取り壊されたほうのご実家も、幸せな建物だなあと思います。

> 階段の思い出と言えば、ある時踊り場にグレーの小ぶりの蛇が
> トグロ巻いており…

ひいい!蛇が苦手な私にはおそろしいです!
でも家の守り神だから殺してはいけない、と聞いたことがあるような、ないような……
接近戦に備え、『蛇の射程距離は本人の体の長さ』『掴まれた場合の射程距離は掴まれた部分から口まで』の教えを肝に銘じておこうと思います!

二話目は微妙のジンクスは破られた - 神崎真 - 2014年06月01日 02:29:08

先ほど「三の兆候」を視聴してきました。
ナツミさんのこの記事、タイトルとさわりだけは拝見していたので、思わずハドソンさんの歩数を数えてしまいました。やっぱり17段でしたよ!(最後の一段がちょっと怪しかったけど)

> それでもたまに夢に出てくる実家は以前の建物
私も結婚は未経験ですが、子供の頃に引っ越しをして、現在の家のほうがもう長く住んでいるのに、未だに夢に出てくるのは昔の家です。骨身にしみ付いているのでしょうかねえ。

ベストマン・シャーロックが、思ったほどにはヤラかさずにいてくれて、ちょっとホッとしました。
でもラストの一人会場を立去るシーンがちょっぴり切なかったです。来週の二人はどんなふうな関係になっているのかなあ……

確かに16.5段くらいに見える…… - ナツミ - 2014年06月01日 08:50:43

神崎 真さま

「二話目は微妙のジンクス」……"The Blind Banker"が評判悪いのは知ってたけど、バスカヴィルも低評価なんですか。私はクリフハンガーが苦手なんで、二人の日常を織り込みつつ事件も綺麗にまとまる「2話目」が結構好きなんですが、確かに大きな動きはないからなあ。
"The Sign of Three"は全体のターニングポイントでもあり、事件としてもまとまってますね。(あの殺害方法、『やられた』時に被害者が気づかないのが未だに納得いかないんですけど……)

> ナツミさんのこの記事、タイトルとさわりだけは拝見していたので、思わずハドソンさんの歩数を数えてしまいました。やっぱり17段でしたよ!(最後の一段がちょっと怪しかったけど)

おお、よかった!
あの(セットの)階段、元々ちゃんと17段に作られてたんでしょうか。17段という設定で歩いているとは思うのですが、足元が映らないし、神崎さんのおっしゃる通りちょっとハドスンさんの足取りが怪しいんですよね。
>

> 私も結婚は未経験ですが、子供の頃に引っ越しをして、現在の家のほうがもう長く住んでいるのに、未だに夢に出てくるのは昔の家です。骨身にしみ付いているのでしょうかねえ。

以前住んでいたところの夢をみること、ありますよね。
私は進学などで何度か家を出ていて今も一人暮らしなんですが、時々自分がどこに寝ているかわからなくなります。あと、なぜか高校や大学で単位が取れない!とか課題ができてない!という夢を未だに見ては、朝起きてほっとしてます。我ながら、どんだけ劣等生だったんでしょう。

> ベストマン・シャーロックが、思ったほどにはヤラかさずにいてくれて、ちょっとホッとしました。

総合的にはうまくやってましたよね。評価は分かれるかもしれませんが……シャーロックにしては本当によくやった!と褒めてあげたい!全視聴者が保護者気分で、ある意味どの事件よりもハラハラさせられたと思います。

> でもラストの一人会場を立去るシーンがちょっぴり切なかったです。来週の二人はどんなふうな関係になっているのかなあ……

ラストシーン、私は本当にやりきれなかったんですよ。友人が結婚して、祝福したいけど本当は寂しい(そして『寂しい』がちょっと勝ってる自分を持て余している)気持ち、は痛いほどわかるんです。場数を踏んでいるのでその道に関してだけはシャーロックより私のほうが先輩だよ!と言いたいくらいなんですが、なんだかんだケロッと生きてる私の女友達への依存と、シャーロックのジョンへの依存は質も量も全然違うんじゃないかと思うと、今度はシャーロックの痛手を想像してますますやりきれない……!
しかも原作と違って、シャーロックには「先にジョンを置いていったのは自分」という負い目があるのも見ていて辛いです。原作に比べて、何だか色々がんじがらめな状況で自分を抑制している気がする。
あ~でも語り始めると長くなる上に、感情的な話になっちゃいますね……今すぐ居酒屋に集合したいです。

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Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

『高名の依頼人』のこと書きましたが、6月24日までグラナダ版がGYAOで無料で観られるそうです。
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