最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
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昔みたいに

"I'm definitely going to kill you!"
"Oh, please. Killing me, so two years ago."

「絶対殺してやる!」
「勘弁してくれ。殺すなんて、2年前みたいじゃないか」 (拙訳)



この会話は「空家の冒険」で読んだ覚えがあります。こちらは冒険に出る前ですが……

"You’ll come with me to-night?"
"When you like and where you like."
"This is, indeed, like the old days."

「じゃ、今晩やってくれるかい?」
「やるとも!時と処のいかんを問わず、君のいうとおりにするよ」
「まるで昔とそっくりだな。(後略)」


全然違うじゃん!と言われてしまいそうですが、実は似たような会話じゃないでしょうか。
じゃれ合ってるんですよね、要するに。口に出す言葉は違っても、どちらの二人からも再会のよろこびがじんわりと伝わってきます。こういう時、ハドスンさんではないですが「まったく男の子だなあ」と思います。4人とも。

ラストシーンのシャーロックとジョンの会話も、とてもいいですね。

"When you were dead, I went to your grave."
"I should hope so."
"I made a little speech. I actually spoke to you."
"I know. I was there."
"I asked you for one more miracle. I asked you to stop being dead."
"…… I heard you."

「君が死んでた時、僕は君の墓に行った」
「そうであって欲しいね」

「ちょっとしたスピーチをした。というか、 君に話しかけたんだ」
「知ってる。僕はあそこにいた」
「君に『依頼』した。もう一度奇跡を起こしてくれって。生き返ってくれって」

「……聞いてたよ」 (拙訳)



もうここでぼろ泣きしちゃいます。シャーロックが「死んだ」時ですら、こんなに泣かされなかったのに!
(加齢と共に涙腺が緩くなってる説もありますが……)

原作でも、ワトスンがホームズの死に直面していた時、ホームズは「そこにいた」わけです。

「(前略)それでも僕はもがきつづけて、ついに五、六フィートの深さのある岩のたなになった場所までたどりついた。一面に柔らかいこけで覆われて、どこからも見つけられることなしに、らくらくと手足をのばしていられる。君たち一行がやってきて、僕が死んだ前後の事情を、同情するばかりで一向に効果のあがらぬ方法で調べているあいだ、僕はじっとそこで横になっていたのだよ。(後略)」



ホームズもシャーロックも、自分の死に打ちのめされる親友を見ながら、何を考えていたのでしょう。
シャーロックは「文字通りその場にいた」ことをジョンにはっきり伝えようとはしませんし、ホームズの思いもワトスンに対して語られることはなかったのでしょうが、心中穏やかであったはずはない、と私は思います。

置いていった者の気持ちも、置いていかれた者の気持ちも、当事者にしかわかりません。
それぞれの気持ちを、それぞれがひとりで抱え続けた年月があったからこそ、「(ふたりが一緒だった)昔と同じ」という言葉は重いと思います。
「同じ」になることを、どれだけ二人が望んだことか。どれほどの、絶望と希望に苦しめられた数年間だったことか。そして、これから本当に「同じ」になれるのか。

「ヒーローに戻れて、喜んでるんだろ」「好きなんだろ、シャーロック・ホームズでいるのが」とシャーロックに聞くジョン。(関連記事:『ヒーローになる時』)
シャーロックが「ヒーロー」であることを誰よりも信じたかったのは、ジョンだったのかもしれません。
そのジョンの願いを、シャーロックはかなえてくれた。望んでいた奇跡を、シャーロックは起こしてくれた。
もう、誰が何と言おうと、シャーロックはヒーローなんですね。少なくともジョンにとっては。
シャーロックの答えはこうでした。

"Anyway, time to go and be Sherlock Holmes."
「さあ、行こう。シャーロック・ホームズの時間だ」 (拙訳)



(※原作からの引用はすべて延原謙訳)
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プロフィール

Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

『高名の依頼人』のこと書きましたが、6月24日までグラナダ版がGYAOで無料で観られるそうです。
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