最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
★コメントを歓迎しております。初めてコメントくださる方は、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。
→「コメントをくださる方へ
「あの場面の元ネタは?」という時はこちらへ
記事索引「ブリキの文書箱

This is London

London, it's like a great cesspool into which all kinds of criminals, agents and drifters are irresistibly drained.
「ロンドン、それはあらゆる犯罪者、スパイ、浮浪者がどうしようもなくひきつけられる汚水溜めだ」(拙訳)


 
シャーロックのモノローグは、「緋色の研究」冒頭のワトスンの記述から。

Under such circumstances I naturally gravitated to London, that great cesspool into which all the loungers and idlers of the Empire are irresistibly drained.
そういう状況のもとにおかれた私が、全国の無為怠惰のやからたちが滔々としておし流されていく、あの下水溜めのような大都会、ロンドンへとひきつけられたのは、すこしの無理もないことだった。



(比べること自体に無理があるんですが、自分で訳してからあらためて引用すると、延原先生の日本語の美しさがなんと際立つこと……)

ホームズの活躍した時代は、産業革命でロンドンの人口が爆発的に増加した後。
産業革命はロンドンに繁栄、文化の発展をもたらしますが、その陰で貧困、犯罪も増えていきました。
その中で生まれたのが、レストレードの属する「都市警察」スコットランド・ヤードですね。

こちらの論文の「第二章・警察の創設」では、ホームズの時代のロンドンの人口増加とそれに伴うさまざまな事柄がわかりやすくまとめられています。

「ロンドンは如何に治められてきたか 」四日市大学地域政策研究所長 拓殖大学地方政治センター長 竹下 譲
(PDFファイル)


当時は貧民街だったドックに、シャーロックの時代には再開発で高層マンションが立ち並んでいるのが面白い。
第一シーズン2話で蜘蛛男が侵入したのはここですね。
ドックランズ再開発

ワトスンは、当時のロンドンをこんなふうに描写しています。

流行のロンドン、ホテルのロンドン、劇場のロンドン、文学のロンドン、商業のロンドン、そして最後に海運のロンドンと、私たちはたてつづけにいろんな街をすぎて、ついにヨーロッパ中の食いつめものどもの集っている、悪臭鼻をつくむさ苦しい棟割長屋のたてこんだステプニ区へときた。(『六つのナポレオン』)



さまざまな人が集まり、多面性に富むからこそ、そこかしこに犯罪のひそむロンドン。だからこそ、ホームズはこの地を活動の拠点に選んだわけですね。退役し、失意の日々を送っていたワトスンが「ひきつけられた」のも、
シャーロックに(死体や事件を)「もっと見たい?」と言われて思わず頷いてしまったジョンにも通じる、冒険を愛する性格のせいなのかもしれません。

彼にとっての指標となる人々を観察することで、ロンドンの変化を把握しようとするシャーロック。
時には彼ら自身というより、彼らのとる些細な行動が重要なサインになるようです。

この男が新聞を解約するなら、僕はそれを知る必要がある。この女が飼い犬を預けないでロンドンを出るとしたら、それも知らなくてはならない。(拙訳)



ホームズも、ロンドンの街をよく観察しています。

「どれ、待ちたまえ」ホームズは角に立って、その軒並みを見わたしながら「僕はこのへんの家々の、順序を記憶しておきたいと思うんだ。ロンドンというものに対する、正確な知識をもちたいのが僕の道楽でね。ええと、一番がモーティマーの店で、つぎがタバコ屋。そのつぎが小さな雑誌屋、それからシティ・エンド・サバーバン銀行のコバーグ支店か。それから菜食者用レストランのつぎがマクファーレン馬車製造所の倉庫で角になっているね。(後略・『赤髪連盟』延原謙訳)」



「赤髪連盟」では、街と人の動きへの観察が、文字通りその「陰」に隠れて進行していた犯罪を暴きだします。
このお話のタイトルと前半の展開は「空家の冒険」に似ていますが、その点だけ取り出せば、「赤髪連盟」がモチーフになっていると言っていいかもしれませんね。とはいえ「技師の拇指」とか「三人ガリデブ」も似た感じなんで、もう少し丁寧に見ていく必要がありそうです。
関連記事
スポンサーサイト

この記事へのコメント

トラックバック

URL :

プロフィール

Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

ご閲覧やRSS登録ありがとうございます!まだ廃墟じゃありませんよ~!亀の歩みですが、過去の振り返りも含めてのんびり元ネタ探し続けていきたいと思います。

メールはこちらへ

Twitter
最新記事
最新コメント
カテゴリ
月別アーカイブ
索引
このブログで考察した「元ネタ」を、ドラマの時系列に沿って探すための索引サイトです。 順次更新致します。 「21世紀探偵・ブリキの文書箱」
最新トラックバック
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR
blog mura