最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
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シャーロックとジョンのもとには、妻を調査して欲しいという夫や、夫を調べて欲しい妻がしょっちゅう訪れるようです。その多くは、片方か、時には両方が浮気をしているというケースのよう。

サブリナ・ジェニングスが現われた時、シャーロックは彼女がフラットに入ってくる前に彼女の事情を見抜きました。この時の様子は、第3シリーズ2話でシャーロックのスピーチの中に出てきます。
ドアベルを鳴らそうかやめようか、迷っているサブリナを窓から見下ろすジョン。「彼女、ベルを鳴らすかな?」とシャーロックに聞くと、

"She's a client, she's boring. I've seen those symptoms before."
「依頼人だ。つまらない事件だ。同じような症状を見たことがある。」
"Oscillation on the pavement always means there's a love affair."
「入る前にためらうのは、だいたい恋愛問題だ(拙訳)」



この場面は、「花婿失踪事件」からですね。

彼女はこの非凡な服装で、からだを前後にゆらせて、手袋のボタンをまさぐりながら、おずおずとこっちの窓を見上げていると思ったら、まるで水泳選手のスタートの時のように、勢いよく往来へとびだして、こちらがわへわたってきた。そしてすぐに、ベルの音がはげしく鳴りひびいた。
「こういう徴候をみかけるのは、これがはじめてじゃない(“I have seen those symptoms before,”) 」といって、ホームズは吸いかけのタバコを暖炉のなかへ投げすてた。「入口まできてためらうのは、かならず恋愛問題だ。“Oscillation upon the pavement always means an affaire de coeur.)(後略)」



シャーロックの「診断」は劇中では明らかにされていませんが、おそらくホームズと同じだと思いますので、続きも引用しておきます。

「相談はしたいが、人にうちあけるにはちと恥ずかしい気がする。もっともこれにも差異はある。男にひどい目にあわされたのなら、その女はためらいなぞしていない。その場合は呼鈴の紐が切れるのが普通だ。きょうのやつは、恋愛問題であることは間違いないと思うが、女は当惑し、悲しんでこそいるけれど、怒ってはいないらしい。(後略)」



クリスという男性と結婚5年目のサブリナは、彼の浮気の証拠をシャーロックに見つけて欲しいとのこと。
しかし、サブリナにもまた、他に愛する人がいました。
サブリナは、実はゲイ。その事実を家族に知られたくないと思っていたのですが、彼女の実家の財産目当てのクリスに家族にばらすと脅され、不本意な結婚をしていたのです。
女性のお金目当ての男が愛のない結婚を目論む、というのも「花婿失踪事件」に似ています。こちらの場合は、結婚させないことで財産を手に入れようとしたわけですが……

シャーロックは、クリスの浮気の証拠だけでなくサブリナとその交際相手の写真も手に入れ、彼女に突きつけます。
結果として、彼女はクリスと泥沼状態で離婚し、大金を失いましたが、本物の愛を手に入れたようです。
シャーロックは仲人の役割を務めたわけですね。

原作で、ホームズがカップルの仲を取り持ったことといえば、やはりワトスンとメアリ・モースタンの結婚につながった「四つの署名」でしょうか。メアリがホームズの依頼人となったことで、ワトスンと出会ったわけですから……
それに、「ボスコム谷の惨劇」では男性の無実を証明することで若い夫婦が誕生しました。(グラナダ版のラストシーンは爽やかでよかったですね!)
また、アイリーン・アドラーとゴッドフリー・ノートンの結婚式では、「付添男(ベストマン)」を務めたんですよね。

「(前略)まるで引きずりあげるようにして、僕は聖壇にのぼらされたうえ、気のついたときには、耳のそばでささやく声にへどもどうけ応えしたり、まるきり知りもしないことの証人となったり、いつのまにか未婚婦人のアイリーン・アドラーと独身の男子ゴッドフリー・ノートンとの結婚成立に立ち会わされてしまったわけだ。」(ボヘミアの醜聞)



訳あって結婚を急いでいた二人ですが、「たまたま」そこにホームズがいなければこの結婚は法律的に無効だったそうで、ホームズはすごく感謝されています。

ジョンは、自分とメアリの結婚がシャーロックに影響を与え、ちょっと人間が丸くなったのではないか、幸せそうな自分たちを見て他の人を幸せにしてみたくなったのではないか、と期待したようですが、結局はいつものように謎解きに興味を持っただけ、という結論に落ち着いたようです。
原作では、「椈屋敷」で聡明な依頼人・ヴァイオレット・ハンターに親切なホームズを見て、ワトスンがジョンと同じような期待を抱くエピソードがありますが……

ヴァイオレット・ハンター嬢に関しては、私はそれを知って失望を感じたのであるが、ホームズはひとたび彼女が事件の中心でなくなると、それきり何の関心をも見せなかった。(椈屋敷)



やはり、ホームズはホームズ、だったようです。シャーロックはこの先どうなっていくのでしょうね。

(原作からの引用は延原謙訳)



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この記事へのコメント

ベランダの雪、怖い… - midori - 2014年02月08日 22:37:01

雪、瀬戸内海性気候で育ったmidoriには、30cm〜40cmとは恐ろしい数値です。
幸いこちらは午前中にうっすら積もった程度でした。

以前、岐阜県よりの愛知県に住んでた頃、
朝降り出した雪が目の前でベランダの柵に30cmほど、
まさに音がするかと思う程の速度で、ズドドドドーと積もったことがありました。

当日の私は何事もなく電車で出勤しましたが、
夫はマイカー出勤中に後ろからスリップした車両に当たられ、
さらに勢いで前方の車両にぶつかり、
車はオシャカ、でも夫は無傷。
後続車が100%責任取ってくれたので煩わしいことは何もなく済んだのが
幸いでした。あー雪って怖い。

=======

S3の原典ネタ、大小いろいろ散りばめられてましたね。
吹替でどうなるか楽しみ。

過去のSHERLOCKでも先に原語で視聴したファンが
吹替について議論してました。

みんなが批評家の昨今、翻訳の方、大変そう。
でもプロなんだから素晴らしいサブタイトルと吹替をお願いします。

そんなこんな含めて、5月の放送待ち遠しい!

早く皆で元ネタをあーだこーだお喋りしたいですね!

ではー。

45年ぶりの大雪とか! - ナツミ - 2014年02月09日 01:01:00

midoriさま

雪国の皆様から見れば笑っちゃうかもしれませんが、関東は大変なことになってます……
ちなみに、ベランダの雪は50cmを超えたところで重みで下に落ちました。屋根からはみだした雪の厚みもすごいです。
アンテナにも積雪したのか、「ごちそうさん」の夜の再放映あたりでBS放送も映らなくなって今夜はジェレミーに会えないかと危ぶみましたが、今は画像が時折乱れる程度になっています。何が起きたかわかりませんがよかったです。

> 幸いこちらは午前中にうっすら積もった程度でした。

おお、よかったですね!雪に慣れていない地域では、交通機関が麻痺するくらい降ってしまうと大変ですよね。うすく積もる程度でも凍結すると怖いですし。今回は旦那様にも何事もありませんように!

> みんなが批評家の昨今、翻訳の方、大変そう。
> でもプロなんだから素晴らしいサブタイトルと吹替をお願いします。

う~ん、確かにプロである以上ベストを尽くす責任はあるんですけど、数値のみで結果が出る仕事とはちょっと違って、どんなに素晴らしい翻訳・吹替でも受け手それぞれの好みがありますから、そこらへんは慮って欲しいところでしょうね……
特に第2話は難しそうですね!「四つの署名」も、延原先生の解説の3分の2くらいは「ひとり翻訳反省会」ですもんね……

> そんなこんな含めて、5月の放送待ち遠しい!
>
> 早く皆で元ネタをあーだこーだお喋りしたいですね!

本当に!第1シリーズは1年以上かかったのに、約13ヶ月後→半年後→4ヵ月後と、どんどん日本での放送も早くなっていて嬉しい限りです。

- 神崎真 - 2014年02月09日 13:30:57

関東方面、本当に雪がすごいみたいですね。
普通に雪が積もる西日本の日本海側在住の自分でも、あちこちのブログやニュースで積雪の写真を見て、ちょっと引いてます。

……そこでなんとなく、ジョンってけっこうスキーとか巧そうと妄想する自分がいるんですが。どちらかと言うと雪中行軍的なイメージで。襟元にボアのついたコート着て、革手袋はめて黙々とクロスカントリーとか似合いそうです。シャーロックは両手ポケットに突っ込んだまま、ロングコートでスケートとか。やっぱり一人で好きに滑ってそうな。

そして第三シリーズの日本放送が決まったんですね! もう今からドキドキ・ワクワクしています。ふふふふふ。
あと放送予定といえば、BSのグラナダホームズ、来週の放送がないみたいなのでHPに確認しに行ってみたら、今後の予定が書かれていなくって……まさかこんな中途半端なところで放送終了なんでしょうか? 六つのナポレオンは? ボスコム谷は?? 悪魔の足のあの名シーンは~~~!?

ジョンとシャーロックと冬のスポーツ - ナツミ - 2014年02月09日 22:35:57

神崎真さま

神崎さんのおうちの近くではたくさん雪がつもるのですね!
今日は暖かくてだいぶとけましたし、雪国に比べたら大したことはないはずなのですが、何せ慣れていないのでパニック状態です。今日は雪かきで疲れきって一日終わってしまいました!

> ……そこでなんとなく、ジョンってけっこうスキーとか巧そうと妄想する自分がいるんですが。どちらかと言うと雪中行軍的なイメージで。襟元にボアのついたコート着て、革手袋はめて黙々とクロスカントリーとか似合いそうです。シャーロックは両手ポケットに突っ込んだまま、ロングコートでスケートとか。やっぱり一人で好きに滑ってそうな。

「黙々」って言葉はすごくジョンに似合いますね……本当に寒い地域にいるはずのロシア版ワトスンの方が、むしろ南が似合いそうな性格に見えます。「なんくるないさ~」って言ってたような気がします(※言ってない)。
何気にスケートのうまいシャーロック、かわいいな!無表情にトリプルアクセルとか決めて欲しいです!

> そして第三シリーズの日本放送が決まったんですね! もう今からドキドキ・ワクワクしています。ふふふふふ。

もう既に色々な評価があると思うのですが、私はすごく面白いと思いましたよ!今までで一番、観ていて驚かされることの多い展開だと思います。とにかく内容が濃いです!

> あと放送予定といえば、BSのグラナダホームズ、来週の放送がないみたいなのでHPに確認しに行ってみたら、今後の予定が書かれていなくって……まさかこんな中途半端なところで放送終了なんでしょうか? 六つのナポレオンは? ボスコム谷は?? 悪魔の足のあの名シーンは~~~!?

えええ!本当ですか!?再放送があると聞いていましたが、それも「もう一つの顔」までなのかしら?
冬季五輪の間だけの暫定措置だといいのですが!ソチだけに!(←すみません、書かない方がいいとは重々承知なんですが、書かずにいられませんでした)

「悪魔の足」、今回の放送から観始めた方にもぜひ観てほしいんですが、ホームズがワトスンを「ジョン」と呼んだ時のあの衝撃だけは"SHERLOCK"を先に観た方には伝わりにくいかもしれないですね……
全然違う話ですが、「もう一つの顔」でワトスンが指でろうそくを消すシーンも、毎回地味にびっくりします。

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シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

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