最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
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毒の巨人

ジョンの記事へのリンクはこちら
シャーロック帰還後の事件です。

ジョンに、奇妙なメールが送られてきました。
本文はなく、真珠の画像が1枚添付されているだけ、というもの。
6日間毎日、6個の真珠の画像が一枚ずつ。

これは、「四つの署名」でメアリ・モースタンに送られてきた真珠ですね!

『(前略)するとその日のうちに、私あてに小さなボール箱が一つ、小包郵便で届きましたから、あけてみますと、たいへん大きな真珠が一つはいっておりますだけで、手紙のようなものは何も添えてございませんでした。それからと申しますもの、毎年おなじ日になりますときっと、おなじような箱でおなじような真珠が参りますけれど、すこしも送り主の手掛りはございません。真珠はたいへん珍しい種類のもので、値もよほど高価なものだとか。(後略)』



「面白そうな連中ははいつも僕じゃなくてジョンにメールしてくる!」と荒れるシャーロック。
ホームズもそんなこと言ってたことがあるような気がします。だいぶ穏やかですが。

「(前略)君はもっと面白い事件を持ってきたんだろう?君ときたら、まったく犯罪の海燕だからな(『海軍条約文書事件』)」



真珠メールの送り主を訪ねていくと、毒矢で撃たれたダニエル・ブレナン(関係あるかわかりませんがこの方と同じ名前です)がノートパソコンの横で死んでいました。
どうやら二人とも「宝探し」に巻き込まれたようです。(ジョンは、人気番組"Tresure Hunt"のプレゼンター・Anneka Riceにひっかけたジョークを言ったらしいですが、シャーロックは取り合わなかったようです。具体的にはどんなジョークか私にはよくわからないのですが、シャーロックも番組を観てなかったのかも)ここまでは「四つの署名」でバーソロミュー・ショルトーが殺されるまでの流れとよく似ていますね。

ベーカー街に持ち帰ったPCを調べると、どうやら持ち主は宝石泥棒のジェームズ・スワンデールのようです。
PCには、残しておくのは迂闊としか思えないようなファイルが満載。明らかに、罠でした。
シャーロックは、スワンデールの名に聞き覚えがありました。彼はいわゆる「小人」で、平均的な大きさの人が入れないようなところにも侵入できたのです。スワンデールが90年代のインディーズ・シーンで活躍したポップスター、ジャイルズ・コノーバーの家で仕事することを知ったシャーロックとジョンは、張り込みに出向きます。
ジャイルズ・コノーバーの名は、1944年にベイジル・ラスボーンがホームズを演じた映画 "The Pearl of Death"のキャラクターからとられているようです。この映画、私は未見なのですが、キャラクター名以外にもこの記事との関連があるのでしょうか。ご覧になった方がいらっしゃれば、ぜひご教示いただきたいです!

スワンデールの元ネタは、やはり「四つの署名」に出てきた、「アンダマン島原住民」トンガでしょうね!

『アンダマン島原住民は地球上最小の人種であろう。二、三の人類学者は南アのブッシュ人、アメリカの掘食インディアン、フェゴ島のテラ人種をもって最小であるとするが、本島の原住民は平均身長四フィート以下で、成人でもはるかにこれに満たぬものもある。一度信頼すると、きわめて厚い友情を示すこともあるが、一般には残忍獰猛で気むずかしく、親しみにくい人種である』
(中略)
『彼らは難破船を襲撃してその生存者を石頭の棍棒で殴殺し、毒矢を放つのでつねに航海者に恐れられる。これらの虐殺により彼らは食人肉祭りを行うを常とする』


トンガもスワンデールも、毒の矢を使います。
シャーロック、ジョンと追跡劇を繰り広げるところも同じです(追う方と追われるほうは逆転していますが)。
トンガにはジョナサン・スモールという主人がいましたが、スワンデールにも「相棒」がいました。The Headcrusher(頭つぶし)の名である種の人々に知られる、フィル・ディッキンソン。(棍棒で殴打するという、アンダマン島民の攻撃方法を受け継いでるっぽいですね)
ディッキンソンは、スワンデールとは対照的な大男。つまり、のっぽのシャーロックと小柄なジョンの、悪役バージョンです。誰かが、シャーロックとジョンを殺させるために差し向けたようです。
シャーロックは剣で、ジョンは銃で応戦します。原作ではホームズとワトスンが同時に発砲し、どちらかがトンガに当たるのでしたね。
シャーロックが剣術が得意、というのは原作由来ですね。ホームズに出会ったばかりのワトスンが作った「シャーロック・ホームズの特異点」リストに入っています。

十一、棒術・拳闘および剣術の達人。(『緋色の研究』)



犯人二人のうち、一人は追跡中に転落し、一人は逮捕された、という顛末も「四つの署名」と同じです。

結局、首謀者が誰かわからないまま、シャーロックは別の事件に気をとられてしまったようです。
事件に次ぐ事件でジョンはくたくたですが、こんな日々がずっと恋しかったのだと、感慨深げに記事を締めくくっています。
"A study in Pink"のジョンの"Oh,god,yes"ほどあからさまな言い方はしていませんが(していても書いていないのかもしれないけど)、ワトスンにも冒険を待ち望んでいるところがあって、ジョンがシャーロックに対するよりも素直に、ホームズに対してその感情をあらわしているように思います。

「いやじゃない。大丈夫さ。もうすこしこの事件の謎がとけてくるまでは、休む気になんかなれそうもないよ。僕もいくらか人生の暗黒面を見てきたけれど、今晩のように、それからそれへと不思議なことの連続に出くわしてみると、すっかり気も転倒してしまったが、どうせこうなったら、どこまでも君といっしょに、この謎のとけるまで働いてみたいよ」(『四つの署名』)



「やるとも!時と処のいかんを問わず、君のいう通りにするよ」(『空家の冒険』)



「二十年も若返った気がするよ。君から電報で、自動車をもってハーリッジにこいといってきた時くらいうれしかったことはないね。(後略・『最後の挨拶』)



ところで、毒を使うのは「小人」の方なのに、どうして「毒の巨人」なのかしら?と疑問だったのですが、ゲーム好きの友人によると「ウィザードリィ」というゲームに「ポイゾン・ジャイアント」というキャラクターが出てくるそうです。ジョンの記事と関係あるかどうかはよくわからないのですが、小人と巨人が同時に出てくる世界はこの事件に通じるものがあるのかもしれません。ジョン役のマーティン・フリーマンが小人を演じている"The Hobbit:The Desolation of Smaug"が公開中だったのも関係あるのかな?

「四つの署名」は第3シリーズ2話…というより、第3シリーズ全体の重要なモチーフになっていると思います。今回読み返せてよかったです。
元ネタと同列に語るにはあまりに一般的な表現過ぎるんですが、ワトスンからメアリへのプロポーズの時、ワトスンが思わず漏らした"Thank god!"というシンプルな言葉がきっかけとなり、3度も繰り返されるのに気づいて、なんだかうれしかったです。ジョンが"Oh,god,yes"と呟く場面も、シャーロックとジョンの冒険の始まりで、ある意味プロポーズ場面のようなものですからね。

(原作からの引用は延原謙訳)

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シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

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