最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
★コメントを歓迎しております。初めてコメントくださる方は、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。
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ツイッターの殺人

ジョンの記事へのリンクはこちら

ジェイラン・ハッサンという女性がバスに轢かれて死にました。(この読み方でいいのかな?トルコ風ですね)
それは、事故に見えました。CCTVに映像が残っていたのですが、誰かに押された様子もありません。
しかし、彼女の兄・フランクは、妹の死の間際のツイートに疑念を抱き、シャーロックとジョンに相談をします。

「私にはわかる。彼が来る」
「わかるの」


最後の4つの「呟き」は、この繰り返し。死の数日前から、彼女はひどく取り乱していたとのこと。
その理由について、フランクには心当たりがなく、彼からは(例のシャーロックの脅…いや、交渉術をもってしても)何の情報も引き出せません。
わかっているのは、ジェイランがフェイスブックのアカウントを抹消(※)したこと(※原文ではshut downです。私はフェイスブックをやっていないので、認識から間違っているかも。教えていただけたら嬉しいです)。
すべてのメールを消去し、家の鍵を増やさせたこと。

シャーロックは、フェイスブックの件に興味を持ちました。
ジョンのブログに書き込んでいる人たちから適任者を見つけ出し、ジェイランが消去した情報を復活させます。

この、適材適所の人材運用にほれぼれしますね。モリー然り、ホームレスのネットワーク然り。
「ソシオパス」とはいうけれど、仕事上のコミュニケーション力は人並み以上ですよね。
情報屋や街の孤児たちを雇ってうまく活用していた、ホームズを思い起こさせます。
さて、日頃の書き込みなどから白羽の矢を立てられたのが、モンタギュー街時代からずっとシャーロックのサイトやジョンのブログにコメントを続けている"theimprobableone"さん!

……お恥ずかしい告白をします。実は私、この人の正体はマイクロフトだと、ずっと思い込んでまして、このブログにも何度もそう書いちゃってました。
確かにマイクロフトらしからぬ言動もあるにはあったんですけど、ジョンブログ自体を「たぶんそれほどホームズオタクじゃないライターさんが書いてるんだよね、そんなに深く考えなくてもいいや」と軽く考えてまして……しかも、ここ数日は「まさかアンダーソン!?」なんて言っておりました……
(でも、思えばS2放映前頃にらいかみんぐさんがメールで『私は単なる1ファンじゃないかと思います』っておっしゃってたんですよ!さすがだ……!)
お正月は、自らのブログを検索しては訂正しまくるという世界一楽しくない作業をして過ごすことに決定。今日仕事納めしたばかりなのに!もう!決定!(号泣)

愚痴はこのくらいにしまして、事件の顛末を。
この記事のはじめにリンクを貼った、元記事の画像をごらんください。
一見、ありがちなスパムメールなのですが(下のほうにある「本物のロレックスを安価で」みたいなスパム、よく海外ドラマで見かけるけど、そんなにしょっちゅう来るんでしょうか)、標題ではなく差出人に注目すると、
「お前に近づいている」「逃げ道はない」「死んだ女、30」「どん詰まりだ」など、不気味な言葉が並んでいます。
どうやら、彼女にふられた元カレの仕業だったらしいです(シャーロックは犯人を逃してしまったので、断言はできませんが)。ジェイランは精神的に追い詰められた挙句、彼から逃げようとしてか、または自暴自棄になって、車の前に身を投げてしまったのかもしれません。

「以前につながりがあった人(たち)に、本人にしかわからないやり方で追い詰められ、死に追いやられる」というパターンは原作にも多くあります。ぱっと思い出せるのは、「踊る人形」「オレンジの種五つ」。依頼人=被害者ではないけれど、「入院患者」もこの系譜に連なるのかな。「恐怖の谷」も当てはまりますね。

ホームズはこの手の事件だと失敗することが多いような気がします。いずれの事例においても、事件の全容は解読できても、ターゲットの殺害を防げていません。多くの場合組織的な犯罪ですし、すでに被害が出始めてから謎解きをはじめるわけなので、どうしても後手にまわってしまうのですよね。しかしホームズは自分自身の不甲斐なさを悔い、犯人の卑劣さに強い怒りを燃やします。

二人ともしばらくは口がきけなかった。ホームズのしょげかたは、私もかつて見たことがないほどであった。
「僕は誇りを傷つけられたよ」しばらくたって彼がいった。「むろん、つまらない感情にはちがいないが、僕は自尊心を傷つけられたよ。こうなったら僕には事件じゃなくて、個人的な問題だ。命のあるかぎり必ずこのギャングを押えてやる。せっかく僕を頼ってきたものを、むざむざと死なすために帰してやるなんて!」(オレンジの種五つ)



ホームズは返事もしないで、急いで馬車へ乗りこんだが、それから七マイルという長い道中を、ひと言も口を利かなかった。彼がこれほど悄気たのを見たことがない。ロンドンから来る途中も気にかかるらしく、しきりに朝刊を心配そうに引っくり返すのを見たが、ここへ来て、彼の恐れていた懸念が事実となったことを知らされ、ぼうぜんと暗い気持になってしまったのである。座席により掛って、沈痛なもの思いにふけっている。(踊る人形)



ジョンによると、シャーロックもそうだったようです。

He always regretted never being able to bring the man to justice right up until the day he died.
シャーロックは、この男を罰することが出来なかったことをいつも悔やんでた。それこそ、彼の死ぬ日まで。(拙訳)



そして、この記事にはジョン自身の怒りも滲み出ています。
ブログの再開以来、ジョンはネットという戦場で、シャーロックを中傷する見えない敵と戦うことになりました。
顔の見えない相手に、真実を証明したくてもできないまま、いつまでもいつまでも貶められ、辱められ、苦しめられる。
「嘘」と「真実」の間で、ひたすら精神的に消耗していく。
それは、想像以上につらい戦いだったのでしょう。「ツイッターに殺された」(正確には、そこに潜んでいる誰かの悪意に、ですが)彼女に、ジョンはシャーロックの死を重ねています。

(原作からの引用は、すべて延原謙訳)
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この記事へのコメント

スパム書き込み許すまじ - 神崎真 - 2013年12月29日 12:44:45

わぁい。
英語がさっぱりな私にとって、こちらでジョンのブログ内容を解説していただけるのは、とってもありがたいです。
……ちなみにスパム書き込み、ナツミさんは無縁ですか?
うちはこのところ業者にロックオンされたのか、この二週間で26件もブログに広告書き込みが来ています(><)
そのたびに削除して、IPアドレスのアクセス禁止して、投稿禁止ワードを設定して……精神力がザリザリ削られていきます。
普通のスパムですらそうなのだから、こんな恐ろしい書き込みが来たら、それは追い詰められるというものですね……

なんと!許すまじ……! - ナツミ - 2013年12月30日 06:29:54

神崎真さま

か、解説になっているんでしょうか……思いっきり間違っている可能性もあるので、猜疑心を持って読んでいただければ幸いです……!

> うちはこのところ業者にロックオンされたのか、この二週間で26件もブログに広告書き込みが来ています(><)
> そのたびに削除して、IPアドレスのアクセス禁止して、投稿禁止ワードを設定して……精神力がザリザリ削られていきます。

それは大変ですね!私のブログは、もともとアクセス数が少ないからか、大家のFC2さんがブロックしてくれているのか、今のところほとんどないです。もちろんゼロではないですけれど。
でも「ロックオンされる」状態がやってくることがあるのですね。恐ろしい……!
機会音痴の私は神崎さんのようにてきぱき対応できそうにもないので、相当削られそうです。

携帯(いわゆる『ガラケー』だった頃)では、PCからの着信をできる設定にしたとたんにスパムメールの山、ということがよくありました。すぐに削除されないように標題が工夫されていて(『夫が失踪しました』とか)ちょっと面白かったものもありますが、あれは本当にうんざりしました!
(そういえば『本物のロレックス~』はこなかったです。ちゃんと買いそうな人を選んで送っているのか?)

> 普通のスパムですらそうなのだから、こんな恐ろしい書き込みが来たら、それは追い詰められるというものですね……

ほんとですねえ。一見普通に見えて、よく見ると悪意が込められているって、一番ぞわっとくる気がします。
それにしても、標題じゃなくて差出人名にメッセージって、私だったら気付かないかもしれない!本文はどうしたんだろう。いちいち広告文を作ったんでしょうか。

年末年始で、嵐がおさまるといいですね。すこしお休みなさってくださいね。
よいお正月を迎えられますよう、お祈りしております!


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シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

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