最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
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再開と再会

実はついさっきまで別の記事を書いていたのですが、急遽差し替えます!

ジョンのブログ、再開していますね!

「シャーロック・ホームズの冒険」「シャーロック・ホームズの思い出」に収録されている短編群(『ボヘミアの醜聞』~『最後の事件』)がホームズの失踪中(ワトスンにとっては、ホームズの死後)に発表されたものであるということには、以前の記事で触れました。(関連記事:『不名誉と友情』)あと、長編ですが「バスカヴィル家の犬」もですね。

このうち、ワトスンがホームズの「死」に触れているのは「最後の事件」だけです。
「最後の事件」の発表は1893年12月。「空家の冒険」によれば、ホームズがロンドンに帰ってきてワトスンと再会するのは、1894年4月。たった4ヶ月しか間が空いていないんです。
「空家の冒険」で、ホームズはワトスンの作品を読んでいた様子がうかがえます。すぐ隣の国・フランスにいたホームズは、ワトスンのモリアティ教授の兄弟に対する怒りや、親友を喪った悲しみが今なお生々しいことを、「最後の事件」を読んで思い知らされたのではないでしょうか。また、まるでモリアティの残党を挑発するかのようなワトスンの文章に、友の身を案じたのかもしれません。表向きにはアデヤ卿事件が引き金となって「モリアティの残党を捕らえる準備が整ったから戻ってきた」ということになっていますけれど、あまりにもタイミングが良すぎるような気がしてしまいます。

そして、シャーロックも今日のこの更新(日付は4月ですけど…)世界のどこかで読んでいるんですよね。生まれる100年以上前に書かれた原作を読んでいた時はありえなかった、このリアルタイム感覚!ぞくぞくしてしまいます。(とか言って、更新久しぶりすぎて読んでなかったりして…RSS登録くらいしといて!シャーロック!)

では「最後の事件」冒頭とジョンのブログの記事を比較してみたいと思います。

It feels odd. Coming back here. This blog. It's taken me about a week to write this. I kept coming back. Deleting bits. Adding bits. The thing is, I'm not an emotional person. I'm emotional, obviously. I have emotions but I don't embrace grief. I guess I'm very British.

ここに…このブログに戻ってきたのは、なんだか変な感じだ。これを書くのに1週間はかかってる。書いては消したり、また少し書いたり。僕は感傷的なタイプじゃないけど、今はそうなってる、明らかに。でも、悲劇のヒーローを気取るつもりはない。我ながら、いかにも英国人って感じだ。

I don't like to talk about it.
But I've been told that I should talk about it. That if I don't talk about it I'll be how I was pre-Sherlock. And I can't go back to that. I've a life now.

あのことについては、話したくはない。
でも、話すべきだと言われ続けてきた。もし話さなかったら、シャーロックと出会う前の自分に戻ってしまうと。そうなるわけにはいかない。いま僕は生きているんだから。(拙訳)



この後、ジョンはシャーロックが「本物」であったと信じているが、一方でシャーロックの死を現実として受け容れていること、すでにシャーロックとの時代は終わり、前に進まなければならないのだと述べた上で、過去に書き溜めた記事や写真のいくつかを投稿することを宣言します。

この辺りは、ワトスンが「ボヘミアの醜聞」以下の短編を発表し続けたことと呼応していますが、ホームズ(シャーロック)の死に触れる順番が違いますね。ワトスンは、ホームズの死には一切触れずに作品群を発表したあとで、モリアティの兄弟に触発されるかたちで「仕方なく」ホームズの死を綴っています(※いつものごとくドイル先生の事情はちょっと置いといてください)。

シャーロック・ホームズの世に卓絶する不思議な才能を記録する最後の物語を書くため、このペンをとるのは、私にとって心おもき業である。支離滅裂な、ほんとに回らぬ筆をもって私は、「緋色の研究」時代に偶然彼と知り合ったころから、最後の「海軍条約文書事件」にいたるまで―これは面倒な国際関係の紛糾を未然にふせぎえたものと信じているが―彼とともになし得たかずかずの経験を伝えることに努めてきた。私はこの種の物語のペンを以上でとめておき、その後私の生活に空虚を生じたまま、二年後の今日にいたってもなお満たされないでいるところの、あの事件には口を閉じているつもりだった。
けれども最近ジェームズ・モリアティ大佐の書いた死んだ弟の名誉を支持しようとする二、三の文書は、私の出馬を強いた。かくなるうえは私もペンをとって、あるがままの事実を公表せざるを得ないのである。事件の絶対的真相を知るものは私だけである。私としてはこの真相を秘しておいても、もはや何の役にもたたない時節の到来したことを満足に思う。(空家の冒険)



ジョンの場合、シャーロックの名誉が傷つけられるタイミングが早かったのと、それが世間を大きく騒がせたのでちょっと状況が違いますが、ブログ再開の最大の動機は「過去にけりをつけ、新しい人生を始めよう」と思い立ったことのようです。
おそらくそのきっかけは、さっそくコメントを寄せてくれている友人たちの励ましと、同じくコメント欄でジョンへの思いやりを見せている「ある女性」。
なんと、わたしたち視聴者の見えないところで、既に彼女に出会っていたのですね!

原作で、ホームズの「死後」のワトスンに訪れたのは、彼女との「出会い」ではなく「別れ」でした。ホームズもそのことをちゃんと知っていて、再会時にあたたかく励まします。

私の孤独の悲哀については、いくぶん聞き知っていたらしい。彼の同情は言葉よりもむしろ態度の方にそれが現れていた。
「悲しみには仕事が最良の解毒剤だ。今晩これから二人でやれる小さな仕事がある。これが成功すれば、一人の男がこの世に生き永らえていた意義が見出せるというものだ」(空家の冒険)



そして、結婚のため221Bを出ていたワトスンは、またホームズとの生活を再会するのですが、現代版はあえて真逆を行くのでしょうか。ワトスンにとっての終わりが、ジョンにとっての始まり。ワトスンにとっての別れが、ジョンにとっての出会い。だからといって、ワトスンは悲しんでいるばかりでもなかったのかもしれません。この悲しい話を書くことで、「ホームズとの時代」を終え、新たな人生を歩もうとしていたのかもしれません(実際、アデヤ卿事件では、ホームズのやり方を思い出しながら、なんとか自分で事件が解決できないかと頑張っていますよね)。
同じように、ジョンが悲しみから完全に立ち直っているわけでもありません。でも、生きているならとにかく前に進まなければならない。彼の言葉を借りれば、"And that's what life is." それが人生と言うもの、なのでしょう。

いろんな意味で気になる第3シリーズです。とりあえずシャーロックには、一刻も早く帰ってくることをお勧めします(言われなくても本人が一番焦っているでしょうが…)。

(原作からの引用はすべて延原謙訳)
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この記事へのコメント

とうとう始まりましたね! - midori - 2013年11月24日 19:34:32

ああ!ドキドキしてきました!
12/15にはS3E1のUKプレミア上映だと言うし…
UK版DVD発売がうちに到着するまでの
2ヶ月間程度、重大なネタバレは避けて通らねば!

…ナツミさん、皆さん、今年は色々遊んでくれてありがとう。
皆さんとお知り合いになれてSherlockやグラナダやホームズのお話が
出来て楽しかったです。来年もよろしくお願いします。

とか、ネット断ちに備えてとっとと年末のご挨拶しておきます〜。
(なんて気の早い)

は、鼻血が・・・ - YOKO - 2013年11月25日 12:15:26

わ~~!ほんとだ!更新されてる!
ワクワクがとまらなくなってきました。

私たち100年前のファンと同じ感動を味わえるのですね!

・・・・・・・・・・・・・・・鼻血でそうです。

おちついて、ハウンド~ライヘンバッハの和訳にいそしみつつ、その日を心静かに待ちたいと思います。

オラ、なんだか、わくわくすっぞ! - トビィ - 2013年11月25日 16:34:38

ナツミさん、こんにちは。

midori さん早くもネット断ちですか?!

あぁ~っ(><;誘惑には勝てないような気がします。

あの後の続きが気になる!
NHK様!!お願い早くS3を放送して下さい。

ジョンのブログのあの意味深な内容・・・
シャーロックには本当に一刻も早く221-Bの部屋に帰宅してもらわねば!!


え~! - ナツミ - 2013年11月25日 21:05:26

midoriさま

midoriさん、ネット落ちしてしまわれるのですか!?
でも確かに、ジョンのブログにリンクしただけで軽いネタバレにはなってしまいますし(一応直接名前は書かなかったのですが…)うちも含めてどこもかしこも危険地帯ですよね。
私はわりとネタバレ好きなほうですが、できればS3E1のネタバレは避けたいような…でもジョンブログはリアルタイムで読みたい!
とんでもない自制をしながらネットの海を泳がなければならないですね…(ホビットもですよね…)

こちらこそ、大変お世話になりました!
SHERLOCKやおいしいもののお話を色々教えていただけて、うれしかったです。
来年も、よろしくお願い致します。
このブログで、クリスマスにちょっとした企画をやるかもしれません。もしよろしかったら、トップだけでも覗いてやってくださいね!(とか言って、風邪でダウンしたりして何もできなかったらすみません…)
たいへんお忙しいと思いますが、よい年末年始を!

首のうしろをトントン - ナツミ - 2013年11月25日 23:04:48

YOKOさま

> 私たち100年前のファンと同じ感動を味わえるのですね!

本当ですね!BBCにメールしまくったり喪章をつけて局の前を歩き回るひと手間が省けてよかったです…

> おちついて、ハウンド~ライヘンバッハの和訳にいそしみつつ、その日を心静かに待ちたいと思います。

ああっ、そうか!第3シリーズが始まるということは、「SHERLOCKと英語」に新たな3章が加わってしまう、ということですね!私は大喜びですが、YOKOさんお疲れ様です…!(テキストになさってる大学生の皆さんも…)

ところで、その「SHERLOCKと英語」にmidoriさんも書き込んでおられた頬骨問題ですが、私も頬骨は高い方がいいって聞いたことがあります。白人はアジア人に比べて頬骨が低い人が多いので、アジア人の頬骨の高さがうらやましいとか。その方が若々しく見えるんだそうです。そういわれても、日頃頬骨を特に意識していないので微妙な気持ちでしたが…あとmysteriousは、よく同僚が年上の男性を素敵だと噂する時に使ってました。たぶん「謎めいた『魅力』=生活臭がなくて知的でステキ!」という意味なんですよね。
前の台詞と総合すると、「あーはいはい、いつものアレね。そのお素敵な頬骨を見せ付けたり、コートの襟立ててかっこつけたりして、『謎めいて魅力的な僕』を演出するわけね。今回はもうそういうのやめて、さっさとはっきり言ってくれよ」という感じなんじゃないかと思います(私が訳すと、ジョンの性格が3倍くらい陰湿になる…というわけで、長くなりましたが書き込まずにこちらに残させていただきます)

オラもわくわくしてきたぞ! - ナツミ - 2013年11月26日 05:17:52

トビィさま

midoriさんの意志の強さ、すごいですよね…!

> ジョンのブログのあの意味深な内容・・・
> シャーロックには本当に一刻も早く221-Bの部屋に帰宅してもらわねば!!

Mの部は秀逸ぞろいですから…(出典:ホームズ編集の伝記便覧)
もしこの件に関する反応が原作どおりだったとしたら、ある意味、彼にとって今が最大の危機かもしれません。シャーロックがんばれ~~(←ジョン派なのであんまり応援に熱がない)

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プロフィール

Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

ご閲覧やRSS登録ありがとうございます!まだ廃墟じゃありませんよ~!亀の歩みですが、過去の振り返りも含めてのんびり元ネタ探し続けていきたいと思います。

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