最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
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逃してなるものか!

"20-year-old disappearance,a monstrous hound? I wouldn't miss this for the world!"
「20年間の失踪にお化け犬だって?逃すわけにはいかない!」(拙訳)


原作同様「忙しいからロンドンを離れられない」と言っていたのに、一転して自分もダートムアに行くと宣言するシャーロック。

先日YOKOさんのブログにお邪魔したところ、この台詞の元ネタに関するコメントがあることを教えていただきました!そのコメントを書き込んでいらっしゃったよっしぃさんとYOKOさんのご承諾を得て、こちらでも取り上げさせていただきます。

「まア、まア」はや腰をあげかけたウィルスンを押しもどしておいて、ホームズはいった。
こんな珍奇な、おもしろい事件をのがしてたまるもんですか!(I really wouldn’t miss your case for the world.)(後略・『赤髪組合』延原謙訳)」


ほとんど同じ台詞なのですね!これは気付きませんでした!よっしぃさんのご慧眼に感服致します。
「バスカヴィル~」のように全体の元ネタがはっきりしている回は、ついその作品に注目してしまいますが、他の作品にもホームズが面白い事件を「逃してなるものか」と言う台詞はあったでしょうか。発見した方がいらっしゃれば、教えていただけたら嬉しいです。

よく考えてみると、原作のホームズも「他の事件で忙しい」と言いながらもなるべく早くダートムアに行く気でいたわけで、内心では同じ台詞を叫んでいたかもしれません。
「行かない」と言っていた段階では、原作と同じ展開を思わせる台詞もありましたね。

"But don't worry,I'm putting my best man onto it.I can always rely on John to send me the relevant data, as he never understands a word of it."
「でも心配しないで、最高の人材が行くから。情報収集はジョンが頼りなんだ。彼自身は何一つ理解してないにしても(拙訳)」


原作ではこんな感じです。

「それでは誰がよろしいでしょう?」
ホームズは私の腕に手をおいた。
「このワトスン君がひき受けてくれるといちばんいいのですがね。いつもあなたの身辺についていて、いざという場合これほど信頼できる人はないと、確信をもっていえます」(バスカヴィル家の犬)



原作と比べると、現代版シャーロックは一言多いのがよくわかります…

さらに、よっしぃさんのご指摘くださった「赤髪組合」では、依頼人にこんな風にワトスンを紹介していますね。

「(前略)ウィルスンさん、この紳士はね、いままでに私が成功した多くの事件に、たいていの場合私の相棒ともなり、助手ともなってくれた人なんですよ。ですからあなたの問題にだって、きわめて有力な役をつとめてくれるにちがいないと思うんです」



ワトスンに対しても、依頼人に対しても、現代版シャーロックより原作ホームズの方が「口が巧い」なあ、と思います。よっしぃさんとお話していて、ジェレミー・ブレット演じるホームズがワトスンにさっと寄って行って笑顔で事件に「巻き込む」様子を思い出したのですが、心からの笑顔や言葉だったにしろ、演技だったにしろ、ホームズはワトスンをその気にさせたり、依頼人にワトスンの捜査への参加を納得させるのが本当にうまい!

シャーロックだって捜査のためなら笑顔を作って見せることができるのですが、その技巧をジョンに対して使うことはないみたい。その分、面倒見の良いジョンが自分から歩み寄っている感じです。だからこのお話の中盤で、ジョンの方が臍を曲げた時、シャーロックは必死ですがりつく羽目になります。原作と現代版の二人の関係は、もちろん似ている部分もありますが、違うところもたくさんありますね。

「赤髪組合」から話をなんだか違う方向に持って行ってしまいましたが、よっしぃさん、YOKOさん、「逃すわけにはいかない」重要な発見を快くシェアしていただき、ありがとうございました!

(原作からの引用はすべて延原謙訳)
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この記事へのコメント

お隣から遊びに来ました - RM - 2013年07月21日 21:02:55

>他の作品にもホームズが面白い事件を「逃してなるものか」と言う台詞はあったでしょうか。

ホームズではないのですが、ワトスンでこんな台詞を見つけました。「まだらの紐」です。

"My dear fellow, I would not miss it for anything."

似た者どうしなんですね。グラナダ版では残念ながら、それより前の

"What is it, a fire?" "No; a client."

まででカメラが切り替わるので、この台詞をきく事はできませんでした。でも、平然とワトスンを起こすホームズと、ワトスンの眠そうな顔の対比、すごーく素敵でしたね。この後、映像にはうつっていませんが、ワトスンが「ありがたい。そんなことなら何をおいても起きるよ」(延原訳)と言っていたのですね。

- トビィ - 2013年07月21日 21:05:29

ナツミさん、こんばんは。

よっしぃさん、YOKOさんのご指摘がなければ全然気が付きませんでした。

ゲイティスさんとモファットさんは自他ともに認めるシャーロッキアンなので、
物語のそこらじゅうに元ネタが散らばっているいたいですね。
(いつも教えてもらわないと気が付かないです!)

>原作と比べると、現代版シャーロックは一言多いのがよくわかります
確かに、今までのホームズで一番性格がひん曲がっているような?
モリーにも要らぬ一言(二言・三言)が多いですよね。

>、ジョンの方が臍を曲げた時、シャーロックは必死ですがりつく羽目になります。
あの必死のシャーロックは健気だったのに、その後の珈琲が・・・

第3話「佐渡わかめ800円(拙訳)」……しばらくツボにはまりそうです(笑)





いらっしゃいませ! - ナツミ - 2013年07月22日 00:20:48

RMさま

わ~い、お野菜…じゃなくてコメント、ありがとうございます!
ワトスンが言っていたのですね!

> "My dear fellow, I would not miss it for anything."
>
> 似た者どうしなんですね。

わあ、なんだか嬉しいです!

> でも、平然とワトスンを起こすホームズと、ワトスンの眠そうな顔の対比、すごーく素敵でしたね。こ

そういえば「ホームズがワトスンを起こすシーン」、まだ現代版で出てないです。
ジョンがシャーロックを寝かしつける場面はあるんですけど…えっ、あれの元ネタ…?(←こうなるともう軽いノイローゼです)

「青い紅玉」での寝起きホームズも素敵でしたね。いつもオールバックで決めている前髪が降りていてなんだか可愛らしく、子ども心にも「いいものを見た」と思いました。女性ファンは阿鼻叫喚だったのでは!
シャーロックの寝起きや朝食シーンもあるのですが、普段の髪型と寝起きの髪型が全く変わらなかったせいか、それほど盛り上がった記憶がありません。

スピード違反は1万円 - ナツミ - 2013年07月22日 04:15:09

トビィさん、こんばんは!

> ゲイティスさんとモファットさんは自他ともに認めるシャーロッキアンなので、
> 物語のそこらじゅうに元ネタが散らばっているいたいですね。

尊敬の念を込めて言うのですが、たぶん彼らがあえて意識してないレベルにも元ネタが散らばっているんじゃないでしょうか。読みすぎてもう血肉になっちゃってるから、意識せずにその言葉を使っちゃう、みたいなのも、きっとあると思います。

> 確かに、今までのホームズで一番性格がひん曲がっているような?
> モリーにも要らぬ一言(二言・三言)が多いですよね。

モリーへの台詞は、ほとんどが要らぬ一言でできていると言っても過言ではないですよね…
そういえばシャーロックのどこが好きなんだろう、モリー。
S1では、単純にルックスと頭の良さに惹かれているんだと思っていましたが、S2では深いところまでシャーロックを観察していることがわかりましたよね。ちゃんと、彼の内面に向き合おうとした上での「好き」なんですよね。ええ子や…

> あの必死のシャーロックは健気だったのに、その後の珈琲が・・・

ほんとですよ、あの後の珈琲が・・・
(『珈琲ありきの謝罪』説も未だに頭から消えてくれませんが…)

> 第3話「佐渡わかめ800円(拙訳)」……しばらくツボにはまりそうです(笑)

正直、このネタは投げ返していただけるとは思ってませんでしたよ!!
トビィさんの守備範囲の広さにカンパイ!VOW懐かしいです…!

- よっしい - 2013年07月22日 14:28:53

ナツミさん みなさん こんにちは

私の一言がこんなに広がって とても興味深い記事になってました
もう 私の名前など出していただくのもおこがましいといいますか…でも 取り上げてくださって本当にうれしかったです!

BBCのシャーロックはひとこと多い には笑ってしまいました
日本語版では少々乱暴な物言いになってますし なおさら。 
で ジョンのカチンときたときの無言の表情がまたいいのです

ジェレミーホームズが ワトスンに 自身に資質はなくとも人の資質を刺激してくれる君には大いに助けられているよ と言うところでも あまりに言い方が巧いので ワトソンは Thank you なんていっちゃってます ジョンは 謝ってたんじゃないのか?ほめるならちゃんとほめろ!ってすぐ 見抜いてますけど でもすぐ許しちゃうんですよね 懐が大きいのは一緒です 

そういう二人の関係の微妙な違いを見つけるのも面白いです 
みなさんのやりとりに刺激をうけてまた観直したりしてます

ありがとうございました! - ナツミ - 2013年07月23日 06:31:26

よっしぃさん、こんにちは!

この度は素敵な発見を教えていただき、本当にありがとうございました!
記事中に書き忘れてしまいましたが、「笑われた(と思っている)依頼人の反応」も似ているのですね。
こんなところも、よっしぃさんのご観察のこまやかさを感じます。
(私は見ているだけで観察していなかった…!)
 
> で ジョンのカチンときたときの無言の表情がまたいいのです

あの、眉をしかめて唇を突き出す表情でしょうか。シャーロックは拗ねるとソファに丸まっちゃうし、喧嘩すると二人共まるで子どものような仕草ですよね!(でも、シャーロックの落ち着きある声やジョンの抑制された態度とのギャップが好きだったりします)

> ジェレミーホームズが ワトスンに 自身に資質はなくとも人の資質を刺激してくれる君には大いに助けられているよ と言うところでも あまりに言い方が巧いので ワトソンは Thank you なんていっちゃってます ジョンは 謝ってたんじゃないのか?ほめるならちゃんとほめろ!ってすぐ 見抜いてますけど でもすぐ許しちゃうんですよね 懐が大きいのは一緒です 

ジェレミーホームズと比べると、二人のホームズの性格の違いがよくわかりますよね。
どの映像化作品でも登場人物の性格が少しずつ違って、そこがとても面白いと私も思います。
作られた時代、場所、などその背景まで見えてくるのがとても興味深いです。今、貸していただいたロシア版(ソ連時代に作られたもの)にはまっているのですが、(貸してくださったL様、長々とお借りしてすみません!もうすぐお返しします!)これはまず二人の距離が近いことにびっくりします…比喩じゃなくて物理的に!いちいちベタベタくっついてる!ジョンが見たら「また誤解される…」と嘆きそうですが、ロシアの男の人はこれが普通なんですよね。

> みなさんのやりとりに刺激をうけてまた観直したりしてます

私もです!ミステリとしては弱いところもありますが、そんな風に何回観ても飽きないところが、この作品の魅力だと思います。こんな風に皆で話しながら観るのが楽しいような仕掛けが随所に施されていて、インターネットでの反応を前提とした作品、というのもSHERLOCKの大きな特徴なんだなあ、とあらためて気付かされます。

ドラマを観るのも楽しいけれど、意見交換も楽しいですよね。今回のよっしぃさんとの出会いでは(出会い方も含め)その醍醐味が味わえました。あらためまして、ありがとうございました。今後もご一緒に遊んでいただけたら、うれしいです!

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シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

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