最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
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カール・パワーズ事件

シャーロックの「最初の事件」となったカール・パワーズ事件。
水泳中の急死…というと、「ライオンのたてがみ」のフィッツロイ・マクファースンの事件を思い出します。人為的なものか、自然のものかの違いはあるんですが、毒による死というのも同じです。また、カール・パワーズが住んでいたのは、「ライオンのたてがみ」の舞台となったサセックスですね。

元ネタというほどではない、と思っていたんですが、これって、ホームズの引退後の事件なんですよね。wikiの年表によると、ホームズは1903年に探偵業を引退。サセックスで養蜂を始めます。「ライオンのたてがみ」事件が起きるのは1909年。時系列上、原作最後の事件となる「最後の挨拶」の舞台は1912年。

「最後の挨拶」では、「ライオンのたてがみ」には出てこなかったワトスンが、再びホームズに協力しています。
ホームズの滝からの生還後、ベーカー街に戻ってきたワトスンは、1902年に再び221Bを離れ(理由は明記されていませんが、再婚のためと考える研究者が多いようです)、「ライオンのたてがみ」では、「この頃ワトスンはほとんど私の身辺から姿を消していた。週末などたまに訪ねてくるくらいなものである。」とホームズに書かれています。

つまり、ワトスン(またはジョン)と一緒に取り組んだ事件を除くと、カール・パワーズ事件はジョンと出会う前の、シャーロック最初の事件。「ライオンのたてがみ」事件はワトスンと別れた後のホームズ最後の事件、ということになるんですね。(あくまで、ドラマで言及されていたり、原作で描かれている中で、ですが…)元ネタとまでは言えなくても、脚本家さんが「シャーロック最初の事件」を設定する上で、「ホームズ最後の事件」がヒントくらいにはなったのかもしれませんね。

ここから先は蛇足です。
カール・パワーズに対して、多分彼と同じくらいの子どもだったジムは、並々ならぬ恨みがあったようです。ひょっとしたらカールは、ジムが「天使の側」に行かなかったきっかけになった人物なのかもしれません。
話がとぶようですが、「ライオンのたてがみ」を思い出すとき、私はなぜかいつもセットで「覆面の下宿人」を思い出します(掲載順が前後なのもありますが、まあ単純にライオンつながりなんでしょう)。このお話で、ユージニア・ロンダーの愛人で共犯者であったレオナルドも、水泳中に亡くなっているんですよね。ユージニアの話を聞く限りでは彼の死に事件性はないのですが、本当に事故だったんだろうか、と思っちゃうんです。ユージニアが青酸を所有していたことも気になります。
ホームズ・シリーズには気の毒な人が何人も出てきますが、ユージニアの人生はその中でも特に過酷だと思います。その彼女を、レオナルドはひょっとしたら夫以上に深く傷つけたわけです。彼女自身の復讐ではないとしても、「そういう男」の死が誰かの手によるものである可能性は、ゼロとは言えないんじゃないでしょうか。
仮説の上に立てた仮説で申し訳ないんですが、もしレオナルドとカール・パワーズが重なっているとしたら、ジムは、本当はカールのことが好きだったんじゃないかなあ。「愛憎相半ばする男の水死」に、20年以上も大嫌いなカールの靴を持ち続けていたジムが重なって見えるんです。カールについては、水泳のチャンピオンであったことと、子どもにしては足が大きかったこと、ジムを笑ったということくらいしかわからないんですが、なんとなくレオナルドの描写と重なって見えます。あまりにも「粘土が足りない」ので、きっと私の気のせいなんでしょうけど……

女は席を立って、引出しから一人の男性の写真をとってきた。明らかに職業曲芸師で、りっぱな体格の男だった。もりあがるような胸の上で、たくましい腕を組んでおり、太い口ひげの下にあふれるような微笑をたたえている。多くのものを征服した人の独善的な微笑である。
「レオナルドです」   (覆面の下宿人)



(原作からの引用はすべて延原謙訳)
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この記事へのコメント

- トビィ - 2013年01月30日 16:43:25

ナツミさんこんにちは。
最初と最後の事件にはこんな繋がりがあったのですね。
殺した人間の靴を持ち続けたのは確かに謎ですね。すぐ証拠隠滅してもいいのに。
シャーロックにとってはじめての捜査だったのと同じくジムにとってもはじめての犯罪だったのかもしれませんね。
ナツミさんの言う通りカールのこと本当は好きだったのかも。
足に湿疹があるなんて、仲が良くないと知らないだろうし。
もしジョンのような友達がいたらジムの人生も変わってたでしょうね。
ジョン、女性にはモテないけど男性にはモテますね(笑)
『ライオンのたてがみ』で泳ぐホームズにも驚きですが、『覆面の下宿人』ラストでホームズが女性に優しい言葉をかけるのも驚きです。


- アイリーン - 2013年01月30日 20:22:21

覆面の下宿人は悲惨すぎて一番苦手な話です…。
愛憎相半ばする…なるほどそうかもしれないですね。ジムとカールパワーズに何があったんでしょう。気になりますね!個人的にジムが大好きなのでジムのスピンオフ作ってほしい…

運命の二人? - ナツミ - 2013年02月01日 07:10:59

トビィ様

> 殺した人間の靴を持ち続けたのは確かに謎ですね。すぐ証拠隠滅してもいいのに。

ですよね!ジムらしくないのか、すご~くジムらしいのか……
いずれにせよ、親と住んでいたり、寮にいるような年齢だとしたら、他人の靴を隠し持ち続けるのは難しいんじゃないかな?形見の靴を持っていることが不自然ではなかったとすると、やっぱり(少なくとも表立っては)仲が良かったんじゃないかと思います。

> シャーロックにとってはじめての捜査だったのと同じくジムにとってもはじめての犯罪だったのかもしれませんね。

ああ、だとしたらすごく運命的ですよね!はじめての捜査とはじめての犯罪が同じなんて!
シャーロックはジムに届かなかったけど、ジムはシャーロックが調べまわっていることに気づいたんでしょうか。ふたりの長い歴史を感じますね。

> もしジョンのような友達がいたらジムの人生も変わってたでしょうね。
シャーロックとジムは似ている部分もたくさんあって、違いの方が少ないのかもしれません。でも、ジョンのような友達がいる、というのは決定的な違いですね。友達の存在が人を弱くするのか、強くするのか。S2E3はギリギリの戦いが見られました。

> ジョン、女性にはモテないけど男性にはモテますね(笑)

そ、それを言っては…(笑)
いや、女性とのつきあいが続かないのは、基本シャーロックのせいなんですよね!S3ではそれを乗り越える女性が現れるんでしょうか。

> 『ライオンのたてがみ』で泳ぐホームズにも驚きですが、『覆面の下宿人』ラストでホームズが女性に優しい言葉をかけるのも驚きです。

ホームズは発言に気を遣うことができますよね。「唇の捩れた男」では、「夫に何かあればわかります!」という依頼人の女性に、「経験上、そういう女性の感覚が推理家の意見に勝ることがあるのを否定しません」と言ってあげたり。もちろん、本人は「そういう感覚」に頼らず、あくまで科学的な物の見方で捜査を進めていくんですが、夫の失踪で胸を痛めている女性には嬉しい心遣いですよね。
シャーロックも、年齢を重ねるにつれて、そういう風になっていくのでしょうか。うれしいような、さびしいような…

スピンオフ! - ナツミ - 2013年02月01日 07:22:48

アイリーン様

コメントありがとうございます!

> 覆面の下宿人は悲惨すぎて一番苦手な話です…。

悲惨な話ですよね。ユージニアの人生が徹頭徹尾いいことない気がして。時代もあるのでしょうが、「事件簿」のあたりの作品は暗い感じがするものが多くて私もちょっと苦手です。

> ジムとカールパワーズに何があったんでしょう。気になりますね!個人的にジムが大好きなのでジムのスピンオフ作ってほしい…

私もスピンオフ観たいです!ジムとカールだけでも、一本作れそうですもの!
それとも、あえて謎のままで、この記事みたいに勝手に想像するほうがいいんでしょうか。ああでも観たい!動いて喋るジムをもっと観たいですよね!

初めまして - へしこ - 2013年02月04日 00:47:00

ナツミさん、こんにちは。初めまして。
こちらには以前からこっそりお邪魔して、記事&コメント共に楽しませていただいてたのですが、今回のカール・パワーズ話題に我慢できずつい書き込みしてしまいました。
カール・パワーズ事件の靴の件、トビィさんの仰る通り「なんですぐ処分しなかったんだろう?」と私も不思議だったんです。で、もしかしたら"靴が無いのはおかしい"と警察に申し立てに来た、自分より年下?の少年=シャーロックの存在を知ったために手元に残していたのかも、と思うに至りました。後々あんな風に使用するとはさすがには思ってなかったでしょうけど、何らかの予感があって取って置いたのかなあ、と。
だとしたら、ジムは当時からシャーロックをずっと意識してきたか、もしくは『推理の科学』をネット上で見つけたときすぐに「あの彼」だと思い出したか、ですよね。で、S1E3での「第一の謎」として満を持してカールの靴を…なんて。すいません、かなり妄想入ってます。
シャーロックがジョンと出会う以前から、『推理の科学』の掲示板にジム(らしき人)が書き込みしてるのに初めて気づいたときは「ひゃー怖っ!」って感じだったんです(笑)。その影響が強いんでしょうね。でも、こちらでのカールとジムが「形見の靴を持っていても不自然でない関係」という説にもものすごく惹かれるものがあります。
物語の裏設定的なものがあるとして、その全てが語られることはないのでしょうが、こうして「ああでもないこうでもない」と想像を巡らせているのが本当に楽しい作品ですね。
…初めての書き込みで、こんな妄想に突っ走った長文を書いてしまって申し訳ありません。
いつも興味深い記事を書いてくださって本当にありがとうございます。

Re: 初めまして - ナツミ - 2013年02月04日 07:38:05

へしこさん、初めまして。読んでいていただいて嬉しいです。書き込みをありがとうございます!

妄想大歓迎です!むしろ本記事に妄想しかないブログなんですが、今回書き込んでいただいた件は信憑性があるのではないかと…!

トビィさん説も含め、今のところ挙がっている仮説を一旦まとめてみますね。

ジムがカール・パワーズの靴を保管した理由

1 記念品説
1a:カール自身に何らかの思い入れ(恨み?愛情?)があり、カールの記念品として保管
1b:自らの、完全犯罪成立の記念品として保管

2 対シャーロック説
2a:シャーロックの存在を知り、いつか一緒にゲームをするために保管(シャーロックの動向は一旦保留)
2b:シャーロックの存在を知り、いつか一緒にゲームをするために保管(シャーロックの動向はずっとマーク)

ゆいさんのように上手に分類できなくてすみません…!しかし、こうして書き出してみると、2a怖っ!でも一番ジムっぽい!

確かに、1話でホープが「シャーロックのサイトのファン」と言っていたのはジムのことですよね。
実は、私は2話の時点までジムはシャーロックをよく知らないのだろうと思ってました。(シャン共々、ジョンとシャーロックを間違えていたわけですから)でも、顔は知らなくても存在はずっとマークしていたという可能性はありますね!
原作ではホームズが先にモリアーティーをマークしてて、モリアーティは「ちょこちょこ若造が動き回ってうっとおしいな~」と思っているだけで、追い詰められてようやく腰を上げた、という印象があるんです。つまりホームズ→モリアーティの片思い期間が長いわけで、私はその印象にひきずられてしまったかもしれないなあ。ドラマでは逆に、ジム→シャーロックの期間が長いのかもしれませんね。

> 物語の裏設定的なものがあるとして、その全てが語られることはないのでしょうが、こうして「ああでもないこうでもない」と想像を巡らせているのが本当に楽しい作品ですね。

本当に!そして、一緒に妄想してくださってありがとうございます!ひとりで妄想するのも楽しいですが、こうやってお話できて、より納得できる「新説」をお聞きできて嬉しいです。

S1を見返して今私が悩んでいるのは、フィリモア少年の傘の件です。ちょっと傘を取りに帰るのにタクシーを使える(=移動では濡れなくてすむ)のに、なぜわざわざ傘を取りにいったんでしょう…?また、想像を巡らせてしまいそうです。

フィリモア少年 - YOKO - 2013年02月04日 14:12:31

フィリモア少年の傘の件、私の解釈(妄想)をば。
1.少年二人は雨の中どこかへ行く途中で、タクシーを捕まえようとしていた。
2.フィリモア少年は傘を取りに戻り、傘を取ったあとにタクシーがちょうどやってきた。
3.「このタクシーに乗って友人を追いかければ早く合流できるし、そのまま友人を拾って目的地へ行こう」とタクシーを止めた。
4.万事休す。

いかがでしょ?

なるほど! - ナツミ - 2013年02月04日 20:33:15

YOKOさま


YOKOさんすみません、この場をお借りして訂正をさせてください!先ほどの私のコメントの中ですが、「ジムがスニーカーを保管した理由」で怖いのは2bですね…

さて、フィリモア少年ですね!
なるほど、友人のために急ごうとしたのがアダになったわけですね!(いい奴じゃん…!)
「たった2分で取ってくる」とまで言っていたし、かなり急いでいたのですね。

以前、マイクロフトの傘について調べた時「イギリス人はあまり傘をささない」とわかったもので、取りに行くよりもそのままタクシーで出かけるほうが自然ではないかと思ったんです。徒歩でもぎりぎり間に合うはずだったのに、傘を取りにいったらやっぱり間に合わそうなので、しかたなくタクシーを使ったという感じでしょうか。あ、だから若い(できればタクシー代を節約したい)世代に変更されているのかな?

めったに乗らない私は「?」でしたが、タクシーをよく使う人には「ああ、あるある!」という感じなのでしょうか。
いずれにしても、すっきりしました!YOKOさん、ありがとうございました。

印象的な1カット - へしこ - 2013年02月05日 01:50:50

わあ、妄想にご寛容なお言葉と仮説のまとめをありがとうございます。そしてやっぱり2bはとても怖いです…。
私が長年読んでいる『PALM』という大長編コミックスに、主人公(天才)が11歳の頃から自分の好敵手かつ同類、と目を付けて彼の成長を「幼い許婚が適齢期になるのを待つ」かのように待ち続けて付き纏う大量殺人鬼が出てくるんですが、ちょっとその展開を思い出してしまいました。

>フィリモア少年の傘の件
「2分待って」と言って戻ったのだから、彼の家はごく近くにあったのでしょうけど、彼が薬を飲むシーンの手前に、ちょっと印象的な1カットが入ってるんですよね。雨の中、ポケットに両手を突っ込んでちょっと悲しい表情で歩いてる姿が。戻ったときに何かあったのかしら?と思ってしまいました。
…こういうことをあれこれ考えていると、あっという間に時間がたってしまいます(笑)。

ありましたね! - ナツミ - 2013年02月05日 06:30:40

へしこ様

> 主人公(天才)が11歳の頃から自分の好敵手かつ同類、と目を付けて彼の成長を「幼い許婚が適齢期になるのを待つ」かのように待ち続けて付き纏う大量殺人鬼が出てくるんですが、ちょっとその展開を思い出してしまいました。

す、凄まじいですね…!何だか、そういう「物や人への執着の度合い」がシャーロックとジムの共通点かもしれませんね。頭のよさももちろん常人とかけ離れてるですけど、ひとつのものをどれだけなめ回すことができるか…という集中力が違う気がします。

> >フィリモア少年の傘の件
> 「2分待って」と言って戻ったのだから、彼の家はごく近くにあったのでしょうけど、彼が薬を飲むシーンの手前に、ちょっと印象的な1カットが入ってるんですよね。雨の中、ポケットに両手を突っ込んでちょっと悲しい表情で歩いてる姿が。戻ったときに何かあったのかしら?と思ってしまいました。

おおお、ありましたね!その時、傘は持っていなかったですよね?
昨夜FC2が緊急メンテナンスでアクセスできず、朝になってしまったので、後ほど確認してみます!

> …こういうことをあれこれ考えていると、あっという間に時間がたってしまいます(笑)。

本当に…!もし何かあったとしたら、自宅ででしょうか。
脱線してしまったのに、YOKOさんもへしこさんも、傘の件まで一緒に悩んでいただきありがとうございます!
今日は仕事の間もちょくちょく彼のことを考えてしまいそうです。

フィリモア少年の謎 - ナツミ - 2013年02月22日 06:46:07

すみません、だいぶ時間が経ってしまったのですが、フィリモア少年の件の続きです。

ちょうどDVDを人に貸していて、やっと確認しました!
まず、私の「ちょっと家に帰るのにタクシーを使った」という大前提が間違っていました、すみません・・・!
YOKOさんのおっしゃるように、フィリモア君は、友達とどこかに行こうとしてタクシーをつかまえようとしていたんですね。で、雨がひどくなってきたのに、タクシーがつかまらないのですぐ近くの自宅に傘を取りに戻ったと。
二人の様子を見ると、始めから乗るつもりだったというよりも、ひどい雨が降り出したのでタクシーをつかまえようとした、という感じですね。タクシーに乗れれば、もう傘はいらないわけですよね。
自宅に行く途中、または傘を取って友達のところに戻る途中でホープのタクシーに会い、乗ったんですね。

そして、へしこさんのおっしゃっていた「ポケットに両手を突っ込んでちょっと悲しい表情で歩いてる姿」確認しました。「二分で戻る」と言って駆け出した直後の描写としては、違和感がありますね!ショックを受けている感じです。傘は持っていません。そして、後ろには(ホープの?)車が見えます。

私は、この場面を漠然としか覚えていなくて、「すでにホープのタクシーに乗った後で、ゲームの場所まで強制的に歩かされている」と思いこんでいたのですが、薬を飲んだ場所はどこかのスポーツセンターですよね。車の中から銃で狙われているということも考えられますが、普通に考えればシャーロックの時のように車に乗せていきますよね。

「戻った時に何かあった」というへしこさん説をお借りすると、
家で何かショックなことがあり、傘も持たずに外にさまよい出た→後ろからホープのタクシーが近づいてきた。という考え方もできます。

何か参考にならないかと、DVDを一時停止して「フィリモア少年自殺」の新聞記事を読んでみました。そこまでする視聴者がいることは想定してなかったのか、同じ内容が複数出てくるのですが、重複する部分は省略します。抜けがあったらすみません!

「18歳の少年、スポーツセンター(の中?)で自殺」

ジェイムズ・フィリモアの遺体は、ノーブリッジスポーツセンターの中で発見された。
警察はおそらく殺人ではなく、自殺であろうと述べている。
遺体の発見は今朝の七時だった。彼が最後に目撃されたのは前夜。彼は友人に傘を取りに家に戻ると言ったきり、二度と現れることはなかった。
ジェイムズ(友人たちにはジミーと呼ばれていた)はローランド・カー継続教育大学 の一年生で、学費を賄うために夜間ガレージで働いてもいた。彼の母親は精神的な衝撃のため治療中だが、おじがこうコメントしている。「世界で最も自殺しそうにない人間だ。優しい、明るい子だ。自殺なんて有り得ない」
ジェイムズを最後に見た人物は、親友のゲイリー・ジェンキンス。ゲイリーは「ショックだし、訳がわからない」と話している。「友達に会いに、一緒に出かける途中だった。あいつはちょっと傘を取りに戻って、こうなったんだ。理解できない」

すごくすごく邪推すれば、お母さんのコメントがないのが気になりますかねえ。本当に前夜息子と家で会っていないかどうか、真相は藪の中ですが、彼の物語を色々想像してみたいですね。あの学校の生徒だったというのも、なんか切ないです…




ホープの選別 - ゆい - 2013年02月23日 02:56:15

こんにちは。
フィリモア少年の謎に関して、ナツミさんが訳された新聞記事、確かにお母さんのコメントがないのが気になります……そしてコメントをしているのがおじということは、お父さんはいないということでしょうか……?(いるなら文章の中でちょっとは触れそうな気がするのですが……)

また私の勝手な妄想が始まりまして。ちょっと思ったのは、「ホープはどうやって殺す(自殺のゲームをする)相手を選んでいたんだろう?」ということです。(それってドラマで出てこなかった……ですよね?)

事件の起こった日が10月12日、11月26日、1月27日……結構間が空いてるなあ、とまず思いまして。1人で乗った客だけに絞っていたとしても、標的にできそうな人はもっといたと思うんです。動脈瘤でいつ死ぬかもわからない状態で、殺せば殺すほど報酬が入るのに、なんでもっとバンバンやらなかったんだろう。(過激発言すみません)まあそれは毒薬の入手数に制限があったとかも考えられそうなんですが。ともかく「標的にできそうな人は手当り次第」ではなくて、「選んでいた」なら、このホープなら、何かルールを設けていたような気がしまして。

で、4人の被害者を見た時に、1人目のジェフリー・パターソンと4人目のジェニファー・ウィルソンには「不倫」という要素が共通してるなあ、と。(なんかホームズに馬鹿にされる警察の推理みたいな安易さですが……)

ホープは自分の行為を正当化する様子(たとえば「自分を認めなかった世の中が悪い」的な)はなかったですし、それどころか「子供のために」という理由は隠して「自分の楽しみのために殺した」だけだと言い張っていたぐらいなので、「神のかわりに不義を犯した人を罰してやるんだ」みたいな意識はなかったと思うのですが(原作はそんなだった気がするのですが…)、でも、ゲームのルールとして、何か自分の個人的な強い気持につながるものを設定してたんじゃないかと思うんです。で、愛する子ども達を連れて出て行ってしまった、「写真で切り取られていた」妻とのいざこざ(実際どういう経緯があったのかは分かりませんが)を想起させる「キーワード」を発した(発言したか、言動で示唆した)人間を標的にする、とか、そういったルールを定めていたのではないかと想像しまして。

中年のおじさんとかには愛人がいることを自慢するような人もいるので、ジェフリー・パターソンあたりはタクシー運転手との世間話の最中にちょっと得意げに語ったのかもしれない。ジェニファーはあからさまには言わないかもしれないですが、「男に会う」ぐらいは言ったかもしれなくて、あとは観察から、ホープは彼女が「不倫相手に会いに行く」ことを読み取っていた。ベス・ダベンポートは……友人が車のキーを取り上げるくらい酔って踊っていた(?)わりに、鍵を捜しているシーンの彼女の表情が暗すぎる気がして……もしかして浮気でもされていて、それをタクシー運転手に愚痴ったとか……(さっきも書いた通り「復讐」的な要素はなくて純粋な「ゲームのルール」なので、「いい」「悪い」や「する側」「される側」関係なく、キーワードにかすった人は標的決定、みたいな。)

で、そんな風に妄想を広げていくと、もしかするとフィリモア少年が不意打ちで帰宅してしまった時、家にはお母さんと、「母とそういう関係だとは思いもしていなかった誰か」がいたのではないかと思いまして。

で、ショックを受けたフィリモア少年はふらふらと家を出た。俺だってそんなにガキじゃないし、母さんの人生は母さんの人生だ。彼がうちで暮らせばいいんじゃないか?俺は家を出て自立するべきなんじゃないか?とか、なんかそんなことをぐちゃぐちゃ考えつつ「ポケットに両手を突っ込んで」歩いていた。その後ろからホープのタクシーが来た。結局傘をとってくるのも忘れていたことに気づいたフィリモア少年は、そのタクシーを止めて乗った。そしてまだわりきれるほど大人ではない少年は、まったく無関係の他人である気安さで、今起こった出来事を思わずタクシーの運転手に話してしまった……

妄想の上に妄想、さらにその上に妄想……な感じですみません。(そしてなにか見落としとか勘違いとかを思いきりしてそうな気もしますが)
それにしても、ほんとに短いシーンだけど、フィリモア少年も友人もいい演技してるなあ、と思いました。

……長々と失礼しました……

うわぁ! - ナツミ - 2013年02月23日 13:07:10

ゆい様

す、すごい!詳細な仮説をありがとうございます!
これはもう、立派な「スピンオフ」ですね!

ホープが「ゲームの相手」に一定のルールを設ける…とても彼らしい。
それが彼にとって大きな問題だった「家族(または大切な人)の裏切り」に関わっているというのも、説得力があると思います。コメントではなく、短編小説を読むような気持ちで読ませていただきました。
なんだかもう、このYOKOさん、へしこさん、ゆいさんの一連の流れ、コメント欄ではもったいないですよね…!
今までにも何度も思ったことなんですが、このブログ、コメント欄こそ来訪者に見ていただきたい!

「ホープの選別基準」、私はゆいさん説に大満足なのですが、純粋に議論を楽しむための意見として、思いついたことを提案してみます。

「選別が行われた」というゆいさんの設定をそのままいただいた上で、もしシャーロックを「5番目のゲーム相手」に数えるとしたら、の話です。
もちろんシャーロックの場合は他の被害者たちと違い、彼のほうから近づきつつあった、という特別の事情がありますので、ホープにとって他の4人と並列ではありえません。だから、本当にオマケとして聞いてくださいね。

4人の被害者の共通点には、「輝かしい人生を送っていた」ということもあると思います。
確かジェフリー・パターソンの名には「サー」がついていたし、べス・ダヴンポートとジェニファー・ウィルソンにも、それぞれの分野でのキャリアがあったはず。ホープが彼らの経歴を知っていたとしても不思議ではありません。
ジェイムズ・フィリモアだけ当てはまらないのですが、新聞記事を読むと、彼はホープの生活圏内にいたんじゃないかなあ、と思います。ガレージでアルバイトしていたり、ホープがよく知っていた学校の生徒だったり。おじさんや友人たちの話からは、優しく、明るく、希望に満ちた青年像を思い描けますが、そういう姿を、ホープは見ていたんじゃないでしょうか。

でも、輝いて見える人はきっとたくさんいるので、それだけではゲームの標的候補にしかならない。
そういう人が、ホープを「ただのタクシー運転手」と見なして何げなく自分の暗部をさらけ出した時に、「ホープのゲーム」が始まる、というのはどうでしょう。
ゆいさんのおっしゃるように、原作でのホープの動機は「復讐」「裁き」だったのですが、現代版ではホープが「(天才なのに)タクシー運転手をしてるおかしな小男」と自分を卑下するような発言をしていたのが印象的で、こんな説をひねり出してみました。これならシャーロックにも、標的候補になる資格はあるんですよね。(まだ無名ながら、サイトで天才ぶりを発揮していますから)

でも、これだと「キーワード」が設定しづらいですね。ゲームを始める「キーワード」がはっきりしている(おそらく『不倫』とか『裏切り』とかでしょうね)方がホープらしいので、やっぱり私はゆいさん説をとります(なら言うなよ!って話ですが、すみません、楽しくって…!)

ところでNHKの放送ではcollegeを「大学」と訳していたので、上のコメントでもそれに合わせてみたのですが、ご自身のブログで脚本の和訳をなさっているYOKOさんが「大学に行かない人のための職業訓練などを主に行う専門学校的なカレッジ」と説明されていて、納得しました。
さらに調べてみたところ、イギリスと日本の学制は違うので、大学と訳すのも間違いではないかもしれないと思いましたが、YOKOさんの「専門学校」という訳の方が、少なくとも日本人が腑に落ちるという意味ではいいなあ、と思ったので追記しておきます。

イギリスの高等教育制度については、こちらのサイトでわかりやすくまとめられていました。
http://stepup.yahoo.co.jp/english/abroad/guide_uv/guide_uv_uk.html

> それにしても、ほんとに短いシーンだけど、フィリモア少年も友人もいい演技してるなあ、と思いました。

本当ですね!その上二人共、かなり可愛い!
私は俳優さんのこと全然わからないのですが、ほかの作品にも出てたりするのかな?
この先別の作品で二人を見かけたりしたら、うれしいですよね!グラナダ版の「ショスコム荘」に10代のジュード・ロウが出ていたのをリアルタイムで観ていた人みたいに、自慢げに語っちゃいます。

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シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

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