最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
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マイクロフトと王様の馬

ジムによる、ジョン、ハドスン夫人、レストレード抹殺命令を止めさせる、と言うシャーロック。
それに対するジムの台詞。

"So do you. Sherlock, your big brother and all the King's horses couldn't make me do a thing I didn't want to."
「できるのか、シャーロック。君の兄さんも王様のお馬も、僕に強要はできなかったっていうのに」(拙訳)


直接の「元ネタ」は、「マザーグース」の童謡の一つ、「ハンプティ・ダンプティ」。
リンク先のwikiから、歌詞を引用します。

Humpty Dumpty sat on a wall.
Humpty Dumpty had a great fall.
All the king's horses and all the king's men
couldn't put Humpty together again.

ハンプティ・ダンプティが 塀の上
ハンプティ・ダンプティが おっこちた
王様の馬みんなと 王様の家来みんなでも
ハンプティを元に 戻せなかった


マイクロフトはking's men(王様の家来)の一人ですものね。正確には女王様の家来ですけれど。
落ちた卵はけして元通りにならない、という意味の歌詞も、状況に合っていますね。

これは原作ネタではないので、スルーしていたのですが、同じくマイクロフトが登場する「ブルース・パティントン計画書」に同じ歌からの引用を見つけたので、一応書いておこうと思います。
「必要なら国の軍隊すべてがおまえに協力する」(The whole force of the State is at your back if you should need it)というマイクロフトの電報に対するホームズの言葉。

“I’m afraid,” said Holmes, smiling, “that all the queen's horses and all the queen's men cannot avail in this matter.”
「どうもね」とホームズは笑いながらいった。「女王陛下の馬や兵隊をすっかり貸してもらっても、この問題には役にたちそうもないね」(延原謙訳)



ちゃんとqueenに言い換えてるホームズの律儀さがかわいらしい……

原作が元ネタというよりは、たまたま同じになったように思えます。
それほど、時代を超えて耳に馴染んだフレーズなのではないでしょうか。英文学の素養がない私が気づいていないだけで、そういう引用は多いのかもしれません。

それにしても、「SHERLOCK」を観て以来、原作でも弟の言葉の端々に兄への反感が読み取れるような気がしてしまう私です。
原作でのマイクロフトとシャーロックははっきり「仲が悪い兄弟」とはされていませんし、私の知る限りでは映像化された作品でも仲良しの設定が多いと思います。
でも同じように天才的な頭脳を持っていながら、片方は国家公務員、もう一方は自由業という設定は、能力は認め合っていても生きる姿勢に違うところがある、ということを意味しているのかもしれません。それが悪いことだとは全然思いませんが、少なくとも、何もかもあけっぴろげな関係の兄弟ではないのでしょうね。

マイクロフトとシャーロックの関係については以前にも記事を書いたので、ご興味があればごらんください。
過去記事 シャーロックとマイクロフト

ここからは「卵つながり」のおまけです。
シーズン2の1話で、マイクロフトが221Bにやってきた時、シャーロックとジョンは朝食中でしたが(なんでいつも朝来るんだろう)、主なメニューは半熟卵とトーストだったようです。
シャーロックたちは普通のトーストでしたが、このトーストを細く切ったものを半熟卵につけて食べる料理を、イギリスではBoiled egg and soldiersということを、先日「めざましテレビ」を観ていて知りました。
Wikiによると、soldiersは細く切ったトーストのこと(兵士の隊列を意味しているらしいです)。
別の記事では、「半熟卵を帽子に見立て、『兵隊さんに帽子をかぶせて食べるのよ』と、お母さんが子どもに教える」ともありました。
「兵隊さん」は卵と同じくらい国民にとって身近な存在だったのかもしれませんね。今もそうなのかな?
私も「兵隊さん」と言われると、あの黒い帽子に赤い服の「イギリスの兵隊さん」をまず思い出します。
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この記事へのコメント

電子レンジで破裂した卵も元に戻せなかった - R is for ROCKET - 2012年11月10日 20:59:43

>時代を超えて耳に馴染んだフレーズなのではないでしょうか。

私も「マザーグース」はあまりわからないのですけど、「ハンプティ・ダンプティ」の引用といえば、まさにそのものズバリの「オール・ザ・キングスメン」という映画がありますし(リメイクもされましたね)、「大統領の陰謀」も原題は「ALL THE PRESIDENT'S MEN」です。

英語圏では「マザーグース」は当たり前の知識のようですね。
もっと勉強しなくては…。

卵爆弾… - ナツミ - 2012年11月11日 06:34:08

R is for ROCKET様

電子レンジを元に戻す(掃除する)のもなかなか大変そうですね……

いつも素敵な映画を教えていただき、ありがとうございます!
映像方面にさっぱり疎い私ですが(そもそも疎くない方面がないような気がしてきましたが…)、映画などへのオマージュも多いはずなので、勉強させていただけてうれしいです。
「オール・ザ・キングスメン」、例によって未見なのですが、私の記憶にあるほう(ショーン・ペンやジュード・ロウが出てるほう)は二度目の映画化だったんですね!はじめは1949年!古い作品だったんだなあ・・・

「大統領の陰謀」と共に、アメリカの政界が舞台なのですね。大統領選の後でタイムリーなご紹介、ありがとうございました!

>英語圏では「マザーグース」は当たり前の知識のようですね。

遠い国に暮らしていると、その社会において何がどの程度「当たり前の知識」なのかわかりづらいです。きっと、ドラマや映画をたくさん観て会話などから掴むことが大事なんでしょうね。
私はどちらかというと映像を観るより本を読むほうが気楽なので、そういうリアルタイムの感覚が欠けているなあと思います(住んでいる日本にすら、欠けてるかもしれない…)。もう、出くわすたびに一つ一つ知っていくしかないですね。何かお気づきの点があったら、ご指導いただければありがたいです!





風邪、お大事に。 - トビィ - 2012年11月11日 12:36:41

ナツミさんこんにちは。

「ビルボの家」もう、ジョンを中つ国から召還して
料理してもらう他ないですね(^^;

「マーザーグース」、「ハンプティ・ダンプティ」私には未知の世界。
「ヴァチカンのカメオ」や「海軍へそゴマ事件」なんて意味を聞いてもサッパリ(笑)

字幕や日本語吹き替えではどうしても表現が難しいのですね。

余談ですが久々に「犬ホームズ」DVD見ましたが、犬のくせに格好いい(///∀///)



へそごま事件! - ナツミ - 2012年11月11日 19:17:55

トビィさん、こんにちは!
風邪のご心配ありがとうございます!もう治ったので大丈夫です♪

> 「ビルボの家」もう、ジョンを中つ国から召還して
> 料理してもらう他ないですね(^^;

本当です!でも、私よりもSHERLOCKチームの方がよっぽど召還したいと思うので、こまめに料理したり冷凍したり頑張ります。

> 「ヴァチカンのカメオ」や「海軍へそゴマ事件」なんて意味を聞いてもサッパリ(笑)

「海軍へそゴマ事件」、私気づいてませんでした!
ジョンは"The Naval Treaty(海軍条約)"じゃなくて"The Navel Treatment"って言ってたんですね!それで、シャーロックの「へそ殺人?」っていう台詞とつながるんですね。おおお、三度の飯より好きな「原作改変エピソード」なのに気づけなくてくやしい!
教えていただけて嬉しいです。ありがとうございました!
しかし、一体どんな事件だったのか全くわかりません。とにかく何はなくとも「へそ」なんでしょうけど…

劇場で話しているようなので、「アルミの松葉杖」事件かと思いましたが、へそを出してそうな人はいましたけれど、犯人じゃないですよね。う~ん。

「ヴァチカンのカメオ」は、英国軍の符牒ではないか、というのが有力な説であるということを最近聞きました。なるほど、だったらジョンに分かったのもうなづけますね。(じゃあシャーロックは何で知ってたんだ、という疑問もありますが、それは『まあ、シャーロックだからね』で済む話ですしね…)

> 字幕や日本語吹き替えではどうしても表現が難しいのですね。

難しいですよね。たとえばR is for ROCKETさんが挙げてくださった"All The King's Men"も、日本語タイトルをつけるの難しそうですもんね。"All the Pretty Horses"っていう小説もありましたが(映画にもなってますね)、訳題は「すべての美しい馬」でなるほど、と思いました。でも、「すべての王様の家来」だとなんか王様がいっぱいいそうだし…そんなこんなで苦労して"all"を訳しても、そこに大した意味はなくて、文全体が何かを仄めかしていたりするんですよね。ああ難しい…

> 余談ですが久々に「犬ホームズ」DVD見ましたが、犬のくせに格好いい(///∀///)
そうそう、格好いいですよね!あのかっこよさを堪能できたのだから、やっぱり日本人に生まれてよかったかも!
そういう私は、犬ホームズの犬種がジャック・ラッセル・テリアだということを、SHERLOCKのコメンタリーに教えてもらうまで知りませんでしたが…
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%86%E3%83%AA%E3%82%A2

感謝! - R is for ROCKET - 2012年11月12日 17:09:44

>いつも素敵な映画を教えていただき、ありがとうございます!

いえいえ、こちらこそナツミ様のブログのおかげで「シャーロック・ホームズ」を巡る物語が、何倍にも楽しくなってます(「犬ホームズ」も楽しそう!)。
これからの記事も楽しみにしています。

こちらこそ! - ナツミ - 2012年11月13日 00:02:42

R is for ROCKETさま

こちらこそ、ご一緒させていただけたら嬉しいです!
少し前に紹介していただいた「君のためなら千回でも」、原作本の翻訳を読み始めました。アミール視点で、こちらも切ないです・・・

犬ホームズはお勧めですよ~(私が威張ることでもないですけど)!
全てのキャラクターが生き生きとして、魅力的です!ホームズものとして観るよりも、宮崎駿アニメのひとつとして観た方が楽しめるかもしれませんね。

思えば、中学生の頃ワトスンのミドルネームが「ヘイミッシュ」(ジェームズのスコットランド読み)と知って、「だから犬ワトソンはスコティッシュ・テリアなんだ!」といたく納得したのが私のカール・パワーズ事件だったかもしれません(当時から妄想過多気味)。

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