最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
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(事件の重要なネタバレ)犬は光ったか?

私も思わず立ち上がったが、濃霧のなかから異様な怪物が飛びだしてきたのを見て、手は反射的にピストルの柄をかたく握りしめながらも、気がとおくなりそうだった。怖るべき猛犬なのである。この世のものとも思われぬ巨大な、まっ黒な猛犬なのである。しかもそのがっとあけた口からは火をはき、双眼はらんらんと輝き、あごから首の下にかけてぼうっと焔をふいているのである。



ワトスンによる、ヘンリー卿を襲った「魔犬」の描写です。

この数ヶ月前に、ヘンリー卿の伯父であるチャールズ卿が魔犬に追われて命を落としていますが、目撃した人々は皆「ぼうっと青く光る大きな動物」と証言しています。モーティマー医師が「そのいうところは一様に、バスカヴィル家の伝説にある地獄犬の姿に一致していました」と言うので、私も「魔犬は光る」ものと強く脳裏に刻まれていました。
でも、地元の人々が怖れている「バスカヴィル家の伝説」をモーティマーが朗読する場面をもう一度よく読んでみると、「光る」とはどこにも書かれていないんですね。厳密には"blazing eyes"(燃える目)とありますが、延原先生が「らんらんたる眼光」と訳されているように、これは比喩でしょう。
子どもの頃初めて読んで以来、にじゅ…(ゴホゴホ)年間、全く気づかず勘違いし続けていました。
「光る」というのは、ただの犬ではないことをチャールズ卿に印象付けるために、ステイプルトンが付け加えた新しい要素だったのですね。

現代版では、この「光る」という「あとで付加された要素」が、ハウンドが薬による幻覚だとシャーロックが断定する決め手となりました。

"I made up the bit about glowing.You saw what you expected to see because I told you."
「光ったっていうのは僕の作り話だ。君は自分の頭の中にあるものを見たんだ。僕から聞いていた通りにね」
(拙訳)



ジョンが「犬が光る」と思い込んでいた背景には、シャーロックが故意に吹き込んだ情報の他に、ウサギのブルーベルの話もあったんじゃないかと思います。
ブルーベルが光ったのは、ステイプルトン博士の実験によってGFP(緑色蛍光タンパク質)を持つクラゲ、equorea victoria(オワンクラゲ)の遺伝子を組み込まれていたからですが、リンク先にもあるように、このGFPは日本人によって発見されたものなんですね。ブルーベルには申し訳ないけれど、「シャーロックの中の日本」がひとつ増えてちょっと嬉しい。
原作でクラゲといえば、「ライオンのたてがみ」に「サイネリア・カピラータ(キタユウレイクラゲ)」が登場しますね。


さて、原作のステイプルトンがどうやって犬を光らせていたかというと、

(前略)こうして息の根も絶えて倒れているのに、その大きな口からはまだ青い焔をはき、小さく落ち込んだ残忍な両目のうちには火の輪が燃えていた。眼や鼻のあたりをさわってみた手を引くと、その手さきがぼうっと光るのに気がついた。
「燐だ!」



推理小説の歴史に詳しい方にうかがってみたいのですが、リンはマッチなどに用いられて人々の生活に浸透してたものの、それを犯罪のトリックに用いるのは、当時はきっと斬新だったんじゃないでしょうか。
原作の「バスカヴィル家の犬」事件は、「古色蒼然とした怪奇物語」に見せかけた「科学的な犯罪」事件でした。
その記憶が残っている視聴者を、クローン実験などの話題をちりばめながら巧みに「遺伝子工学などの最新科学が関係する事件なのではないか」という考えに導いていき、最後にちょっとだけ裏切るのが面白いな、と思います。
ゲイリーたちが秘密裏に飼っていた実在の犬が絡んでくるのも、ステイプルトンが犬を飼っていたエピソードを思い出させて、原作を知っているほど混乱させられるのが楽しいですよね。

犬が光るかどうか(ついでに実在するか幻か)をまとめると

(共通) グリンペンに伝わる伝説の犬・光らない・不明

(原作) ステイプルトンの犬・光る・実在した

(現代版)フランクランドの犬(ヘンリーとシャーロックが見た犬)・光らない・実在しない
     ゲイリーとビリーの犬・光らない・実在した
     シャーロックの犬(ジョンが見た犬)・光る・実在しない

(※原作の引用部分は全て延原謙訳)

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Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

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