最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
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ホームズの友人たち

シーズン2第3話は本当にドラマチックな展開で(ドラマにドラマチックというのもなんか変ですが)、ここに何か書きたい衝動と、多少なりとも読んで下さっている方のお顔がイメージできるようになってきた今、余計な先入観なしに楽しんでいただきたい!という奇妙なファン心理の板ばさみです。
そんなわけで、当たり障りのなさそうなところから、おっかなびっくり更新しております。

さて、前にも書きましたが、ジョンとマイクロフトは、シャーロックに知らせずに連絡を取り続けているようです(当のシャーロックはいちいち気づいているようですが)。
その中でこんな会話が。

"Someone called Brook. Recognise the name?"
"School friend, maybe?"
"Of Sherlock's?"

マイクロフト「ブルックと呼ばれている人間だ この名前に覚えは?」
ジョン「学校の友達かな」
マイクロフト「(笑って)シャーロックのかい?」(拙訳)


マイクロフトの笑い方は「シャーロックに学生時代の友人なんているものか」という感じでしたが、ジョンは第1シーズンの2話でセバスチャンに会っていますよね。

原作のホームズは、ワトスンに「君のほかに友人は一人もいない」と言っていますが(『オレンジの種五つ』)、少なくとも学生時代には友達がいたようです。

まず、「グロリア・スコット号」に出てくるヴィクター・トリヴァ。
ホームズが「カレッジにいた二年間に得た唯一の親友」だそうです。

「僕はそのころもきわめて非社交的な男だった。いつも自分の部屋にくすぶって、独りでつまらない思索にふけっていたものだから、自然同年輩の男とは交わったことがなかった。剣術と拳闘をのぞいては、運動競技のほうにもあんまり趣味がなかったし、それにまた、ほかの連中とは研究の方面がまるで違っていたから、従って接触する機会というものがまるでなかったのだ。」


「研究の方面」というのは、ホームズはその頃から犯罪、観察、推理などに興味を持って独自に研究を進めていたということだと思います。また、この頃のワトスンがラグビーというチームスポーツに熱中していたのに対し、ホームズは個人で練習でき、しかも実用的な格闘技にしか興味がなかったというのも対照的で面白いです。

トリヴァとの出会いは、彼の飼っていたブルテリヤがホームズのくるぶしに噛みついた、というなかなか劇的なもの。(なんで噛みつかれたんだろう…)
ホームズは10日間ほど寝込む羽目になり、トリヴァが見舞いにきているうちにだんだん仲良くなったようです。

「ヴィクターは多血質の元気のいい男で、全身これ意気と勢力とでもいうか、ほとんどどの点からみても、僕とは性質相反する男なのだが、それでいて共通する点のいくつかあることもわかった。そして彼もまた友人がないのだと知ってから、二人はいよいよ親密さをましてきた。」


カレッジの休暇中、ホームズはトリヴァの田舎に招待を受け、そこで探偵の才能を発揮することになります。
トリヴァの父から「これで身を立てるといい」と勧められたことが、ホームズがその後職業探偵となるきっかけになります。トリヴァとの出会いがホームズに探偵の道を選ばせた、といってもいいですね。

ところで、ワトスンにこの話を語る中で、ホームズはトリヴァをファーストネームで呼んでいます。学生時代の友人らしくていいなあ!とちょっと胸キュンだった私ですが、トリヴァの台詞には「ホームズ君」とあるんですよね。
たぶん、お父さんのトリヴァ老人と区別するために便宜上ファーストネームを使ったのでしょう。無駄キュン。

それから「マスグレーヴ家の儀式」のレジナルド・マスグレーヴ。

カレッジを出たあと、探偵を志したホームズは「モンタギュー街の、大英博物館の角を曲がったところ」に間借りしますが、この頃は不遇な下積み時代でした。ときどき転がり込んでくる事件と言えば、学生時代の友人の紹介によるもの。そのうち3番目の依頼を持ちこんだのがマスグレーヴ。「グロリア・スコット号」事件のあと、ホームズが探偵をやるということはカレッジの噂になったようです。

マスグレーヴは「イギリス屈指の名門の生まれ」で、「落ち着いた上品な物腰」の青年。「自負心が強すぎる」とあまり人望はなかったようですが、それは「生来の極端な内気さを隠そうがためにすぎない」とホームズは見抜いていました。
彼の場合は、学生時代それほど仲がよかったわけではなさそうなので、トリヴァ君よりは現代版のセバスチャンに近い関係かもしれないです。ただ

「ちょいちょいその男と話しこむことなどあったが、今でも思い出すのは、彼が僕の観察と推理の法を知って、ことのほか面白がったことも一再ではなかった。」


とあるので、興味や関心においては、トリヴァより共通点があったのかもしれませんね。それにしても、推理を褒められたり興味を持ってもらったことは絶対忘れないよな、ホームズは…

いずれにしても、事件後トリヴァ君はインドに旅立ち、二度と会うことはなかったようです。マスグレーヴ君ともその後の付き合いはなさそう。

では、大人になってからはどうなのでしょう。
ワトスンとホームズは、ずっと一緒に暮らしていたわけではありません。ワトスンは少なくとも一度、結婚してベーカー街を出ています。メアリとの結婚でワトスンが221Bを出てからの何年かと、ホームズがライヘンバッハの滝で「死亡した」のちの3年間にかけて、二人は離れていました。
その後、ホームズの希望でまた同居を始めますが、「マザリンの宝石」や「這う男」など、ホームズ隠退直前の作品ではワトスンは外から訪ねてくる様子なので、その頃から後はずっと別々のようです。
隠退後、サセックスで養蜂家としての生活を始めたホームズは「このころワトスンは私の身辺からほとんど姿を消していた。週末など、時々訪ねてくるくらいなものである」と書いています。(『ライオンのたてがみ』)まだロンドンで医業を続けていたのかもしれません。

そして、サセックスでホームズは友人を得ます。
彼の家からそれほど離れていないところにあった職業訓練校「ザ・ゲーブルス」の経営者、ハロルド・スタクハーストです。

「スタクハースト自身は、若い頃は大学の有名なボート選手で、万能の優等生だった。私はこの海岸に住みついて以来親しくしてきたが、ここでは夜など招待もないのにふらりと、どっちからでも訪ねていい唯一の人物なのである。」


訪問し合うだけでなく、一緒に散歩をしたり水泳を楽しんだりしていたようです。

ワトスンが「姿を消していた」ことをホームズはちょっと恨みがましい感じで書いていますが、ワトスンの方では、陽気で快活、公明正大なスタクハーストがホームズと気の置けない付き合いをしていることが嬉しかったんじゃないかな、と思います。
ホームズが少し自己中心的なのに対し、ワトスンは「相手の幸せを願う」というとかっこよすぎかもしれませんが、人間関係を客観的に見ようとするところがある気がします。「四つの署名」では自分の気持ちよりもメアリの幸せを優先したいと思うゆえに葛藤していましたし、「犯人は二人」でホームズが「婚約した」と言い出したときなんて、驚きながらも反射的に祝福の言葉を言いかけていましたしね。
週末にワトスンがサセックスを訪ねれば、「ザ・ゲーブルズ」の教師たちも交えて、わいわい楽しんだりもしたんじゃないでしょうか。
そんなビールのCMのような光景、ロンドンでのホームズからは想像もつきませんが、長く生きていれば人も人間関係も変わるものだ、と思います。

ちなみにワトスンですが、この頃もこの後も、ずっとホームズの物語を発表し続けていますので(年に1~2作のペースではありますが)、ホームズを忘れてしまったということはありません。
というよりも、ワトスンはホームズと一緒にいる間は作品の発表を止められがちなので、ほとんどのお話はホームズが「死んでいた」3年間か、ホームズ隠退後に発表されているんですね。基本的に「回想録」なので、事件解決から発表までの期間も長いです。
これは、ほぼリアルタイムでブログを発表しているジョンとの大きな違いです。

さて、現代版では、この後シャーロックに友達はできるのでしょうか。
今のところ「友達」と呼べるのはジョンだけかもしれませんが、ハドスン夫人やレストレードだって、シャーロックとは既に絆があるはず。
だんだんと、人とのつながりが増えていくのかもしれませんね。個人的には、アンダーソンとの凸凹コンビを見たいなあ、なんて思っています。

(原作の引用部分は全て延原謙訳)
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この記事へのコメント

- らいかみんぐ - 2012年07月22日 20:17:04

ナツミさんの記事にはいつもツボを押されっぱなしです。押せばオタクの泉わく。
ああ、知られざるシャーロック・ホームズ氏の交友録。とっても気になります。
特にトリヴァー君と語り合った病床での十日間。いったいどんな話をして、どうやって仲良くなったんでしょうね。

Wikipedia先生によると、ブルテリヤは闘争性と敏捷性を併せ持つ賢い犬で、強迫神経症にもかかりやすいんだとか。ホームズ氏はひょっとしたら当日、足首のあたりにブルテリヤを怒らせる天敵の匂いでもくっつけていたのかもしれません。で、トリヴァー氏の犬がパニックを起こして噛みついたのかも。
そして飼い主の平身低頭陳謝ぶりに嫌気がさしたホームズが、素っ気なくそのへんの経緯を推理してみせ、トリヴァー君はびっくり仰天。現代版のジョン並みに感嘆。その率直なほめ言葉を聞いて、ホームズ君もびっくり感動し、冷血漢ヅラを保ちつつも、一気にガードを解いちまったのかも。
なんて勝手なことを考えております。たわごと申し訳ございません。

ああ、そんな妄想はともかく、本日いよいよスタートですね!
えげれす版DVDはPCでしか見られないので、大きめ画面で堪能するのが楽しみです。そして日本語訳も。いったいこれまで、どれだけ自分が勝手な誤解をしているんだろうかと、高まる不安が空中3回転しております。これも胸キュンでしょうか(←絶対違う)

いろいろと胸が高鳴ります - ナツミ - 2012年07月23日 07:04:05

そんな指圧師はどうなんでしょうか・・・と思いつつ、らいかみんぐさん説の若きホームズに胸キュンです。
なぜか、どうしてもカンバーバッチ君主演で脳内再生されてしまうのは私だけでしょうか。完全に私見ですが、歴代ホームズの中で最も「犬にかまれる大学生」が似合う気がします。

wiki先生のブルテリアの画像を見てきましたが、あれに噛まれたら痛そうですね…
案外、この件がワトスンのブルドッグがいなくなることに繋がるんでしょうか。

そしてS2放送、いよいよですね!
BSアンテナはありませんが野次馬根性はふんだんにございますので、PCのちっさい画面で勝手に参戦しようと思います!

私も、果たして今夜の放送と同じ話を観ていたのかどうか、たいそう不安です。どなたかがこのコメントを見てくださる頃には放送が終わっていると思うので書いちゃいますが、ブーメランは衝撃的でした。私の語学力不足による何らかの誤解があると信じたいところですが、英語云々以前に映像です。

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Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

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