最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
★コメントを歓迎しております。初めてコメントくださる方は、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。
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呼び鈴今昔

"A single ring."
「一回だけ鳴った」
"Maximum pressure,just under the half second."
「おもいきり強く 0.5秒」
""Client!""
「「依頼人だ!」」(拙訳)



呼び鈴の音から、待望の依頼人がやってきたことを知るシャーロックとジョン。

玄関はハドスンさんも使いますので、依頼人以外のお客さんも呼び鈴を押すわけですが、「依頼人ならではの鳴らし方」を二人とも熟知しているようです。「ヴァチカンのカメオ」もそうでしたが、視聴者にはわからなくても二人で共有している事柄が第一シリーズよりも増えていることに、時間の流れを感じます。

原作でも、呼び鈴を聞いてホームズとワトスンが「誰だろう」と話す場面があります。これは「オレンジの種五つ」から。ひどい嵐の夜のお話です。

「おや!」ふと私は顔をあげて、ホームズを見た。「呼鈴が鳴ったようじゃないか。こんな晩に誰が来たのだろう?君の友人だろうね?」
「僕は君のほかに、友達は一人もないよ。話しに来いと人にすすめたこともない」
「じゃ依頼人かな?」
「もしそうなら、重大な事件だね。さもなければこんな日に、しかもこんな時刻になって来るはずがないよ。だが僕は、下宿のかみさんの仲よしでも来たとするほうが、あたっていると思う」



このホームズの憶測ははずれ、やってきたのは依頼人でした。嵐に紛れてよく聞こえなかったというハンデはあるものの、呼び鈴に関しては現代版シャーロックの方がよく注意しているようですね。

原作にも呼び鈴はしょっちゅう出てくるのですが、覚えている限りでは、221Bの呼び鈴を強く鳴らした依頼人は「ボヘミアの醜聞」のボヘミア王、「ノーウッドの建築師」のマクファーレン青年でしょうか。ほかにもいたら教えていただければ嬉しいです。

呼び鈴だけが材料ではないのですが、まだ通りにいる依頼人の仕草から、持ち込まれるであろう事件の種類を ホームズが当ててみせる場面があります。

彼女はこの非凡な服装で、からだを前後にゆらせて、手袋のボタンをまさぐりながら、おずおずとこっちの窓を見上げていると思ったら、まるで水泳選手のスタートの時のように、勢いよく往来へとびだして、こちらがわへわたってきた。そしてすぐに、ベルの音がはげしく鳴りひびいた。
「こういう徴候をみかけるのは、これがはじめてじゃない」といって、ホームズは吸いかけのタバコを暖炉のなかへ投げすてた。「入口まできてためらうのは、かならず恋愛問題だ。相談はしたいが、人にうちあけるにはちと恥ずかしい気がする。もっともこれにも差異はある。男にひどい目にあわされたのなら、その女はためらいなぞしていない。その場合は呼鈴の紐が切れるのが普通だ。きょうのやつは、恋愛問題であることは間違いないと思うが、女は当惑し、悲しんでこそいるけれど、怒ってはいないらしい。いずれにしても、本人が来たようだから、どっちだかはっきりとするだろう」



女心の分析は完璧なんですよね、分析は。
クリスマスにモリーのプレゼントの相手を解析しようとしたシャーロックもそうでしたが…

話がそれましたが、当時の呼び鈴はボタンを押すのでなく紐(bell-pull)を引いて鳴らす方式ですね。また、玄関から中にいる人を呼び出すものだけではなく、各部屋から使用人を呼ぶためのものもあったようです。「緋色の研究」では、いつも寝坊なのに、たまに早く起きたワトスンが朝食を用意してもらうためにベルを鳴らしています。  
「まだらの紐」や「アベ農園」では呼び鈴の紐が重要な役割を果たします。「海軍条約文書事件」では、当時の呼び鈴のしくみを垣間見ることができます。

彼は私の顔を見てから、まだ震動しているベルを見あげて、いよいよ不思議そうな顔をしました。
『あなたさまはここにいらっしゃるのに、誰がベルをお鳴らしになったのでしょう?』
『そのベルは、いったい何のベルだね?』
『あなたさまのお仕事をしていらっしゃるお部屋のベルなんで』



大きな役所や邸宅の使用人は、どの部屋から呼び出されたか知ることができたのですね。映画「日の名残り」でもこのような形式の呼び鈴を見た記憶があります。

現代版ではハドスンさんは「家政婦じゃなく大家」なので、当然彼女を呼び出すベルはありません。
でも、いちいち話しにいくのが面倒なのは同じようで、ジョンのブログのコメント欄ではこんなやりとりが…

腹ぺこだ。ブランチに行きたい人は?
John Watson 12 March 11:57

ブランチ!いいわね!
Mrs Hudson 12 March 11:58

面倒だ。何か上に持ってきてください、ハドスンさん。
Sherlock Holmes 12 March 12:01

私は家政婦じゃありません!
Mrs Hudson 12 March 12:02

(中略)

ごめんなさい、ハドスンさん。ジョンの目が言ってます。今のは失言だったようです。
Sherlock Holmes 12 March 12:09

お願いです、ハドスンさん。本当に欲しいんです…ブランチが。
Sherlock Holmes 12 March 12:13
(拙訳)



ちなみに"The Woman"のコメント欄です。あっさり「二度慈悲を乞う」シャーロック…はほっといて、同じ部屋にいるのにネット上で話すシャーロックとジョン、同じ家の階下からその会話に参加するハドスンさん。
呼び鈴でハドスンさんを呼んでいたホームズやワトスンが見たら、どう思うんでしょうね。
(原作からの引用はすべて延原謙訳)
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この記事へのコメント

恋愛分析家 - ちぃ - 2013年02月23日 00:02:39

ホント、分析はパーフェクトですよね。文字が大きくなっていて、ちょっと笑ってしまいました。
シャーロック、副で恋愛相談ブログとかやったら売れそう...、なんて考えてしまいます。
モリーのプレゼントに対する分析をマシンガントークで披露した後、傷つけてしまったことに気づいて、謝ってチュウするシャーロックが、私にとって嬉しい裏切り?で、(あ、そういうこともできるのね、っていう)印象的なシーンでした(*^^*)

恋愛の科学!? - ナツミ - 2013年02月23日 10:42:57

おお、「推理の科学」アクセス数獲得に有力なテコ入れ案・・・!ジョンに内緒でシャーロックに教えてあげたいです!
原作のホームズは、ワトスンと離れている間に偽名でチベットの冒険記を発表しているのですが、シャーロックも別名でブログをやって、ふんぞり返ってジョンにカウンター自慢したりして・・・(顔を殴られるとしたらその時だな)

でも多分、恋愛相談としてはめった切り系ですね。
私はどっちかというとジムに相談したいです。モリーやキティをあんな短期間で落とすなんて、上っ面だけにしろすごく甘い言葉を使ったに違いない・・・!真実もいいですが、世知辛い現実を生きる女には時々そういうファンタジーも必要なんです!(なぜか力説)

>傷つけてしまったことに気づいて、謝ってチュウするシャーロックが、私にとって嬉しい裏切り?で、(あ、そういうこともできるのね、っていう)印象的なシーンでした(*^^*)

心温まるシーンでしたよね!
第1シリーズはシャーロックが自分自身を受け容れてくれるジョンに出会う話でしたけれど、第2シリーズでは、「君がどうあってもいい」と思ってくれる人が自分の周りにもいたことにシャーロックが気づきはじめているのがいいなあと思います。
人の言葉に傷ついて、心なんてなかったことにしようと思い、自分も言葉で人を傷つけてしまう。モリーの誠実さが、その悪循環を崩したんですね。

Yes! We need the fantasy! - ちぃ - 2013年02月26日 11:59:35

ジムのベビーフェイスで愛を囁かれたら、イチコロですね(*^^*) しかも、女性心理もお手のものでしょう♪

ホームズも「犯人は二人」(私は日本語訳しか読んでないのですが)で、メイドさんと婚約してたし、シャーロックも演技で泣くことができるし、モリーの髪型を誉めれるし、きっとその気(仕事?)になれば、ファンタジーの一つや二つ、朝飯前なのでは?、なんて妄想、中学生みたいに失礼しました(^^;

Yes! We do! - ナツミ - 2013年02月27日 07:08:07

「ジムの掌の上で踊らされてみたい願望」にご賛同いただけてうれしいです!できれば一生ホビット穴でゴロゴロしてたい私には、シャーロックやジムの思考回路は一生わからないような気がしてたんですが、ひょっとしたらこういう気持ちの長い長い延長線上に、「ゲームをしたい」という気持ちがあるんでしょうか。だとしたら、シャーロックにも恋愛の才能があるのかも。

> ホームズも「犯人は二人」(私は日本語訳しか読んでないのですが)で、メイドさんと婚約してたし、シャーロックも演技で泣くことができるし、モリーの髪型を誉めれるし、きっとその気(仕事?)になれば、ファンタジーの一つや二つ、朝飯前なのでは?、なんて妄想、中学生みたいに失礼しました(^^;

いえいえ、こういう話はきっとおばあちゃんになっても楽しいですよね!
以前、シャーロックがハンサムかファニーフェイスか、という話題になったこともありましたが、声はすごくセクシーで、耳元で囁かれたらイチコロだと思います(あ、問題はその内容か…)

グラナダ版のドラマでは、メイドさんと婚約するホームズは素朴な男を演じていて、彼女の方が積極的だったように思います。シャーロックの結婚詐欺…いや、ファンタジーも見てみたい!仕事のためとはいえ、本気で女性を口説こうとしたらどんな表情を見せてくれるんでしょうね。

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