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最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探しをしております。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
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ブリキの文書箱

H.I.S.ロンドンのオンラインツアー

旅に行きたい。
london tour

もともと地に足がついた人間ではないのに、コロナ禍でなんとなく足止めされた格好になってから半年以上が過ぎ……世の中Go Toなんちゃらで浮かれていますが、感染リスクは変わらないのでちょっと仕事上の何やかやで二の足を踏んでしまったり、経済的にもこの先に不安を感じていたり……

田舎暮らしの私、気づけば去年の2月、お友達と広尾でアフターヌーン・ティーして以来、街らしい街を歩いていないよ~。(そしてその店もすでにない……)
好きな音響やスクリーンで映画観たり、ふらっと入ったカフェでお茶したり、電車を乗り継いで焼き菓子やさんを巡ったり、大きな本屋さんでじっくり本を選んだり、時々はテーマパークやイベントに行ったり……まあ大したことしてたわけじゃないんですけど……
何でもないようなことが!幸せだったと思う!!(突然の虎舞竜)

もちろん、手の届く範囲に楽しみを見出すことはできます。山に登ってコーヒー淹れてみたり、車の中を可愛く住みやすくして車中泊してみたり。おいしいものだっていっぱいある。
でも、その気になれば好きな場所に行けた、「その気になれば」のハードルを以前より高く感じてしまう。それがこんなに息苦しいとは……

そんな折、Twitterで見かけたH.I.S.ロンドンさんのオンラインツアー。
「コナン・ドイル原作から読み解く シャーロック・ホームズ 入門」
現地の「ホームジアン」(日本でよく見かける『シャーロキアン』という呼称は米国由来で、英国ではホームズ愛好家をこう呼ぶそうです)ツアーガイドさんの解説を聞きながら、ネット上の中継でロンドンの街を歩けるツアーが、まさかの無料!(要予約)だったんです。

ホームジアン見習いのわたしとしてはタイトルに惹かれましたが、オンラインツアーという「旅の形態」に関しては、まあオマケ程度に思ってました。ホームズに関する知識を学べるついでに、ちょびっとロンドンの風景を見せてもらえるんだろうな、くらいで。
でも経験者となった今、自身を持ってオススメできます!オンラインツアー、いいですよ!!

こちらのツアーではZOOMというオンライン会議用のアプリが必要でした。これは無料でダウンロードできます。
ZOOMを立ち上げたらメールで送られてくるミーティングIDやパスワードを使ってアクセスし、流れている注意事項を読みながら約束の21時(ロンドン現地時間12時)を待ちます。
緊張して7ヶ月ぶりにちゃんと化粧をしてしまいましたが、基本、こちらのカメラはオフでも大丈夫みたい。オフだとこちらの顔は見えず、ZOOMに登録した名前だけが見えている状態になります。(The Blind Bankerでシャンがモリアーティにオンラインで話しかけてた時、モリアーティの顔は見えず『M』という文字だけが見えてた、あの感じ)
接続のトラブルなども含め、疑問がある場合は、チャットを通してH.I.S.のスタッフさんに質問できます。このチャットは参加者全員に話しかける機能もあり、楽しいおしゃべりをしてくれる方もいれば、参加者に見えないようにホスト側とだけやりとりする方もいました。

この「みんなが集まってくるのをちょっと緊張しながら待つ」雰囲気に、もう「旅」を感じる(実際は、顔だけフルメイクした風呂上がりの私が自宅の六畳間にいるだけなんですが……)。
実は私、遠い遠い昔の学生時代に、同じロンドンでホームズ関連のウォーキングツアーに参加したことがあるんです。
若くて無防備で、のんびりが顔に出てしまっている学生だった私は、それで得することもあったけど、攻撃されることもいっぱいありました。ひとまわりくらい年上の女性ガイドさんは、初めから「親のスネ齧りの学生が気軽に贅沢できていいですね」という態度を隠そうとせず、私としてはアルバイト代を貯めてやっとの思いで来た旅ではありましたが(当時は今よりは景気も良くて、学生の海外旅はそんなに珍しいことではなかった)、やはり親の助力なしでできたことではないので、現地で一人頑張っているであろうガイドさんに軽蔑されるのは仕方ないことのような気がしてました。「こっちは金を払った客だ」と開き直るには、弱気すぎたし経験もなさすぎたんです。あとツアー自体もそんなにホームズとは関係な……いや、もうやめとこう。
以来ガイドさんという存在を敬遠し、自分でチケットを取る旅行者になってしまったので(そうすると社員旅行とかで手配を任されたりするので、その中で素敵なガイドさんとの出会いも多々ありましたが)、個人でガイドつきツアーを選ぶのは、本当に久しぶり。
気弱な過去がうっすら蘇ってくるけど、オンラインだし!嫌ならログアウトできるし!まさかシャンのように狙撃はされまい……たぶん……

蓋をあけてみれば、この度のガイド兼講師となるA子さんも、今回はサポートに回ってくださっていた他2名のスタッフさんも、柔らかい雰囲気でぜんぜん怖くなかったし、もちろん撃ってきたりしませんでした!
実際のツアーではガイドさんとも参加者さんとも顔を合わせますよね。それが楽しいという面ももちろんありますが、オンラインツアーでは、100人近い参加者がいるにも関わらず、お互いの顔は見えません。A子さんが見ている「コロナ禍で通行人まばらなロンドン」を、「通行人まばらな雰囲気」ごと覗きこめる。自分(たち)のいない風景が、とても新鮮。

ここらで旅の写真の数枚もご紹介できればいいのですが、録画や録音、スクリーンショットを撮ったりするのはNGです。写真撮影にかまけず、自分の目でじっくり見る旅も良いものだなあと思いました。
写真の代わりに、歩いた軌跡を地図とメモで残そうと、隙を見て『地球の歩き方・イギリス』とノートを引っ張り出してきました。ついでにお茶のおかわりも(こういうことができるのも新鮮)。

ロンドンは快晴!青空の下の待ち合わせ(?)はベーカー・ストリート駅前(もうここでテンションが大変なことに)マダム・タッソーの蝋人形館が見えます。
旅の始まりは、色鮮やかなユニオンジャックのマスクが素敵なA子さんの自己紹介。まず、グラナダ版、RDJ版、BBC現代版など、近年映像化されたホームズ作品について、簡単にレクチャーしてくださいます。興味深かったのは『アメリカ人で不良のホームズと英国人で美形のワトソン』など、実名をなるべく出さないように配慮なさっていたこと。大人の事情もあるのかもしれませんが、紹介の仕方のちょっとした癖に「ガイドとして」じゃないA子さんの個人的な思いを垣間見ることができ、もうこの時点でA子さんのこと大好きになりましたよね……(堕ちるの早い)。
ひょっとしてA子さん、ワトソニアンじゃないの……?誠実で温厚で変人に振り回されるタイプ、嫌いじゃないんじゃないの……?てんて~~~~~!わたしもです!!!A子てんて~~~~!!

良い先生の授業の条件として、「一方的に話さず、生徒のリアクションを展開に織り込む」ことがありますが(※学校じゃない)、ZOOMの「投票機能」を利用したクイズが何度かあったのも楽しかった。
A子さんのレクチャーを聞きながら、「答えは3つの中のどれだと思いますか?」という質問に答えていく中で、俄然「みんなで歩いてる」感が湧いてきます。
また、A子さん視点以外にも、別の地点にいらっしゃるスタッフさんのおかげで、地上にいながら話の流れに応じて地下鉄構内の様子が見られたりします(まさに今、2020年秋だからこそ見られる、エノーラ・ホームズの壁画を見せてくださいました!)

それだったら事前に撮影して、綺麗に編集された動画を用いたレクチャーのほうがいいんじゃない?と思われそうですが、旅好きには、何気ない日常のロンドンの風景がたまらないんですよ……!
キョロキョロと周りを見回しては、「ありゃりゃ、マスクしてない人も結構いるね~」って思ったりとか、舗道のはしっこで長~いストールを「よっ」と巻きつけてるお兄さんに、現地の風の冷たさを思ったりとか。信号が変わる前に急いで横断歩道を渡ったりとか、「あっ、シャーロックとジョンの近所にバスキン・ロビンスがあるんじゃん!」って気づいたりとか(※一部の混乱したMCUファンはBRをキングスマン並の敏腕スパイ集団と見做している)。
学校の授業でも「よそ見」で目に入ったものが印象に残ったりしますが、そういう「編集したらカットされてしまいそうな情報」がまるごと目に入るのが、旅の良さだったりしませんか。

ドイルやホームズのこと、19世紀に関する知識は本やネットでも調べられるけれど、ガイドさんと肩をならべて(?)歩きながらお話を聞くことで実感できる情報もあります。
A子さんの語り口には「ホームジアンの先生」でありつつ、「ホームズのご近所で生きている人」視点も感じます。
ポストを見かければ、「ホームズが壁に弾痕で描いたV.R.はポストにも残っています。V.R.のマークがあるのはヴィクトリア女王時代にできたポスト。EⅡRのマークはエリザベスⅡ世の時代にできたものと、ポストが作られた時代が特定できます」というように、さらり教えてくださる。
そっかあ、じゃあシャーロックが描いたスマイリーマークも時代を反映する意味があったのかな、などと「生徒」は妄想してしまいます。
行き交う車を眺めながらの二輪馬車(ハンサム)の紹介では、「馬車のおかげでイギリスは左側通行になったんです。御者は右手にムチを持ってるから、右側通行だったら通行人をぶっ叩いちゃいますよね(笑)」との説明に「なるほど~!」と膝を叩く。同じことは本にも書いてあるかもしれないけれど、通りを前にしてのの説明だと、すっと頭に入ってきます。
マリルボーン・ロードを進み、シャーロック・ホームズ像が近づいてくると、「ホームズは通りに背を向けて、建物がある方に顔を向けています。ここでホームズ像と写真を撮ったら、彼が見ている方に進むと221Bに行けます」なんて、もう熟練のガイドさんでなきゃ出てこないセリフですよね!これが個人旅行だったら、きっとそんな想像力は持てなかったな~、私。

ここに挙げたエピソードはほんの一部。
およそ一時間のツアーの間、A子さんの「今そこにある、2020年のロンドン」と「19世紀のロンドンと、そこにいるホームズ」がシームレスに並走するお話は、「知識を授ける」という風ではなく、ごく自然に淡々と続き、私のメモは大判のノートにぎっしり3ページにも及んだのでした。

ホームズミュージアムのお土産物やさんを覗いて(現代版デザインのグッズもありました~!私がnaoさんに譲り受けたSherlock版CLUEDOも……過去記事:『ぼくたちのかんがえたさいきょうの『CLUEDO SHERLOCK』)リージェント・パークに辿り着いたところで、楽しかったツアーもおしまい。
ここまでの3択クイズには正解してきた私でしたが、ここで最後の事件ならぬ最大の難問が待っていました。
画面上にばーーーーっと流れていく正典60編のタイトルから、間違っているものを見つけ、チャット機能で回答する!
やべえ!!チャットで皆さんに話しかけることもなく、匿名モブキャラとしてのほほ~んと楽しんできたツアーの、最後の最後で撃たれそうになってる~~~~!!

回答はここでは伏せますが、知識のみならずセバスチャン・モラン並みの動体視力が試されるこのクイズ(←大げさ)、ほとんどの参加者さんと共に戦死したことをご報告しておきます……Twitterのタイムラインでよく見かけるホームジアンさんたちは正解していらっしゃって、「H.I.S.認定ホームジアン」の称号を手にしていらっしゃいました。さすがだ……!!

お別れに際し、チャット機能でA子さんに質問できる時間があったのですが、ここに来てツアーの皆さんと別れ難くなってる……(戦死によってチャット参加へのハードルが一気に下がったのもあるけど……)そこにあったのは、旅の終わりの寂しさそのもの。
「A子さんはどのホームズ俳優が好きですか?」という質問にはにかみながら回答するA子さんは、ガイドさんでも先生でもなく、ひとりの友人のようで。
レクチャーの締めはセブン・シスターズの紹介で、ホームズはここで引退生活を楽しんでいるはず……って!もうガチのホームジアン思考じゃないですか……(涙)
何その現在形の締め!遠いロンドンで19世紀を語っておきながら、みんな同じ空の下にいることを感じさせて終わるって、もう泣くしかないじゃないですか!ずるい!!
「ありがとう!」「楽しかったです!」というメッセージの嵐の中で、ツアーは終了しました。

「あ~~、私、旅がしたかっただけじゃなくて、こんな風に好きなもののことをおしゃべりしながら歩く時間が恋しかったんだなあ」と、しみじみわかってしまいました。
旅は良い。好きなものの話を楽しそうにしてくれる人の話を聞く時間も、とても良い。
「自分の芯にとても近いところにあったのに忘れかけていた幸せ」を思い出させてくれる、そんなツアーでした。
まだまだいろんな不安はあるけれど、その陰に隠されてる幸せも、消えたわけではないんですよね。いつか、本当にA子さんたちと肩を並べてロンドンを歩ける日が来ますように。

その後は、ツアー中はサポートに回ってくださっていたシムラさんのインスタライブを楽しんだり(チャイナタウンからレスター・スクエアを経てナショナル・ギャラリーまで歩くツアーで、The Blind Bankerでシャーロックやジョンが歩いた風景がたくさん見えました!人の気配はだいぶ減り、きれいに舗装されていたり、新しい像ができていたりしましたが……)
Twitterで「シャーロックとジョンが行ったお店はどこなんだろうな」と呟いたらH.I.S.ロンドンさんのアカウントが気づいてくださって、「放送されてだいぶ時間が経っているので撮影時と違っている可能性がありますが、次A子さんがチャイナタウンでインスタライブする場合紹介できたらと思います※」とリプライを下さったりして、こんな風にツアーガイドさんたちと交流してる自分を学生の自分が見たらびっくりするんだろうなあ、と、長年抱えてきた何かを克服した気分になったりして(実際は六畳間で以下略)。深夜まではしゃいじゃって、次の日の仕事がマジしんどかったぜ!

もうガイドツアー敬遠するどころか、完全にH.I.S.ロンドンさんの一ファンです!
Zoomを使ったツアーは、スムーズに進行するために運営スタッフさんがお顔が見えるだけでも3名もいらっしゃって、これが無料では大変だな……と感じました。次回から有料になったりするかもしれないですが、またツアーに参加させていただきたいと思います。

HISロンドンさんのTwitterアカウント:@his_london
Instagramのアカウント:https://www.instagram.com/his_london/

※「撮影」というワードがあることから、もし本当にご紹介いただけるとしたら、おそらくドラマのどこかで実際に出てきたお店、またはそのお店があった場所を紹介してくださるのではないかと思います。
以前からブログを読んで下さっている方は「ナツミが言っているのはこの店のことだな」とお思いかもしれませんが(過去記事:『おいしい店とブラックジョーク』)、S1e1でシャーロックやジョンが言っていた店とは異なる可能性もあることを、念の為追記しておきますね。
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プロフィール
Author:ナツミ


シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

エイプリルフール記事を片付けました。

例年、背景画像を変えて違うサイトに擬態したり、ブログ名を変えたりと派手派手なネタが多かったのですが、すっかり過疎った状態で地味にひとつ記事を追加しただけの今年、多くの人の心にひっかき傷を残すことになろうとは……(追記参照)
マジすみませんでした……

ネットを見渡して思ったんですが、ウェブサイトがエイプリルフールに全力でウソをつく!という風習(?)自体が古びつつあるのかもしれませんね。
私は好きなんでやりたいですけど。

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