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最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探しをしております。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
「あの場面の元ネタは?」という時はこちらへ
ブリキの文書箱

語られざる事件(S4編)

第4シリーズでか~な~りがっかりだったのは、ジョンのブログが更新されてないこと。
それも、今までのように物語の流れで……というのではなく、

John Watson is no longer updating this blog. For the latest Sherlock content on the BBC go to the Sherlock programme website
ジョン・ワトスンはもうこのブログを更新しません。SHERLOCKの最新記事は番組サイトを参照


という、なんとも無粋な注意書きがトップページに……!もう私、自分のブログ更新してないの棚に上げてハルク化しましたよ!
公式、そういうとこだぞ!そういうとここそちゃんとして欲しいんだぞ、オタクは!(机をバンバン叩く)

まあネット上にないだけで、作中ではちゃんと更新されてます(だからこそ、あとちょっと頑張って欲しかったよ!どうせさ~、今までだって書いてたのはメイン脚本家じゃないんだろうしさ~、ドラマとの整合性もイマイチだったし以下自粛)。

シャーロックの探偵業再会を受けて、ジョンもさっそくブログを再開します(ドラマの中だけな!)。
以下はDVDを一時停止してジョンのパソコンを覗き込みながら必死こいて書き写したんですが、職務多忙でご無沙汰してる間に労災申請したい勢いで視力が落ちております。間違ってたらすみません……

221Back!

221B復活!

And we’re back! Sorry I haven’t updated the blog for such a long time but things really have been very busy. You’ll have seen on the news about how Sherlock recovered the Mona Lisa. He described it as “an utterly dreary case” and was much more interested in the case of a missing horseshoe and how it was connected to a bright blue deckchair on Brighton beach.
I’ll try to write everything up when I get chance but it’s not been missing portraits and horseshoes that have taken up my time.

戻ってきました!ブログを長いこと更新してなくてすみません。でも、本当にいろいろあったんだ。
シャーロックがモナ・リザを奪還した。それについてはニュースで見てもらいたいんだけど、彼は「全くもって退屈な事件」と評している。「失われた馬蹄」と、「ブライトン海岸の明るいブルーのデッキチェア」との関連の方が、遥かに興味深いそうだ。
どれも折を見て書くつもりだけど、ここのところ僕が忙殺されてるのは、なくなった肖像画のせいでも馬蹄のせいでもない。

I’m going to be a Dad.
僕はパパになる。

I mean, I thought I’d spent the last few years being a Dad to Sherlock, but it really doesn’t compare. The baby runs all of our lives. (Maybe not THAT different to Sherlock then!) If I’m not changing nappies, I’m buying nappies. I’ve fought in Afghanistan and my best friend once faked his own death but none of that ……
まあ、ここ数年はシャーロックのパパみたいなものだったけど、そんなの比べものにならない。
僕たちの生活はすっかり赤ん坊中心だ(シャーロックの時とそんなに変わらないかも!)。僕はおむつを換えているか、そうでなかったらおむつを買っている。僕はアフガニスタンで戦ったし、親友に「死なれた」わけだが、それよりももっと……



このへん、ちょっとおかしいんですよね。この場面では、メアリはまだ出産前。途中まで「もうすぐパパになる」話をしてるのに、最後のパラグラフでは「生まれてから」の話をしてる。
まあ「PCや新聞など、ドラマ中に映ってる小道具」を無理やり読むと、お話との整合性がなかったり、同じ文章のコピペが続いてたりは今までもあった(初めましての方、そんなとこばっかりつっついてるブログです。お目汚し失礼します)。
モナ・リザに関しては、グラナダ版の『最後の事件』がモナリザ盗難事件だったと思うので、リスペクトなのかもしれません。
馬蹄はどうだろう。『プライオリ学校』で馬の足に牛の足跡に見せかける蹄鉄をつけてたことをちょっと思い出しますね。

あと第二シリーズから1895で止まっててもうそういうプラグインなのかと思ってたカウンターが、18493になってたのは感慨深かったですね(本当はもっと行ってるはずだけど)。この数字には意味があるのかな?わかる方は教えてくださったら嬉しいです。

はじめに登場するのは、夫を亡くした女性。彼女の夫の遺体はファルマス近くの海から回収され、溺死かと思われたのですが、解剖すると肺が砂でいっぱいだったとのこと。
シャーロックは「くだらない」と一蹴するんですが、どうくだらなかったんでしょう。転落死→溺死に偽装して殺した、となると『オレンジの種五つ』とか『黒ピーター』とかいろいろあるんですけど、シャーロックの反応が気になります。

ハザリー氏の事件はまんま『技師の親指』なんですが、原作ではワトスンに恩義を感じている元患者さんがハザリーさんを発見し、ワトスンの医院に連れ込む→治療後ワトスンと221Bへ、という珍しい経緯。ワトスンがホームズに依頼人を紹介したケースは、ワトスンに言わせれば2件しかないそうなので、ほんとに珍しい。しかしここではハザリーさんが救急にも知らせずまっすぐ221Bにやってきた、ということで、原作とは全く違う背景がありそうな事件です。

「(食い気味に)双子じゃない」ネタは、『忌まわしき花嫁』の時にルパート・エヴェレットとイアン・ハートのテレビドラマ "The Case Of The Silk Stocking"ネタだよ、って教えてもらった!未見なのでそのうち観たいと思っております!

美女設定になった(後に記事立てたいと思います)ホプキンス刑事に逮捕されてしまうらしきウィルスンさんはアレですね、『名うてのカナリア調教師』ですね!
「変わった男で変わった趣味を持っていた」とされています。現代版ではほんとにカナリアを調教してたっぽいですが、ジューン・トムスンのパスティーシュではある犯罪の暗喩でした。ホームズとワトスンが変装して潜入したり、面白いのでオススメです。

ウォータールー駅の手荷物預かり所のトランクの中で発見された手足のない胴体。(ディモックさん久しぶり~!……同じ人?)
シャーロックは「腋窩リンパ節のインクの痕跡」、つまり「切り取られた腕にあったはずの入れ墨」を気にしてます。『赤髪組合』『グロリア・スコット号』などで、ホームズが相手の入れ墨から職歴や渡航歴を見抜いてみせたことが思い出されますね。
ジョンが「サーカスの胴体」というタイトルをつけたので、『サーカス美人ヴィットリアの事件』もちょっと頭をよぎったのですが、これは死体が「トランクに入っていた」ことからの、ジョンの連想でしょうね。

"Bloody hell! Is that a guess?"
" I never guess."
「なんだと?あてずっぽうか?」
「僕は決してあて推量はしない」



論理的思考に基づく推理を「あて推量」と言われてしまう場面はいくつかあったと思うのですが、有名なのは『四つの署名』冒頭のワトスンとの会話かな。

“But it was not mere guesswork?”
“No, no: I never guess. It is a shocking habit – destructive to the logical faculty. "
「じゃ単なる推量じゃなかったのかい?」
「僕はあて推量なんかしたことはない。あて推量はおそるべき悪習だ。論理的才能に大害をおよぼす。(後略)」



いくつもの事件に同時に取り組むシャーロック。観てるこっちも必死です(英語力不足で)。
ジョンが「同時に何枚もの皿を回すようなこと、いつまでも続けられないぞ」と諭すんですが、それすらも「場所が回転してたんだ!」と事件解決のヒントにしてしまう。かなり大掛かりなトリックにも聞こえますが、私は『第二の汚点』を思い出しました。

記憶喪失を引き起こす心臓の薬を服用している男性の、同居してる兄弟が絞殺された話。
これは『悪魔の足』に状況が似ているような気がするんですけど、薬を飲んでいたのは加害者の方ってことですよね。『這う男』っぽくもあるかなあ。

シャーロックとジョンがうっかりクラゲを逮捕する努力をしてしまったのは、『ライオンのたてがみ』ですね。これは、まんまって感じ。

ロージーの洗礼の日、シャーロックがメールに書いている「塗りたてのペンキは別の匂いを消すため」は「隠居絵具師」から。
「靴下が片方違う?義兄弟を逮捕しろ」は、原作とのつながりは思いつかないんですが……『緑のはしご事件』を思い出しますね。
「犬が泳げない場合は隣人が殺人犯」も、ちょっとわからない……

わからないことばかりですみません。原作だけでもおぼつかないのに、他の作品オマージュになってしまうともうお手上げです!何なのデッキチェアって!もうブログ書くのも久々過ぎて、だいぶアウェイなんですけど、久々にDVD観たらやっぱり楽しかったので、お粗末な内容ではありますが、これからもほそぼそと更新してこうと思います。

(原作からの引用はすべて延原謙訳)
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シャーロックと蜘蛛の糸

シャーロックは221Bに戻り、今までどおり探偵業をこなしながら「モリアーティ」の出方を待つことに。

Oh, I have a plan. I'm going to monitor the underworld. Every quiver of the web will tell me when the spider makes his move.
「計画がある。裏社会を監視する。クモが動いたら、糸の振動ですぐにわかるさ」



このシャーロックのセリフは『最後の事件』から。

“He is the Napoleon of crime, Watson. He is the organizer of half that is evil and of nearly all that is undetected in this great city. He is a genius, a philosopher, an abstract thinker. He has a brain of the first order. He sits motionless, like a spider in the centre of its web, but that web has a thousand radiations, and he knows well every quiver of each of them.”
「彼は犯罪者中のナポレオンだ。大ロンドンの未解決事件のほとんど全部と、悪業の半分の支配者だ。そのうえ天才で学者で理論的思索家なのだ。第一級のすぐれた頭脳を持ち、巣の中央にいるクモのようにじっとしているが、その網には放射状の線が無数にあって、その一本一本の振動が手にとるようにわかる。」



さらっと観た時は、単にシャーロックが自分とモリアーティーの立場を置き換えて例えているんだと思ったんですが、よく聞いてみると、主語が逆でしたね。
テレビジャックをした「モリアーティ」を巣の真ん中にいるクモになぞらえ、シャーロックはその網のいくつもの「先端」から敵の動きを察知しようとしてる。そのために役立つのが、ツイッターのハッシュタグというツールなんですね。

原作のホームズがどうやってモリアーティを追い詰めたかと言うと、これも結構な持久戦なんですよ。三ヶ月ほどモリアーティを見張り続け、「ほんの小さなつまづき」から身辺に網を張る(ここにヤードの協力がかなりあり、裁判の流れもちゃんと想定されてて、あと3日で満を持して『仲間のおもだった連中といっしょに』逮捕できるというところまで来てる)。
第二シリーズでシャーロックがジム・モリアーティと対峙した時は、この逆でした。網を張ってシャーロックを追い詰め、裁判まで仕組んでいたのはジムの方で、シャーロックと25人の仲間がしたのはどちらかというとその「対策」だった。結果としてシャーロックが生きてジムが死んだけれど、自らの死すらも、ジムの計画のうちだったと思います。

つまり、ここにきてようやっとシャーロックが『最後の事件』のホームズと同じ動きを始めた、ということなんですよね。政府がシャーロックの側にいるのも同じ。
今までも何度か書いたんですが、原作のホームズには「正義の味方」という自覚がある(または、あるように描かれている)のに対し、シャーロックは「僕はヒーローじゃない」と言い続けてきた。(過去記事:『ヒーローになる時』)
SHERLOCKの第1シリーズから第4シリーズまで観た今、これは「私達の思う名探偵シャーロック・ホームズ」が作り上げられるまでの話だったのかもしれないなあ、と感じています。
私の思ってた「ホームズ」のイメージとシャーロックは同じではなくて、それを19世紀と21世紀の描写の違いのように思うこともあったけど、それだけではなく、シャーロックが「ホームズ」になっていく話、という風に捉えることもできるのかもしれません。帽子やファンクラブという「アイテム」が揃っていくのも見てきましたが、彼の心にとっても、出会いがあって、別れがあって。自分が軽視してきた感情に苦しめられたり、自分がずっと「こうだ」と思ってたことが実は全然違ったり。

もちろんシャーロック自身の人格が大きく変わってしまうということではなくて、彼を語り継ぐ「わたしたち」の間で今までさまざまに共有され、研究されてきた「シャーロック・ホームズという人間像」がどのように形成されたのかという興味へのひとつの解として、このドラマを楽しむこともできるんだと思います。

(原作からの引用はすべて延原謙訳)
プロフィール

ナツミ

Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

私の口ずさむ"Searching For The Ghost"がどれくらいひどいかと言うと
「♪君の名はミステリー(←唯一聞き取れてる?部分) にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ ぼいん!ぼいん!ぼいん!」という感じです。恐ろしくてツイッターには書けません。

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