最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
★コメントを歓迎しております。初めてコメントくださる方は、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。
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(番外企画)元ネタになった映画リストを作りたい

本日3本目の記事です。スローペースの私にとっては、ブログ立ち上げた時以来の新記録かも。
粗製濫造で申し訳ない……3月は仕事がものすごく詰まっていて、毎年ほとんどブログを書かないのですが、今年は休みの日に無理してでもやらんと、映画の公開が終わってしまうんだ!
現在このブログ、瞬間風速的にアクセス数が伸びてるのですが、映画館での公開が終わったらまた減るはずなので、今のうちにわからないことは皆さんに聞いておけ、という乞食根性が発動しております。
いつも通りの原作元ネタ探しはのんびりやりますけど、『忌まわしき花嫁』はちょっと違うじゃないですか!
過去の映像化作品へのオマージュ、てんこ盛りじゃないですか!いや、あんまり映画観ないんで実はよくわかってないんですけど、多分てんこ盛りじゃないですか!
できればそれも知りたいよ!でも、検索すると多分原作元ネタもヒットしちゃって、そしたらこのブログのネタなくなっちゃうよ!しかしコツコツ観てたら私のペースだと一生かかるんで、多少なりとも人がいる今のうちに踊っておきたいよ!というクソ他力本願企画でございます。もっと、蔑んでもいいですよ……

とりあえず、自力で気づいた分だけリスト、どん!(※『どん』って擬音が使えるほど数はない)

・ベーカー街の住所表示→通りの様子とカメラが舐めていくとこは、グラナダ版のオープニング。
・ホームズとワトスンが馬車から降りるとこは、ビリー・ワイルダーの映画"The Private Life of Sherlock Holmes(シャーロック・ホームズの冒険)"から。(『パブ・シャーロック・ホームズの帰還』で日暮雅通先生がおっしゃっていました。二つ目にして既に自力じゃない)
・既に自力じゃないので、れすとらさんに教えていただいたことも書いちゃえ。ホームズの服もワイルダー版から。
・ディオゲネスクラブで、ワトスンの手話が通じないのって、何かデジャヴがあります。ワイルダー版に元ネタがなかったっけか。ロシア人に誤解されるとこ?
・ワトスンが「モルグにツイードの服で行っていいのかな」「隠された双子」「スコットランド人」とかいちいちホームズを呆れさせるのは、多分ナイジェル・ブルース(多分って…)パロ。劇場で観た時、オマケのインタビュー映像でマーティンが言ってたので、セリフ回しが時々大げさなのもそうなのですね。「!」がたくさん入る感じ。
・汽車の中での、
"Perhaps since I convinced the reading public that an unprincipled drug addict was some kind of gentleman hero."
「多分、読者に無節操な麻薬中毒者を紳士のヒーローだと思い込ませてから(拙訳)」という台詞は、"Without a Clue(迷探偵シャーロック・ホームズ/最後の冒険)"じゃないかしら。
・張り込み中、ホームズが逃げられないのをいいことに、恋バナを振ってくるワトスン。

"Is it such a curious question?"
" From a Viennese alienist, no .From a retired Armysurgeon, most certainly."
「そんなに、変な質問かな?」
「ウィーンの精神科医からなら、そうでもない。退役軍医からなら、そう言わざるを得ないね」(拙訳)


ウィーンの精神科医といえばフロイトなので、『The Seven-Per-Cent Solution(シャーロック・ホームズの素敵な挑戦)』だ!
・ホームズ、ワトスン、メアリの3人で、怪しい儀式を見下ろすところは、『Young Sherlock Holmes(ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎』でラメテブ教の儀式を覗くところですよね。ラメテブ教のせいで、『ヤング・シャーロック~』は私にとって、忘れたくても忘れられない幼少期のトラウマ映画です。

もうね、ホームズ映画って、原題と、邦題と、パスティーシュの日本語題が頭のなかでごちゃごちゃになってて、早くも挫けそうですよ……
それにしても、我ながらこんだけかよって思いますが、これから20年以上ぶり(!)にワイルダー版を観て追加していこうと思います!

ほんっと、映画に疎い上に、ワトスン贔屓ゆえ、グラナダより前のホームズものは地雷だらけだったんだな~。
己の趣味の偏りぶりに、呆れるのを通り越して感慨深いくらいです。
近年の作品群のおかげで、「ワトスンくんは馬鹿じゃないもん!」と叫ぶ脳内駄々っ子は十分すぎるくらい満たされてるので、これを機に、シャーロッキアン見習いとして一皮剥けたいと思います。皆様に色々と教えていただければ幸いです(ぶん投げた)!
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(事件の重要なネタバレ)「忌まわしき花嫁事件」の元ネタ

レストレードの口から語られた事件が、『SHERLOCK』らしい手法で再現されます。
『忌まわしき花嫁』は他のエピソードと同じように、原作の様々な事件の要素を組み合わせて再創造されている事件です。
まず、タイトルは『マスグレーヴ家の儀式』で出てくるホームズ初期の事件記録" a full account of Ricoletti of the club-foot, and his abominable wife(蟹足のリコレッティと、その忌まわしい妻の事件の完全な記録)"から。ちなみに「蟹足」とは足の形態異常、「内反足」のこと。劇中でも、カーマイクル夫人の脚の形の話がちょっと出てきますね。
「犯行予告」は「オレンジの種五つ」、超常現象が絡んでいるのは「サセックスの吸血鬼」、サー・ユースタスの横暴さや、ホームズとワトスンの張り込みは「まだらの紐」など、さまざまな事件の要素が出てくるのですが(今後一つ一つ考えていきたいと思います)、コメント欄でも申し上げていたように、私は『緋色の研究』が底にあるような気がしています。

基本的にこの事件はシャーロックの頭の中でのシミュレーションなのですが、そのシミュレーションをする前に、シャーロックはジョンのブログを読み返しています。おそらく、シャーロックとジョンが初めて一緒に解決した『ピンク色の研究』、いや、その少し前に書かれた、最初の記事から読み始めたのでしょう。だから、『忌まわしき花嫁』という話は、ワトスンが復員してくるところから始まります。そこから、シャーロックが読んでいく「ジョンのブログに書かれた、二人が出会った人々、経験した様々な事件」の要素を絡めつつ、マインドパレス内で『リコレッティ事件のシミュレーション』が展開していく、ということだと思います。

原作の『緋色の研究』事件を簡単に振り返ると、アメリカはユタ州、ソルトレイク・シティで、ジェファスン・ホープという青年がルーシー・ファリアという女性に出会うところから始まります。二人は恋に落ちますが、モルモン教徒(事件はドイルの創作です、念のため)に拾われたルーシーとその養父は、その教義に雁字搦めになっている。
二人は愛を貫こうとし、養父も二人を助けますが、ルーシーは町の有力者と強制的に結婚させられ、失意のうちにこの世を去る。養父も死に、ホープは命からがら逃げ延び、ルーシーと養父を死に追いやった二人の男に復讐を企てます。

ホープは御者に身をやつし、協力者を得るのですが、『忌まわしき花嫁』事件でも、協力者の存在が鍵になっている。その一人は御者ですね。ホープの協力者にはおばあさんがいるのですが、エミリアたちにも「男性の協力者」がちゃんといることには救われる思いです。また、年若い巡査が事件を目撃したところ、ミスリードのために血文字を残したところも同じ。(『史実』のリコレッティ事件にこの文字がちゃんとあったとしたら、シャーロックにとっては、この血文字が『IOU』のメッセージを残したジム・モリアーティとのリンクになったと思われます。)

『忌まわしき花嫁』事件は、『緋色の研究』の復讐劇を、ホープではなくルーシーがやったらどうなるか、というシミュレーションにもなっていると思うんです。一夫多妻制の集落で、ルーシーは他の「妻たち」に愛されていたようですから、きっとホープのように一人で戦うのではなく、エミリアのように周りの女性達と力を合わせて戦ったのではないでしょうか(その一方で、アイリーンのように、ホームズ並の行動力を持って一人で戦う女性も描かれていますが)。
蛇足ですが、あとで思い返すと面白いかもしれないので記録しておくと、この『忌まわしき花嫁』放送の前年には、同じように「男同士の戦い」がテーマだった作品に「抑圧された女達の反撃」を取り入れた『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が公開されていて、翌年6部門でオスカーを取るなど、高い評価を受けています。
舞台こそ19世紀ですが、作られた2015年の空気を強く感じさせる作品だと思います。

先ほど申し上げたように、『忌まわしき花嫁』には『緋色の研究』の要素も、それ以外の原作の要素も、まだまだてんこ盛りに盛られているので、物語の展開に沿って時系列順にゆっくりと『元ネタ探し』をしていきます。のんびりお付き合いいただければ幸いです。

19世紀の221B

路上で新聞や雑誌を売っているおじさんに、ワトスンが声をかけます。
"The Adventure of the Blue Carbuncle"……「青い紅玉」がストランド誌に載った直後、という設定なんですね。
だとすると現実では、1892年1月号が出た後になるのですが、制作発表のあたりでは、1895年の話になるって言われてませんでしたっけ。
ワトスンが結婚してそんなに時間も経っていないようですし、作中では何年の出来事か明言するのを避けているようですね。
冒頭で現代版のダイジェストを流していた時はちゃんと「何年のできごとか」出ていたのですが(単にドラマの発表年かもしれません)、数字が「過去に戻る」ときは、何年で止まるかはっきり映していませんでした。

ホームズとワトスンが221Bに帰ってくる場面は、トレイラーで流れていた時に取り上げたので、今回は省きます。
「クリスマススペシャルのトレーラー」

付記しなければならないのは

・やっぱり、クリスマスじゃなくてお正月スペシャルになった
・「田舎の大地主」の事件の元ネタは、『ギリシャ語通訳』でマイクロフトがちらっと言ってた『マナーハウスの事件』だった
・ハドスンさんの愚痴は、意外と重大なテーマにつながってた
・群馬でも2館で上映されました(どうでもいいですね、すみません)

今のところこれくらい、かな?
そうそう、トレイラーの時点で気づけなかったのですが、ハドスンさん(メアリも)、「ジェット」のアクセサリーを着けてますね!これぞヴィクトリアン!って感じで嬉しかったです。
相変わらずファッションに疎い私は、劇場の大画面で観て初めて気づけました。ここは、劇場公開に素直に感謝!

"Over the many years it has been my privilege to record the exploits of my remarkable friend, Mr.Sherlock Holmes, it has sometimes been difficult to choose which of his many cases to set before my readers.
Some are still too sensitive to recount, whilst others are too recent in the minds of the public.
.But in all our many adventures together, no case pushed my friend to such mental and physical extremes as that of The Abominable Bride."

長年にわたり、並外れた友人、シャーロック・ホームズの冒険を記録する特権にあずかってきたが、
読者に披露する事件を選び出すのは、時に難しい。
繊細な問題をはらむ事件もある。公衆の記憶に新し過ぎてもよくないだろう。
しかし、我々が共にした数多の冒険の中でも、「忌まわしき花嫁の事件」ほど、わが友を肉体的、精神的に追い詰めたものはあるまい。(拙訳)



ワトスンのナレーションの元ネタを探しているのですが、「たくさん記録のストックはあるのだけど、これこれの理由でどれを発表するか難しい」という導入パターンが多すぎて、意外と特定が難しい……ご教示お待ちしております。

ホームズが依頼人ワトスンを紹介して「この人には何でも話して大丈夫」と請け合う台詞は、原作に何度か出てきますね。

「(前略)ウィルスンさん、この紳士はね、いままでに私が成功した多くの事件に、たいていの場合私の相棒となり、助手ともなってくれた人なんですよ。ですからあなたの問題にだって、きわめて有力な役をつとめてくれるにちがいないと思うんです」(赤髪組合)


それをひねって「彼は何もわからないから」と言うのは、多分過去の映画であったんじゃないでしょうか……
私、グラナダ以降のワトスン万歳パターンばっかり観てるんで、その辺記憶が曖昧なんです……ワトスンを贔屓するあまり、ワイルダー版やナイジェル・ブルースを直視して来なかった人生の、ツケを今払わされているぜ。この機会にちゃんと観ないと。

ホームズとワトスンが部屋に戻ると、黒いベールで顔を覆ったご婦人が待っています。
『覆面の下宿人』を思い出しますが(他にもあったかな?)、中の人はメアリ。
ワトスン夫妻が口論する横で、部屋着をまとったホームズが、現代版ジョンとメアリの結婚の日にシャーロックが贈った「ワトスン夫妻のためのワルツ」を弾くのが妙に可笑しい。そして、この時のカンバーバッチ君、漫画家の坂田靖子さんが「わが愛しのホームズ」の表紙に描かれたホームズに似ているなあ、と思います。光の加減でしょうか。


そこにレストレードがやってくるのですが、す、すごい!雰囲気が違う!
現代版の頼もしい「おやっさん」ではなくて、「血色の悪い、鼠のような顔をした小男」にちゃんと見える!!
演技を変えてるせいもあるんでしょうが、私はレストレードに「ヴィクトリアンコスプレ大賞」を贈りたい……!
(お兄ちゃんは特殊メイク部門で……)

ホームズ曰く、レストレードの足音は

"Lighter than Jones, heavier than Gregson."
「ジョーンズより軽く、グレグスンより重い」



どちらもレストレードの同僚刑事です。グレグスンは『緋色の研究』で登場。

「グレグスンは警視庁でもちゃきちゃきの腕ききのひとりなんだ。この男とレストレードとは、ボンクラ刑事の中では優秀なほうだ。ふたりとも敏捷で精力家なんだが、ただ型にはまりすぎていてね、まったくあきれるほどね。そしてお互いに対抗意識が強くて、嫉妬し合うところなんか、まるで商売女みたいだな。(後略)」



現代版グレグスンは”The Reichenbach fall"でちょこっと名前が出てきますね。こちらも、シャーロックに協力を請うていたよう。
→「トバヤス・グレグスン

原作には「ジョーンズ」名の刑事が二人いて、どちらもホームズにはちょっと嫌味。
「四つの署名」に登場したアセルニー・ジョーンズ警部と、「赤髪組合」のピーター・ジョーンズ警部がいるのですが、
足音が重いということは、「fat(肥っている)」と明記されているアセルニーさんのほうじゃないでしょうか。ピーターさんもbulky(体格の良い)って書かれてますけど。
現代版では「ウォーターズ一味の事件」解決時に、レストレードのライバルとしてサリーが名前を挙げました。

煙草を入れたペルシャスリッパや、BSIの役職名にもなってるタンタラス(酒瓶台)、ガソジーン(炭酸水製造機。画像検索で出てくるものと形が違うので自信ないのですが、左端にあったのがそうじゃないかと勝手に思いました)も、ここで出てきます。

現代版シャーロックは、スリッパに紙巻のタバコをごっそり入れてましたね。
→過去記事「タバコとスリッパ
現代版で221Bにお酒を置いてある描写は、あったっけ……?”Many Happy Returns"でジョンは新しい部屋で飲んでましたが、シャーロックと揃って家呑みしてた記憶はないような……
全員にとっての黒歴史、"A Scandal in Belgravia"のクリスマスパーティーあたりで出てきたかもしれないので、今度確認してみます。

ここで事件の概要も語られるのですが、そちらはまた別項で。

(原作からの引用は延原謙訳)
プロフィール

Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

ご閲覧やRSS登録ありがとうございます!まだ廃墟じゃありませんよ~!亀の歩みですが、過去の振り返りも含めてのんびり元ネタ探し続けていきたいと思います。

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