最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
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アプルドアで何が起こったか

やばい、もう11月か!広告が出ちゃってます……
今年はスパイ映画の当たり年で、柄にもなく遊びまわってしまいました。まだU.N.C.L.E.観てないんで映画館に行きたくて仕方ありませんが、体のどこかにあるガイ・リッチー専用スイッチを押されると当分ヒャッハー状態になるので我慢する!財布も全力で「出かけるな」って言ってる!!!

平常時でも思慮が浅いのにとんだ浮つきモードで恐縮ですが、今日はマグヌッセンの「アプルドア」について原作とドラマを比べてみたいと思います。(表記は延原訳準拠です)

『SHERLOCK』の方は、まあ結論から言っちゃうとマグヌッセン版「マインドパレス」なんですが、
書類に交じって女の子の人形の首や、ヘッドホンをした石膏像などが置いてあるのが印象的です。
221Bにもヘッドホンした水牛の首が飾ってあるけど、何なんだろう?私にはわからないシャレオツな世界か……

その外箱としてのアプルドアは、螺旋状の構造にガラスを多用した現代的な建物。
英国に君臨しようとしているマグヌッセンなので、水晶宮をイメージしているのかな、と(少ない建築の知識で)思ったのですが、原作のアプルドアにもガラス張りの温室があります。(現代版でジョンやシャーロックと話している場面でも、階下にたくさんの植物が見えますね)
原作でホームズがミルヴァートンを蛇と表現したのに対し、シャーロックはマグヌッセンを鮫と言っているので、水槽のイメージもあるのかも。

関連記事:『蛇から鮫へ

The place was locked, but Holmes removed a circle of glass and turned the key from the inside. An instant afterwards he had closed the door behind us, and we had become felons in the eyes of the law. The thick, warm air of the conservatory and the rich, choking fragrance of exotic plants took us by the throat. He seized my hand in the darkness and led me swiftly past banks of shrubs which brushed against our faces.

温室の入口にも鍵がかかっていたが、ホームズはガラスを円く切りとって、手をさし入れて簡単にあけてしまった。そしてなかへはいると、急いでドアを閉めたが、これで私たちは法律的にはりっぱに罪人になったわけである。むっとする温かい空気のなかに、エキゾチックな植物のむせぶような芳香がまじって、息づまりそうだった。暗いなかでホームズは私の手をとって、ぐいぐいと進んでゆく。私は木の小枝に顔をなでられたが、ホームズは暗中で物が見えるという特殊の能力を、長年の注意深い鍛錬によって作りあげていた。(延原謙訳)



これ、ホームズシリーズでも指折りの官能的な描写ではないか、と私は思うのですが……
エロい、というより触覚に訴えるというか、温度を感じるというか。
ホームズが「メイドを誘惑」なんて手段をとったせいかもしれないし、ワトスンが不法侵入に興奮しているせいかもしれないですが、現代版マグヌッセンがスモールウッド夫人の顔を舐めたり、人んちの暖炉に放尿したり、シャーロックのパスタに指を突っ込んでオリーブを食べたりする描写にもつながってる気がします。
他人がいとも簡単にパーソナルスペースを踏み越えてきたら、たまらなく不快に感じますよね。コケにされた、というか、人間として大事な部分を踏み躙られた気がする。
北欧の人はパーソナルスペースをことのほか大事にしていて、バス停などに並ぶときにも間を空けると聞いていたので、なおさら異様な感じがします。
余談ですが、ワトスンが木の枝に顔をなでられた、っていうのはジョンがマグヌッセンに顔を弾かれたとこの元ネタじゃないか、と一瞬思ったんですけど考えすぎかな……延原先生の訳だとホームズはうまくよけてるように読めるけど、これ二人とも当たってますよね。

「犯人は二人」はいろんな意味で異色作だと思います。
ミルヴァートンに激怒しているホームズはいつになく感情的になり、いつも以上に手段を選ばない。ハニートラップ?も本当に珍しいことです。
ホームズとワトスンの犯罪行為が描かれる一方で、結末は唐突で曖昧。『ノーウッドの建築士』の兎同様、「そういうことにしておいて?」という含みを感じる終わり方です。第三者が突然現れてミルヴァートンを射殺し、警察もホームズたちの関与に気づかない原作と、現代版の結末は正反対のように見えますが、実は原作もこういう展開だったのかも、と思わせますよね。
どこまで本当に起こったことで、どこからがワトスンの創作なのか、非常にわかりにくい。
アプルドアという舞台の上では、虚と実の境目が曖昧なんですね。だから、ワトスンの描写もいつもと違った感じなのかも。
現代版では、マイクロフトが弟に幼い頃の姿が重なって見えた、という場面でその感じが表現されているようにも見えます。

Appledore Towersという建物名から単純に果物のリンゴを連想していいものかどうかわからないのですが、
SHERLOCKというドラマにおいて、リンゴはいつも重要な場面に出てきます。
まず、"A Study in Pink"でジョンのマグの横にあったリンゴ。
これは蛇をあしらった英国軍医師部隊のマークの横に位置することもあり、イヴが齧った「知恵の実」を思わせます。
これから出会うシャーロックという人間を表しているようにも見えるし、戦争を「知ってしまった」ジョンの悲しみの象徴のようにも、「シャーロックとの冒険に足を踏み入れたらもう戻れない」というジョンへの警告のようにも見える。
第二シリーズでは、ジムからシャーロックへのメッセージとして"I O U"の文字が刻まれたリンゴが。
この頃のジムは好んで童話のモチーフを用いていたので、これは白雪姫の毒リンゴ、と言う感じがしますね。
第3シリーズの「アプルドア」は……やっぱり世界を席巻するあの会社のマーク、なんでしょうか。
似てますよね、マグヌッセンとジョブズ……

シャーロックとジムは、シャーロックが「天使の側」にいるかどうか、という話をしていましたが、リンゴのモチーフは、シャーロックやジョンが「向こう側」に足を踏み入れる時に現れるのだ、と思います。
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プロフィール

Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

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