最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
①正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探し
②ドラマでまだ出てこない原作の事件は、SHERLOCKだとどんな話になるのかな?と妄想する

…を一人で(主にトイレとかお風呂で)楽しんでいたのですが、
さまざまな方にご意見をいただけたら楽しいだろうなあ、と思って始めました。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
【お願い】 ★記事における間違いは、できる限り修正したいと考えております。お気づきの点がありましたら、ご教示いただけるとありがたいです。
★コメントを歓迎しております。初めてコメントくださる方は、こちらの記事をご一読いただければ幸いです。
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「あの場面の元ネタは?」という時はこちらへ
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見るべきところ

NHKの人形劇「シャーロック・ホームズ」、春の放送で見そびれてしまった数話と、新作が放映されました。
録画して何度も楽しんでいます。"SHERLOCK"と同様に、ベースとなっている作品以外にも、原作ネタがたっぷりとちりばめられていて、ニヤニヤさせられます。原作のキャラクターが、三谷幸喜作品ならではの、とぼけた魅力たっぷりにアレンジされてるのも楽しい!
それにしても、人形の表情の豊かさにはっとさせられます。ワトスンの眼の優しいこと!硬い質感にも関わらず、あの髪の毛を両手でわしゃわしゃしたくなります!あああ、可愛い。(それにしても、"SHERLOCK"で初めて同世代のホームズが現れた時も感慨深かったですが、これでついに年上になりました……)

春の放映でもあったかどうかわかりませんが、夏の放映では本編終了後に「シャーロッQ」というミニコーナーがあって、元ネタやそこから見える19世紀イギリスの世相を紹介してくれるという、教育テレビらしい配慮が!
メインはクイズなんですが、時間に制約があるせいか、

Q:メアリー・サザーランドの職業は?1、ピアニスト 2、タイピスト 3、服の仕立て屋


みたいな、、原作知らなかったら勘で当てるしかねえじゃん!と私がお子様だったらキレまくるような、考えさせる気ゼロの3択問題です。せめて先に袖口みせてあげようよ!でも赤毛クラブの電話帳事情は勉強になりました。

さらに、このコーナーのラストでは、元ネタになった原作から、ホームズの名言を一つ紹介してくれます。
おかげで私、全く気付いていなかった"A Scandal of Belgravia"の元ネタに今更気づくことができました。
Eテレさんありがとう!子どもの頃からお世話になっていたのに、アホな大人に育ってしまってすみません……

3●歳児の私がEテレで教わったホームズの名言は、「花婿失踪事件」から。

"You did not know where to look, and so you missed all that was important."
「見るべき場所を見ないから、それで大切なものをすべて見落とすのさ 」(延原謙訳)



この台詞が、アイリーンの裸から目をそらすジョンについての、シャーロックの台詞にアレンジされているのですね。

"I don't think John knows where to look."
"No. I think he knows exactly where. Not sure about you."
「ジョンは、どこを見たらいいかわからないんだ」
「いいえ、彼はよくわかってるわ。あなたはともかく」(拙訳)



ほとんど変わっていないセリフですね。気づかれた方も多かったのではないでしょうか。
「君は見るだけで、観察しない」という台詞がこの直前にあったのですが(関連記事:『灰皿と階段』)、この場面への伏線だったのですね。見るべきところを見ていないのは私でした……

人形劇「シャーロック・ホームズ」でこのクイズが出てくるのは、「消えたボーイフレンドの冒険」。
ワトスンが読んでいた小説が「二都物語」なのにも唸らされました……
この本から学んで、級友3人に的確なアドバイスができる15歳って!現代版boysよりよっぽど大人なんじゃ……恐ろしい子!
私が15歳時の読書から学んだ言葉で彼に対する気持ちを表現するなら、「生まれてすみません」です。

【追記:2014.8.29】人形劇「シャーロック・ホームズ」が放映されたのは、EテレではなくNHK総合でした。
ほんと、生まれてすみません。


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「イントゥ・ザ・ストーム」4DX版と早川書房のホームズパブ(共にネタバレ有り)

今生きてる男性の中で一番のハンサムは?と聞かれたら、私は迷わず「リチャード・アーミティッジ」と答えます!
事あるごとにかっこいいとか好きだとか呟き過ぎて、友人たちは既にスルー気味ですが、神様は聞いていてくださった!
彼の主演映画「イントゥ・ザ・ストーム」、4DX試写会に当選しました!

写真+(1)_convert_20140821064621

別記事やコメントにもちらほら書きましたが、熱中症にかかって寝たり起きたりの夏休みを送っていた私には、まさに夏の神様からの損失補填。しかも大好きな4DXです!
実は、自分でも損失補填を設定していて、早川書房1Fに今夏だけオープンする「パブ・シャーロック・ホームズ」で飲んで夏を締めくくりたい!と、早川書房の近所にお勤めの友人Lさんをお誘いしてました。急遽日程を動かしていただき、Lさんのお仕事帰りに合流することに決定。自分の仕事は忙しくないのをいいことに、盆休みを勝手に一日延ばしました!(だめな大人)

前回「ホビット~竜に奪われた王国」を観に名古屋まで行った時はまだでしたが、東京にも4DXの劇場ができたんですね。今回の会場はシネマサンシャイン平和島。


・・・平和島といえば競艇場だよな、と思ってはいましたが、この映画館はまさに競艇場の隣。
盆休み明けでみんなが働き始める朝、一人仕事をさぼって競艇場行きのバスに乗ると、もう社会復帰できないレベルで遠くにきてしまった気がします。実際遠いんですけど。

映画の内容は、一言でいうと
「ものすごい竜巻体験シミュレーションwithイケメン」だと思います。
防災指導用の、地震とか体験できる車ありますよね。あれにリチャード・アーミティッジと二人で閉じこめられたと思いましょう!

そう言い切ってしまうと、ストーリー性のない映画、とけなしてるみたいですが、誤解を恐れずにいえば主役は竜巻です。それほど、竜巻の表現がすごい!
いろんな意味で劇場は遠いですが、4DXで観ることをお勧めします!
雨や風、煙や匂い、体に加わる衝撃の演出はこの映画にぴったりです!本当に、凄い迫力。感覚を思い切り使って、竜巻に翻弄されます。

映像だけではなく、物語にも工夫がなされています。
卒業記念のメッセージを撮っている高校生、竜巻撮影に全てを賭けるストーム・チェイサー、お調子者のYOU TUBER。
さまざまな人たちのカメラを通して、小さな町がかつてない竜巻に襲われる一日が描かれるのですが、それらの演出すべてが、「観客に、当事者に近い臨場感を持って、竜巻体験をさせる」というひとつの目的に向かっています。

つい数年前に大規模な被災をした国の住人としては、まだその痛みが生々しく、天災をエンターテイメントとして描ききる脚本にひっかかりを感じなかったといえば嘘になります。先日も、災害で小さなお子さんが亡くなりましたね。
自然の前に人間は無力であるとか、家族の絆の尊さとか、観る人によっていろんな感想は出てくると思いますが、私はあえて「竜巻を観に行ってください」と言いたいです。
当事者に近い臨場感、と書きましたが、第三者としてすべてを俯瞰できる視点を与えられているからこそ観ることのできる美しさも、体験することができます。

さて、リチャード・アーミティッジですが、高校の教頭先生で、10代の息子が二人いるシングルファザー役です。リーダーシップがあって、仕事熱心で(今回トーリンと違ってサブリーダーなので、校長に振り回される姿が新鮮!)息子たちには厳格で真面目なお父さん。
父に似て真面目で、ちょっと奥手な長男、やんちゃでいたずら好きな次男という家族構成は、ちょっと「ホビット」のトーリン、フィーリ、キーリの関係を思い出させます。厳しく接しながらも、息子の言動にこっそり0.1秒くらい笑みを浮かべてしまうとか、不器用なお父さんぶりがたまりませんぜ!(←どんだけリチャードを凝視してるんだ)

ちょっとバラしてしまうと、あんなにハンサムなのにハンサムがストーリー上全く生かされてません。ひたすら、無駄にハンサムです。
ヒロイン(『プリズン・ブレイク』に出てたサラ・ウェイン・キャリーズ)とのロマンスは皆無だし、ポスターは竜巻だし、公式サイトにすら(今のとこ)顔が出てない!
主役はあくまで竜巻なので、個人的にはその宣伝方法嫌いじゃないんですけど、ひたすら彼にニヤニヤしてた不審な女としては、もったいない~!と叫びたい!君が好きだと叫びたい!
全国のやもめ好き女子、この夏映画館でリチャードと災害体験車に閉じこめられよう!(←すごいコピー下手)

その後、神田神保町をふらふらしてた私は、見事に熱中症をぶり返してしまいました。ハヤカワビル周辺の方が読んでいらしたらすみません。近隣ビル喫茶店のトイレに3回くらい吐きました(ちゃんと綺麗にしましたよ)!
一日働いてから来てくださったのに、朦朧として会話もあやしく何も食べられない人に付き合う羽目になったLさんが誰よりも災難ですけど(すみません……)!
でもノンアルコールカクテル「ピンク色の研究」をしっかりいただきました!


Lさんは「ワトスン」を。

見た目はオレンジジュースなのに飲むとかなり強烈だそうで、「これは、何か胃にいれないと・・・」とフィッシュアンドチップスを頼んでらっしゃいました(食べられなくてすみません……)。

店内には、貴重なホームズグッズコレクションが展示されてます!壁を埋め尽くすポスターも、新旧のホームズ尽くし。大きなモニターには、様々な国で撮影されたと思われるホームズ像の写真など、ホームズ関連の画像が次々映し出され、どの席に座っても楽しめるように配慮されてます。例の帽子とコートの試着もできますよ!

コースターは、ホームズの名セリフが書かれたもの。さまざまなセリフがあります。どれが当たるかわかりませんが、運がよければレジで全種セットが買えますよ!(手作りなので、あまり在庫がないそうです。)

そして、精巧な現代版221Bドールハウス。
これ、さまざまな書店に展示されていて、話題になってた作品ではないでしょうか。
細部まで本当によくできていて感激です!スカルのビリー君や例のクッションはもちろんのこと、私が気にしてたあの箱まである!比べるだけでも失礼ですが、うちのイカスミとはレベルが全く違う!

そして「シャーロック・ホームズ・トリビアクイズ」!
私がいただいた問題用紙は「ニコチンパッチが2枚は必要な上級編」でした。3枚必要なのもあるのかもしれません。
10問のうち、8問は正典の知識を問う問題。2問は、よく日能研の電車広告にあるみたいな、論理問題。

ぐったりしていた私ですが、ここで覚醒。
Lさんに「大人げない」と言われるほどのガッツを見せたものの(主に日能研問題で)、結果は痛恨の99点でした!
問題の内容がバレてしまいますので、敗因はイベント終了後に追記しますね。
【追記:2014.8.21】問題が変更されたそうなので追記します。敗因は"The Adventure of the Bruce-Partington Plans"(ブルース・パーティントン設計書)でした。これってハヤカワポケミス版では「設計」なんですって。私はどちらでもない「計画書」なんて書いてしまいました)
まだまだです。

でも80点以上なら、認定証をいただけますよ!
(下に、コースターを敷き詰めてみました)

尊敬するシャーロッキアンの先生方や、『SHERLOCK』ファンの皆さんが同じ場所に集って、わいわいお酒を飲んだりしてるのかなあ、と想像するとうれしかったです。
SHERLOCKにはまってから、原作の時代から連綿と受け継がれるファンの営みを身近に感じるようになりました。末席ながら自分も同じ時代にいるということをしみじみと思い、温かい気持ちになります。

「イントゥ・ザ・ストーム」は明日22日公開です!
「パブ・シャーロック・ホームズ」は29日まで営業の予定でしたが、大好評につき9月12日まで延長されたようです。
早川書房のサイトやツイッターアカウントをチェックされてから、お出かけくださいね。
http://www.hayakawa-online.co.jp/news/detail_news.php?news_id=00000816
Twitter: @Hayakawashobo

酔っ払いの捜査

ちょっと体調を崩して、ご無沙汰してしまいました。
リハビリを兼ねて、というわけでもないのですが、シャーロックとジョンが史上最悪のコンディションにあった捜査のことを書こうと思います。

シャーロック演出による、色々と間違ったスタグ・ナイトに舞い込んできた事件。
酔っぱらった二人が依頼人を迎えて調査に行くまでの場面は、いわゆる「ホームズもの」の典型的な展開をうまくなぞっているように思えます。

まず、入ってきたテッサが「どちらがシャーロック・ホームズさん?」と尋ねる場面。
「まだらの紐」「三破風館」などにありますね。
(関連記事:「人違いの話」)
酔っぱらったシャーロックは、いつになく穏やかな顔で依頼人の話に耳を傾けています。
テッサの話が悲しい場面にさしかかると、同情したような表情まで浮かべてる!
いつものソシオパスっぷりはどこへ……!

原作のホームズは、依頼人の話をじっくり聞いて、励ましたりなだめたりできる包容力を持っているんですよね。

シャーロック・ホームズは理解のはやい一瞥を投げて、「けっしてご心配はありません」と前かがみになって彼女の前腕を軽く叩きながら慰めた。「大丈夫、じきに万事解決してあげます。今朝汽車でお着きになったんですね?」(『まだらの紐』)


シャーロックには10年早いと思ってましたが、酔っぱらうと優しくなるんだ……
ジャイアンもそうです。(Wikipedia『ホンワカキャップ』)

眉間に皺を寄せてる印象が強いジョンも、にこにこ笑ってるのが「ワトスン」っぽいんですよね。
眠ってしまうジョンをシャーロックが

"I apologise about my……you know... him."
「すみません、私の……ええと、こいつが」
"Rude. Rude!"
「失礼だぞ!」


とフォローするのも、ラスボーン&ブルース版に代表される「探偵とダメ助手」のイメージ。
酔っぱらったほうが、ステレオタイプな「ホームズとワトスン」に近くなる、というのは笑えます。
既に「シャーロックとジョン」というキャラクターが安定して、視聴者に受け容れられたからこそできるギャグですよね。

ジョンが"Yeah, I'm there if you want it..."(君が来てほしいのなら行くよ)と言うのも、穏やかで素直な(のように、描かれている)原作ワトスンがよく使うセリフ。

"You’ll come with me to-night?"
"When you like and where you like."
「じゃ、今晩やってくれるかい?」
「やるとも!時と処のいかんを問わず、君のいうとおりにするよ」(『空家の冒険』)


“You’ll come with me, won’t you?”
“If I can be of use.”
「いっしょに行ってくれるだろうね?」
「何か役にたつようならば」(『唇の捩れた男』)



"The game is on"も、原作由来のシャーロックの決め台詞ですが(関連記事:『タイトルについて(3)』、こちらはもう"SHERLOCK"の世界では浸透しているのか、聞いたテッサが喜んでますね。ただし、彼女も含め皆がシャーロックの顔を知っているようにも見えないので、決め台詞までは知られてない可能性のほうが高いかな。ただ「引き受けてもらえる」と思ってうれしかっただけかも。

現場についたはいいけれど、いつもの観察眼が発揮できません。
椅子を卵と間違えたりする字幕がでるのは、このドラマをきっかけに爆発的に流行った映像表現のセルフパロディーですね。以前らいかみんぐさんに教えていただいたBBC3制作のスケッチ のように茶化されもしたと思いますが、それらへの返句みたいなものかもしれません。

虫眼鏡を出してくるのも、いかにも「ホームズ」。
虫眼鏡を持って這いまわるのは、「緋色の研究」でホームズとワトスンが初めて一緒に現場にいく場面から。

こういったかと思うとホームズは、ポケットから巻尺と大きな丸い凸レンズをとりだし、この二つの道具によって足音も立てずに部屋の中を歩きまわり、ときどき立ちどまったりあるいは膝をついたり、一度などは腹ばいになってまで調べた。


犯罪現場の状態維持をしろ、とシャーロックが言います。(言えてないし、自分で台無しにしてたけど……)
今は常識になっているので、警察官にシャーロックが言う必要はありませんが、ホームズの時代では科学捜査が普及しておらず、警察官が証拠を踏み荒らしてしまうこともしばしば。こういう現状を、ホームズは嘆いていました。だから、これはとても「ホームズっぽい」台詞なんですね。これも「緋色の研究」にあります。

「いや、よく来てくれましたね、まだなにも手をつけさせずにお待ちしていたんですよ」
「あれだけは例外ですね?」ホームズは小道のほうを指さして皮肉にいった。「水牛の群れが通ったとしても、ああまで踏み荒らされることはあるまい。もっとも君のことだからちゃんと見きわめがついたからこそ、あそこの通行を自由に許したのでしょうがね、グレグスン君?」



一見何をしているかわからないホームズに不安を感じる依頼人を、ワトスンがなだめるお約束エピソード(『バスカヴィル家の犬』や『海軍条約文書事件』など)も、ジョンが再現。

"He's clueing for looks."(彼は探しを証拠てる)


お前が不安だよ!って話ですが……

一連の捜査の後で、ホームズはヤードの刑事さんに手柄を譲ってあげて、僕には仕事が報酬とかなんとか、かっこいい台詞を吐いて終わるのがひとつのパターンなんですが、まったく逆にレストレードに世話を焼いてもらうという綺麗なオチ。
だいたい物語の頭にくるはずの、「面白い事件がどうのこうの」というホームズとワトスンの会話もしっかりおまけについてます。

"Well, thanks for a...You know... an evening."
"It was awful."
"Yeah. I was going to pretend, but...it was, truly."
「えーと、ありがとう、まあ、ほら……一夜を」
「最悪だった」
「ああ 楽しんでるふりをしようとしたけど……ホント最悪だったよ」
(中略)
"Dated a ghost, most interesting case for months. What a wasted opportunity!"
"OK."
「幽霊とのデート、ここ数ヶ月で一番面白い事件だ。もったいない!」
「そっちか」 (拙訳)


過去記事「逃してなるものか!」もご参照ください。
それにしても、ここまで「原作パロ」「ホームズものテンプレパロ」「セルフパロ」と、お楽しみネタをたっぷり盛り込んだ「最後の一夜」エピソードが、本筋のオチにきちんとつながることに拍手を贈りたいです。
このお話は回想シーンがたくさんあって、時系列はわりと複雑なんですが、無駄なエピソードがないのですごくわかりやすいんですよね。脚本が見事なのだと思います。

ミステリであり、ホームズものであり、友情ものであり……とさまざまな切り口から評価される作品を作り続けるのって、大変なことだと思うんです。正直、ミステリとしてはちょっとなあ、と思ってましたし、長期シリーズになれば上記の要素のうちどれかを切り捨てていくんじゃないかと予想してました。
私にきちんとした鑑賞眼があるかはわかりませんが、このドラマがそのすべてをきちんとやろうとしてるのはわかります。その誠意、テンションの持続がすごいなあと思う。
制作者の素晴らしさは今更言うまでもないですが、二次創作ならではの、原作のファンだからこそ出せるパワー(こういうのを『萌え』というんでしょうか)も、きっとありますよね。
さらに、幾多のシャーロッキアンたちが積み重ね、洗練させ、引き継いできた何かが、力を与えていることは間違いないでしょう。

(原作からの引用はすべて延原謙訳)
プロフィール

Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

ご閲覧やRSS登録ありがとうございます!まだ廃墟じゃありませんよ~!亀の歩みですが、過去の振り返りも含めてのんびり元ネタ探し続けていきたいと思います。

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