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最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探しをしております。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
「あの場面の元ネタは?」という時はこちらへ
ブリキの文書箱

英国・サセックスからお届けする希少な蜂蜜

今日から新年度なのに疲れがとれない……
頭がうまく働かない……


そんな貴方に、毎朝ひとさじの生ハチミツ。

ハチミツに含まれるブドウ糖は、脳を活性化する効果があります。
ちなみに砂糖に含まれるブドウ糖も、脳を活性化する効果があります。
君にはそこらへんのカフェに置いてある砂糖で十分だ。コーヒーに二杯も入れて飲めば良い。
燃料を云々する前に頭を使え。錆びついた脳にエンジンをかけろ。話はそれからだ。

代表取締役
シャーロック・ホームズ

【追記】当日のブログタイトル『大自然からのメッセージ……』(3点リーダー込み)
放置し過ぎてうさんくさい通販サイトに乗っ取られた感じに仕上げたかったのですが、スマホ版の出来が我ながら最高だった……!FC2の公式テンプレートがいい仕事をした!上手な嘘とは、現実と紙一重であるべきなんですね!言ってて自分で傷つくけど!
Twitterの方では「起業しました」とつぶやいてみたらそれ系のアカウントさんに速攻フォローされました。リンク見てくださってたらさぞご気分を害されたことでしょうね……

こういう「エイプリルフールに悪ノリするサイトやTwitterアカウント」って、もはやめっきり少数派で……ここ数年は普通の記事を書いていないので毎年「やめとこうか」と思うんですが3月31日になるとついやってしまう……いいの、これが私のひなたの道だから……(※朝ドラもまだ見てる)

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年賀状について本気出して考えてみた

かつて私は、100枚を超える年賀状を出す女だった。

仕事用が6割だったので、プライベート用の数はそれほどでもないんですが……

今でこそこんなダラダラのブログを世間様に晒しておりますが、私にもあったんですよ、何でも隙なくこなしたいお年頃が!
しかも元日に届くように出してた。11月上旬に早割で印刷屋さんに頼んで。このずぼらな私が、自営業でもないのに……信じられん……

近年、上層部が過労とかストレスとかを気遣う風潮になってきて(※気遣われるだけで仕事は減らない)、ある年「虚礼廃止」というお達しにより、職場の人との年賀状のやりとりがなくなることに。
枚数が少なくなると印刷所に頼むのも割高だし、仕事の延長線上にあったときは機械的にこなせてた年賀状作成が、なんか一気に面倒に……

他にも
・宛名印刷に使ってたプリンターを手放した(印刷が必要なときはコンビニのプリンターで十分)
・主に作業日にあててた12月23日が祝日じゃなくなった(直前まで仕事が切れ目なく忙しすぎて、去年と今年はクリスマスの存在自体忘れそうになったよ!)

というような、さまざまな言い訳がございます……
個人的なメッセージを書き込んだりするのは楽しいんですけどね。センス無いからデザインは思いつかないし、年賀状のためだけにプリンターとインクを準備するのも、印刷も面倒だし……

でも年賀状をいただくのはすごく嬉しい……
できれば、心のこもった年賀状には私なりに心をこめてお返ししたい……

と思いつめた結果、今年はいただいた年賀状に手描きでお返事してみました。
温かいリアクションをくださる方もいて嬉しかったんですけど、己に問わずにはいられませんでした……
どうなの私!これ毎年できんの!?
28日まではもう帰ってきたらグッタリだよね!?
じっくり時間をかけて一枚一枚したためられるほど、心も体も余裕ないよね!?
ぶっちゃけSTAY HOMEじゃなかったらやらなかったよね!?(ぶっちゃけてすみません)
コロナ禍終わったら全力で遊ぶよな!?TDRにも行きたかろ!?ホグマニーも見たかろう!?
職場の忘年会も復活するだろうし、帰省もせねばだろ!?(それはなくて楽だったなあ……)

今こそ、全力で省エネ年賀状に取り組むとき……!
というわけで、初心(小学生くらい)に戻ってはんこを活用します!

nezumidoshi
↑2020年(子年)に作ったもの。
賀詞は文房具やさんで買ったスタンプ。ねずみ、チーズ、あと画面が寂しいから入れた謎の三角は、消しゴムはんこを自作してみました。
これは楽しかった!一日あれば量産できるし!
nezumiryosan
↑量産体制

しかし、我が身の不器用さを考えると丑年で詰むということもわかっていたよ……
巳年くらいしか自作できる気がしない……

今年は素直に買いました。
Minneというサイトでひとめぼれした、nijiirostampさんの消しゴムはんこ!
軽やかに走る虎さんが素敵。

ぺたんと押すだけで、ほらかっこいい!

toradoshi
(ついでに他サイトで住所氏名スタンプも注文しちゃったぜ!)

あとは色をつけたりつけなかったり。たくさん押してもいいし、アイデアが広がって楽しい!
そう!この楽しさ!カードを贈るって、本来楽しいことなんだよね!?
楽しすぎてもっと押したくなってきた!
camp
ワトスンのテントをノリノリで覗き込む虎(この後撃たれる)

sanpedro
金銀財宝を持って高跳びするサン・ペドロの虎

deadtigers
セバスチャン・モラン大佐にめっちゃ仕留められた虎の皆さん

余裕があれば、テントや宝石や木につながれた子ヤギのはんこを自作したかった。
(それはニッチ過ぎてMinneでもCreemaでもないだろうから……)

あとねー、バターが作りたてに見えるバターケース作った!!
buttercase

もはやホームズも年賀状も関係ないですが……

今回使ったVersa Craftのインクパッドは、素焼きだったら直接押せるんですって。
素朴な壺風のバターケースを作ったら、かわいいだろうな~。
(うちのバターケースは琺瑯製なので、シール紙にスタンプして貼りました)
甥っ子姪っ子にあげるお年玉袋も作りたい。

この先歳をとっていくにつれ、年賀状のやりとりは減っていくと思います。
年に一度、よっこらせ、ときれいな缶に買いためた(まあ作れれば作った)お気に入りのはんこたちを出してきて、ぺたぺた作業する……そんなおばあちゃんになれたら素敵かも。
あと皆、2年前に買ったインクパッドは普通に使えるぞ……!ちょっと感動!

老後まで見越してしまったあとで気づいたんですが、スマホアプリをダウンロードするだけで、コンビニのネットプリントでも一枚から年賀状が作れる時代なのね……!

印刷代・紙代合わせて1枚80円(切手なし)とちょっとお高いのですが、登山の記念写真を入れて山友に送ったりしたら喜んでもらえそうだな。こちらも活用したいです。

とりあえず近所のセブンイレブンで、手持ちの写真を使って作ってきたよ!
sevennenga

私しか嬉しくないが、私は結構嬉しい………

ハドスン夫人へ愛を込めて

できればもう二度と書きたくない、追悼記事になります。
2021年8月12日、ハドスン夫人役のUna Stubbsさん※が亡くなられたそうです。

彼女演じるハドスン夫人は、本当にチャーミングでした。
Unaさんが"SHERLOCK"という作品にもたらした明るさや軽やかさ、そして強さを思うと、原作の主力たる男性たち以上に、彼女の存在が19世紀から21世紀への変化、そして変わらないものを雄弁に物語っていたということに、あらためて気付かされます。

わたしが最初に「おっ、このハドスンさん『現代版』だなあ」と思ったのは、やっぱりシャーロックとジョンをカップルとして受け容れようとしたところと、"I'm not your housekeeper"ですね。

 家政婦じゃないのよ、と誇り高く言い放ちながらも、おいしいごはんをたくさん作ってくれたハドスンさん。
原作でのハドスンさんは、大家さんであると同時に、事実上の家政婦さんでもあったわけです。
でも、通り一遍の「大家と店子」でもなければ、「雇用者と被雇用者」でもなかった。ホームズとハドスンさん(そしてワトスン)の関係のありようは、『瀕死の探偵』の冒頭で描かれています。

 シャーロック・ホームズの下宿のおかみハドスン夫人は、辛抱づよい女である。二階には時をえらばず妙な人たちが、時には好ましからざる人物が押しかけるばかりでなく、この平凡でない下宿人がまた変わり者で、日常がおそろしく不規則ときているのだから、まったくたまったもんじゃないだろう。
 話にならないほどだらしがないうえに、とんでもない時刻に音楽に熱中するし、時には室内でピストルの射撃練習をしたり、気味のわるいだけならいいが、どうかするとたまらない悪臭をはなつ実験はやるし、彼のまわりには乱暴で危険な空気がつきものなのだから、これはロンドンでも最悪の下宿人というべきだろう。
 しかしその反面、支払いだけは王侯なみに払った。私といっしょに暮らした何年間かに払った下宿代だけで、優にこの家は買えたろうと思う。
 ハドスン夫人は心から彼を尊敬していた。どんなに彼の行動が乱暴でも、決して逆らうことをしなかった。彼が好きでもあったのだが、ホームズは女性に対しては優しく礼儀ただしいからだろう。彼としては女はきらいで、信用しなかったが、相手になるときはいつでも礼儀正しかったのだ。

ワトスン(ドイル)の書き方だとなんか「お金と虚礼」でつながってたようにも読めてしまうのですが(そんなことない?)、続くハドスンさんのセリフで、ハドスンさんの愛情深さやホームズの甘えっぷり(?)がよく伝わってきます。

「(前略)お医者を呼ばせないんですものね。今朝もいってみますと、ほおがこけて骨と皮になり、大きな眼ばかりぎょろりとさせて、私もう見ていられなくなりましたわ。『あなたが何とおっしゃっても、すぐに先生をお呼びいたしますよ』って申し上げますと、『じゃワトスン君にしてください』っておっしゃるんでございますよ。一時間とは待てません。すぐにいらしてくださいまし。でなければ死に目にもお会いになれませんわ」
(中略)「それはいけない。なぜ早く医者にみせないのです?」
「いらないとおっしゃるんでございますよ。なにしろあのわがままさでございますもの。手がつけられやしませんわ。(後略)」


まるできかん坊に手を焼くお母さんの口ぶり。そんな彼女に駆け込まれたワトスンの対応からも、この3人普段からこんな感じなんだろうな~、と見てとれるような……

やっぱりハドスン夫人のいうとおりだ。手のつけられないわがままものになっている。だが私は彼の衰弱を見るに忍びなかった。
「なんとか楽にしてあげたいと思ってね」
「それだよ。僕のいうようにしてくれるのが一番いいんだ」
「わかったよ」
「怒ったんじゃあるまいね?」やっと渋面をゆるめて、苦しそうに息をしながらいった。
こんな哀れなさまで臥ているもののいうことなど、誰が怒ったりなどするものか!

5歳児コントか。このくだり、ほんと大好き……!

このように原作でも「心配性の母とわがまま息子」のような一側面のある、ホームズとハドスン夫人。
そして、現代版ハドスンさんが時に勇敢にシャーロックの敵に立ち向かったように、原作ハドスンさんもホームズの頼れる「戦力」でした。

部屋のなかには二人の人物がいた。一人はハドスン夫人で、私たちを見ると笑顔で迎えてくれた。もう一人のほうは今夜の冒険に重要な役割を演じた奇妙な等身大の人形である。
(中略)
「注意事項はうっかり守ってくれたでしょうね、ハドスン夫人?」
「おっしゃったように、ひざで歩いて致しましたよ」
「結構でした。なかなか立派なできばえでしたよ。ところで弾丸はどこへあたっていますか?」
「立派な像を台なしにしてしまって……頭をつきぬけて、壁にあたって敷物のうえに落ちました。ここに拾っておきましたけど、こんなに尖端が平らになっていますよ」(『空家の冒険』)

……書き出してみて改めて思うんですけど、何この会話。
すごく前のコメント欄でへしこさんも指摘してらしたけど、ハドスン夫人、落ち着きすぎじゃない?「こんなに尖端が平らになって」じゃなくない!?
自分が操ってた胸像がついさっき撃ち抜かれたというのにニコニコしてて、弾丸の採取から分析までできてるって「この女カタギじゃねえな」感、あり過ぎじゃない??
それでいて、聞かれたことへの返事より先に「こんな立派なもの壊しちゃってもったいないわあ」が口をついて出てくるおっとり加減。現代版ハドスンさんのキャラクター、ここで既に完成されていることがよくわかります。

カタギじゃないといえば、現代版ハドスンさんの過去も謎めいてる。
本人の登場より先に語られる「シャーロックに頼んで夫の死刑を確実にした」件。
フロリダで結婚してた旦那は麻薬カルテルの一員(二人殺して死刑)。
結婚前はエキゾチックダンサー。(←ぴんとこなかったよい子のために、ナツミおねえさんwikiにリンクを貼っておいたよ!おうちのひとがいないときにこっそり見ようね!)
スクラッチ・カードが好き。(そういやジョン、●●はするけど今のとこギャンブルはせんな)
「痛点」はマリファナ(!)これは時代もあるよね……

奥さんがいる男と、そうとは知らず恋に落ちたり(ジョンの結婚式でエスコートされてた彼は同一人物でしたっけ?あの後どうなったんだろうな、チャッタジーさん)、結婚で疎遠になった女友達を思い出して涙ぐんだり、やたら純粋な一面も。かと思えば、私はロンドンの一等地に不動産を持ってる女よ!とスポーツカーを乗り回したり。(かっこいい……)
こんな風に並べていくと、ハドスンさんはただの「優しい小母さん」でもなければ、ただの「悪い女」でもない。優れたキャラクターの多くがそうであるように、彼女の魅力は「多面性」にあるような気がしてきます。

そもそも、ハドスン夫人に対するシャーロッキアン(ホームジアン)たちの大いなる疑問は、「このひと本当に一人なの?」ということ。
結婚して221Bを出ていったワトスンが久々に古巣を訪ねる、という設定の『ボヘミアの醜聞』では、どういうわけかホームズはハドソン夫人を「ターナー夫人」と呼びます。
(ちなみに"SHERLOCK"ではこの問題に、隣家にターナーという女性が住んでいて同じように下宿を営んでおり、パソコンを持っていないハドスンさんが彼女のアカウントでジョンのブログに書き込む、というアクロバティックな解決を与えています。ジョンのブログによるとその後、ちょこっと儲かってきたシャーロックとジョンがノートパソコンをプレゼントしたので、ターナー夫人のパソコンを借りなくて済むようになったみたいです)。

そして、他のエピソードの後日談にあたる『最後の挨拶』でホームズの協力者となる老婆「マーサ」を、ハドスン夫人と同一人物と見る説。
ハドスン夫人のファーストネームが明かされていないので、この人の名前をとって「マーサ・ハドスン」とするシャーロッキアンもいるようです。マグヌッセンの資料によると"SHERLOCK"でも"Martha Louise Hudson"という名前になっているので、この説をとっていると見られます。
この先"SHERLOCK"の新作が作られたとしても、残念ながらUnaさん演じるハドスン夫人はもう観られないわけですが、1917年の読者が『最後の挨拶』にハドスンさんの影を見たように、わたしたちもまた何らかのかたちで彼女に出会えるのかもしれません。

最後に、番組の一ファンとして、Unaさんにお礼を言いたいです。
あなたがいつも湛えていた優しさ、可愛らしさ、いたずらっぽさ、その魅力のすべてが原作の「白ハドスンさん」と「黒ハドスンさん」、そして「現代」を見事に繋いで、マーサ・ルイーズ・ハドスンという人物を現代に生きさせてくれた。
彼女がいたから、シャーロックもジョンも、どんなに凄惨な体験を抱えても、221Bに帰ってこられた。そしてまた、ドアを開けて飛び出していくことができた。
あなたの存在こそが、新しいホームズを走り出させ、走り続けさせるための重要なエンジンのひとつでした。
Unaさん、ありがとう。あなたの眠りが安らかでありますように。

(原作の引用はすべて延原謙訳)

※Una Stubbsさんのファーストネームの日本語訳は、「ユーナ」「ウーナ」等の表記ゆれがあるようです。いつもは「ベネディクト・カンバーバッチ」「マーティン・フリーマン」のように、英語名をなるべく片仮名に開いているのですが、今回は追悼記事のため「こちらが正しい」という議論を持ち込みたくない気分だったので、英語表記のままにしました。

母と父のロンドン見物※

(※日本語では『父と母』とするのが多数派でしょうが、シャーロックの両親の発言順に倣いました)

コロナ禍で出会った、HISロンドンさんのオンラインツアーに久々に参加してきました。
前回参加した時の記事はこちら
私が参加した無料ツアーのあと、有料(カフェでランチとコーヒー頼むくらいの値段)で何度かホームズ関連のツアーが行われてたようです。ますます情報量がすごい!

今回は『マイクロフトの行動範囲をめぐる』ツアー(ね、タイトルだけでも財布の紐緩むでしょ?)で、移動距離はそれほどなかったにも関わらず、原作に登場する場所はもちろん、グラナダ版、リッチー版、SHERLOCKなどの映像化作品のロケ地だったり、設定上の場所だったりがギューギューに詰まってます。

私は「原作と比較する」というテーマを持ってドラマを見て、思ったことをこのブログに書いてるけど、HISロンドンのガイドさんたちは「街」をテーマにホームズものを紐解いていらっしゃるわけですね。
たとえばシャーロックとジョンが座っていたベンチが実際その場所にはなかったら、「ベンチを動かして撮影したんだな」と推察する(そういう場面、いっぱいあるそうです)。
リアルタイムでその街に住んでいる人が読んだり観たりする物語は、私が想像する世界と全然違うんだろうな~、と思います。歩く速度でロンドンの「雰囲気」や「サイズ感」を頭に取り込めるオンラインツアー、とても良い刺激になります。

ただ歩くだけでなく、写真資料を用いた説明(というかもう『講義』レベル)や、全員参加型のクイズが豊富にあるのもこのツアーの楽しいところ。
クイズのひとつに
シャーロックの両親が観光していないところは?
1.ロンドン塔
2.バッキンガム宮殿
3.国会議事堂・ビッグベン
というのがあったんですが……わ、わかります
(ホームジアン揃いであろう参加者の皆さんの回答も、キレーに3分の1ずつに割れてましたよ!)

3がストーリーに関わってくることくらいは私でも覚えてたんですけど、なんか入れなかったようなことも言ってたじゃないですか。どっち?
思い出せなかったのが悔しいので、先ほどDVDを引っ張り出しましたよ!(アマプラで観ちゃろ、と思ったら、もう対応してないんですよ……DVDの操作が久しぶり過ぎてすごく不便に感じる)
We caught the coach on time after all. We managed to see St Paul's, the Tower, but they weren't letting anyone into Parliament. Some big debate going on.
「まあとにかく、時間通りに列車(バス?)に乗れたのよ。セントポール寺院とロンドン塔はどうにか観たけど、議事堂は立ち入り禁止だった。なにか重要な審議中だとかで(拙訳)」
というわけで、正解は2のバッキンガム宮殿でした。
(HISロンドンのスタッフさんたちは『意外』とおっしゃってました。ツアーガイドさんから見て、いかにも『行きそうなタイプ』なのかな?)

この前にも怒涛のように喋ってたお母さんですが、ジョンの来訪で一旦221Bから追い出されることに。「土曜までは(ロンドンに)いるから電話して!」と最後まで大騒ぎ。マイクロフトが『レ・ミゼラブル』のマチネに連れて行く約束をしていて、シャーロックも巻き込まれそうになっていたようです。
ジョンは来客を気遣って一旦席を外そうとするのですが、シャーロックが(必死に)引き止める。
これ、原作の導入部で何度かあった展開で、『赤髪組合』がその一つです。
去年の秋のある日のこと、訪ねてみるとシャーロック・ホームズは、非常にからだつきのがっしりしたあから顔の、髪の毛の燃えるように赤い年配の紳士と、何事か熱心に要談中であった。うっかりはいってきた無作法を詫びて、出てゆこうとすると、ホームズがいきなり私をつかまえて部屋のなかへ引っぱりこみ、ドアをぴたりとしめた。(延原謙訳)
シャーロックにしてみれば、お母さんのマシンガントークに閉口していたところでもあり、ジョンとの和解にようやく漕ぎ着けられそうなチャンスでもある。ひとつの元ネタに「軽い笑い」「一途な思い」という2つの解釈をつけるの、やっぱり上手いですよね。
さて、お母さんたちが訪ねた場所(で、話題に出たところ)をまとめたのがこちら。
(HISロンドンさんはもっとわかりやすい地図を表示してくださったのですが、スクショはマナー違反なのでGoogle map で作り直しました)


これに加えてシャーロックのフラット、ベーカー街221Bにも顔を出してる。
真の目的はシャーロックの無事を確かめることだとして(本当にレミゼという可能性も捨てきれないですが……)他にはどこを観光したのかしら。マイクロフトの部屋には行った?ホテルはどこに泊まったの?ルートは?
……と妄想はつきませんが、そこは旅のプロフェッショナル・HISロンドンさんにお譲りして(譲られてもな)、私は元ネタを探そうと思います。

第3シリーズのラストシーンでシャーロックがジョンに名乗ったフルネームは、ウィリアム・シャーロック・スコット・ホームズ。この名前が、著名なホームズ研究家・ウィリアム・S・ベアリング・グールドが著した伝記『シャーロック・ホームズ ガス燈に浮かぶその生涯』(小林司・東山あかね訳・河出文庫)から取られていることは、前にも書きました(過去記事:『ウィリアムとヘイミッシュ』)。
この本によると、シャーロックが生まれたのち、田舎の生活に飽き飽きしたお父さんが家族を引き連れてフランスのボルドーへ。
シャーロックが四歳になるまではボウに滞在。その後、シャーロックの母方の親類・ヴェルネ一族の住むモンペリエに移住。
母方の祖父が病気になったために一旦イギリスに戻りますが、亡くなった後はまた外国を旅する生活に戻ります。オランダのロッテルダム。ドイツに渡り、ケルン。

ダルムシュタット、カルルスルーエ、シュトゥットガルト、マンハイム、ミュンヘン、ハイデルベルク。こうして馬車は、荷物を屋根の上に積み、家族は、中で押し合いへし合いしながら、どんな温度、気候の中でも悪路を何千キロメートルにもわたって、走り続けるのであった。
 十月までは、ハイデルベルクからベルンへ、ベルンからルツェルンへ、ルツェルンからチューンへと馬車は、けたたましい音をたてながら疾走し続けた。都市から村や町へと。さらには、イギリス人が、かつて訪れたこともなく、将来も訪れることもなさそうなヨーロッパの奥地にまでも足跡が及んだ。イタリア、チロルや、ザルツブルグにも行き、さらには、ウィーン、そして、ドレスデンにまで足を伸ばしている。その後、サクソニーに行き、マンハイムでしばらく滞在した。

なんと4年間もの間、幼いホームズ兄弟は馬車でヨーロッパを移動し続ける生活を送ります。
こうした大陸旅行は、当時さほど珍しいものでもなかった」と本文中にありますが、いや~羨ましい。数日間のロンドン観光の元ネタ扱いしては申し訳ないですね……。
その後第4シリーズで、家族構成がグールド説とは違うことが判明しましたが、長兄シェリンフォードの名は予想を裏切る形でしっかり使われていました。
それにしても、万事控えめに見える(まあ、妻と子どもたちがアレだから……)現代版のお父さんがこんな弾けた冒険野郎の一面を見せてくれたら、ますます好きになってしまいそうです。

余談ですが、お母さんのセリフの中のcoachに大型バスと客車のふたつの意味があり、どっちかわからなかった(NHKの録画残しとくべきだった)上に、グールドの伝記の中でホームズ一家が乗り回した馬車もたぶんcoach(四頭立ての大型馬車。これも原書で確認しないとです)。
ざっくり、大移動するための乗り物がcoachと考えていいのかな。

祝!!第5シリーズ放映決定!

注:2021年のエイプリルフール用記事です。2021年4月現在、SHERLOCK第5シリーズの制作は発表されていません。

新型コロナウイルスの流行で世界中の人々の生活が一変した2020年。
2021年春を迎え、状況が本当に良い方向に向かっているかもまだまだわからない中で聖火リレーは始められてしまい、えっホントに今年やるのオリンピック……?大丈夫?には思えないんだけど……と、天災と人災のマーブル模様の中で先が見えない今日この頃ですが、わたし的には「石にかじりついても生きるぞ!」と思える大ニュースが!!

”SHERLOCK" 第5シリーズ、
2022年1月1日 午後9時(GMT)~より、
BBC ONEで放送決定!!

第5シリーズの噂は2019年辺りからちょこちょこあったんですけど、いや~、コロナ禍の中、よくぞ撮影に踏み切ってくれました!大丈夫!?(真顔)
2021年3月17日の記事では、主演のベネディクト・カンバーバッチが多忙などを理由に「時期尚早」みたいなコメントを出してましたが、今思えばあれはフリだったのね。
ロックダウンによる制約は?とかストレンジ先生どうするの?とか疑問は尽きませんが、追って例の「3つのキーワード」も発表され、信憑性が高まってきました。

第5シリーズのキーワードは
"foot"
"Vampire"
"black-faced"

単純に原作短編のタイトルから連想するならば、上から順に
『悪魔の足(The Adventure of the Devil’s Foot)』
『サセックスの吸血鬼(The Sussex Vampire)』
『黄色い顔(The Yellow Face)』

かな~と思います。(もちろん、全然違うかもしれないのですが……)
「今」現代版第5シリーズを作るならコロナウィルスの問題に触れないのはむしろ不自然なように思うのですが(全編マスク着用だったらちょっと残念だな~、などなどファンとしてはいろいろ複雑)、上2つはまさに今我々が恐れている「毒」についての話ですよね。
Vampireに関しては、2020年1月に"SHERLOCK"の共同制作者マーク・ゲイティスとスティーヴン・モファットの原作・制作にて発表された"Dracula"に言及しないわけにはいきません。こちらもかなりの怪作ですが語らせていただくのはまた別の機会にするとして、吸血鬼譚は歴史上第二のパンデミックと呼ばれる「黒死病(ペスト)」と関連付けて語られることも多いです。"Dracula"の制作はコロナ禍の深刻化よりも微妙に前なので、モファティスコンビに語り直したいことがあったとしても不思議ではない、と思います。

2つ目までが社会問題つながりだとすると、3つ目のBlack-facedも(原作の題名やタイトルも含めて)いま尖鋭化している人種差別の問題に関わるのではと思ってしまいますが、こちらも見逃せません。

Since your esteemed visit I have thought much of your case, and though in your circumstances there are some special reasons for the treatment, I would none the less enjoin caution, as my results have shown that it is not without danger of a kind.
It is possible that the serum of anthropoid would have been better. I have, as I explained to you, used black-faced langur because a specimen was accessible. Langur is, of course, a crawler and climber, while anthropoid walks erect and is in all ways nearer.
I beg you to take every possible precaution that there be no premature revelation of the process. 
(前略)先日ご来訪をうけて以来、種々考えてみました。学兄がこの療法を受けらるるには特別な事情がおありとのことと拝察しますが、小生の実験の結果はある種の危険がないでもないことを示していますので、十分の注意を要請いたすものです。類人猿の結成のほうが好結果を来すものと考えられますが、過日も申しあげたように、材料入手の便宜上黒面の尾長猿を使用することにしました。もとより尾長猿が木登りをし、地上では匍匐前進するのに反し、類人猿は直立歩行するするくらいで、より人類に近いものです。なおこの処置法は未だ発表の時機ではありません故他に漏らすことなきよう、くれぐれもご注意ねがいます。(後略・延原謙訳)

『這う男』で若い後妻を迎えてアッチの方の若返りを図ったプレズベリー教授が、自らに黒面尾長猿の血清を投与し、猿のような行動をとってしまうという……
爬虫類をミルクで調教する『まだらの紐』に並ぶ「まあ、時代だからね……」案件なのですが、まだ治験も数量も十分でない「ワクチン」くらいしか希望が見えない中、大して「大丈夫」という根拠もなく国際的な大イベントをやってしまおうという国の人間が、プレズベリー教授を笑ってよいものか。

まあ蓋を開けてみたらぜんぜん違うかもしれないんですが(2回め)、2021年4月1日の状況を鑑みて、管理人の思考にそういうバイアスがかかってたんだな~とあとで笑っていただけたらと思います。

とにかく、来春の放映が今から楽しみです!
できれば"Dracula"みたいに放映後すぐ配信してくれますように~~~!!


追記(2021.4.3)

毎年のエイプリルフールネタを考える上で「ウソ予告」を一度やってみたかったのですが、ウソ予告って意外にタイミングが難しい。第4シリーズまでは「2年に1回、正月に」が定着しつつあったので皆だまされないだろうし、逆にうまくだませすぎて検索上位に上がってしまったら普通に迷惑だし(いらぬ心配に思えるでしょうが、瞬間風速的にそういうこともあったんですよ……)。うまいこと人をだましたい気持ちとだまし過ぎてはいかんだろうという気持ちの間で揺れておりました。(我ながら、もっと有益なことに時間を遣えばいいのに)

2021年は
・S4からだいぶ時間が経っている
・コロナ禍でそもそもドラマや映画の新作が少ない
・来年まで待ったらホントにS5来るんじゃないか(←楽観)

ということでここじゃないか!ここが四月馬鹿の正念場じゃないか!?という私なりの真面目な計画に基づいてウソをついてみたのですが、普通に迷惑でした。
Twitterのエンゲージメント数(ツイート内のリンクをクリックして記事を見てくれた人の数)半端なかった。皆さん大人なのでコメント欄にはポジティブな反応をいただいたものの、嫌な思いをした方がそのピーーーー倍いらっしゃる可能性があります……(怖くて数字書けねえ)

みんなS5を待ってるんだね……としみじみ嬉しかったものの、万が一にでもエイプリルフール後に被害者が出ないように、この記事の告知ツイートは消去しておきます。ブログはもう埋もれてるんで大丈夫だと思いますが、一応記事の始めにも注意書きを。
ちょっとでも期待して見に来てくださった方、ほんとにすみませんでした……そういう方がいたとしたらもうS5が実現しない限り許されない気がするので、ほんと頼むよ(英国に向かって土下座)!!


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プロフィール
Author:ナツミ


Googleから「お前のブログめっちゃクリックされてるで」とメールもらいました!アマプラでSHERLOCK見始めた方が多いのかな?原作にも興味持っていただけてうれしいです~!
顔面最強バディのおかげで来てくれた人もありがとうね!(私はともかくドイル先生は)損はさせないよ!原作のホームズはワトスンにだいぶ甘いので、中の人寄りの獅子雄で妄想してくれてかまわないよ!(何目線からの許可なんだろう)
        
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このブログで考察した「元ネタ」を、ドラマの時系列に沿って探すための索引サイトです。 順次更新致します。 「21世紀探偵・ブリキの文書箱」
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