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最初の挨拶
パンダとジョン

BBC制作、現代版シャーロック・ホームズのドラマ「SHERLOCK」ファンのブログです。
正典/聖典(原作)と比較しながらドラマを観て、元ネタ探しをしております。
ネタバレ満載ですのでお気をつけください!
★原作の文章を引用する際、主に新潮文庫版(延原謙・訳)を参考にさせていただいております。
★全ての記事は、推測やこじつけを基にしており、たまに妄想も入っております。ご了承の上ご利用ください。
★このサイト及び記事へのリンクは、どうぞご自由になさってください。
「あの場面の元ネタは?」という時はこちらへ
ブリキの文書箱

晴れた日はアイスクリーム

私の勤め先では複数の国籍の人が働いているのですが、出身地も年齢もバラバラな人たちが揃って「食べたい~~~!!」と嘆くもののひとつが、Magnumのアイスクリームバー。チョコレートがけされた高級感あふれるアイスクリームです。
英国生まれで、いろいろな国で親しまれているのですが、なぜか日本では見かけません。

Magnumを出してるアイスクリームのブランドがWall's。1786年創業ですが、もともとはロンドンの肉屋さんだったそうです。
夏場に社員を解雇しなければいけない状況を回避するためにアイスクリームを作って売ることを考えつきましたが、第一次世界大戦が起こり、そのアイデアが実行されるのは1922年、他社に買収された後になります。現在はユニリーバがオーナーとなっています。

"What would you do, Vivian?"
"Pardon?"
"Well, it's a lovely day. Go for a stroll? Make a paper aeroplane? Have an ice lolly?"
"Ice lolly, I suppose."
"Ice lolly it is! What's your favourite?"
"Well, really, I shouldn't..."
" Go on."
"Do they still do Mivvies?"

「何をするの、ヴィヴィアンは?」
「はい?」
「すごくいい天気だよ。散歩する?紙飛行機つくる?アイスたべる?」
「アイスかしら」
「アイスね!何のアイスが好き?」
「ええとね、でも今は…」
「続けて」
「Mivviってまだあるのかしら?」



Mivvi Ice Creamsは、商品名を出せないNHKの放送では「フルーツアイス」と訳されていました。おそらくミルク系のアイスクリームを、フルーツ味のアイスでコーティングしたもの。こちらのサイトに古風で可愛らしいパッケージの画像がありました。
Do you remember? Food and Drink Mivvi Ice Creams 

Mivviを売り出していたのはLyons Madeというブランド。素朴で可愛らしい看板を掲げたアイスクリームトラックに、子供時代のヴィヴィアンもわくわくしながら駆け寄っていたんじゃないでしょうか。
Twitterで検索すると、Mivviをを意匠化したポップな壺が出てきます。上記のサイトの内容から言っても、Mivviに代表されるLyons Madeのアイスクリーム は、70年代のアイコン的な存在なのかもしれないですね。当時に詳しい方がいらっしゃったら、教えていただけたらありがたいです。

Lyons Madeは、1992年に Nestléに売却されています。アイスクリーム自体は現存しているけど(検索するとWaitroseとかでも、似たようなアイスが売ってますね)、あの日あの時のアイスクリームとはどこか違う。そんなふうに想像して、あらためて彼女の孤独を感じます。そういう寂しさを、いつか私も味わうことになるのかなあ……

ちなみに私の「懐かしアイス」は トムとジェリーの絵がついた箱に入った、バニラ味とチョコ味がうずまき模様になってるやつ!
高級感溢れるアイスも大好きですが、乳脂肪分低めの、ちょっと安っぽい味がするアイスに郷愁を掻き立てられます。

さて、原作のホームズたちは、アイスクリームを食べたのかしら。
アイスクリームの歴史について調べてみたのですが、この大阪のアイスクリーム屋さんのサイトがべらぼうに面白かったです!

手づくり アイスの店 マルコポーロ
(Geocitiesの閉鎖に伴って移転されるそうなので、その際はリンクを貼り直そうと思います)

原作(正典)中には、一度もアイスクリームは出ていません(……よね?みっちょん様……)。
しかしマルコポーロ様のサイトによると、1898から1926年にかけてペニーリックというガラス製の容器に入れたアイスクリームが売られ、子どもたちがよく食べていたそうです。この回収制容器が不衛生で食中毒を引き起こしたので、代わりにコーンが普及したとのこと。
マルコポーロ様のサイトより「英国のペニーリック グラス事件」
ホームズに仕事の報酬をもらったイレギュラーズの面々は食べていたかもしれませんね。

そして1942年、第二次世界大戦により、英国ではアイスクリームの製造が禁止になります。
これに対して米国では、「兵士の士気をあげるために」アイスクリーム製造が国策として奨励されたそうです。
戦艦にはアイスクリーム製造機が装備されていて、従軍すればアイスクリーム食べ放題というのが宣伝文句だったとか。

マルコポーロ様のサイトより「米軍とアイス 第二次世界大戦中」

当時の英国と米国では食糧事情が大きく異なったわけですが、ひょっとしたら英国では「大の男がアイスクリームを食べるものではない」という意識もあったのでしょうか。アメリカ兵が行列するほど大好きなアイスクリーム、イギリス兵がきらいなはずがないのですが……。
タイタニック号(1912年)でアイスクリームが供されていたともあるので、やはり戦時下では贅沢品という理由で禁止されたのかな。ホームズとワトスンはフランスはもちろん、ジェラートの国・イタリアにも行っていた可能性がありますから、本編に出ていないところでアイスクリームを楽しんでいたかもしれません。
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レストレードは嫉妬する?

学生の頃、新本格ミステリにハマって、ありとあらゆるアクロバティックな死に方を右から左に読み流してた私ですが、すっかり普通のおばちゃんになった今、ひしひしと思います。
ウェルズバラさんちのご子息の件、ほんといたたまれない……

だってだってこの件、誰も何も悪くないじゃないですか、いいご両親にいい息子さんで!
発作が旅先で起こったとしても悲しいですけど、誕生日にお父さんを喜ばせようと帰ってきた息子が目の前で息を引き取ったのに気づかなかったなんて、もう親御さんは悔やんでも悔やみきれないですよ……(どっぷり親目線)!
しかもやってきた探偵は別件に親指疼かせてやがるし!これが原作ホームズだったらもうちょっと……こう……えっと…興味があるふうに装ってくれたぞ!
シャーロックのおかげで「息子さんの思い」がご両親に伝わったこと、長い目で見ればきっと良かったんだと思うんですけれど、あああもう、本当いたたまれない……

で、シャーロックの親指disっといてアレなんですけれども、この記事も別件です。(ウェルズバラ夫妻、本当にお気の毒でした……)
レストレードがウェルズバラさんの事件を221Bに持ってきたときの、シャーロック・ジョンとの会話。

"One condition.Take all the credit. It gets boring if I just solve them all."
"Yeah, you say that, but then John blogs about it,and you get all the credit anyway."
"He's got a point."
"Which makes me look like some kind of prima donna who insists on getting credit for something he didn't do!"
"Well, I think you've hit a sore spot, Sherlock."
"Like I'm some kind of credit junkie."
"Definitely a sore spot."
"So you take all the glory, thanks all the same."

シャーロック「条件がある。手柄はもらってくれ。いつも僕が解くんじゃつまらない」
レストレード「そう言うがな、ジョンがブログに書いたら結局君の手柄だろ」
ジョン「そりゃそうだな」
レストレード「俺が、何もしてないのに手柄だけ持ってく目立ちたがり屋みたいじゃないか」
ジョン「何か、痛いとこ突いちゃったみたいだぞ、シャーロック」
レストレード「手柄の……亡者!って感じだ」
ジョン「そんなに気にしてたんだ」
レストレード「全ての栄光はお前のものだ。気持ちだけもらっとく」



原作でホームズがレストレードに手柄を譲る描写は、全編に渡ってホームズとレストレードの対決が描かれる『ノーウッドの建築士』にあります。

「部下の前じゃいうにもいえなかったんですが、ワトスンさんならかまいません。実に今までにない素晴らしい腕ですなア。どうしてわかったんですか?あなたは無実の人物の命をたすけたうえ、怖るべき恥さらしを喰いとめてくださった。すんでのところで私は警察界における名声を失なうところでしたよ」
ホームズはにこにこして、レストレードの肩をぽんと叩いた。
「名声を失なうどころか、君の評判はおそろしく高くなりますよ。いま書いている報告書に、ちょっと訂正を加えたまえ。そしてレストレード警部の眼をごまかすのが、いかに困難であるかを知らせてやるんですな」
「で、あなたはどうなんです?名前を出さなくてもいいんですか?」
「そんなものはちっとも。僕には仕事そのものが報酬ですよ。それにね、いつかは僕の熱心な伝記作者がまた原稿用紙をひろげることになるだろうから、その時信用はいくらも獲得できますよ。ねえ、ワトスン君?(以下略)」



いや、だからグレッグ言ってるじゃん!あとでワトスンがバラしたら同じじゃん……!と思っちゃいますが……
このお話の冒頭で、当時(ホームズがロンドンに戻ってからの数カ月)「前大統領ムリロの書類事件」「オランダ汽船フリスランド号の事件」など、かなり大きな事件に二人が関わってたことが示された後にこんなことが書いてあります。

しかしながらホームズは、その冷やかな自負心の強い性情から、大衆の喝采に類することが大きらいで、彼の言動、方法、成功などについて私が筆にするのを堅く止めていたのである。その禁止のとけたのが、前にも述べたように、ほんの最近のことなのである。



ってことは、「ワトスンが真実を発表する」ということが、まだレストレードにとって現実的ではなかった、のかな……?
現代版のジョンは起こったことをすぐブログにアップしてるので、刑事さんたちに手柄を渡す暇はありませんでしたよね。
ちなみに「大衆の喝采に類することが嫌いなのでワトスンに記録の発表を許さないホームズ」は、ジョンが『幽霊ドライバー』っていうタイトルをつけようとする場面に出てくる ”People are stupid.”というシャーロックのセリフにつながらないこともないですね。現代版ホームズ兄弟、何回かそんなこと言ってるような気もするけど……

ホームズと、ヤードの刑事たちを巡る「手柄」問題は、第一作『緋色の研究』でさっそく取り沙汰されていました。

「グレグスンは警視庁でもちゃきちゃきの腕ききの一人なんだ。この男とレストレードとは、ボンクラ刑事の中では優秀なほうだ。ふたりとも敏捷で精力家なんだが、ただ型にはまりすぎていてね、まったくあきれるほどね。そしてお互いに対抗意識が強くて、嫉妬しあうところなんか、まるで商売女みたいだな。この事件にふたりとも関係するのだったら、きっとおもしろいことになるだろうよ」
(略)
「だってこいつは君が待ち望んでいたおあつらえ向きのチャンスじゃないか」
「そんなことをいうけれどワトスン君、この事件が僕にどれだけ関係があると思うんだ?かりに僕がこの事件を解決したとしてみたって、グレグスンやレストレード以下の刑事の功績になってしまうのはわかりきっているんだからね。というが(※原文ママ)、僕は役人でもなんでもないからだがね」



ホームズによれば、グレグスンはホームズが彼自身より優れている事をわかっていて、ホームズ本人に対してはそれを認めている。しかし別の人間にはそのことを知られたくないのだ、ということ。
この直後「まあいいか」とばかりに事件に飛び込んでいくので、単にワトスンに対してもったいぶってたというか、そういえばうちの犬も散歩の時リードをつけようとすると嬉しすぎていったん逃げ回ったなっていうか、ホームズが自分への評価を本気で気に病んでいたという印象は受けません。でもラストシーンを読むと、やっぱりちょっとは気にしてたのかも、と思えてきます。

(グレグスンやレストレードの功績を褒め称える記事を見て)

「どうだい、僕が初めからいっているとおりだろう」シャーロック・ホームズは笑いながらいった。「僕らの緋色の研究の成果は、ただ彼らの表彰ってことになるだけさ」
「いいじゃないか」と私は答えた。「僕は事件をみんな日記につけているから、やがて世間の人に発表してやるよ。それまではまあ、成功したんだという意識だけで満足しておきたまえ。--世間の奴らは我を非難する。だが我はわが家に秘した多くの財宝を眺めつつ自らを讃えようといったローマの守銭奴みたいにね」



これが第一作の締めなのだから、シリーズ全体が「ホームズの名誉のために」存在している、という見方もできる。
「刑事たちは手柄ジャンキーでホームズは無欲」という単純な構図があるわけではなく、どちらにとっても、名誉というものは大事なんですよね。モリアーティとの対決を描いた"The Reichenbach Fall"でも、肉体の死以上に「名声が地に堕ちる」ということが重く描かれていたと思います。

原作に出てくる刑事でも特に出番が多いレストレードは、書かれた時期によってホームズに対する態度も違うんですが、長い年月を通して彼の言動を見ていると(過去記事:『レストレードについて』)、単に名声が欲しいというより、まず事件の解決と関係者の救済を願い、そのために能力を競い合っていたという側面が見えてきます。『緋色の研究』の時点ではホームズもまだ若く、刑事たちとの関わりも浅く、見えていなかったものもたくさんあったのでしょう。
「商売女みたい※」とまで言われてしまった原作のレストレードですが、現代版の懐深く大らかなレストレードと案外似ているのかも。部下をはけさせてホームズ、ワトスンと3人になると本音を漏らすとことなんて、人間臭くていいなあと思います。

それにしても現代版レストレード、「現役閣僚の息子の事件だからすごい圧力」「(誰の手柄かなんて)どうでもいいから早く解決して欲しい」って……生々しいな!!
彼には、捜査官としてライバルたちとしのぎを削る前に戦わなければならないものがある……のかもしれません。がんばれグレッグ!

(原作からの引用部分はすべて延原謙訳)

※延原謙役では「まるで商売女みたい」となっていますが、原文(a pair of professional beauties)は「社交界で活躍している美女」という意味だと教えていただいたことがあるので、付記しておきます。

語られざる事件(S4編)

第4シリーズでか~な~りがっかりだったのは、ジョンのブログが更新されてないこと。
それも、今までのように物語の流れで……というのではなく、

John Watson is no longer updating this blog. For the latest Sherlock content on the BBC go to the Sherlock programme website
ジョン・ワトスンはもうこのブログを更新しません。SHERLOCKの最新記事は番組サイトを参照


という、なんとも無粋な注意書きがトップページに……!もう私、自分のブログ更新してないの棚に上げてハルク化しましたよ!
公式、そういうとこだぞ!そういうとここそちゃんとして欲しいんだぞ、オタクは!(机をバンバン叩く)

まあネット上にないだけで、作中ではちゃんと更新されてます(だからこそ、あとちょっと頑張って欲しかったよ!どうせさ~、今までだって書いてたのはメイン脚本家じゃないんだろうしさ~、ドラマとの整合性もイマイチだったし以下自粛)。

シャーロックの探偵業再会を受けて、ジョンもさっそくブログを再開します(ドラマの中だけな!)。
以下はDVDを一時停止してジョンのパソコンを覗き込みながら必死こいて書き写したんですが、職務多忙でご無沙汰してる間に労災申請したい勢いで視力が落ちております。間違ってたらすみません……

221Back!

221B復活!

And we’re back! Sorry I haven’t updated the blog for such a long time but things really have been very busy. You’ll have seen on the news about how Sherlock recovered the Mona Lisa. He described it as “an utterly dreary case” and was much more interested in the case of a missing horseshoe and how it was connected to a bright blue deckchair on Brighton beach.
I’ll try to write everything up when I get chance but it’s not been missing portraits and horseshoes that have taken up my time.

戻ってきました!ブログを長いこと更新してなくてすみません。でも、本当にいろいろあったんだ。
シャーロックがモナ・リザを奪還した。それについてはニュースで見てもらいたいんだけど、彼は「全くもって退屈な事件」と評している。「失われた馬蹄」と、「ブライトン海岸の明るいブルーのデッキチェア」との関連の方が、遥かに興味深いそうだ。
どれも折を見て書くつもりだけど、ここのところ僕が忙殺されてるのは、なくなった肖像画のせいでも馬蹄のせいでもない。

I’m going to be a Dad.
僕はパパになる。

I mean, I thought I’d spent the last few years being a Dad to Sherlock, but it really doesn’t compare. The baby runs all of our lives. (Maybe not THAT different to Sherlock then!) If I’m not changing nappies, I’m buying nappies. I’ve fought in Afghanistan and my best friend once faked his own death but none of that ……
まあ、ここ数年はシャーロックのパパみたいなものだったけど、そんなの比べものにならない。
僕たちの生活はすっかり赤ん坊中心だ(シャーロックの時とそんなに変わらないかも!)。僕はおむつを換えているか、そうでなかったらおむつを買っている。僕はアフガニスタンで戦ったし、親友に「死なれた」わけだが、それよりももっと……



このへん、ちょっとおかしいんですよね。この場面では、メアリはまだ出産前。途中まで「もうすぐパパになる」話をしてるのに、最後のパラグラフでは「生まれてから」の話をしてる。
まあ「PCや新聞など、ドラマ中に映ってる小道具」を無理やり読むと、お話との整合性がなかったり、同じ文章のコピペが続いてたりは今までもあった(初めましての方、そんなとこばっかりつっついてるブログです。お目汚し失礼します)。
モナ・リザに関しては、グラナダ版の『最後の事件』がモナリザ盗難事件だったと思うので、リスペクトなのかもしれません。
馬蹄はどうだろう。『プライオリ学校』で馬の足に牛の足跡に見せかける蹄鉄をつけてたことをちょっと思い出しますね。

あと第二シリーズから1895で止まっててもうそういうプラグインなのかと思ってたカウンターが、18493になってたのは感慨深かったですね(本当はもっと行ってるはずだけど)。この数字には意味があるのかな?わかる方は教えてくださったら嬉しいです。

はじめに登場するのは、夫を亡くした女性。彼女の夫の遺体はファルマス近くの海から回収され、溺死かと思われたのですが、解剖すると肺が砂でいっぱいだったとのこと。
シャーロックは「くだらない」と一蹴するんですが、どうくだらなかったんでしょう。転落死→溺死に偽装して殺した、となると『オレンジの種五つ』とか『黒ピーター』とかいろいろあるんですけど、シャーロックの反応が気になります。

ハザリー氏の事件はまんま『技師の親指』なんですが、原作ではワトスンに恩義を感じている元患者さんがハザリーさんを発見し、ワトスンの医院に連れ込む→治療後ワトスンと221Bへ、という珍しい経緯。ワトスンがホームズに依頼人を紹介したケースは、ワトスンに言わせれば2件しかないそうなので、ほんとに珍しい。しかしここではハザリーさんが救急にも知らせずまっすぐ221Bにやってきた、ということで、原作とは全く違う背景がありそうな事件です。

「(食い気味に)双子じゃない」ネタは、『忌まわしき花嫁』の時にルパート・エヴェレットとイアン・ハートのテレビドラマ "The Case Of The Silk Stocking"ネタだよ、って教えてもらった!未見なのでそのうち観たいと思っております!

美女設定になった(後に記事立てたいと思います)ホプキンス刑事に逮捕されてしまうらしきウィルスンさんはアレですね、『名うてのカナリア調教師』ですね!
「変わった男で変わった趣味を持っていた」とされています。現代版ではほんとにカナリアを調教してたっぽいですが、ジューン・トムスンのパスティーシュではある犯罪の暗喩でした。ホームズとワトスンが変装して潜入したり、面白いのでオススメです。

ウォータールー駅の手荷物預かり所のトランクの中で発見された手足のない胴体。(ディモックさん久しぶり~!……同じ人?)
シャーロックは「腋窩リンパ節のインクの痕跡」、つまり「切り取られた腕にあったはずの入れ墨」を気にしてます。『赤髪組合』『グロリア・スコット号』などで、ホームズが相手の入れ墨から職歴や渡航歴を見抜いてみせたことが思い出されますね。
ジョンが「サーカスの胴体」というタイトルをつけたので、『サーカス美人ヴィットリアの事件』もちょっと頭をよぎったのですが、これは死体が「トランクに入っていた」ことからの、ジョンの連想でしょうね。

"Bloody hell! Is that a guess?"
" I never guess."
「なんだと?あてずっぽうか?」
「僕は決してあて推量はしない」



論理的思考に基づく推理を「あて推量」と言われてしまう場面はいくつかあったと思うのですが、有名なのは『四つの署名』冒頭のワトスンとの会話かな。

“But it was not mere guesswork?”
“No, no: I never guess. It is a shocking habit – destructive to the logical faculty. "
「じゃ単なる推量じゃなかったのかい?」
「僕はあて推量なんかしたことはない。あて推量はおそるべき悪習だ。論理的才能に大害をおよぼす。(後略)」



いくつもの事件に同時に取り組むシャーロック。観てるこっちも必死です(英語力不足で)。
ジョンが「同時に何枚もの皿を回すようなこと、いつまでも続けられないぞ」と諭すんですが、それすらも「場所が回転してたんだ!」と事件解決のヒントにしてしまう。かなり大掛かりなトリックにも聞こえますが、私は『第二の汚点』を思い出しました。

記憶喪失を引き起こす心臓の薬を服用している男性の、同居してる兄弟が絞殺された話。
これは『悪魔の足』に状況が似ているような気がするんですけど、薬を飲んでいたのは加害者の方ってことですよね。『這う男』っぽくもあるかなあ。

シャーロックとジョンがうっかりクラゲを逮捕する努力をしてしまったのは、『ライオンのたてがみ』ですね。これは、まんまって感じ。

ロージーの洗礼の日、シャーロックがメールに書いている「塗りたてのペンキは別の匂いを消すため」は「隠居絵具師」から。
「靴下が片方違う?義兄弟を逮捕しろ」は、原作とのつながりは思いつかないんですが……『緑のはしご事件』を思い出しますね。
「犬が泳げない場合は隣人が殺人犯」も、ちょっとわからない……

わからないことばかりですみません。原作だけでもおぼつかないのに、他の作品オマージュになってしまうともうお手上げです!何なのデッキチェアって!もうブログ書くのも久々過ぎて、だいぶアウェイなんですけど、久々にDVD観たらやっぱり楽しかったので、お粗末な内容ではありますが、これからもほそぼそと更新してこうと思います。

(原作からの引用はすべて延原謙訳)

シャーロックと蜘蛛の糸

シャーロックは221Bに戻り、今までどおり探偵業をこなしながら「モリアーティ」の出方を待つことに。

Oh, I have a plan. I'm going to monitor the underworld. Every quiver of the web will tell me when the spider makes his move.
「計画がある。裏社会を監視する。クモが動いたら、糸の振動ですぐにわかるさ」



このシャーロックのセリフは『最後の事件』から。

“He is the Napoleon of crime, Watson. He is the organizer of half that is evil and of nearly all that is undetected in this great city. He is a genius, a philosopher, an abstract thinker. He has a brain of the first order. He sits motionless, like a spider in the centre of its web, but that web has a thousand radiations, and he knows well every quiver of each of them.”
「彼は犯罪者中のナポレオンだ。大ロンドンの未解決事件のほとんど全部と、悪業の半分の支配者だ。そのうえ天才で学者で理論的思索家なのだ。第一級のすぐれた頭脳を持ち、巣の中央にいるクモのようにじっとしているが、その網には放射状の線が無数にあって、その一本一本の振動が手にとるようにわかる。」



さらっと観た時は、単にシャーロックが自分とモリアーティーの立場を置き換えて例えているんだと思ったんですが、よく聞いてみると、主語が逆でしたね。
テレビジャックをした「モリアーティ」を巣の真ん中にいるクモになぞらえ、シャーロックはその網のいくつもの「先端」から敵の動きを察知しようとしてる。そのために役立つのが、ツイッターのハッシュタグというツールなんですね。

原作のホームズがどうやってモリアーティを追い詰めたかと言うと、これも結構な持久戦なんですよ。三ヶ月ほどモリアーティを見張り続け、「ほんの小さなつまづき」から身辺に網を張る(ここにヤードの協力がかなりあり、裁判の流れもちゃんと想定されてて、あと3日で満を持して『仲間のおもだった連中といっしょに』逮捕できるというところまで来てる)。
第二シリーズでシャーロックがジム・モリアーティと対峙した時は、この逆でした。網を張ってシャーロックを追い詰め、裁判まで仕組んでいたのはジムの方で、シャーロックと25人の仲間がしたのはどちらかというとその「対策」だった。結果としてシャーロックが生きてジムが死んだけれど、自らの死すらも、ジムの計画のうちだったと思います。

つまり、ここにきてようやっとシャーロックが『最後の事件』のホームズと同じ動きを始めた、ということなんですよね。政府がシャーロックの側にいるのも同じ。
今までも何度か書いたんですが、原作のホームズには「正義の味方」という自覚がある(または、あるように描かれている)のに対し、シャーロックは「僕はヒーローじゃない」と言い続けてきた。(過去記事:『ヒーローになる時』)
SHERLOCKの第1シリーズから第4シリーズまで観た今、これは「私達の思う名探偵シャーロック・ホームズ」が作り上げられるまでの話だったのかもしれないなあ、と感じています。
私の思ってた「ホームズ」のイメージとシャーロックは同じではなくて、それを19世紀と21世紀の描写の違いのように思うこともあったけど、それだけではなく、シャーロックが「ホームズ」になっていく話、という風に捉えることもできるのかもしれません。帽子やファンクラブという「アイテム」が揃っていくのも見てきましたが、彼の心にとっても、出会いがあって、別れがあって。自分が軽視してきた感情に苦しめられたり、自分がずっと「こうだ」と思ってたことが実は全然違ったり。

もちろんシャーロック自身の人格が大きく変わってしまうということではなくて、彼を語り継ぐ「わたしたち」の間で今までさまざまに共有され、研究されてきた「シャーロック・ホームズという人間像」がどのように形成されたのかという興味へのひとつの解として、このドラマを楽しむこともできるんだと思います。

(原作からの引用はすべて延原謙訳)

HAPPY EASTER

今年のエイプリルフールはイースターと同日!ということで、エッグハントです。
トップページに、卵は何個隠れているでしょうか。

・この記事中に表記されたもの、コメント欄、広告、リンク先は含みません。
・4月2日を答え合わせ日と致します。3日には元に戻します。
・携帯用サイトなど、閲覧環境によって正解数が異なる場合があります。
・ろくに更新してないくせに、アホ企画のみ健在で申し訳ありません……

4月2日朝追記:

今日は答え合わせモードです。
・タイトル
・その下のブログ解説文

それ以外は細かいので、フォント色を黄色に変えております。正解数は後ほど!


【追記という反省】
めっちゃ難しかった。
延長戦に次ぐ延長戦!コレ書いてるのもう4日!!
一般的なエッグハントは「きゃ~、こんな可愛い卵みつけた!」という歓びにあふれているというのに、システムエンジニア的な疲労感しかない、悪い意味で大人のエッグハント……
しかも隠した自分も一個見つけられてないという!(コピーライトのとこ、ブログ名の変更が反映するということを忘れてました。皆さんオトナなので忖度してくださいましたが、、ブラウザのタブのとこにブログ名が入ってる人もいたかも)
こんなグダグダ企画に参加してくださる方がいらっしゃるということに、感謝しようとしみじみ思った4月でした……
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プロフィール

ナツミ

Author:ナツミ
シャーロック・ホームズが好きです。どちらかというとワトスン君がより好きです。

アイスクリームのこと色々調べてた時、パナップのソースで名刺を作れることに気づきました。印刷もできます。これは可愛い!使い方を間違わなければ!

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このブログで考察した「元ネタ」を、ドラマの時系列に沿って探すための索引サイトです。 順次更新致します。 「21世紀探偵・ブリキの文書箱」
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